沖縄県立博物館で綺麗な状態の骨で発掘された古代人「港川人」を学ぶ【沖縄旅行記㊵】

沖縄旅行記2020年秋-㊵

 旅行期間:2020年11月11日~14日(3泊4日)
(Learn about the Port River People, an ancient people excavated with clean bones at the Okinawa Prefectural Museum.[Okinawa Travelogue 40])

崖の隙間に挟まった人の末路

まだまだ引き続き、那覇市にある「沖縄県立博物館」の見学は続きます。沖縄に旅行に行く人は、その綺麗な海や南国らしい雰囲気を満喫したい人が多いと思うけど、このような博物館で沖縄の歴史を学ぶ事もとても大事だと思う。歴史を振り返る事によって色んな事に気付けるし、またそこで勉強した事が次に活かされるからでもある。

 

 

 

沖縄県立博物館の見学!

そしてこちらは今ではすっかり見なくなって、懐かしさも感じる二千円札である。2000年に新しく発行された紙幣だが、記憶に残っているのはその使いにくいイメージだけ。アメリカでは20ドル札、ユーロでも20ユーロ札などがあって海外では20単位の紙幣もよく使われているが、日本では五進法の硬貨や紙幣が根強いので、意外と定着しなかった。

 

しかし守礼門が描かれている二千円札はこの沖縄では未だに普通に流通しているお札で、沖縄でのローカル紙幣のように使われているそうだ。勿論今でも法定通貨として日本全国で使う事が出来るのだが、沖縄以外だと支払いやお釣りなどで渡されると嫌がる人が多いようだ。

 

ミレニアムな2000年に便乗して、更には多くの紙幣を発行する事によって経済振興を期待された二千円札だが、期待外れに終わってしまった。今までの問題を解決する紙幣の発行であれば喜ばれたのかもしれないが、特に必要の無い紙幣を無理やり発行しても、使う人にとってメリットが無かったという事がよく分かったお札だった。

 

こちらはその二千円札の発行を記念して製作された「新2000円券 発行記念コイン」である。日本では昔から記念硬貨や記念切手などを買う人が多いが、それを購入してから数十年経っても全然価値が出ない事が殆どだ。

 


 

天皇陛下在位60年記念金貨

天皇陛下在位60年記念金貨(10万円)

ちなみに記念硬貨の中でも金貨だけは、価値がどんどん上がり続けている。というのも金の価格が年々上昇している事が要因で、その記念硬貨の価値ではなくて、金の価格に大きく影響されている。こちらの「天皇陛下在位60年記念金貨」はバアさんに昔頂いた物だけど、つい最近引き出しにあった事に気付いて売りに行ったら、10万円の額面でありながら13万円で買い取りしてくれたのである。

その金貨の代わりに、テスラ株(TSLA)に1株投資しました!


 

こちらは沖縄戦でアメリカ軍に雨あられのように撃ち込まれた砲弾で、今でも至る所に不発弾が眠っているという。600万~700万発もの砲弾が沖縄目掛けて撃ち込まれたらしく、当時軍需物資に困っていた日本軍とは違って、優位に立っていたアメリカ軍の強さが垣間見える遺物でもある。

 

そんな沖縄の歴史を勉強できる博物館だけど、こちらはちょっとブースが違って、沖縄の自然環境などを勉強できるブースにやってきたようだ。今まで見てきたような人類の歴史もいいけど、沖縄の自然環境も世界に自慢する事が出来る遺産である。

 

昔からあまり勉強が好きではなかったボクも、最近では旅行を通してその土地の歴史などを勉強したいという考えが芽生えてきたけど、どちらかというと自然環境よりも人類の歴史の方が個人的には面白く感じるし、記憶に残り易い。

 

こちらには沖縄の建造物に必ず使われていると言っても過言ではない、琉球石灰岩が展示されている。ただ一口に琉球石灰岩と言っても、その採れる場所によって違いが出ている。同じように珊瑚から堆積して形成された琉球石灰岩でも、人間と同じように形成された場所によってその特徴が出ている訳である。

 

 

港川人コーナーにて

こちらのパネルに描かれている似顔絵に見覚えがあると思ったら、昨日参加したガンガラーの谷ツアーでガイドさんが教えてくれた「港川人」の顔だった。こちらは「港川人1号」と名付けられており、その頭蓋骨から復元した顔になっている。

 

約2万年前頃に生息していたと考えられている港川人1号の身長は、現代の成人男性の平均身長よりもやや低かったようだ。また全身の骨格も違いがあり、上半身よりも下半身の骨の方が太かったようで、主に自分の足でしか移動できなかった時代を反映しているような骨格になっていた。

 

そしてこちらはその港川人1号の骨格から、生きていた頃の肉付きなどを推定して復元した模型「港川人復元模型(2007年版)」である。ただ頭蓋骨からそのまま顔の充分な復元ができる技術は無かったので、縄文人の祖先という仮説を踏まえて、日本人っぽい顔立ちにしているんだとか。

琉球姫
琉球姫

凄いね~骨からここまで復元できるんだから~!

