識名園内の庭園で、琉球石灰岩で造られた中国風石橋を眺める【沖縄旅行記㉟】

沖縄旅行記2020年秋-㉟

 旅行期間:2020年11月11日~14日(3泊4日)
(View of a Chinese-style stone bridge made of Ryukyu limestone in the garden of Shimeien.[Okinawa Travelogue 35])

滑りやすい橋

ここは沖縄県那覇市にある、世界遺産『琉球王国のグスク及び関連遺産群』の構成遺産の一部でもある識名園という、琉球王国時代1799年に造られた中国からの使者などを迎える場所だった所。1945年の沖縄戦時に残念ながらその殆どは破壊されてしまったけど、今では約20年掛けて復元されて綺麗な景色に戻っている。

 

【識名園】

住所:沖縄県那覇市字真地421-7
営業時間:9時~17時30分頃(※定休日:水曜/他)
電話番号:098-855-5936
入園料:大人400円、中学生まで200円、小学生以下無料

 

 

 

識名園の御殿にて

こちら御殿の窓は当時はガラス窓とかではなく、このように木の窓を上に上げるタイプとなっている。またこの窓が少し低いようにも思えるけど、琉球王国の国王は今の成人男性の平均身長よりも10cmほども小さかった為に、このようにちょっと低いように思える窓の高さになっているとか。

 

この御殿には小さな中庭があって、そこには「ジャノヒゲ(蛇の髭)」とか「リュウノヒゲ(竜の髯)」と呼ばれる多年草が植えられているのが見える。御殿の真ん中にこのような小さな庭を作るのは、当時でも贅沢の1つだったのかもしれない。

 

この御殿も沖縄戦争時に破壊されてしまっているので、新しく復元された建物だけに室内はこのように至って綺麗な内装となっており、また装飾品などは殆ど設置されていない。単なる昔の日本家屋の空き家を開放しているような感じ。

 

しかしこの御殿で最も大事だったのは、目の前に広がる、この綺麗な中国風庭園の景色だった。室内に豪勢な物は必要ではなく、このような手入れされた庭園が見えるだけで幸せに思える事だろう。

 

この御殿ではこのように昔の写真が展示されている部屋もあるが、何せその写真の展示が畳の上の低い位置にあって、少々見づらい。成人男性だと立って見ても、見えなくはない高さだけど、見易さを考慮すればもう少し高い位置にあれば嬉しかったかもしれない。

 

廊下の先には消火器が2個置かれているのが見えるけど、この復元された御殿の建物は木造なので、万が一火が出てしまうと簡単に燃えてしまう可能性がある。特に沖縄では首里城が燃えた事もあって遺跡の焼失がトラウマになっているかもしれないが、この御殿は特に派手な漆の装飾もなく、シンプルな建物なので火が出る可能性も少ないだろうが。

 

こちらの写真は沖縄戦以前の識名園を写した写真で、この識名園の池である「心字池(しんじいけ)」に架かる2本の太鼓橋のような琉球石灰岩の石橋の1つ「小石橋」。戦争で大きく破壊されてしまった識名園だけど、この石橋はそんな砲撃を免れて奇跡的に現存したとか。

 

こちらは上の小石橋よりも一回り大きい「大石橋」で、小石橋に比べると外観的にも整った造りで上品な感じがする。小さな船を池に浮かべて、この橋を通り抜けれるかチャレンジして遊べるかのような橋にも見える。

琉球姫
琉球姫

そんな危険な遊びはしませんよ!

 

 

心字池の石橋にて

御殿から見ると目の前に広がる「心字池」には、こちらの六角堂という建物が見えている。中国風な建物だけど、実は明治時代までは六角堂ではなく、普通に四角の形をした母屋だったという。

 

この識名園内にある心字池は”廻遊式庭園”という、日本国内でもよく見られる池の周りを歩いて鑑賞するタイプの庭園となっている。そして池の中心部分には小さな島があって、そこを繋ぐように2つの石橋が架けられている。

 

識名園 心字池

識名園上空からの景色–グーグルマップ

この「心字池」という名前は、上空から見た時に「心」の文字を少し崩したように見える事から、この名前が付けられているという。このようにグーグルマップで上空からの景色を見てみると、何となく「心」の文字に見えなくもない・・・。

琉球姫
琉球姫

人間は印象操作に弱いのよね!

