大塚国際美術館旅行記 2022年6月-1
旅行期間:2022年6月上旬(当日旅)
高速バスが楽で便利で格安!
1998年に大塚製薬グループが徳島県鳴門市に建造した、陶板で西洋絵画を複製した絵などが約1,000点も収蔵されている「大塚国際美術館」。もう既に設立されてから約20年以上が経過している為に、関西地方に住んでいる人からすれば、一度は訪れた事のある場所にもなっているかと思う。
個人的には約10年程前に、会社の社員旅行の一環で訪れた事がある。しかし、その当時に何を観たかの記憶は殆ど残っていなくて、また写真も全然撮っていなかったので、全くその当時訪問した時の事を思い出せない。。
ただ近年になって海外や国内を旅行する事が増えて、その際に訪問地で展示されていた絵画などを鑑賞していき、美術品に興味が出てきた。その為に、再び約10年振りに「大塚国際美術館」を訪問する計画を立てたのであった。。
※2022年6月時点の回顧録です。。
そして「大塚国際美術館」を訪問する為には、その交通手段をまず選択する必要がある。
「大塚国際美術館」は”徳島県鳴門市鳴門町”に造られているが、このように地図を見れば分かるように四国の右上にある徳島県の中でも、淡路島寄りの尖がった岬部分に位置している。その為に関西地方から行くには、淡路島経由の移動手段を選ぶ必要がある。
※以下は基本、大阪市内の難波(中央区)からの移動となっています。
①車での移動とコスト
淡路島経由の移動手段では、電車が通っていない為に必然的に「自家用車」か、「タクシー」か、「高速バス」での移動となります。
ただ、私の旅の趣旨は”なるべく安価な移動方法”を選択するのが楽しい事もあって、まずはタクシーは金額的に話にならないので排除。
そして自家用車での移動プランは、車を所有していないので、個人的にはこれも排除。
ただし、自家用車を持っている人やレンタカーを借りて、”最短の移動時間”を一番に置いている人からすれば、最善な移動手段である。また、当日の往復ではなく、泊まりで徳島県を訪れる際には車移動の方がメリットが大きいと思われる。

高速バスだと、途中のバス停で停まるからタイムロスにナルト!
また一緒に車に乗って移動する人が多いと、高速バスよりも1人当たりの運賃が安くなるケースもある。

4人家族以上の移動になれば、車移動の方が断然いいナルト!
なお、Googleマップの案内では、大阪市の難波から兵庫県の舞子を経由して淡路島を横断し、徳島県に上陸するのが「約126km、所要時間約1時間33分」と最も早い。
※高速バスだと、片道約2時間~約2時間30分の所要時間。

湊町出入口 → 鳴門北ICの高速道路料金一覧 by『NAVITIME JAPAN』サイトより
そして大阪市難波の「湊町出入口」から高速道路を使って、そのまま徳島県鳴門市の「鳴門北IC」まで車で移動すると、このような高速道路料金となる。
平日の午前中に大阪市難波を出発した場合(ETC利用)に、移動時間が最も早いルートで高速料金(ETC)4,390円となる。
これだと、移動時間は約1時間プラスになってしまうけど、その代わりに高速料金(ETC)3,080円で▲1300円のコストカットが出来る。

高速道路料金は、上記の『NAVITIME JAPAN』で調べてナルト!
また、大阪市内の難波から、徳島県鳴門市まで高速道路を走る場合のガソリン代は
「走行距離252km(往復の距離) / ガソリン単価160円/L / 燃費20km/L」
で計算すると、ガソリン代約2000円(往復走行)となる見込みのようだ。

ガソリン代は、上記サイトを確認してナルト!
②高速バスでの移動とコスト
そして今回ボクが選んだ交通手段が、「高速バス」だった。
自家用車を持たない人間からすれば、自分で運転しなくても、大塚国際美術館の近くまでほぼ直行で乗せてくれる「高速バス」が、楽でかつ乗り換え不要なので快適に移動できる。
ただ、「高速バス」と言っても、大阪市内から徳島県行きのバスは、数社のバス会社が運行していて、乗り場/発車時間/料金などで、自分に最も適したバス会社路線を選ぶ必要がある。
そして色々とネットを見て調べて、「海部観光高速バス」という徳島県阿南市に本社を置くバス会社に辿り着く。
この海部観光高速バスでは、大阪の梅田や難波から徳島県内に向かう高速バスが、毎日10便近く運行している。
※注意:難波を経由する便は、その半分の5便前後。
そして2022年6月に大塚国際美術館へ移動する際に使った「海部観光高速バス」だけど、海部観光側の予約サイトではなく、『高速バスドットコム』という高速バスサイトから予約したのである。
※海部観光高速バスでは大阪市難波から乗車し、大塚国際美術館到着まで約2時間の所要時間。
というのも普通に海部観光側の予約サイトから料金を確認すると、「片道運賃3000円」しか出なかったのであるが、『高速バスドットコム』からだと3日前の予約でも”早割り運賃”の適用となって、「片道運賃2100円」で予約できたからである。
なお2023年2月1日から海部観光高速バスで、『大塚国際美術館へ行こう!』というキャンペーンの特別割引が実際されており、通常運賃の半額となる「片道1,500円(往復3,000円)」で、2023年7月31日まで販売中となっている。

