九州縦断旅:北九州編
旅行期間:2020年8月中旬
鍾乳洞は涼しくて、気持ちがいい!
さて北九州旅2日目は福岡県北九州市平尾台の山の奥にある『千仏鍾乳洞』という、国の天然記念物にも認定されている鍾乳洞にやって来ました。この平尾台周辺には同じような鍾乳洞が何個かありますが、この千仏鍾乳洞はその中でも一番大きくて、しかも途中から足元が水に浸かりながら進めるという珍しい鍾乳洞でもあります。
住所:福岡県北九州市小倉南区平尾台3-2-2-1
【営業時間】
平日:9時~17時 / 土日祝:9時~18時
※秋冬シーズンは日没まで。冬シーズンの入洞受付は16時15分まで
【入場料】・・・現金のみ
大人900円 中学生600円 小学生500円 4歳以上の幼児400円
【駐車場】 100台程の駐車スペースあり
・鍾乳洞内は膝下まで浸かるので、膝上までのズボンがベター
・鍾乳洞前に無料でサンダルの貸し出しあり
・鍾乳洞見学時間は往復50~60分程
千仏鍾乳洞を進む
こちらの説明板によると、鍾乳洞内には大小30個もの鍾乳石が垂れ下りていたり、天井は最大約15mの高さになっていたりするようだ。途中から足元を流れるのは地下水で、未だに地下水によって鍾乳洞内は浸食されているようだ。
さて心の準備は万端なので、いざ鍾乳洞内へと進んで行きます。洞窟内に入ると、早速ひんやりとしています。大昔の人達は岩を掘って、その隙間に暮らしていた事もあって、岩の中は保温性に優れていて夏場は涼しく、冬場は暖かくと意外と快適な岩場である。
この鍾乳洞内には左側の「群鐘」などの札に見られるように、至る所に名前が付けられている。だから普通に鍾乳洞を探索するだけでも充分に楽しめるのが、余裕があればこのような名付けられている札を見ながら、それらの名前が付けられた経緯などを想像するだけで鍾乳洞見学が2倍楽しめると思う。
さてこの千仏鍾乳洞の売りの”水の中を進める”のはまだだいぶ先のようで、当分はこのように階段など水無しで進んで行きます。この千仏鍾乳洞は毎年多くの人が訪れる観光地だけあって、足場はとても歩きやすいように手入れされているようです。
こちらには「ツバメの巣」という札が張られていて、本当にここにつばめが出てきそうな雰囲気があった。ターミネーターの世界じゃないけど、将来AI技術が更に発達して人間の働く場は殆ど無くなり、コンピューター知能メインになる時代が来るのだろう。その時にコンピューター知能(AI)が一番疑問に思うのは「なぜ人間ってのは、こうして何にでも名前を付けたがるのか??」ではなかろうか?
