綾町の照葉大吊橋でコロナ禍でも頑張って営業を続ける大阪人のオジサン【宮崎旅行記㊳】

宮崎県旅行記2020年-㊳

 旅行期間:2020年10月18日~22日
(An old Osaka man trying his best to stay in business even with the Corona disaster at the Teruha Suspension Bridge in Aya Town.)

何故ここに大阪人?!

ここは宮崎県綾町が誇る日本でも最大級の照葉樹林が広がる山手に造られた、建造当時は日本イチの高さを誇った歩行者専用吊り橋だった「照葉大吊橋」。この吊り橋はあくまで観光客向けの為に歩行者のみしか通れない幅になっているけど、これでも長さは250mもあり、高所恐怖症の人でなければ充分に楽しめる場所である。

 

【綾の照葉大吊橋】

住所:宮崎県東諸県郡綾町南俣大口5691-1
営業時間:8時30分~18時頃(10月~3月は17時まで/無休)
電話番号:0985-77-2055
入場料:350円

 

 

 

綾町が誇る照葉大吊橋にて

この照葉大吊橋を訪れたのは2020年10月の平日だったので、この橋を渡りに来ている観光客の姿は殆どなく、このように橋を独り占め状態であった。この吊り橋は1984年に完成した当時は”日本イチ”の称号があったので多くの観光客が訪れたようだけど、2006年に大分県内に更に高い橋が造られた為に”日本イチ”の称号は逃げていってしまった。

橋や高層ビルは競争でどんどん大きな物を造っていくからね!

 

そして橋の下約140mに見えるのは「本庄川」で、最終的には大淀川と合流して宮崎市内を通って外洋に出ていく川である。この辺りは『九州中央山地国定公園』にも認定されている綺麗な自然が残っている場所なので、そこから湧き出る水が川となって流れる本庄川もこの綾町の宝物でもある。

 

この辺りもよ~~く観察すると大きな渓谷になっているのが分かる。何十万年も前から水が渓谷を流れ続けて大きな渓谷となり、その場所に長い時間を掛けて照葉樹林の森が形成されて、今ではこのように森だらけの景色となっている。

 

長さが250mもある照葉大吊橋自体はほぼフラットな高さになっているけど、厳密にはその場所によって高さが異なる。というのは橋ではなくて、橋の下の地形が関係しているからだ。なので橋の中央部分まで行くと、このように「ここが吊橋から一番深い場所です(高さ142m)」と書かれている場所がある。下の地形で川になっている部分が、一番深くなっているという訳である。

 

下を見ると川が流れていて、その先には小さく吊り橋も見えている。あの小さく見える吊り橋は「かじか橋」という、長さ75mの橋であるが、この訪問時は周辺の遊歩道が通行止めとなっていたので、このかじか橋を訪れる事が出来なかった。

 

高所恐怖症の人からすれば、橋から約140mも下を見るなんて考えられない事をしているとしか思えないだろうけど、出来ればここでバンジージャンプをしてみたい気持ちが湧いてくる。人生でまだバンジージャンプをした経験がないので、是非一度はしてみたいのである。

 

この照葉大吊橋は耐震構造の見直しもあって、2011年に新しく2代目の橋として架け替えられて生まれ変わっている。だからそれなりの地震がもし起きても、この吊り橋は耐える事が出来るようだ。

 

しっかりとした足場の上に造られている橋とは違って、吊り橋は基本的にはロープで張られているだけなので、そのロープが切れたら橋が落下する恐れがある。しかしこの照葉大吊橋はご覧のように、ゴッツイ鋼鉄のロープなどで支えられているので、逆にスリルがあまり無いのが難点なのかもしれない。

いつロープが切れるかも・・・と思いながら渡る方が楽しめますよね!