このブログ公開時点で、まだギリギリ間に合うナルト!(汗)
この『大塚国際美術館へ行こう!』というキャンペーンでは、関西方面(伊丹/梅田/難波)や兵庫県三宮から大塚国際美術館までの間の割引適用となっている。
また、「海部観光高速バス」では面倒なネットでアカウントを作成して・・・という手間を掛けない”電話予約”も行っているので、電話で予約したい人向けにも良いと思う。
【海部観光高速バス:電話お問い合わせ】
高速バス予約窓口:0570-064-188 (営業時間10時~19時)
阿南営業所:0884-21-7155 (営業時間10時~19時)
—海部観光高速バスのHPより–
という感じで、今回の大塚国際美術館旅は、オカンと2人で
(運賃1人2,100円×2=計4,200円)
●帰り:大塚国際美術館前を16時37分に出発 ⇒ 大阪難波に19時10分着
(運賃1人2,100円×2=計4,200円) ⇒ 「往復合計8,400円(/2人分)」
という移動手段に決定したのであった。

2~3人までの移動だったら、高速バスと車のどちらを選ぶか、迷うナルト・・・

4人以上で行くのであれば、車の方がメリットが大きくなるな!

運転する労力をコストに入れるかで、損益分岐点が変わってくるな!
③大塚国際美術館入館券引換証付き:バス旅得きっぷ(西日本JRバス)
そして旅行記に入る前に、もう1つのプランとして西日本JRバスが販売している『大塚国際美術館入館券引換証付きバス旅おトクきっぷ』という選択肢も、一応紹介しておきます。
これだと、大阪(梅田/難波)と神戸(三宮/新神戸)以外にも、京都駅からでも大塚国際美術館行きの高速バスが、「大塚国際美術館入館券引換証」とセットになっている。
※バスに乗る前に、各バスターミナル窓口で乗車券(&入場券)の引き換えが必要。(詳しくは公式HPを参照ください)
またこの西日本JRバスのセットプランは、上記『楽天トラベル』でも販売されています。
なので、楽天トラベルでお得なクーポンが発行されているタイミングや、溜まっている楽天ポイントを活用したい人は、この楽天トラベル経由の「おトクきっぷ」を検討してもいいかと思います。
なお、セット料金は、往復運賃+美術館入場料=「合計8,740円/1人」となっています。
※楽天トラベルのクーポン未使用時
なお、大塚国際美術館の入館料は、当日券だと大人3,300円/大学生2,200円/小中高学生550円。
(※前売券だと、大人3,160円/大学生2,140円/小中高学生530円)
今回のボクが選んだ高速バス&入場料は、バス往復4,200円+当日券3,300円=合計7,500円(/1人)でした。
ただ、自分の出発地や人数、時間や予算などを検討したうえで、最適なルートを選ばれるのがよろしいかと思います。

色んなルートを検討するだけで、時間掛かるからな・・・
海部観光高速バスの「難波バス停」から乗車!
そして迎えた当日の朝、バスが出発する約20分前に「海部観光高速バス」の難波にある専用バス停に到着する。
この海部観光高速バスを利用する際に注意がいるとすれば、大阪市難波のバス停が、よく高速バスに乗る際に利用される〔OCAT高速バスターミナル] ではない点である。
この「なんばバス停」は海部観光専用のバス停となっていて、他のバス会社が使っていない場所だからである。
「海部観光専用:なんばバス停」
住所:大阪府大阪市中央区難波4-7-14
※地下街:なんばWalk 「B5」出入り口脇
ただ、このバス停から百メートル圏内で小さい頃から育ったオカンは、流石にこのバス停の存在を知っていたのである。。

