沖縄きっての怪しい場所に思える名前が付けられている漫湖を訪れる【沖縄旅行記㉛】

沖縄旅行記2020年秋-㉛

 旅行期間:2020年11月11日~14日(3泊4日)
(A visit to Manko Lake, named after what seems to be the most suspicious place in Okinawa [Okinawa Travelogue 31])

実は湖ではなく、干潟の場所

さて迎えた沖縄旅3日目の朝は、残念ながら雨が少し降っている悪天候のスタート。今回の旅でも相変わらず折り畳み傘やカッパなどは持って来ていないので、傘を差す事も無くホテルを出発する。ただ、ホテルに宿泊している場合だと、ロビーで傘の貸し出しをしている所が多いので出掛ける際に借りる事も出来たけど、思ったより雨脚が強くなかったので逆に荷物になるからと傘は持って行かなかったのである。

 

 

漫湖公園に向かう!

今日のまずの目的地である「漫湖公園」は、那覇市の南西側にあり、隣の豊見城市との跨る川沿いの場所。本来であればホテルから歩いても行けない場所ではなかったので歩こうと思っていたけど、流石に雨がパラパラだけど降っていたので、今回は仕方なしにモノレールで移動する事に決めたのである。

 

沖縄のモノレールである「ゆいレール」は、まだ比較的新しい路線なので駅も綺麗だし、車両も綺麗で快適。沖縄は車社会なので、このような公共交通機関が増えていく事によって、渋滞緩和や排気ガスによる大気汚染も減っていくのかもしれない。

 

しかしこのゆいレールも沖縄を南北に縦断している訳ではなくて、沖縄の南西にある那覇空港駅から、島の真ん中部分にある浦添市までしか開通していない。元々は首里城駅までしか出来ていなかったけど、今では延伸して少し先の浦添市まで延びているけど、それ以上先(北東方面)には当面延伸する予定はないようだ。

 

ホテル近くの「牧市駅」から乗って、5つ目の駅である「奥武山公園」という駅で降りる。下記のグーグルマップを見れば分かるように、このゆいレールも一直線に路線が延びている訳ではなく、この那覇市内は大きく中心部を迂回している。ゆいレールでは約10分ほど掛かったが、徒歩だと直線ルートで向かえば約30分ほどの場所。

 

 

 

そしてこの駅の名前となっている「奥武山公園」は、このように電車を降りたホームから見えている運動公園の名前である。奥武山公園は1959年に”沖縄県で初めての運動公園”として開場された公園で、野球場や陸上競技場などが設置されている。

 

その運動公園の野球場は2010年に新しく改築された「沖縄セルラースタジアム(那覇那覇市営奥武山野球場)」で、プロ野球の春季キャンプや一軍の公式戦が行われた事のある、沖縄県でも知られている野球場である。

 

 

奥武山公園駅から那覇市と豊見城市を別つ川沿いに進んで行く。この日はあまりパッとしない天気という事もあってか、全然人が居ない。それとこの辺りは那覇市の近くという事もあってか、大きなマンション群が見られる場所でもあった。

 

そんな川沿いを進んで行くと、公園っぽいような場所の一角に、「かに道楽」の看板に取り付けられている大きな蟹の模型を連想させるような造形物を見かける。さすがにここの蟹は動きはしなかったけど、それよりも設置されてからかなりの時間が経過しているからか、かなりの色落ちが見られる。

 

そしてその周辺を歩いていると、このように大きな魚のような、また鯨にも見える建造物が見えてくる。本来であればこのような施設は子供向けのようなデザインなので子供達が群がる場所かと思っていたけど、この辺りには全くひと気を感じない。。

 

この建造物の中には大きな滑り台やジャングルジムのような物が見えるけど、周囲は立ち入り禁止のような雰囲気で子供達が普段遊んでいる場所には全く思えない。どちらかというと、運動場というよりも廃墟に近い雰囲気を感じるのであるが。。

 

こちらはその魚のような建造物の尻尾部分がちょっとした展望デッキのようになっている部分だが、ここも残念ながらひと気が全くない。来るタイミングが悪かっただけで、別のタイミングで来れば子供達が溢れている場所だったのかもしれないが。。

 

 

漫湖公園にて

ここは南西へと流れる国場川と、饒波川(ノハガワ)が合流している川沿いにある「漫湖公園」。ただ公園と言っても綺麗に整備されている公園というよりは、植物の生命力に押されている場所のようにも思える場所だったが。。

 

【漫湖公園】

住所:沖縄県那覇市鏡原町31-14

 

 

そんな緑溢れる漫湖公園を進んで行くと、また蟹らしきデザインの建造物が見えてくる。先程見た蟹の造形物に比べると、ちょっと近代チックなアート的な建物に見える。

 

こちらの建物は公衆トイレだった。さっきの蟹の建造物に比べると、デザイン的にもまだ比較的新しいような建物に見える。とりあえずあまりトイレに行きたい気分ではなかったけど、ちょっと面白そうな外観だったのでトイレに立ち寄る事にしてみた。

ただ、中は普通のトイレでしたが・・・

 

この「漫湖」というのは文字を見れば分かる通り、本州の人間であればちょっと大声で言いづらい名前である。ただ沖縄の人の中にはそれを逆にとって、わざと連呼する人もいるんだとか。

