琉球王国:第一尚氏時代の居城とされていた、世界遺産の中城城跡【沖縄旅行記㉔】

沖縄旅行記2020年秋-㉔

 旅行期間:2020年11月11日~14日(3泊4日)
( The Kingdom of Ryukyu: Nakagusuku Castle Ruins, a World Heritage Site that was the residence of the First Sho[Okinawa Travelogue 24])

綺麗な城郭

さて続いてやって来たのは、ここも世界遺産に認定されている1つの「中城城跡(なかぐすくじょう)」という、14世紀頃に築城されたとされている琉球王国の城跡。沖縄県内に200箇所程も存在したとされる城(グスク)の中でも、その保存状態が飛び抜けて良好な城跡で、それもあって世界遺産や日本100名城にも選ばれている。

 

【中城城跡(なかぐすくじょう)】

住所:沖縄県中頭郡中城村泊1258
営業時間:8時30分~17時頃
電話番号:098-935-5719
入場料:大人400円/中高生300円/子供200円
無料駐車場あり(50台程)

 

 

 

中城城跡に入場!

まずは中城城跡近くに設置されていた無料駐車場に車を停めてから、案内板に従って入口の方へと進んで行きます。この沖縄という場所も所詮「島」だと思っていたのですが、実際に自分で車を運転してみると斎場御嶽から50分程掛かったので、意外と沖縄という島が大きい事を感じたのである。

琉球姫
琉球姫

沖縄は日本で一番大きな島なのよ!

沖縄43
沖縄43

ちなみに2番目に大きな島は佐渡島サ~!

 

今回の沖縄旅では世界遺産に認定されている9つの場所を出来るだけ巡る予定にしていた。初日は3箇所、今日はさっきの斎場御嶽と、この中城城跡。そして明日も一箇所と合計6箇所を訪れる予定。今回の沖縄旅で9箇所全てをコンプリートも頑張れば出来そうだったけど、レンタカーは今日だけ借りるつもりだったので、全部踏破しようと思えば沖縄を車で走り回らないといけないのでこの6箇所だけにしたのである。

 

この沖縄県にある世界遺産『琉球王国のグスク及び関連遺産群』に登録されている城(グスク)の内、首里城を除いた4箇所の中で最も南側に位置するのがこの中城城跡だった。他3箇所の城跡も行けば色んな発見が出来る事だろうが、似たような城跡のようにも思ったのでここ1箇所の見学のみにしたのでもあった。

 

そして中城城跡に入る前にまずはその手前にある、こちらのプレハブ小屋のような管理組合事務所で入場券を購入する。ただ同じ世界遺産に登録されている、さっき訪れた斎場御嶽とは打って変わり、ここ中城城跡では自動販売機による販売は無くて、完全なアナログの対面販売のみとなっていた。それとこの奥様2人組が単純なチケット購入の割に意外と時間が掛かり、スムーズに進まない現状を目の当たりにするのであった。。

 

世界遺産:中城城跡に足を踏み入れる!

前の奥様方がチケット購入に手間取っていたものの、その後ろに並んでいたのはボクだけで、その渋滞による経済的な影響は殆ど発生せずにしばらく後に無事チケットを購入する。この入場チケットには中城城跡の写真ではなくて、日本がまだ鎖国していた頃にアメリカ合衆国からやって来たペリー提督一団が、沖縄に強引に上陸して実地調査を行った際にその様子を描いた絵が印刷されていた。

 

ペリー来航の際に同乗していて画家:ヴィルヘルム・ハイネが描いた中城城跡のリトグラフ

ペリー来航の際に同乗していた画家:ヴィルヘルム・ハイネが描いた中城城跡のリトグラフ

ペリー提督一団は日本本土に上陸する前に、まずは南側にある沖縄に強引に上陸して調査を行った。その際に乗船していた画家:ウィリアム・ハイネ(William Heine)が、中城城跡を描いた物が数枚残されている。またその後浦賀に上陸した様子も彼が描いた作品でもある。

 

 

そして入口を入ると敷地内に進むルート表示が2種類存在していて、まず坂道を登っていくルートと、坂道には登らずにグ~~っとまず奥に向かって進んで行くルートに分かれていた。

 

中城城跡の上空図

中城城跡の上空図

どっちのルートでも良さそうだったのであるが、ボクが選んだのは「①裏門~三ノ郭ルート」だった。ただこのルートから行くと直ぐに中城城跡の城壁を見る事が出来るけど、裏門から入る事になるので、「城は正門から入りたい!」と考えている人は「②正門~一ノ郭ルート」から進んだ方が良さそうだ。

琉球姫
琉球姫

コロナ禍前までは、正門まで乗せてくれるカートがあったのよ!

