何も無い新駅「てだこ浦西駅」から、激戦地跡のニードルロックへ向かう【沖縄旅行記㊹】

沖縄旅行記2020年秋-㊹

 旅行期間:2020年11月11日~14日(3泊4日)
(From the new empty Tedako Uranishi Station, we headed to Needle Rock, the site of a fierce battle  [Okinawa Travelogue 44])

期待の新駅?!

さて沖縄旅も今日で4日目となり、今日が沖縄滞在最終日となります。今日は今までとは打って変わって晴天に恵まれた一日になりそうで、沖縄らしい南国の青空の景色が見られそうです。出来れば毎日晴れていて欲しかったけど、雨は地球上の生物にとっては恵みの雨でもあるので、雨が降って残念がるのではなく、その雨に感謝しなければいけない。

 

 

ゆいレールで「てだこ浦西駅」に向かう!

さて今日は沖縄滞在最終日なのでホテルをチェックアウトし、荷物はホテルに預かってもらう選択肢もあったけど、国際通り近くの「牧志駅」のコインロッカーに預ける事にする。結果的にはまた国際通りまで戻ってくる事になったので、有料のコインロッカーに預けるよりもホテルのフロントに預けておく方が節約になったのであるが。。

 

コインロッカーに荷物を預ける際には、毎回そのコインロッカーの写真を撮影しておく。というのも、後になってからどのコインロッカーに預けたかを思い出せない事があった場合に備えてである。ただまだ今までに荷物を預けたコインロッカーの場所を思い出せなかった事はないけど、調子に乗ってお酒を飲んでいたりした場合に思い出せなかったら困るので。

 

そしてゆいレールの車両に乗り込み、これから目指すのはこの路線で最も先端の駅である「てだこ浦西駅」。このゆいレールが開通した当初は首里駅までしか路線が無かったが、2019年10月に路線が延伸された際に「てだこ浦西駅」が開業した。

 

 

 

この「てだこ浦西駅」まで向かったのは、単にゆいレールの先端駅が見たかった訳ではなくて、アメリカ映画『ハクソー・リッジ』で激戦が行われていた現地の前田高地(英語:Hacksaw Ridge)を見学したかったからだ。この前田高地という場所は映画『ハクソー・リッジ』を鑑賞した際に、初めてその存在を知った場所である。ちなみに前田高地を訪れるには「てだこ浦西駅」まで行く必要はなく、その手前の駅である「浦添前田駅」が最寄り駅となっている。

この奥に見えている台地が前田高地です!

 

 

ゆいレールからの景色① 動画

 

 

そしてこの前田高地という1945年の沖縄戦で日本軍とアメリカ軍の激戦地となった場所は、琉球王国時代に浦添グスク(城)が造られていた場所でもある。だからこのように高い場所に拠点が造られていたが、激しい戦闘によって、その城跡も崩壊してしまっている。

 

 

ゆいレールからの景色② 動画

 

 

 

「てだこ浦西駅」に到着!

さてゆいレールの最終の駅である「てだこ浦西駅」に到着する。どんな場所か全然勉強していなかったけど、全然乗降客が居なかった。沖縄に来る前はゆいレールは沖縄庶民の足になっているかのように思っていたけど、実際にはそこまで便利な路線という訳でもないからか、人がいない。。

 

こちらの駅は元々は単純に「浦西駅」となる予定だったが、公募した結果、この「てだこ」という沖縄で”太陽の子”を意味する言葉が加えられた駅名となっている。ただし、県外から来る観光客からすると、ちょっと発音しにくい名前であるが。。

琉球姫
琉球姫

いいのよ、観光客なんて殆ど来ない駅だから・・・

 

2019年10月に開業と、ここを訪れた時には開業から約1年しか経過していなかったので、駅構内の設備は全て綺麗だった。新しい駅なので勿論自動改札が設置されていて、ゆいレールでは交通系ICカードが使えるようになっていたので、移動は便利だった。