 

この橋の幅は1.2mと、対面から人が来ても何とか交わせる幅となっている。橋を戻っている最中に散歩がてらにやって来たように見えるオバサンとすれ違う。すれ違う時に「こんにちわ~~!」と挨拶したけど、ボクの事を怪しいヤツだと思ったのか、無視されてしまった。。

日向夏男
日向夏男

挨拶はコミュニケーションの基本なのにね

 

こういう鋼鉄製の絶対安全な橋も良いけど、ボロボロのいつロープが切れない橋にしてもいいかもしれない。もし観光客を集めたいと思っているなら、3代目の橋に架け替える際にはいい橋を造るのではなく、怪しい橋を造る事をオススメする。

 

この照葉大吊橋は250mなので、橋の上からの景色を眺めながら歩いていくと4~5分程で対岸に到着する。一応日本国内では歩行者専用吊り橋としては2番目に高い吊り橋なので、このような高い吊り橋を歩ける経験がなかっただけに意外と楽しめたのである。

 

なお今の日本一(歩行者専用吊り橋の高さとして)である、大分県にある『九重”夢”大吊橋』はまだ行った事がないけど、この綾町の吊り橋との凄さを比較する為に是非行ってみたい場所となった。なのでまた大分県に行く機会があれば、是非訪れようと思う。

 

こちらは帰り道途中に見つけた、軽石などを入れ物としている岩松などである。こちらは入場料を払ったエリア内に置かれていたので、綾町が管理していたお土産なのかもしれない。

 

このように盆栽や植木などもその鉢を替えてみるだけで、全然趣が変わってくる。このように軽石を削った入れ物というのも珍しいけど、ボクの家の近くにある盆栽屋さんではなんとエアマックス(NIKEの靴)を鉢代わりにして育てている。

 

このように盆栽や植木などは、その人の創造力次第で大きく印象が変わる。そういう意味では何でも人の真似ばかりしている訳ではなく、たまには周りの目は一切気にせずに自分の世界観を構築して、オンリーワンを目指す事も大事である。

 

そして照葉大吊橋の駐車場まで戻ってくるが、その入口に造られている休憩所や勉強が出来る施設はあいにくコロナ禍の影響を受けて閉まっていた。この2020年はコロナ禍で全国を巡るにはどこも空いていて良かったけど、その代わりにこのように閉まっている施設も多かった。

 

 

元気なお土産屋さんのオジサンと出会う!

そして今回の宮崎旅の中でも、個人的に一番の素晴らしい出会いだったと思っているのが、この入口脇で商売をしていたオジサンである。ここのオジサンのどこが凄いかというと、場所柄、照葉大吊橋を渡るには必ずこのお店の前を通過しないといけないけど、それに甘んじて店から見ているだけではなくて、店の前を通る人全員に必ず大きな声で挨拶していた事である(しかも10mも前から声を掛けていた)

よく観光地に行くと参道のような場所にはズラ~~っとお土産店が並んでいて、そのお店の前を通ると「いかがですか~~〇〇!」とロボットのように同じセリフを繰り返す販売員などを良く見かける。しかしこのオジサンは元気のいい声で、訪れる人全員に声を掛けていたのであった。

 

「そりゃ、商売だからそうするのは当然でしょ!」と思う人もいるかもしれないけど、このコロナ禍で観光客が以前に比べて更に激減して、またこの日は日差しが強い日だったので、77歳にもなるオジサンだと普通はシンドイからと言って店の奥に座り込んでいるのが通常のパターン。しかしこのオジサンは心が籠った元気な挨拶をして、「良かったら帰りにでも、見て行ってください!」と全員に声を掛けていたのだ。

 

そんなパワフルなオジサンというのはあまり出会う事が無いので、その人間性がとても興味深く思えた事もあって、帰りの際に寄り道してみた。というのも国内旅行1人旅だとあまり人と長く話をする機会もあまりない為に、そろそろ宮崎旅3日目という事もあってそれなりに喋りたかった気持ちもあった訳であるが。。

 

