綺麗な湧き水が溢れる稲積水中鍾乳洞で、神秘的な世界を観る!【九州縦断秋旅行記56】

九州縦断旅行記(秋)2020年-56

 旅行期間:2020年10月24日~28日
(Watch the mysterious world of the Inazumi Underwater Cave, filled with clean spring water!)

青色の池?!

これから進んで行くのは「稲積水中鍾乳洞」という、水中鍾乳洞としては日本イチの長さを誇るという鍾乳洞です。元々は普通の鍾乳洞として長年を過ごしてきた洞窟ですが、阿蘇山カルデラの大噴火によって行き場を無くした水がその洞窟内に湧き出る事になり、それ以降は水中鍾乳洞になってしまった場所。

 

 

 

稲積水中鍾乳洞内を散策!

ここは普通の鍾乳洞と違うのは、名前の通り水に浸かってしまった鍾乳洞という事。鍾乳洞というと地下の洞窟内に落ちてきた石灰岩の成分を含んだ水が滴り落ちてきて、その際に石灰岩の成分が積み重なっていき、長年かけて鍾乳石と呼ばれる石のような突起を形成していく。しかしここはその後になってから水が湧き出てきた為に、ほぼ水中に鍾乳洞が浸水してしまって、流れる水によって鍾乳石が削られたり、天井などに穴が空いたりと浸食されてしまっているのが特徴的なのである。

 

 

鍾乳洞を進む 動画

 

 

水中鍾乳洞というだけあって、いきなり脇にはこのように水が溜まっている穴のような場所が見えてくる。イタリア名物の青の洞窟を連想させるようなブルー色になっている穴だけど、これは自然になっている訳ではなくて、この近くにブルー色の照明が設置されているから、このように見えているだけである。

 

かつては湧き水で浸水してしまっていた鍾乳洞内だけど、近年に発見された後に観光施設として開発された時に、洞内の水を排出する為の水路が造られているので、今ではこのように濡れずに洞窟内を散策できるようになっている。しかし足元は不安定なために、歩きやすいようにと足場が造られている。

 

洞窟内を進んで行くと、まずは分岐点が見えてくる。ここで右か左かに行くかの選択肢とぶつかる。なお稲積水中鍾乳洞の全長は1,000mを超えるとされているけど、観光用として整備されているのはこのそれぞれ約200mの部分まで。この先はまだまだ小さい洞窟が続いているらしいけど、潜水道具を装備していないと進めない穴となっているようだ。

 

さてどちらに進むかはここに来たかった朋ちゃんに任せたけど、順路通りの道を選ぶのかと思っていたら、予想に反して順路の看板とは反対側を進んで行くのであった。。

朋ちゃん
朋ちゃん

なんとなくよ~~!

 

このように鍾乳洞内には誰が付けたか分からないけど、それぞれに色んな名前のポイントがある。ここは「仙人の渕」となっており、仙人が修行するポイントか、仙人のイメージのような神々しい雰囲気に思える場所なのだろう。

 

この鍾乳洞内では観光しやすいようにと溢れる水を排出しているけど、所々にある穴にはこのように水が溜まっており、水中鍾乳洞らしい顔を見る事が出来る。

 

こちらは「底なしの渕」という名前で、文字通り下が見えないほどの穴が続いている場所のようだ。

 

約30mの深さになっている穴のようで、そこにはダイバー用の命綱が設置されているようだ。このような穴を探っていくには、ダイバーが潜って調査をするのであるが、穴も奥へとどんどん続いている箇所があるので、このような命綱を設置しないといけない程に穴が続いているのだろう。

 

基本的に水中では鍾乳石という物は形成されない。だからこのように水中にも鍾乳石が見られるというのは、この部分には昔は水がなかったという事の証でもある。

 

 

そしてこの鍾乳洞内にある水は、基本的には全て日本名水百選の「白山川」の綺麗な湧き水。ただ湧き水と言っても、正確には本当に湧き出ている訳ではなくて、山などに降った雨が一旦地面に吸収されてから濾過装置のように濾されてから染み出てきた水なので、循環してきた水といった方がいいのかもしれない。

 

なのでこの辺りは山奥にある僻地だけど、自然の恵みが豊富な場所でもある。それを惜しげもなく開発してしまう人間だけど、この鍾乳洞が無ければわざわざこんな山奥に来る事も無かっただろうが。。

 

阿蘇山カルデラの大噴火の影響によって、それまで鍾乳洞だった穴が水中鍾乳洞に変貌してしまった。考えられない位の大規模噴火だった阿蘇山カルデラだけど、地球は常に活動を続けており、形を変え続けている訳である。

 

約2ヶ月間に訪れた北九州市にある千仏鍾乳洞では、奥の方へ進むと足元を水が流れて、それで浸食された道を進んだ。しかしここはちょびちょびの水ではなくて、大量の水が溢れ出したのでそんな浸食された道ではなくて、至る所に大きな穴が形成されているのを見かける。