難波で生まれ育った私は、高校生時代にこのバス停から乗ってたデ!
そして万が一、「海部観光専用:なんばバス停」が見つけられない可能性がある人向けに、「Googleマップのストリートビュー」を埋め込んでおきます。
個人的には、この近くにある「四海樓 本店」というパチンコ屋さんを長年ホームグラウンドとして事もあって、この辺りの地理には詳しかったけど、一応心配になって事前に現地を確認しに行った程である。。
この難波の土地勘をあまり持っていない人からすれば、恐らくこのバス停を見つける事がやや難しいかもしれない。
今ではほぼみんなスマホを持っているので、地図アプリで簡単に見つけられるかもしれないが、バス停が分からない場合に通行人に聞いても、そんな高速バスの乗り場があるという認識が無いので、「知らんっ!」って言われてしまいそうな場所に思えた。。
※この2022年時点ではバス停前にコンビニがありましたが、後に閉店してしまっています。。
高速バスに乗り込む!
そして「本当にこのバス停にバスが来るのかな?」と半信半疑だったけど、出発時刻の数分前に海部観光高速バスが到着。
それとこのバス停から乗る乗客は、ボクら以外に3人ほどいたので、実は少し安堵していたのだけど。。

車の交通事故死を大幅に減らす発明品が、この「シートベルト」なると!
このバスは「伊丹空港」⇒「大阪駅」⇒「なんば」と乗客をピックアップして、難波からは大塚国際美術館まで直行となっている。
※途中、淡路島北部の「室津パーキングエリア」で、1回トイレ休憩があります。
その為に高速バスは難波から高速道路に入って、一路神戸方面を目指して進む。すると、夏場によく歩いて行った海遊館エリアが見えてくる。この高速道路のある橋は歩行者が渡れない橋なので、この高さから眺める海遊館の景色は、車に乗らないと見れないのである。
そして、その海遊館側から渡し船に乗って歩行者や自転車などが移動できる、対岸の「此花区桜島」の倉庫街が見えてくる。
今の大阪港は「南港」という、大阪市住之江区の埋め立て地に造られた新しい港に集約されている。
しかし元々の大阪港は、この「港区」付近に港があったのだ。

だから、「港区」になってるんやで!
そして難波を出発してから約1時間20分が経過した頃に、淡路島の北側に造られている「室津パーキングエリア」に到着する。ここでは10分間のトイレ休憩となっていて、他にも関西と四国を繋ぐ高速バス会社のバスも、よく停まるパーキングである。
その為に、トイレからバスに戻る際に、間違ったバスに乗り込まないように注意が必要である。。

似たような高速バスがズラリと停まっていたら、一瞬見分けが付かないナルト・・・
この2022年6月に訪れた際には、このように駐車場にはあまりバスが停まっていなかった。
だけど、2023年初めに高速バスを使って高松市まで移動した際に、ちょうど”旅行支援”が適用されている時期だったので、高速バスがこの駐車場に何台も並んでいた。その為に乗ってきたバスの外観などを気にせずトイレに行って、戻ってくる際に「アレっ・・、どのバスだったかな・・・?!」と焦ってしまったのである。

アンタ、油断し過ぎやで!
そんな休憩を1回挟んで約2時間経過した頃に、鳴門海峡大橋を渡って、徳島県に入ってきた。すると、いきなり高速道路を走るバスの車窓に、目的地の「大塚国際美術館」の建物が見えてきて、急にワクワクするのである。
そして徳島県に入って1つ目の高速道路出口「鳴門北IC」でバスは下道に降り、グルッと回って大塚国際美術館のある方向へ走っていく。
なお、大塚国際美術館の前に見えた、こちらの立派な建物は大塚製薬グループの福利厚生施設となっている「潮騒荘」の施設。ここは大塚グループの創業者である「大塚 正士(おおつか まさひと)」の実家だった場所で、約30億円という費用を掛けて保養所が造られている。

『ごきぶりホイホイ』の名前も、この大塚正士さんが付けたでナルト!
大塚国際美術館に到着!
そして大阪市の難波を出発して、約2時間で「大塚国際美術館」の真ん前のバス停に高速バスが到着する。場所的に徳島県でも外れの場所であるが、この大塚国際美術館がある事によって、この地元に大きな経済効果をもたらしている事が理解できる美術館でもあった。
住所:徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65-1
営業時間:9時30分~17時頃(※月曜定休日)
※ただし祝日の場合は営業し、代わりに翌日火曜日が休館
電話番号:088-687-3737
入館料:大人3,300円/大学生2,200円/小中高学生550円
(※前売券大人3,160円/大学生2,140円/小中高学生530円)
●美術館専用駐車場:無料 450台分あり
そして大塚国際美術館の入場料は、敢えて前売券ではなく、アナログな当日券を購入する。
前売り券だと▲約5%OFFになるのだが、”前売り券購入後の変更/キャンセル/払い戻しが出来ない”と公式HPに記載されている。万が一、急を要する事態に陥る可能性も無きにしも非ずという事で、当日券を選んだのである。
ボクは約10年程前に1度だけ来た事のある大塚国際美術館だけど、オカンは今回が初訪問。
あまり絵画などの芸術に興味を見せないオカンだが、この大塚国際美術館の見学は意外と乗り気だったのである。