 

なお敷地内にはトイレもありますが、そのトイレがあるのはボクの選んだ「①裏門~三ノ郭ルート」の坂を登り切る直前のこの石垣が見えてくる辺りに設置されている建物の中。先にトイレに行きたい人は、この①ルートを選んだ方が良さそうだが、結局は魚を頭から食べるか?、尻尾から食べるか?の違い程度だろう。

 

そして坂を登り終える頃に目の前に城跡の城郭が顔を出してくる。この中城城跡見学ルートは奥の正門側から行くよりも、この手前側から行った方が城郭がいきなり視野に飛び込んで来る感じがたまらないので、個人的にはこちらのルートがオススメかと。

 

 

そしてこちらにはこのように2000年に『琉球王国のグスク及び関連遺産群』として世界遺産に認定された、記念の石碑も設置されているので、記念写真スポットにも最適な場所だと思う。反対入口の正門側にも一応世界遺産を表示する杭のような物が設置されていたけど、記念写真を撮るにはこちらの方がいいと思う。

 

ここは「中城城跡(なかぐすくじょう)」という名前で、「中城(なかぐすく)」の城跡という意味になっている。しかしこの沖縄ではお城の事を「グスク」と言い、この「中城(なかぐすく)」では既に「中の城」という意味合いがあるので、そこに更に城を付けるとちょっと違和感を感じてしまう。もっと簡単に「中城跡」でも良かったのではと思ってしまうが。。

 

 

裏門側からの中城城跡 動画

 

 

そして世界遺産の石碑の裏側には、この中城城跡のある地形を再現した立体の模型が野外ではあるが展示されているのが見える。普通このような立体の模型は屋内に展示されている事が多いけど、ここでは雨水に強い素材で造られているからか、野外に置かれているのはちょっと驚きではあったが。

 

この中城城には一ノ郭・二ノ郭・三ノ郭(北ノ郭/南ノ郭/西ノ郭もあり)と城郭が造られている。ここは14世紀頃に「先中城按司(さちなかぐずくあじ)」という、伊波グスクを居城にしていた初代伊波按司の息子から数代に渡って築いた城とされているようだ。

 

その先中城按司によって一ノ郭・二ノ郭・南ノ郭・西ノ郭と築かれた後に、15世紀中頃にやって来た「護佐丸 盛春(ごさまる せいしゅん)」によって増築されて三ノ郭・北ノ郭が更に造られる事になったという。なので場所によって建造された時代が違うので、その時代変化を石垣から観察する事も出来るようだ。なおこの護佐丸という人物のお墓はここから200m程離れた場所にあるそうだが、今回はその存在に気付かなかったので立ち寄る事が出来ずだった。

 

この日は平日という事もあって、この中城城跡を見学に訪れている観光客の姿はパラパラとあまり見られなかった。この沖縄も那覇市周辺はモノレールが造られた事もあって比較的アクセスしやすいので観光客は移動しやすいけど、那覇市を外れると車でしか行き来出来ないので、想像していたよりもあまり観光客が来ない場所に思えた。

 

標高約160mの高さに造られている城だけに、ここからの見晴らしは良くて近くに広がる海も見渡す事が出来る。この城は近くにあった屋宜港を守る役目もあったようで、それもあってこの場所に造られた事だろう。

 

昨日訪れた首里城でまず沖縄にあった城の城郭を見たけど、首里城の石垣は近年に復元された物なので、実際に琉球王国時代に造られた雰囲気は感じられなくて、まだ綺麗で新しくてキッチリ積まれている石垣にしか見えなかった。

 

しかしこの中城では1945年の沖縄戦の被害が少なかった事もあって、その城郭がとても綺麗に現存している場所なので、実は意外と楽しみにしていたのである。沖縄というと日本本土からはだいぶ離れているので、日本の文化とは違うけど、城造りの城郭もどういった違いがあるのかを実際に目にしてみたかったからだ。

 

 

そんな城郭に近づくと明らかに日本本土の城で築かれている岩とは、違う材質が用いられているのが分かる。この沖縄で石垣によく使われているのは「琉球石灰岩」というこの地方独特の岩で、珊瑚や貝殻などが堆積して出来た石灰岩で、まさに沖縄らしさを象徴する岩が使われているのだ。

 

