那覇市の人気海水浴場:波の上ビーチの岩の上に鎮座する「波上宮」【沖縄旅行記③】

沖縄旅行記2020年秋-③

 旅行期間:2020年11月11日~14日(3泊4日)
( Naha City’s popular swimming beach: “Namiage Temple” perched on a rock at Namiage Beach [Okinawa Travelogue 3])

岩の上の神社

さて先程はこの波の上ビーチ沿いに造られている橋を渡ってから、その先端にある三重城タワーまで向かいました。しかし思った程の景観地では無かったので、引き返してきて第一チェックポイントにしていた波の上ビーチにある「波上宮」の近くまで戻ってきました。

 

 

波の上ビーチ周辺にて

このような海水浴場の砂浜が広がる場所にこれだけの大きな岩場が見られる事って、あまり無いような。大昔からこの岩場は神が宿る神聖な場所と考えられていたようで、昔から神様に祈祷する場所として使われていたという。

 

この岩場も近づいて見てみると、このように下側がエグられている形に削られているのが分かる。恐らく昔はこのエグられている部分までが海に浸かっていたので、その時代に打ち寄せる波によって浸食された跡だろう。

 

 

波の上ビーチの景観 動画

 

 

最近の国内旅は晴れ続きで自分の事を”晴れ男”だと勘違いしかねない天候ばかりだったけど、今日の沖縄の天気はどんよりと厚めの雲が掛かっていて、あまり南国らしさは感じない。晴れていたらもう少し海水浴客がいたのかもしれないけど、旅に慣れてくると雲であろうと雨であろうと、その現地らしさを楽しむだけ。天候で気分を変えていると、旅行を楽しめないので、旅慣れてくると天気は殆ど気にしなくなってくるのかもしれない。

 

この岩場の下は削れて穴になっているようにも見える。奄美大島の砂浜では数えきれない程のヤドカリを見かけて興奮したけど、ここでは全然蟹やヤドカリなどを見かける事が出来ずに残念ではあった。。

 

このような岩場も遠くから見るだけではなくて、近づいて足元から見上げると色んな窪みなどがあって、それぞれに歴史を感じさせる形になっているのが分かる。この岩場に立っている神社はせいぜい数百年だろうけど、この岩場はそれの数百倍は先輩でこの地に存在してきた事だろう。

 

ただ近年は発展した那覇市だけに、この海岸も人工的に整備されたビーチで、しかも目の前にはひっきりなしに車が通行しているので、景観的には海岸らしい雰囲気を楽しめる場所ではなくて、那覇市でとりあえず海水浴をしたい人が来る場所と言った方が良さそうな場所だった。

 

特に海に浸かる訳でもなく、サンダルではなく靴を履いていたので、ただ海岸を眺める。そうして見ていたこの海岸だけど、2021年1月に放送された『迷宮グルメ 異郷の駅前食堂:沖縄&台湾 2つの異郷を放浪の旅』の中で、芸人のヒロシがビーチのこの辺りを立って海を眺めているシーンが放送されていた。

 

この迷宮グルメも前までは海外をメインにしていたけど、コロナ禍の影響によって海外での撮影が出来ずに、最近では仕方なしに国内を巡っている。

旅をし出すと、旅番組をよく見るようになりました!

 

 

波上宮を訪問!

そして大きな岩の上にある社殿を訪れようとしたけど、さすがに岩場をよじ登って上がるのは難しそうだったので、その岩場の裏側に回ると、このような大きな鳥居がある入口が見えてきた。

 

【波上宮】

住所:沖縄県那覇市若狭1-25-11
電話番号:098-868-3697

 

 

この辺りには昔から神社のような建物があったらしいけど、第二次世界大戦で戦場と化した沖縄での戦いで焼失してしまい、ここで今見られる建造物は戦後に再建された物になっている。今回の沖縄旅最終日には沖縄での戦いの中でも激戦地となった「ハクソーリッジ/前田高地」と呼ばれる場所を訪れた。

 

この激戦地である「ハクソーリッジ/前田高地」の事は、実は2016年にメル・ギブソン監督作品の映画『ハクソー・リッジ』で初めて知ったのである。ちなみにこの「ハクソーリッジ/前田高地」はそれまではあまり観光客も少なかったらしいけど、この映画が公開された後は駐留している在日米軍基地の人達が多くやって来る程の人気観光地になったという。

映画の影響は大きいようです!