イエ~~~イ♪
「システィーナ・ホール」の見学!
そして玄関の長いエスカレーターを昇っていくと、見えてきたのが最初に待ち受けている『システィーナ・ホール』。
名前からも分かるように、バチカン市国のサンピエトロ大聖堂の脇にある「システィーナ礼拝堂(Cappella Sistina)」の内観をコピーした部屋である。
なお、本場ローマにあるシスティーナ礼拝堂を実際に訪問した事があるけど、本物のシスティーナ礼拝堂内は写真撮影が禁止になっているので、ちょっと残念な所だった記憶がある。

撮影のマナーは守ろうナルト!
「システィーナ・ホール」の脇には、この大塚国際美術館内の展示品の中でも”人気作品TOP10”が張り出されていた。
それぞれに人気というか知名度が高い作者と作品になっているようにも見えるけど、1位のゴッホの『ヒマワリ』については、力を入れた特別コーナーが設置されているだけに、出来レースのようにも見える順位であった。。
そして「システィーナ・ホール」の中に足を踏み入れると、バチカン市国の「システィーナ礼拝堂」に入った事のない人だったら、本当に丸々コピーした空間に入った雰囲気に思える事だろう。
ただ、細かい事を言うと、ルネッサンス期を代表する芸術家「ミケランジェロ(Michelangelo di Lodovico Buonarroti Simoni)」が描いた天井画『創世記』と、奥の壁画『最後の審判』しか再現されていないのである。
本場のシスティーナ礼拝堂には、両サイドの壁にも壁画が描かれているのだが。。

メインの絵だけ見れれば、充分やと思うけどな!
そんな世界的にも有名なシスティーナ礼拝堂をコピーした天井画『創世記』は、上を見上げて観賞しないといけない作品なので、見たくてもあまり長時間見続けられない作品でもある。
なお、この天井画を描いたミケランジェロは、約4年の歳月を掛けて天井近くに足場を築いて、そこに立って天井を見上げながら絵を描いたとされる。だから約4年も天井を見上げながら描いたミケランジェロも、その後に腰痛に苦しめられた可能性が考えられるが。。

ホール内に普通の椅子を置くより、寝転がって見れるベッドかハンモックがあった方がいいんやけどな!
この天井に描かれている『創世記』は、旧約聖書に出てくる9つのエピソードがメインとなっている。
有名な『アダムの創造』や『アダムとイヴ』などと共に、『ノアの箱舟』などユダヤ教から伝わる聖書に書かれている伝説がモチーフとなっている。
そして奥の壁には、天井画を約4年掛けて製作したミケランジェロが、その約20年後の1533年から、今度は約8年の歳月を掛けて完成させた『最後の審判』が描かれている。
『最後の審判』という宗教的な考えは、キリスト教だけではなく、ユダヤ教やイスラム教でも同様の信仰がある。これは元々の宗教(ユダヤ教など)から枝分かれして出来た分派が、キリスト教やイスラム教になった為に、古い宗教に大きく影響を受けているからである。
そしてこの大塚国際美術館に展示されている作品は、絵画のコピー品という訳ではなく、板状の陶器に絵柄を焼き付けた「陶板画(とうばんが)」となっている。
この陶板画は、陶板に絵柄をプリントして、それを1000度を超える窯で焼き上げた作品である。
なお、システィーナ礼拝堂に描かれている本物の壁画は「フレスコ画」となっていて、フレスコ画は湿度などに弱くて経年劣化がどうしても進んでしまう。それに比べて焼き付けた陶板画は、手で触ってもその着色が落ちない程に保存性が良い。
その為にこれから未来には、システィーナ礼拝堂内のフレスコ画が劣化して殆ど原型を確認できない状態に陥ったとしても、ここ大塚国際美術館に展示されている「陶板画」は、全く劣化せずにその姿を後世に残す役割を引き継いでいると推測されている。
「コピー品」という言葉を聞くと”悪い印象”を受けるけど、絵画の世界では逆にその「コピー品」の方が綺麗に作品として残る事もある。
その為に「コピー品」という言葉で呼ぶには失礼にも思うので、個人的には「コピー品」を『影武者』と呼びたくなった大塚国際美術館の訪問であった。

『影武者』は本物を引き立てる役目もあったな!
こんな旅はまた次回に続きます!
よければ下記ブログ村のボタンをポチッとお願いします!