こちらは今入口側から入ってきた東側の景色だが、このようにこの城部分よりも高い建造物や山などもなく、ここから四方八方が見渡せる要塞になっていた事が判る。なお、この周辺はこのように芝生が茂っているが、反対側の正門奥の方にはなんとつい最近まで幽霊ホテルが建っていたそうだ。

 

この中城を見下ろす南西側の高台に建設途中だったホテルがあったらしく、しかも建設途中にその計画がストップとなり、実に40年以上に渡って放置され続けていたという。しかし最近遂にそのホテルの建て壊しの話がまとまり、2019年から解体工事が始まり、この訪れたタイミングではすっかり解体されてしまっていたので、そんな幽霊ホテルがあったなんて知る事もなく去ってしまったのであるが。。

琉球姫
琉球姫

沖縄では有名な心霊スポットだったのよ!

 

さてそんなホテルはさておき、世界遺産である中城の城郭へと進んで行く事にする。この中城は1945年に行われた沖縄戦ではあまり大きな被害に遭わなかったので、これらの城郭もとてもいい状態で残されているらしいけど、この城郭が造られた当時の500年程前からそのまま全く同じ姿という訳でもなく、一部の城郭では積み直しされている場所もあるそうだ。

 

城の見学では普通入場ゲートを入ると城の正面に来るようになっている事が多いけど、ここ中城では裏門側に入口が造られているという、ちょっと珍しい場所。それを誤魔化すというか、正門側からちゃんと正しく観光してもらおうと敷地内では電動カートによる案内がされていたようだけど、コロナ禍によってそんなサービスも残念ながら凍結されてしまったようだ。

沖縄43
沖縄43

コロナ禍によって観光地も大きく様変わりしてしまったサ~!

 

まずは北ノ郭へ進む!

この裏門は北ノ郭へと繋がる門だけど、日本の城のように簡単に本丸などには入れないように造られている。この中城が最初に造られた当時はこの北ノ郭はなくて、直接本丸の城郭に行けたのだが、守りを固めるように後年にこの北ノ郭などが増築されている。

 

日本本土ではそれなりに城を見て来たけど、やっぱり沖縄の城(グスク)で用いられている岩は本土では殆ど見かけない琉球石灰岩で造られているので、独特の景色となっている。またこの北ノ郭や三ノ郭は後年にやって来た護佐丸によって増築された石垣なので、最初に造られた石垣よりも綺麗に積まれているのが分かる。これは「あいかた積み」「亀甲乱れ積み」とも呼ばれており、「こんなバラバラな形の岩をよくこれだけ綺麗に積み重ねたな~!」と思わず感じてしまう程に素晴らしい石垣となっている。

 

日本本土の城でもそうだけど、年々築城技術が向上していき、このような石垣を建造する技術も格段に向上していった様子が垣間見られる。人類というのは常に努力して良い物を生み出そうと、生きて来ていた事がこのような石垣を見れば分かるのである。

 

こちらは中城から北西側を見た景色だけど、この城がある場所からは南西の海側と共に、この北西側の海もしっかり見える立地になっている。ここから当時主要な港だった宜野湾をしっかりと見張る事が出来た事だろう。

 

 

三ノ郭へ進む!

さてここから階段を登ると三ノ郭へと繋がります。ここには門らしき物が見られないけど、ここが城として機能していた時はさすがに何かしらの門が設置されていたと思うが。

 

そして階段を登ると、ここも綺麗に芝生が生えている「三ノ郭」に到着します。この三ノ郭も15世紀中頃にやって来た護佐丸によって増築された場所なので、古い城郭と違って綺麗な造りになっている場所でもあります。また新しく造られた場所でもあるので、「新城(みぃぐすく)」とも呼ばれているそうだ。

 

しかしこんな岩の塊である城郭にも長い年月が経つと、これだけ苔やちょっとした植物が生息するようになるようだ。このような景色を見ていると、城郭も緑と一緒に生活しているような感じを受ける。

 

そんな三ノ郭は隣に見える二ノ郭の外側に造られているので、二ノ郭に比べると一段低いのが分かる。それとこの城内にはボクが最近好きになった蘇鉄(ソテツ)が生えているのも見られる。ちなみに大昔に撮られた写真ではこの中城の石垣の途中に、この蘇鉄が生えている写真もあったりで、その生命力の強さを感じさせてくれている。

 

このように沖縄独自の石垣の顔を見せてくれている中城。世界遺産に登録されている沖縄のグスク(城)の中でも、最も那覇市から近い場所にあり、またこのような綺麗な状態で石垣が残っているので、是非訪れるべきだと個人的に思うのである。

琉球姫
琉球姫

出来れば全てのグスクも巡ってね!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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