朋ちゃん
朋ちゃん

私も沖縄でタクシー運転手から、「漫湖」を連呼されて困ったわ・・・

 

この「漫湖」というのは実は湖ではなくて干潟なので、本来であれば「漫湖」ではなくて「漫潟」というべき所。ちなみにこの漫湖の由来は琉球時代に遡り、今のような干潟ではなく湖だった時代に中国から訪れる使者たちが名付けたという。その琉球時代には湖だった場所が、今では水位が減って干潟地となってしまったのである。

 

だから昔に中国から来た使者が名付けた「漫湖」という名前は、そのままを表した名前だった。しかし現代になってから埋め立てなどでこの周辺の環境が大きく変わってしまった、悲しい場所でもある。

琉球姫
琉球姫

人類は環境を壊すのが得意よね!

 

 

豊見大橋からの景色!

こちらは漫湖のある国場川に架かる「とよみ大橋」で、1993年に沖縄県では初めての斜張橋(支柱から張ったロープで支える橋)として造られた橋。とよみ大橋は全長約300mの橋であるが、日本国内で最も長い斜張橋は瀬戸内海で広島県と愛媛県の県境のしまなみ海道に造られている「多々羅大橋」である。

 

 

そしてとよみ大橋から「漫湖」と言われる干潟地の方を眺めると、このようにマングローブ林が広がっているのが見える。1960年代まではこの漫湖周辺は水が豊富に流れる場所で、船が行き交う様子も見られる程だったという。しかし1970年代に入って周辺の埋め立て工事などが行われた影響で水位が低くなり、それで水の下にあった土砂が顔を出して干潟地になったようだ。

 

 

そして干潟地となった漫湖には、そこに生息するムツゴロウのようなハゼの一種や蟹などの生物を食べる為に渡り鳥の野鳥が多くやって来る場所となる。しかし1990年代以降に今見られるようなマングローブの木がどんどんと増えていき、その影響で水はけが悪くなった干潟地の水質汚染が進み、ハゼや蟹などの生物が減っていき、それにより野鳥なども段々見られなくなっていったという。

 

そして1990年代以降に増え過ぎたマングローブ林が漫湖の環境に対して悪影響を及ぼす事が判明した為に、2007年以降にこのマングローブ林の伐採が行われている。何も知らない観光客がこの漫湖を見ると、このようにマングローブ林が沢山見られるので「自然溢れて、いい場所だな~!」と思ってしまうけど、実はこのマングローブ林が環境を悪化させる要因になっているのである。

琉球姫
琉球姫

緑が溢れるからって、いい事ばかりでもないのね・・・

 

奄美大島を訪れた際には大きなマングローブ林を見て感激した物であるが、ここ漫湖ではそんなマングローブ林が元の環境を壊している存在になっているとはとても残念であった。緑が増えるのは地球上にとってはいい事のハズなんだけど、元はというとそんなマングローブ林が増える要因を作ったのは人間なのであるが。。

 

 

とよみ大橋からの景色! 動画

 

 

橋って現代人からすればどこにでも架かっている物なので、その橋を渡る際には特に気にせず興味なく通り過ぎてしまう。しかしその橋の構造を調べてみると、同じように見える橋でもその構造が違っていたりと、色々と勉強する事が多い。ただボクの場合はこの実際に訪れている時には見ているだけで、後日ブログを作成している時に勉強する事が多く、この時も橋の構造には興味が無かった。なので後日多々羅大橋をサイクリングで渡ったのだけど、ここで勉強していなかった為に”日本イチ長い斜張橋”という事に気付けなかったのである。。

 

沖縄は車社会なので、このとよみ大橋を歩いて渡る人の姿は殆ど見られない。まあ地元に住んでいる人からすれば何十年も見慣れた漫湖の景色なので、わざわざこのとよみ大橋の中腹から見たいという事もないのだろう。

 

橋の中央付近に行くと、このように漫湖にやって来る野鳥の説明プレートが飾られていて、少し勉強できるようになっている。このような野鳥もこの漫湖の水位が低くなって干潟地となったから多く訪れるようになった訳で、湖のままだったら多くの野鳥は訪れる事が無かったのかもしれない。

 

幸せを運ぶとされるコウノトリもやってくるようだが、この野鳥というのも冬を迎える前に南国に向かって移動していく。本来であれば中国大陸側を南下すればいいのだが、この日本列島は南国への近道みたいなルートになっているので、野鳥がよく見られるのだろう。

 

鳥には興味が無いけど、一口に野鳥と言っても色んな種類が存在している。似たような鳥のイラストにしか見えないけど、一応区別されているようで違う名前が付けられているようだ。

 

人類の環境破壊が生み出した、現在の漫湖。しかし地球というものは常に変化する環境下にあり、どのような変化が起こってもおかしくはない場所。ただ何十億年という歳月を掛けて地球上で造られた生命のサイクルも、人類がその土台を潰していっているので、大きく変化する時代に差し掛かっているのかもしれない。

 

そして橋から鳥を探していると、白いサギのような鳥を見つける。このような白い鳥だと白鳥のように思ってしまうけど、サギである場合が多い。「サギ」というと人間からすると悪いイメージの名前なので、もう少し違う名前に変えてはどうかと思うのであるが。。

 

 

漫湖の干潟を眺める! 動画

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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