 

この「てだこ浦西駅」は沖縄では東端の新しい駅なので「どんな駅前の景色かな?!」と少々楽しみにしていたけど、実際に駅の改札を出て正面に出てみると、大きなロータリーと立体駐車場しかない、素朴な風景が広がっていた。。

 

こちらは「てだこ浦西駅」の駅舎で、まだ造られて新しい事もあって近代的で綺麗な駅舎なのであるが、驚いた事に全く駅周辺に売店なども見られなくて、ひと気が全然感じられない駅となっていた。地方の田舎にある駅だと寂れていて周辺に売店がないのも分かるけど、この「てだこ浦西駅」は新しい駅なのでコンビニ位あるかと思っていたけど、何も無いのが逆にスッキリしているようにも感じたのである。。

 

そして駅の利用者もそこそこいるかと思っていたけど、全然車もやって来ないし、辛うじてタクシーの運ちゃんが客待ちをしているだけで、それも何時間も待って1日お客1人ぐらいのレベルにも見える・・・。

 

駅前には何かしら商店があると思い込んでいた先入観が、大きく崩れ去った瞬間でもあった。ただここから那覇市内の県庁などに勤める人にとっては、渋滞もなくモノレール1本で通勤できる事が出来るので、今後の利用者は増えていくかもしれないが。。

 

「てだこ浦西駅」から少し歩いた所も商店はなくて、ず~~っと工事中の現場が続いている。この辺りでは殆ど徒歩で移動している人を見かけないし、まずここにやって来る観光客もいない事だろう。しかし、個人的には最短ルートの最寄り駅から前田高地を訪れるよりも、このように遠回りする事によって、色んな経験を出来るのでこれが旅の醍醐味でもあると自己満足するのである。。

琉球姫
琉球姫

普通の観光客が行かない場所を訪れるのが好きなんだね!

 

そんなひと気が全くない「てだこ浦西駅」から、前田高地らしき場所を目指して歩くとする。しかし、道沿いにあったのはその前田高地への案内板ではなく、こちらの「当山の石畳道」という案内だった。この「当山の石畳道」という道は、首里城から浦添城へと繋がり、更には宜野湾まで繋がる街道として琉球王国時代に整備されていた道のようだ。

 

 

そんな案内板に従って進んで行くが、全然古風な石畳の道は見えずに、こちらの雑草がボウボウに生えたアスファルトの道しか見えなかった。なかなかここまで雑草が放置され続けている道を歩く機会も少ないので、逆にこの雑草などを鑑賞して楽しみながら歩いたのであるが、こういった雑草除去も税金が使われるので、財政難に喘ぐ市町村ではこのような所まで中々手が届きにくいのかもしれない。

 

 

浦添市の墓地群にて

そして道を進んで行っても前田高地の案内板が見えなかったので、とりあえずこの台地の上の方にあるだろうと思って登っていくと、また大きな墓地群に出くわす。それにしても沖縄の墓地群は立派なお墓ばかりが並んでいるので、墓地とは思えないような雰囲気がある。

 

そんな斜面に造られている墓地群を登っていくと、宜野湾を見晴らせる景色が見えてくる。このような景色のいい高台に墓地が造られている理由が、何となく分かるような景色である。

 

こちらは先程ゆいレールに乗ってやって来た「てだこ浦西駅」がある方向だが、こうやって高台から眺めてみると、意外と住宅街になっている事が分かる。今はまだ新駅の「てだこ浦西駅」利用者は少ないかもしれないが、新駅開通によって通勤などに便利になる土地柄に惹き付けられて、新しい住民が増えていくのかもしれない。

 

 

浦添の高台の墓地からの眺め! 動画

 

 

そんな墓地群を彷徨うかのように登っていくと、行き止まりかと思っていた金網の一部が開いており、その先に目的地の前田高地がありそうな雰囲気がしてきた。色んな所で適当に歩いて目的地に向かっていると、行き止まりなどによって遠回りする事が多いだけに、今回のようにいきなり入口に辿り着けると、ちょっと嬉しくなるのである。

 

ここまでは墓地群だったけど、これから先は「浦添城跡」という国指定の史跡になるようだ。映画『ハクソー・リッジ』で有名になった前田高地ではあるが、この辺りの地名が前田となっていて、その土地の高台にあるので「前田高地」とも呼ばれているが、琉球王国時代には 「浦添城」という城があった場所である。

 

浦添城跡を進む!