 

こちらは小さい方の石橋である「小石橋」で、よく見られる石橋の石が膨張したかのようなゴッツイ橋という印象を受ける。中国ではこのような石橋には「太湖石」と呼ばれる、小さな穴が沢山空いた石灰岩が用いられるそうだが、ここは沖縄なので琉球石灰岩が用いられている。

 

日本という国は本当に親切な国で、このようにわざわざ「滑りやすいので注意!」との案内板が立てられているのが見える。現代ではあまり石橋の上を歩く機会がないだけに、雨の日などは滑りやすくなるので、注意して橋を渡るに越したことはない。

 

このように石橋が2つ並んで見えているけど、それぞれに同じ琉球石灰岩を使っている割には全然違う橋に見える。手前の小石橋は琉球石灰岩のそのゴツゴツとした雰囲気が溢れているけど、敢えて同じような橋を造らずに正反対の性格のような橋を造っているのだろう。

 

そんな心字池の周囲は、このように緑ばかりでマイナスイオンが溢れているような雰囲気を感じれる場所となっているが、実際にマイナスイオンが発生して、それが人体に好影響を与えるのかは不明であるが。。

 

珊瑚が堆積して形成された琉球石灰岩は、沖縄に来るとよく見かける。沖縄というと綺麗な砂浜や海などを思い浮かべる人も多いけど、やっぱり沖縄で目にする印象的な物がこの琉球石灰岩だと思う。

 

こうやって国内でも色んな場所に訪れると、同じ日本でも環境が大きく異なるのが分かる。コロナ禍前までは海外旅行にしか目が無かったけど、コロナ禍の影響で国内に行き出してから、同じ日本国内でもこれだけ違いがあるのかという事を大きく理解できた。

そういう意味でコロナ禍も自分にとってプラスだと考えます!

琉球姫
琉球姫

ポジティブ・シンキングは大事よね!

 

この心字池の中にある小さな島には、こちらの「コバテイシ(モモタマナ)」というシクンシ科の樹木が見られる。小さな島だけど、このように木が1本、ワンポイントのように生えていると雰囲気が違うように思える。

 

さっき渡った小石橋とは打って変わって、次の大き目の大石橋はこのように城郭のような綺麗に整えられた石が使われている橋となっている。さっきのゴツゴツした小石橋は好き放題にしている弟のような雰囲気で、この大石橋は真面目で実直な長男のようにも思える。

 

 

心字池の景観 動画

 

 

戦火を受けた識名園で破壊は免れた大石橋の写真は下記サイトで見れるけど、ボロボロな状態で辛うじて生き延びた石橋のようにも見える。復元されて元の立派な姿を取り戻したこの石橋は、前と同様にしっかりした造りに生まれ変わっていた。

 

 

 

識名園で芝生の手入れをしていた管理人さんのような人に声を掛けると、この御殿の対岸の小高い丘の上からがいい写真スポットで、このように2つの石橋と心字池と御殿を一緒に写真に収めれるからとオススメされる。確かに御殿からの眺めもいいけど、ちょっと一段高い場所からの眺めもいい。

 

それにしても庭園だけあって静かな雰囲気で、気持ちのいい識名園。あまり観光客の姿が見られなかったけど、個人的には観光客が少ない方がリラックスできて、写真も綺麗に撮れる。もし、修学旅行の学生の大群と鉢合わせしてしまうと、何だか息苦しくなって早く出てしまいたくなるので、空いているに越したことはない。

 

 

識名園の景観 動画

 

 

心字池に浮かぶように見える六角堂

さて次は小さな島の上に造られている六角堂へと行ってみる。四角堂からいつの間にか六角堂になったという建物であるが、内部は入れないようだ。

 

その六角堂が造られている小さな島までは、このように僅かな距離しか離れていないけど、ここも琉球石灰岩の石橋が架けられている。ちなみに案内板によると、この石橋は1つの琉球石灰岩から加工されて造られているという。

 

この沖縄に存在した琉球王国は、元々はどちらかというと日本の属国ではなく、中国大陸側の属国という面が強かった場所。なので、色んな場所に中国らしさが見れて、また中国側からの使者を迎え入れ続けていたので、至る所にその中国文化が見られる。

 

この六角堂が六角形の建物に造り替えられた詳しい年代は判明していないようだけど、大正以降に建て替えられたとされているので、ガラス窓になっている。その為にさっき見学した御殿などとは、時間軸が少し違うように感じる空間ともなっている。

 

この六角堂の内部は入れないようになっているので、ガラス窓から中の様子を見学する。すると中には昔の六角堂が四角堂だったという内容の記事が展示されていて、昔四角堂だった時の写真が掲載されているのが見える。

 

どういった理由で四角堂を六角堂に変更したか不明のようだけど、四角の建物に比べれば六角形の方がより広範囲に外が見える。四角の角に視界を遮られないように、庭園の景色を楽しむ為に六角堂に変えられたのだろうかと妄想する今日この頃であった。。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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