人間という生物には他の生物以上に想像力があり、その代表は単なる点々でしかない星空に星座を名付けた事かと思う。人間ってのは単なる点々を物に見る事が出来る、ある意味恐ろしくもあり素晴らしい生物なのかもしれない。
千仏鍾乳洞内を進んで行く 動画
こちらには「天景」との札があり、天国の景色が見えているかのような錯覚を受ける場所かもしれない。ただ赤い文字の札で「頭上注意」ともあるように、周りに見惚れながら歩いていると頭をぶつける可能性があるので、周囲には注意して歩きましょう。。
鍾乳洞ってのは何千年~何万年も掛けて、ジワジワと削れたり積み重なって出来てきた大自然が創造した芸術である。なのでたかだか長く生きても80~100歳が寿命の人間には、その偉大さがあまりピンと来ない芸術かもしれない。
大自然の鍾乳洞なので自然のままの道を進んで行くのかと思いきや、このように鉄の階段なども設置されていて、案外千仏鍾乳洞は観光客に対して優しい道のようだ。確かにこの真夏の盆休み時期だったけど多くの観光客が訪れていたので、通行する道は通り易くしないと渋滞が発生したりするので通り道の整備は重要である。
基本的に鍾乳洞内は太陽光が差し込んで来ないけど、このように鍾乳洞の岩しかない所でもこのように緑が生存している事に驚く。ひょっとしたらこの蛍光灯の灯で成長しているのかもしれないけど、こんな岩場で根も刺さらない場所ながらもこれだけ葉を広げている事は生命力の凄さを感じれる。
こちらには「大峡谷」と、ウネウネと隆起した大峡谷のような割れ目が見える。こういう景色も単に目の前だけしか見てないと見過ごすけど、同じ地球上に生きる生物として何千年~何万年前の先輩なので、敬意をもって進む必要があるかと思う。
この千仏鍾乳洞、入ってから途中まではそこそこに横幅があったけど、途中から段々と横幅が狭くなってきた。そして鍾乳洞内は一本道なので、狭い道になってくると折り返して帰ってくる人達とで道を譲り合いしないといけなくなってくる。
ましてやこの時は盆休みの時期で、特に暑い灼熱の日でみんなこの鍾乳洞が避暑地のように思っているかのように大勢の人が来ていたので、このように鍾乳洞内は意外と混雑していた。ボクらがここにやって来たのは午前10時前でそこまで混雑する前だったけど、午前11時に見学が終わって車で帰る時には100台停めれるハズの駐車場が満杯になっていて、駐車場待ちの車が数十台並んでいる光景だった。
なので人が多くなる連休は、早く来るに越したことはないと思います!
こちらは「無限天」と札があって、果てしなく天に向かって天井が伸びているような場所だろう。昔の人達は現代人に比べると特に信仰心が強いので、天や神様などの表現を多く使う傾向が多かったのかもしれない。
奥に進めば進むほどに、段々と停滞する度合いが増えていく。先程も説明した通りに奥に進むに従って道が狭くなり、進む人と帰ってくる人で進路がぶつかり、またそれを誘導する係の人が居ないから自分勝手な進み方をするので余計に混雑していくのだろう。
まあそんな混雑時に待っている時間も、この鍾乳洞内の景観をゆっくりと見れる時間を貰ったと思うと、イライラする気持ちなど全く抱かない。
「逆に混雑してくれていて、ありがとう!」とも思える
ここの岩場にも苔がびっしり生えて、さらにこのように葉っぱが生えている光景が見られる。こういう光景を見ると、何故かジブリ映画「天空の城ラピュタ」のロボット兵を思い出してしまう。あんなロボット兵の肩に苔などの緑が生えて、そこにリスのような動物が走り回っている光景が脳内に思い出される。
そうしていると後ろの方から「ちょっと、通しておくんなはれ!」という感じで、制服のようなのを着たおじいちゃんが通り過ぎて行く。そして先に進むとさっきのおじいちゃんが、交通整理をしてくれていた。なので少しは混雑解消に繋がったかもしれない。
水際の分岐点「奥の細道」に到着
さてここで「奥の細道」との白い札が見えてきました。思わず「松尾芭蕉かよっ?!」って思いたくなる位の札の名前ですが、ここがこの千仏鍾乳洞のだいたいの中間地点のようです。
そしてこの「奥の細道」からは地下水が湧き出している通路になるので、靴を履いている人はここで靴を脱いで先に進む必要があります。ですがこの鍾乳洞を訪れている人は殆どがその水の中を歩くのを楽しみにしている人ばかりなので、ここで靴を脱いだり引き返したりしている人は皆無で、みんなサンダルを履いてきているのでそのまま進む人ばかりでした。
