中世の琉球王国時代に建造された中城城から、芸術的な城郭と太平洋を眺める【沖縄旅行記㉕】

沖縄旅行記2020年秋-㉕

 旅行期間:2020年11月11日~14日(3泊4日)
(A view of the artistic castle and the Pacific Ocean from Nakagusuku Castle, built during the Middle Kingdom of Ryukyu[Okinawa Travelogue 25])

素晴らしい展望スポット!

ここはかつて沖縄が琉球王国という、日本とは違う独自な国が築かれていた時代に造られ、そして約500年程が経過している現在でも比較的良好な状態で城郭が保存されている「中城城跡」。その綺麗な状態の城郭は沖縄の中でもトップに挙げる人も多く、更には世界遺産にも認定されている場所ともなっている。

 

【中城城跡(なかぐすくじょう)

住所:沖縄県中頭郡中城村泊1258
営業時間:8時30分~17時頃
電話番号:098-935-5719
入場料:大人400円/中高生300円/子供200円
無料駐車場あり(50台程)

 

 

 

中城城跡にて

城の外側から見ていると、その周囲を取り巻くように造られている城郭は高い物に見えるけど、城の内側に入ってしまえばそれ程に高い物には見えない。しかしその城郭も古く補修されていない場所もあるので、一部ではこのように「石垣の上に登らないでください!」と書かれた札が置かれているのが見えている。

 

まず三ノ郭を見学してから隣にある二ノ郭までは直接繋がっている門や通路が無いので、一旦三ノ郭を降りてから北ノ郭⇒西ノ郭を経由して迂回して二ノ郭まで向かう必要がある。その途中にはこのような橋もあったりで、城というのはどこでも簡単に中心部に攻め込みにくい構造になっていた事を肌で感じるのである。

 

その道を進むと西ノ郭の看板が見えてくる。ただし今は西ノ郭には特に主だった建造物などは残されておらず、植物が生え揃っている景色しか見る事が出来ない。

 

そしてそんな西ノ郭を見つつ、こちらの案内板にもあるように次の二ノ郭がある左側へと進む。この中城城跡も1945年の沖縄戦に巻き込まれたが、損害は一ノ郭内に建てられていた役場が焼失した位で、肝心の城郭はほぼ破壊される事なく残されているそうだ。

 

そして二ノ郭に向かうには、このような階段を登って進む必要がある。城という物は見晴らしのいい高台に造られている事が多いけど、それは遠くから攻めて来る敵をいち早く視認する事と共に、高台に造られている方がより守りが固くなるからでもある。

 

奄美大島ではよく見かけた「ハブに注意!」の看板だけど、ここ沖縄ではあまり目にしなかったと思う。沖縄も奄美大島に比べてだいぶ人口が多く、ハブなども生息しにくい環境になっているのかもしれない。しかし全くハブが居ない訳ではないので、万が一遭遇するかもしれないという事は頭の片隅に置いて観光した方が無難だろう。

 

 

中城城跡の二ノ郭にて

そして階段を登ると、また綺麗な城郭が見えてくる。「城跡」というと現代人はそのフレーズを聞くと、天守閣のような立派な建物が存在している物だと思い込みがちである。しかし現実には城跡という名前の場所にはそういった立派な建物など残されておらず、取り壊すのに苦労する石垣だけが残されている所ばかりである。

 

そして右側に見えているのは一ノ郭で、この一ノ郭と二ノ郭は中城城が最初に造られた頃に建てられた部分なので、石垣の積み方も先程見た三ノ郭とは違って、「布積み(豆腐積み)」という四角くカットした石を積み重ねる方法で積まれている。

 

 

こちらの一ノ郭には二ノ郭と直結した門が備えられており、綺麗な門構えの石積みを見る事が出来る。そして下まで階段が延びているのを見ると、この先の一ノ郭がこの中城城の政治の中心地だったような雰囲気を醸し出している。

 

こちらは二ノ郭内の景色であるが、このように内側に立ってみるとそんなに高い程の石垣が造られていた訳ではない事が分かる。日本国内でよく見られるお城のように、石垣の上に建物を造るのではなくて、あくまでも防御用の為に石垣を築いていたのが分かる。

 

そんな二ノ郭内には、このようにポツ~~ンと1つの記念碑だけが立っているのが見える。特に建造物が見られない中城城跡だけど、琉球王国に関連した物なのだろうか?

 

そんな記念碑に近づいて見てみると「忠魂碑」という文字が彫られているのが分かる。調べてみるとこの「忠魂碑」は日露戦争で亡くなった戦没者の供養の為に建てられたもので、琉球王国とは残念ながら関連がない物だった。。

琉球姫
琉球姫

わざわざこんな琉球王国の城の中に、造る必要があったのかな?!