 

この神社は波の上にある事から、「波上(ナンミン)」と地元民に呼ばれて愛されているという。この沖縄は元々は日本の領土では無かった事もあり、独自の方言が強くまだ残っているので、その言葉を知る旅にもなる。だから先程跡地を訪れた城も、ここ沖縄では城とは呼ばずに「グスク(城)」という呼び名なのである。

 

沖縄は元々は日本の領土では無かったから、もっと沖縄らしい宗教があるのかと思っていたけど、いきなりこのような日本らしい神社があったので、少々拍子抜けをしたような気分だった。しかしそれは沖縄が受け入れた宗教というよりは、無理やり領土化されて押し付けられた宗教だったのかもしれないが。。

 

神社の境内に足を踏み入れると、ここが大きな岩の上だとは思えない程に緑がふんだんに植えられている光景が見られる。また境内では新婚さんが記念撮影している風景も見られて、普通の神社のような場所だった。

 

沖縄だけに神社の手水も、このような龍から流れ出るのではなくて、シーサー像から流れ出ている方がもっと沖縄らしさを感じられた事だろう。。

沖縄43
沖縄43

シーサーは龍ではなく、所詮狛犬サ・・・

 

こちらには昭和62年に沖縄を訪問する予定であった昭和天皇が、思わぬ病によって体調を崩して訪問を取りやめた、その時の苦悩を思って発した言葉が石碑に彫られている。第二次世界大戦時にはこの沖縄が日本を代表する激戦地となっただけに、戦争時の天皇であった昭和天皇は特にこの沖縄の地をずっと気にしていたようだ。

 

そんな昭和天皇の言葉の石碑の隣には、こちらのしっかりした体格の軍人のような像が置かれている。こちらはその昭和天皇の祖父である明治天皇の銅像である。

 

沖縄は元々古代中国の属国となっていたが、江戸時代になって薩摩藩に侵略されて、その際に日本(薩摩藩が管轄)とも二重の属国となった。そして明治維新が起こり明治時代になると、この琉球王国(沖縄)を日本に取り込む為に「琉球藩」が作られ、その後に沖縄県となる。

 

 

その明治時代の沖縄県民が日本に組み込まれるという事に大きく賛成したのかは分からないけど、ここは神社なのでこのように明治天皇の像が置かれていた。ただ琉球王国の人達からすると、既に江戸時代初めから薩摩藩に支配されていたので、日本国の一部になるという事にもあまり抵抗が無かったのかもしれない。

 

沖縄には神社が無いようなイメージがあったけど、このように沖縄にも神社はキチンとあったのである。ただ本土のように仏教寺というのはあまり見かけなくて、あくまでも神道が大きく布教されたのかもしれない。

 

ただここは沖縄なので神社に付き物の狛犬の像も、このようにシーサー像となっているので、沖縄らしさがこの像を見る事によって感じられる。外国人からすれば狛犬もシーサーも同じ物にしか見えないのであろうが、日本人からすればこの差は大きいように感じる事だろう。

沖縄43
沖縄43

沖縄県民からすれば、狛犬が置いてある方がオカシイように思うサ~!

 

この波上宮の敷地内には、こちらの小さな浮島神社がある。実は神社としては波上宮よりもこの浮島神社の方が歴史が古いらしく、15世紀に元々浮島だったこの周辺に中国からの使節団を迎える道路を造ろうとして、その御守りとして日本本土から迎えた天照大神を祀る場所だったようだ。それまでは何度か道路の建造をしたものの、上手くいかなくて、苦肉の策で本土から天照大神を迎えた所、その道路が上手い事造られる事になったんだとか。

 

そのように神社の中に神社があるという、ちょっとややこしい神社であるが、それだけ何だかんだで日本本土と近かった沖縄だけあって、日本の神社が根付いていたという事でもあったようだ。

 

沖縄県民性というのは南国らしく日本本土の人からすると考えられないような個性があるけど、そんな沖縄県民がこのような神社で祈っているというイメージが全然湧かないのであるが。。

 

ただこの沖縄に限らずに世界どこの場所でも、見えない空想上の神様にお祈りするという宗教的な考えが一般的だったので、人間社会には何かしらの神様が必要だった事だろう。

 

ただ今回の沖縄旅ではあまり現地の沖縄県民と絡む機会が無かったので、そこまで沖縄らしさを満喫できた旅でもなかった。コロナ禍での旅行だと現地の人と接しにくく、喋る際にも注意が必要なので以前に比べると旅でも気を使う事が多くなったように思う。

 

さて海岸近くを散策していると13時近くになってきたので、そろそろどこかで昼食を食べる事にする。普段の1人旅では色々と歩き回って飯屋を探すのだけど、この波上宮の向かいにいい感じの食堂らしき建物があったので、そこで食べる事にした。

 

その波上宮の鳥居向かいにあったのが、こちらの「まるや食堂」。ここで沖縄そばを食べる事にしたのだけど、先述したヒロシが迷宮グルメのロケで沖縄にした際に、ボクと同じルートで歩いてきて、このまるや食堂に入って食事をしていたのであった。。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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