映画『ハクソー・リッジ』で有名になった場所でもあり、かつては浦添城という琉球王国時代の城跡だった場所なのに、全然観光客はおろか、地元民の姿さえ1人も見えない。自分が思っていた程に人気が無い場所なのかと思っていたけど、実際には前田高地(浦添城跡)の最寄りの入口は反対側に造られており、こっちの東側から訪れる人はあまり居ないだけだったのである。。

琉球姫
琉球姫

前田高地は映画の影響で、アメリカ人観光客がとても増えたのよ!

 

そして進もうとすると、こちらの「浦添八景:ワカリジー」という碑が見えてくる。この尖がったように見える岩山のようなのがそれに当たるのだろうけど、さっきゆいレールに乗っている車内から撮った写真にも、この尖がった岩山が見えていたのである。

 

そして誰もいない台地を進んで行くと、程なくさっきの写真にあった、モッコリした岩山が見えてくる。しかし、この周辺は全くひと気がせずに、「来る場所を間違ってしまったのか?!」と思う位にヒッソリとしていた。

 

しかし、そのモッコリ岩まで向かう道はそれなりに整備されていて、ジャングルの中を進んで行くのではなく、定期的に人が訪れている道のように感じる。まあ誰かが居るから見学する訳でもなく、自分が興味ある方向に進んでいるだけなので、ひと気が無くても気にはならないのであるが。

 

ニードルロックとご対面!

こちらが先程の案内板にもあった「ワカリジー」と呼ばれる、この浦添市で一番標高の高い場所でもあり、浦添城が存在していた時代に御嶽という神聖な神様が宿る場所とされていた所。また近年は「為朝岩」とも呼ばれている事もあるが、この前田高地を奪い合った米軍からは「ニードルロック(needle lock)と呼ばれていた場所でもある。

 

こうやって見ると、確かに台地の上で空に向かって飛び出すかのように突起している大岩なので、昔の人達は神様が宿る場所に感じた事であろう。しかし、沖縄戦でこの前田高地を占領しようとした米軍から見たら、針のように突き出た岩に見えたのだろう。

 

この岩の頂上付近は標高約148mとなって、この浦添市で最も高い場所となっている。昔から人々は高い場所に憧れを持つ性質があったので、沖縄戦では特にこの大岩を奪う事がアメリカ軍の勝利の証に思えたのかもしれない。

 


ペリー提督一行が沖縄で訪れた「バナーロック(ニードルロック)」

ペリー提督一行が沖縄で訪れた「バナーロック(ニードルロック)」–『ペリー提督日本遠征記』より

ちなみに日本を開国に導いたアメリカ合衆国のペリー提督は、浦賀に訪れる前に当時琉球王国だった沖縄も訪れている。その際には6日間に渡って琉球王国内を探索し、その途中にはこの周辺で最も高台だと思われる「バナーロック(ニードルロック)を訪れていた記述も残っている。

 


 

 

かつてこの辺りで激戦が行われた事など、全く知らなかった自分が恥ずかしい。しかし、歴史というのは初めは誰も知らずに、成長していくに従って覚えていく物なので、知らない事が恥ずかしいのではなく、新しい事実を知った事を今後の人生にどう活かすかの方が大事かと思った、今日この頃である。

琉球姫
琉球姫

沖縄の歴史を沢山覚えていってね!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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