 

そしてさっきは石垣の上には登らないでと書かれていたけど、ここは石垣の上に登る事が出来るようになっている。しかも「太平洋が一望できます!」と書かれている看板があるので、ここは是非登りたくなる瞬間でもある。

 

ここは二ノ郭の立ち入りが許されている石垣の上。このような風が強い場所であるにも関わらず、ここで400~500年間に渡って存在し続ける琉球石灰岩で出来た石垣の上に立てるのは、何とも感無量である。

 

沖縄県にはあまり高い山がないからか、このような高台に来ると見晴らしがとてもいい。この中城城跡は”神の島”とされていた久高島が南側に見える場所でもあり、そのような都合のいい立地だったのでここに城が築かれた要因の1つだったのかもしれない。

 

 

石垣の上からの眺め!① 動画

 

 

ここ中城城跡の石垣は見れば分かるように、湾曲しているのがとても特徴的である。日本本土で見かける石垣ではこのような湾曲している石垣はあまり見る事が出来ないが、このような形がいかにも琉球王国らしい雰囲気を出しているような感じである。

 

ただしここは高台になっている事と、目の前には太平洋が広がっている事もあって、海から打ち寄せて来る風が何の障害物もない為にとても風が強い。ただそんな見晴らしのいい場所だったので、奄美大島でも風の強い場所で自撮りをした際に三脚がコケてスマホの画面が傷ついた事を思い出しながら自撮り記念写真を試みる。が、高さを低くした三脚でも風が強過ぎて倒れてしまい、奄美大島旅行後に新しく貼り直したスマホ画面のフィルムに傷が付いてしまった。。

沖縄43
沖縄43

調子乗って風が強い場所でするからサ~~!

 

ただこの石垣の上からは本当に見晴らしが良くて、周囲を遠くまで見渡す事が出来るし、琉球王国時代の数百年も前の石垣を見られるという事もあって気分が高揚してしまうのである。

 

 

石垣の上からの眺め!② 動画

 

 

ここは二ノ郭だけど、さっき入ってきた裏門側の公園部分がとても下の方に存在しているように見える。これだけの標高差があれば、この城を攻めるのも大変だった事だろうと思いつつ、この景色をしばし眺めるのである。。

 

この中城城には江戸時代末期にアメリカ合衆国から船に乗ってやって来たペリー提督一行が訪れて、あまりにも美しい城壁を見て感動したという話が残っている。異国から訪れてこのような城があるなんて想像にもしてなかったら、感動してしまうのは間違いない事だろう。

 

そんな中城城跡の二ノ郭内には、このように「拝所」というお祈りする場所が設けられている。琉球王国では沖縄神道が盛んだったので、このように城の中にまでお祈りする場所が設けられていたようだ。そしてこのような拝所は今でも地元民達が礼拝に訪れている場所なので、失礼な事は避けて見学をする必要がある。

 

 

一ノ郭に進む!

そしてやっと中城城の本丸的な一ノ郭に進むとする。ここも立派な門構えとなっているが、その上部分を支えているのはアーチ状に積まれた石で、世界中のどこでも強度の強いアーチ型が用いられていたようだ。

 

そんな門を進むと一ノ郭内の景色が見えてくる。しかしここも今は何の構造物も残っていないが、1945年の沖縄戦まではここに役場が設置されていたという。しかしこんな立派な城跡の本丸内に役場を造るなんて、冷静に考えるとかなり贅沢な事だと思うが。

 

そんな一ノ郭にはこのような本丸に造られていたとされる建物の、遺構跡の発掘作業が行われているのが見える。今では何も建物時代は残されていないが、昔の建物はその下に礎石が築かれていたのでこのような場所では地面を掘ると、その遺構跡が見られるようだ。

 

このような発掘作業は時代を経る頃にどんどん発見が増えていき、色んな考古学的な事が判明していく。過去の人類より進化しているハズの現代人であるが、過去に生きた人達の生活などを振り返り、その偉大な進化の過程を勉強する事は将来にとってとても大事な事だと思う。

 

この一ノ郭内にも、このように礼拝所が造られている。見る限り、植物が生えているだけにしか見えないようであるが、沖縄神道ではこのような植物の所に神様が宿ると考えられていたのであろう。

 

こちらは城から南側方面を眺めた景色で、この方角の先にさっきまで訪れていた斎場御嶽があるハズ。来る途中はあまり気付かなかったけど、この城の上から眺めてみると周囲には工場があったりと、工業化が進んでいる光景が見られる。城の中だけを見ているとそんな近代化の景色は感じられないが、石垣の上から周囲を見ると意外に近代化の波が見えてしまうのである。

琉球姫
琉球姫

現代人は電気がないと、もう生活できないようになってしまったからね・・・

 

このように石垣も三重ぐらいに造られている。どの時代にどの場所であろうが、堅固な要塞が求められた事実は変わらないようだ。そして城毎に色んな歴史を刻んでおり、その歴史を勝手に想像するだけで楽しめる様な気分である。

 

このように琉球石灰岩が用いられている石垣を見ていると、その奥に太陽光パネルが広がっている場所や、発電所のような大きな工場も見える。近代化が激しい現代ではあるが、何とか昔の面影を残していって欲しいと思った、今日この頃である。。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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