沖縄県立博物館での特別展『岩石』で、喋る岩が印象的だった理由【沖縄旅行記㊷】

沖縄旅行記2020年秋-㊷

 旅行期間:2020年11月11日~14日(3泊4日)
(Why the talking rocks were so impressive at the special exhibition “Rocks” at the Okinawa Prefectural Museum. [Okinawa Travelogue 42])

生きている岩?

さてまだまだ「沖縄県立博物館/美術館」の見学は続きます。とても大きな建物として造られている施設で、スペースが広くて、そこに沢山の展示品が置かれているので、見学するだけでかなりの時間を要するが見る価値は十二分にあると思う。

 

 

 

特別展『岩石』を鑑賞!

さて2階フロアの特別展示ルームに到着し、『特別展「岩石」-石ころから見える地球のダイナミズム―』をこれから見学して行きます。

※こちらの特別展は2020年9月8日~2020年11月15日までの限定開催だった為に、現在は終了しております。

 

 

その特別展示ルームに入ると、いきなりこちらの人面魚っぽいようなイメージを連想される”人面岩”が出迎えてくれます。こちらは単純に今流行りのプロジェクションマッピングを使用したものだが、このような岩にも綺麗に映像が映されると思っていなかっただけに、少々驚くのであった。。

琉球姫
琉球姫

へぇ~~昔の人が見たら、神様と思って崇めそうなデキね!

 

喋る人面岩① 動画

 

 

この特別展示のコンセプトは、地球や島などを形成する岩や石などに焦点を当てた内容となっている。一口に岩や石と言っても地味な印象しか思い浮かばないけど、魅せ方自体でとても魅力的に見える岩石や岩。

 

かと言って岩など加工したものではなくて、自然界に存在している岩などが展示されているので、普通に岩石展という感じだが、つまらない博物館などの展示とは違って、それぞれの魅力を伝える展示になっていたので面白く鑑賞できた。

 

こちらは「黒曜石」で、噴き出したマグマが水中で急激に冷やされて出来た、ガラス質の石。材質としてはあまり硬くなくて割れやすいけど、その反面、この石を割って石器として古代人は好んで使っていたという。なおこちらの石は黒曜石の有数の国内産地である、北海道遠軽町で採れた物だそうだ。

 

こちらは「重晶石」で、別名”砂漠の薔薇”ともその形から呼ばれている。その由来はかつてオアシスや湖だった場所から水が干上がりした時に、その水に含まれていた硫酸バリウムが結晶となって、このような形になるようだ。ただ、その水に硫酸カルシウムが含まれていると「セレナイト(透明石膏)」という石になるそうだ。どちらにしろ、この結晶がある場所にはかつて水が存在していた事を表している。

 

こちらには世界の女性達を魅了する、小さなダイヤモンドも展示されている。地球上で最も硬い材質とされているが、そんな硬さよりも、その輝きに魅了される人類である。

 

他にも色んな鉱石などが沢山置かれていて、このような勉強をしたい人にしては、とても楽しめそうな場所。ただボクはまだこのような鉱石に興味を持つ段階まで辿り着いていないので、ちょっと頭から湯気が出そうな雰囲気がしてきたのだが。。

 

こちらには「魚眼石」「電気石(トルマリン)」など、今までに聞いた事のない石も展示されている。電気石は熱すると電気を帯びる為にこのような名前が付けられているそうだが、地球が創り出す多種多様な物質は個性があり過ぎて圧倒されてしまうのである。

 

こちらにも誰かの彫刻の作品かと思わせるような石が並んでいるけど、「辰砂」という硫化水銀石は、かつて中世ヨーロッパで”賢者の石”と呼ばれた石でもある。「賢者の石」と聞くとボクらの世代では、ドラゴンクエストで出てくる賢者の石という道具を連想してしまうが、現実の世界でも古代中国の時代から珍重されてきた石のようだ。

 

 

こちらに置かれている平べったい石は「翡翠(ジェイド)」で、深緑の半透明な宝石として昔から人々を魅了してきた石である。古代中国ではこの翡翠を削った芸術加工品が沢山作られており、台湾の故宮博物館などでも翡翠の作品が多数展示されている。

 

 

こちらも同じ翡翠があるが、上のはミャンマー産に対して、こちらは新潟県糸魚川市産と発掘された場所が違うので、その分色合いが異なっている。この翡翠は産地によって色合いが異なり、世界中では10種類以上の色合いが異なる翡翠が発見されているようだ。

 

お次は立派な建物などによく使われる大理石(マーブル)が並べられているのが見える。一般的に大理石と呼ばれるが、岩石学上は「結晶質石灰岩」という名前が付けられている。

 

大理石は古代ギリシャ時代から人々を魅了しており、色んな歴史的な建造物や彫刻品にこの大理石が使われている。その大理石の中でも特にイタリア:トスカーナ州のカッラーラで産出される「ビアンコ・カラーラ(BIANCO CARRARA)は、非常に白くて人気があり、ピサの斜塔やミケランジェロ作のダビデ像などにも用いられている。

 

こちらは「御影石(花崗岩)」で、大理石と同じに思えてしまうけど、石としては全然別物になる。

大理石は生物の死骸などが蓄積して出来た石灰岩が、地中でマグマ熱などで再結晶化された石
御影石はマグマが地球の地下深くで冷却され、地中の高い圧力によって形成された石
オカン
オカン

微妙に違うって事だけは、分かるわ~!