 

あまり神秘的な鍾乳洞の光景に見えないのは、大量の湧き出た水によって鍾乳石が浸食・削られていった為でもある。ただこのように少し高い位置には、幻想的にも思える鍾乳石が顔を覗かしている部分も見える。

 

このような鍾乳石の1センチを形成するのに、約100年位の歳月が必要だという。という事は目の前に見えている鍾乳石は、何万年も前から地道に長さを伸ばしてきているのだろう。

 

鍾乳石は石灰岩の地層などを溶かしながら落ちてきた水が、ここでその成分を残留させていく事によって、その成分がどんどんと積みあがっていってこのような形となる。なので基本的にはその近くに石灰岩の地層や岩場が無いと鍾乳洞は形成されないのである。

 

だから北九州市にある千仏鍾乳洞や、山口県の秋芳洞などはその地表に石灰岩が顔を覗かしている光景を目に出来る。だからどこの洞窟にも出来るという訳ではなくて、鍾乳洞が出来る条件を満たしている洞窟に鍾乳石が出来るという訳でもある。

 

そして進んでいると、右側にモンスターの顔のようにも見えなくない箇所が出てくる。こちらは「ヘリクタイト」という、様々な鉱物が不規則に曲って洞穴の壁や天井に堆積したもので、一見は鍾乳石にも見えるけど、そうではなく似た成長をしてるのである。

 

この「ヘリクタイト」とはギリシャ語で「Helictite」という”ねじれる”という意味の言葉である。鍾乳石は基本上から垂れてくる水によって垂直に形成されていくが、このヘリクタイトはこの洞窟内で凝結した水分が鍾乳石の成分である石灰岩を溶かして、その水分が垂れていくので基本的には斜めや水平方向に形成されていくという。

 

同じ洞窟内で似たような形をしているからというだけど、全部が全部鍾乳石ではないようだ。ただ地質学者でもない人間からすれば、詳しい説明が書かれていなければ、そんな事など知る由もない。。

 

洞窟内を進んでいると、このように今度はグリーン色になっている場所も見えてくる。しかしこれらは全てカラー色の照明によるもので、この洞窟は基本的には太陽光が入らない場所なので、電気を消せば真っ暗になるのである。

 

 

最終地点「示現の渕」にて

そして右側のルートをゆっくり10分程進んで行くと、最終到達点の「示現の渕」が見えてくる。右側ルートでは、現在はここまでしか辿り着けないようになっている。

 

このように足元には大きな穴が出来ており、ここからまだ奥に穴は繋がっているという。潜水具を付けたダイバーが潜水調査を行った所、まだまだ奥には続いているらしいけど、さすがにそこまで行くにはかなりの量の水を排水しないといけない為に、観光客はここまでとなっている。

 

 

「示現の渕」の景観 動画

 

 

なんとここからまだ最低500mは穴が伸びているという。世界中にはこのような自然に出来た穴ではなくて、人間が掘り進んで大きな穴を造った場所もあるけど、改めて自然の創り出す造形には感嘆してしまう。

 

トルコのカイマクル地下都市やポーランドのヴィエリチカ岩塩坑など、人類が地中に掘り進んだ場所もかなり深くまで造られているので、実際に訪れてみると驚く。そう思うと人類も地球の造形にチャレンジできる、偉大な生物なのかもしれない。

 

 

このように最奥は池のようにも見えるけど、ここも数万年前に阿蘇山カルデラが噴火しなければ、これらの水はここには存在せずに空洞で普通の鍾乳洞となっていた場所。しかし今では綺麗な天然水が湧き出る場所となっているが、このように海みたいなブルー色ではなくて、これらはカラー色の付いた照明で照らしているだけなので、勘違いしないように。。

朋ちゃん
朋ちゃん

ワ~~、青い色でキレイ~!

 

このように水中に鍾乳石が見られる。これは元々水が無い場所で形成されたのが、水中に沈んでしまったのである。このような鍾乳洞が水に浸かってしまった水中鍾乳洞というのは日本国内でも珍しくて、あまり日本国内で見学できる場所はないようだ。

朋ちゃん
朋ちゃん

レアな場所だから、来たかったのよ~!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

よければ下記ブログ村のボタンをポチッとお願いします!

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 旅行ブログ 国内旅行へ

↓↓↓↓九州縦断(秋)旅行記:初回↓↓

再び始まる、福岡~佐賀~長崎~大分~熊本の九州旅【九州縦断秋旅行記①】
2020年10月下旬に訪れた、福岡県から開始して佐賀~長崎~大分~熊本を巡る旅の開始。なお今回は旅仲間と巡りますが、初日の福岡巡りは前乗りという事もあって、1人で巡ります!
タイトルとURLをコピーしました