ここから地下水に足を浸けます。先を進む子供達からは「わ~~冷た~~い!」という声が聞こえてきます。最初の看板にもあったようにこの鍾乳洞内の水温は14度くらいなので、めちゃくちゃ冷たい訳では無く、暑い外の気温を考えれば非常に気持ちいい冷たさです。
「奥の細道」の先へと進む 動画
さて足元が水に浸かってヒンヤリとして、心地いい状態になりながらも進んで行きます。なおこの辺りはこのように人が1人分しか通れないような場所もあって、1本道の鍾乳洞だけあってどうしても渋滞が発生せざるを得ない状況が理解できます。
これから先の道が全てさっきのような細い道ばかりではなく、このように開けた場所もあるのでこういった場所で帰って来る人達を交わしたりしながら進んで行きます。
このような鍾乳洞内の通路も人工で造ったものではなく、こうやって流れる地下水が何千年~何万年も掛けてジワジワと岩を削っていって出来上がったものである。ただし未だに水は流れ続けているので、この通路もまだ完成品ではなく、まだ進行中の作品なのである。
こういった水の流れで浸食できた道は、激しい流れの水ではないので、ナミナミとした模様に浸食されているのが特徴的である。時には激しく、時には穏やかにという水の気質が現れているかのような通路である。
千仏鍾乳洞内をどんどん進む 動画
この辺りが一番水かさが深い場所だったけど、大人だったらふくらはぎの高さまで位にしか水に浸からないので、普通に膝付近まで上がっているズボンであれば濡れる心配はないと思う。
そして「獅子口」に差し掛かる。名前からしてライオンが口を開けて待ち構えているかのような場所なんだろうけど、全然そんなイメージを感じなかった場所。。
途中から水に足元が浸かりながら鍾乳洞内を進んで行ったけど、足元は苔などが生えていなかったので特段滑り易い訳でもなく、普通に歩いていけた。ただ足元の水が流れているので、油断すれば滑る可能性があるので気を引き締めて進む必要はある。
しかし鍾乳洞内のこういった景観を見ると、改めて地球が生み出す造形美には感動させられる。しかも何千年~何万年も掛けて造られたものなので、到底人類には生み出せない美しさが宿っている。
ここからは天井が少し低くなっていて、その代わりにこの辺りが鍾乳洞内のハイライト部分でもあるようなのでライトアップされていた。その代わりに「照明設備には触れないでください」との札がある。
ここからは大人は腰を曲げての中腰体勢で進まないと、天井に頭をぶつけてしまう位の高さだった。ただその代わりにここだけ特別に照明が増えてライトアップされていたので、頭をぶつける人は少なかったように思う。
そんなライトアップされているこの場所の名物が、この「初音乳」だろう。こんな通り道の真ん中に嫌がらせのように突き出ている、鍾乳石である。この鍾乳石は石灰岩を浸食した水が垂れ下がって、それの繰り返しで石灰成分が固形化してこのような突起物が出来上がっていくのである。
千仏鍾乳洞内を進む障害物の「初音乳」も、アッサリみんなに簡単に交わされていく・・・。せっかくこんな目に入る場所に札がかけられているのに、意外と通行人たちは無関心な感じで先を急いで進んで行く。。
このように簡単な道ばかり進むのではなく、少しは苦労しながら進んだ方がゴールに辿り着いた時の達成感があると思う。そういう意味では平坦な人生よりも、荒くれた人生の方がゴールに辿り着いた時の達成感は大きいのだろう。
そう思うとボクも、もっと荒くれた人生を送るべきなのかと自問してしまう。。
さっきまでの灼熱の真夏の気温下とは違って、この鍾乳洞内の気温は16度前後と非常に快適な温度である。なのでこの鍾乳洞を進んでいる途中に汗を掻くという事はないけど、鍾乳洞の見学を終わった後に足を拭くタオルは必要である。
鍾乳洞を入ってから中間地点の「奥の細道」までは、混み合っていた時期なのもあって約25分掛かった。ここから照明無しで行ける最奥地点の入口から900m地点までは10~15分程で到達できる見込み。
しかし何度見ても、根っこも満足に生えないこのような場所で、これだけの葉っぱを拡げる植物の生命力に改めて感嘆する。こういう鍾乳洞を見学するだけで人間の存在ってものは地球上ではとても小さくて、大自然が織りなす生態系があって初めて人間は地球上に住まわせてもらっているという事実を再認識するのであった。
こんな旅はまた次回に続きます!
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