実はそんなオジサンの人柄に惹かれた事もあるけど、実はこちらの「ゆずこしょう」に惹かれていたのでもあった。初日に青島神社近くにあった、釜揚げうどんの名店「岩見」でテーブルに置かれていた柚子胡椒を、宮崎旅のどこかで買いたいと思っていたからだ。なおこの柚子胡椒やこのお店で販売している物は、このオジサンが全て無農薬で育てた野菜ばかりで、勿論この柚子胡椒も自家製なのであった。

 

こちらがその元気のいいオジサンだったけど、話を聞いていると元々は大阪に住んでいた大阪人。それで嫁さんがこの近く出身という事で、リタイアした後は夫婦で綾町に移り住むという事に安易に賛同してしまったという。それで60歳で定年を迎えてからこちらに移り住み、それから17年経つという。なので今は77歳というオジサンだけど、そんな年齢に見えない程に元気だった。元気のいい挨拶とバ~~っと話し出すセールストークが威勢良かったのも、大阪商人だったからだろう。

 

このオジサンは60歳になって綾町に移り住み、それ以降は畑などで農作物を頑張って栽培して、このように観光客が訪れる場所で販売して生計を立てているという。この照葉大吊橋の入口には本来なら3~4軒の土産物屋が並んでいるけど、他の店はコロナ禍で観光客が激減したので商売を諦めて店を開けていなかったけど、こちらのオジサンは1人でも頑張ってお店を開けて営業していたのである。

 

という事でそんな素晴らしい頑張りを見せる大阪人のオジサンの人柄と、それとこの柚子胡椒の素晴らしい香りにも惹かれて、柚子胡椒3本をお買い上げ。今まではうどんには七味などの薬味は一切入れなかったけど、この柚子胡椒は少し振りかけるだけでも凄く柚子の香りが立って、うどんを食べる際には必須アイテムになってしまった。

 

それと気になっていたゴボウ茶も購入。最近は海外旅行に行った際に海外のお茶を購入する機会が増えて、更には紅茶の本場であるスリランカを訪れた事もあって、お茶を買いたくなっていた。なおこちらは葉っぱではなく、ゴボウの身を削ってあるのでお茶にしてもいいし、ゴボウスナックとしてバリバリと食べる事も出来る。なのでゴボウ茶として淹れた後は、捨てるのではなくて、最後は食べれるという。

 

柚子胡椒3個とゴボウ茶2個を購入したら、このお土産屋さんのオジサンが喜んで、この桑の実ジャムを1つプレゼントしてくれた。こんな人が少ない時期で、かつ観光客も声を掛けてもあまり寄ってくれない中、約30分以上に渡って滞在して色んな話を聞いてくれたボクへのプレゼントだったようだ。

 

農業と言っても実際に自分でやってみると、とても大変だったという。夏場に畑で作業するのも虫などが付き纏うので、長袖長ズボンの恰好で袖から虫が入らないよう絞っていると、暑くてサウナ状態でとても重労働だという。またこの綾町も人口が減少しており、税収入も右肩下がりに減っている為に常に財政難となっている中、あちらこちらに観光客向けの施設を造ってもそれを維持する費用を捻出できてないので、綾町自体の先行きも大変だとの事だった。

素晴らしい挨拶やプレゼント、ありがとうございます!

 

という事でこのように写真を見るだけだと普通の吊り橋であるが、実際に訪れてみると色んな事が分かった照葉大吊橋。そしてこの橋の裏側には綾町の人達の色んな思いが結集されて、今ここにこうして見えている訳である。

日向夏男
日向夏男

綾町の素晴らしい自然環境は、これからも不滅です!

 

そして帰り道の途中で先程照葉大吊橋から見えていた、下を流れる本庄川を少しだけ眺めてみる事に。このような川という物は基本的には山に降った雨水が吸収されてから、山の土壌で濾過して湧き出てきた水なので基本的には綺麗な水である。

 

しかしそんな川の水が汚れているという川は、その川が汚れているからではなくて、その川を汚した人間がいるという事である。この自然溢れる綾町に来ると、これだけ何気なしに目の前に広がる自然の、大事さと素晴らしさを感じれる場所であった。

 

 

本庄川が流れる  動画

 

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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