 

こちらの説明によると、港川人の遺骨が発見された場所の近くにはヤンバルクイナやイノシシの化石なども一緒に見つかったので、それらを捕まえて食していたと考えられているようだ。またその周辺では石器などが見つかっていない為に、単なる木を尖らした槍などを使っていたと推測されている。

 

そしてその隣には、さっきの港川人がちょっと老けたような感じに見える模型が展示されている。こちらは「港川人復元模型(2014年版)」で、2011年に発表された研究結果で縄文人の祖先ではない可能性が高まったとして、日本人っぽかった顔付きを変更し、オセアニア地方の人種っぽい顔に変更になったそうだ。

オカン
オカン

なんか堀内孝雄みたいな顔にも見える!(笑)

 

そしてイノシシや鳥だけではなく、魚やカニなどを食べていた可能性も出てきた為に、手に持っている捕らえた獲物がヤンバルクイナから鰻に変わっている。

 

こちらの写真は、1967年に沖縄県島尻郡八重瀬町で発見された「港川フィッシャー遺跡」である。この周辺の採石場で動物の化石が出てきた為に、「人の化石も出てくるのでは?」と考えた人物が発掘調査を行った所に、港川人の骨が見つかったという。

 

崖などの割れ目や亀裂を「フィッシャー(fissure)」と呼ぶ事から、「港川フィッシャー遺跡」と名付けられており、まさしく港川人は崖の割れ目に運悪く落ちて閉じ込められてしまった。恐らく割れ目にハマった港川人は身動きすら出来ずに生き埋めのような状態になって死んだのだろうが、皮肉にもそんな悲惨な死に方が逆にその骨を綺麗なまま約2万年間も保存される事に繋がる。

琉球姫
琉球姫

2万年後に発見されるより、割れ目から生きたまま出たかっただろうね・・・

 

そしてこちらがその港川人1号の遺骨のレプリカである。骨は綺麗な状態で現存していたという説明だったけど、さすがに全身の骨も細かい部分などは消えてしまっていたようだ。ただ肝心の頭蓋骨部分が奇跡としか言いようのない位に綺麗な状態で保存されていたので、それだけでも考古学的にとても貴重な資料なのだろう。

 

 

エジプトでは古代エジプトのファラオのミイラが未だに保存されているけど、それでもまだ4000年程前の遺体である。それに比べてこの港川人は約20,000年前と、1つ桁が多い昔の人類。自分達日本人の祖先かは分からないけど、歴史的に貴重な骨である事は間違いない。

 

この骨の展示品は複製品だけど、何ともリアルで本物の骨のようにも見える。ただこの頭蓋骨を見ていると、アーノルド・シュワルツェネッガーの出世作である『ターミネーター』で出てくるロボットのようにも見える様な。。

 

昔の人類は現代人とは違って、移動は全て足を動かしていたので、太く立派な足になっている。逆に現代人はこの時代の人類に比べると、カモシカの足のように細く退化してしまっているように思える事だろう。

 

港川人が発見されたフィッシャー遺跡のように、狭い割れ目は自動販売機の周囲にある排水溝のように、色んな落し物が意外と多いのかもしれない。そう思うとトレジャーハンターが多く集まって来そうな感じがするけど、出てくるのは金などのお宝ではなく、約2万年前の人骨というお宝だが。。

琉球姫
琉球姫

歴史的には金より港川人の遺骨の方が、よっぽど価値があるよね!

 

そして港川人1号が発見された後にも、その周辺から複数体の人骨が発見されているようだ。このように横にズラ~~と遺骨の複製が並べられているけど、ただここから見ている分には骨が綺麗に残っているのは港川人1号がズバ抜けているようだ。

 

こちらの骨は「港川人4号」という名前が付けられているが、元祖の1号に比べると現存している骨のパーツが圧倒的に少ない。この港川人4号と1号を比べると、1号の綺麗に保存されていた骨が奇跡のように感じてしまう。

 

こちらの港川人4号の左右肘部分の骨に同じような損傷個所が見られるようで、死後の埋葬儀礼の際に傷つけられた可能性が述べられている。昔は顔にタトゥーを入れたり、歯を抜いたりして、それを儀式にして仲間意識を保持していたという話もあるし、色んな風習があったようだ。

 

港川人の次のブースは日本固有種であるハブについての説明となっている。ハブは沖縄だけではなくて奄美大島でも確認されているけど、沖縄周辺の島々では約20島ほどでハブの生存が確認されている。

ハブ男
ハブ男

ハブは日本在来種だから、大事に扱うブ~~!

 

ただそのハブもこのように沖縄に生息する種類と、奄美大島で生息する種類とは外観が少々異なっている。同じ生物でもそれぞれに先祖から枝分かれしていき、それぞれ生活する土地に派生していったのでその違いが表れているのであろう。

 

ただハブは人間が住む島では駆逐される対象となっているので、その数を減らしている。人類は「絶滅危惧種は守らないといけない!」とか言いつつ、人間を攻撃する可能性がある動物は駆逐する矛盾な生き物でもある。

ハブ男
ハブ男

人間程に恐ろしい生物は見た事ないブ~!

 

お次は南国らしくマングローブ植物についてのブースとなっている。同じようなマングローブ植物に思えるけど、それぞれの種によって生息できる範囲が決まっており、自然の縄張りのようになっているのがまた地球の面白い所でもある。

 

今朝漫湖で見たメヒルギなどが展示されているけど、植物に興味があまりない人からするとこれらの種類の違いが分からない。なのでマングローブ林を一般的にそう総称で呼ぶ理由も、何となく分かるような気がする。。

 

そしてマングローブ林以外にも南国ならではの植物も、ここ沖縄では沢山確認されている。奄美大島で見たモダマも1種類だけではなく、色んな種類の大きな鞘を作る植物があるようで、とても奥深い世界となっている。

 

ここにはそれらの植物の種が展示されていたけど、さすがに奄美大島でモダマを勉強しただけあって、一目でモダマの実はすぐに分かる。何気に旅をしているようだけど、意外とそれぞれの地域で得た知識がこのモダマの実を一目で見分けれるようになっているので、こう見えても成長している証かなと自分自身で満足した瞬間であった。。

どれがモダマの実か、分かりますか??

 

ハブ男
ハブ男

ヒントは上記を見てねブ~!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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2020年11月中旬に13年振りに、沖縄の地を踏みしめます。今回は3泊4日の旅程で、沖縄らしさを味わう旅にしたいと思います。
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