 

 

地球上で一番硬い材質のダイヤモンドが何故人類を魅了するかというと、その光り輝くような輝きの為である。ただ当然のようにダイヤモンド自体が光を発している訳ではなく、ダイヤモンドは光を反射しているだけである。しかし、他の石と違って透明度とその屈折率が高い為に、如何にも輝いているように見えるので、それで人類を惹きつける石となっている。

 

またダイヤモンド以外にも色がついて屈折率が高い宝石も沢山あり、世界中のセレブ達が群がる石となっている。しかし、このような屈折率が高くて、いかにも光り輝いているように見える宝石を身に着けたとしても、その本人に光り輝くような魅力がなければ、暗闇に引き込まれてしまった宝石となってしまうのだが。。

琉球姫
琉球姫

でも女性は宝石に憧れるのよね~!

 

こちらの左側には「火打石」も置かれているが、世界的には特定の石の名前ではなく、石英などの硬質の石など複数の石の総称となっているようだ。日本では江戸時代に商品化されて全国に多く伝わった火打石だが、今では殆ど見られる事は無い。ただ、たまに行く居酒屋ではお客さんが帰る際にこの火打石を打ってお見送りしてくれるが、それは厄除けなどとして昔からの風習の名残となっているようだ。

 

そしてお次は「ルビー(紅玉)」で、ダイヤモンドに次ぐ地球上で2番目に硬い石。その産地は主に東南アジアから東アフリカ周辺に偏っていて、ヨーロッパでは殆ど産出されなかったので、かつては最も宝石で価値が高く扱われていたという。ただ今では”人工ルビー”を作る技術が開発されているので、宝石として売られているルビーには天然物ではなく、人工の偽物が出回っているようだ。しかし人工ルビーはその硬度を利用して、摩耗しにくい特性を活かして時計のパーツとして重宝されている。

 

 

そして次は見た事のある「岩塩(rock salt)で、石のように固まった塩化ナトリウムの結晶である。そしてこの岩塩の産地はボクも行った事のある、ポーランドで世界遺産にも登録されているヴィエリチカ岩塩坑から採れた物である。

 

 

こちらは「ピラミッドの石」となっているが、ギザの大ピラミッドとしても有名な大きな建造物”クフ王のピラミッド”には「石灰質砂岩」が使われているそうだ。このように世界中の遺跡などに使われている石を見ていると、その国の文化というか風土性が滲み出ているのが分かる気がする。

 

 

こちらに展示されていたのは「水晶」だけど、水晶も綺麗に表面を研磨すると、まるでダイヤモンドのような透明感のある石となる。こちらは山梨県の宝石研磨士が磨いた物らしいけど、素人にはダイヤモンドとの見た目の区別が付かない程に綺麗な仕上がりとなっている。

 

こちらはその綺麗に研磨された水晶を拡大鏡越しに除いた物であるが、左側の小さな水晶に小さな桜の花びらが加工されているのが、よ~~く見れば分かるようになっている。

 

一口に石といっても、これだけの種類が少なくとも存在しているという事実を目の前で見せてくれている訳だが、そこまで鉱石などに興味がない人間としてはそろそろお腹がいっぱいになってきたかのような感覚になる。。

 

このように色んな岩石があるけど、個人的には「岩石」という文字を見ると、「猿岩石」が頭に思い浮かぶ。今では猿岩石というお笑いコンビは解散して、その片割れである有吉弘行がメチャクチャ売れっ子芸能人になっているが、元はと言うと1996年に日本テレビ系列で放送されたテレビ番組『進め!電波少年』で、過酷なユーラシア大陸横断ヒッチハイク旅で人気となったのである。

 

 

【電波少年】猿岩石 ユーラシア大陸横断 ヒッチハイク旅 動画

 

 

この岩石展示もじっくり見だせば、かなりの体力と時間を使う事になりそうだけど、もう既に今日は色々と勉強してきたので、この時点でボクの脳内メモリー残量はほぼカラ状態だった。なので、そろそろ休憩が必要な頃合いとなってきていた。

 

喋る岩石コーナーにて

するとこの辺りにはこのような岩石が喋っているかのようにプロジェクションマッピングされている石が並んでいたので、それらを休憩がてら見学する事に。

 

喋る人面岩② 動画

 

 

お次はこのようなお爺ちゃんの顔が映し出されていて、その名もズバリ「クチャおじい」。何か喋っているような感じだったが撮影しているので全然気にしていなかったけど、この「クチャおじい」は沖縄県南部の島尻層群に存在する泥岩(クチャ)を解説していたようだ。

 

 

喋る人面岩③ 動画

 

 

次の石もジャガイモのような色合いをしていたが、こちらは「久米島石じゃがいも坊主」という名前が付けられている久米島石(安山岩)をモデルにした物のようだ。それにしてもこのような岩を面白く展示する方法としては、かなり面白みを感じる内容で楽しませてくれる。

 

名前の通りに久米島に存在する久米島石だけど、その場所によって色合いが異なるという。こちらの石は”グリーンタフ変質”という緑色に変色した独特な色合いになっている石で、久米島でも南部で見られる石のようだ。

 

 

喋る人面岩④ 動画

 

 

そして最後の石は「琉球石灰岩姫」という名前が付けられており、新生代四紀という約260万年以内に形成された岩が用いられている。ただ沖縄らしい琉球石灰岩も、このようなプロジェクションマッピングを施すと、その岩の特徴が全然分からなくなってしまっているのだが。。

 

 

喋る人面岩⑤ 動画

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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