沖縄県立博物館の特別展『岩石』で、沖縄で生み出された石の芸術品を鑑賞【沖縄旅行記㊸】

沖縄旅行記2020年秋-㊸

 旅行期間:2020年11月11日~14日(3泊4日)
(View the stone artifacts created in Okinawa at the Okinawa Prefectural Museum’s special exhibition, “Rocks”. [Okinawa Travelogue 43])

岩の芸術品

まだまだ那覇市にある「沖縄県立博物館」の見学は続きます。最近はこのような写真撮影が可能な博物館に入ると、記憶代わりも兼ねてかなりの写真を撮ってしまうと、後でブログを作成する時に量があり過ぎて困る現象が多々起きています。しかし手間ではありながらも、そんな写真を後で見返して調べ直すと、その時に気付けなかった事をブログ作成時に勉強できるので、結果的には写真を撮れば撮るほどに勉強になっているのである。

ほぼ、自己満足ですが・・・

朋ちゃん
朋ちゃん

確かに写真撮らないと、何を見たか忘れちゃうよね!

 

 

 

特別展『岩石』の見学!

そしてやっぱりここ沖縄の岩というと、この「琉球石灰岩」である。石灰岩とは海中で貝類や他の海中生物の死骸の硬い部位が堆積して出来た岩であるが、この沖縄周辺にはサンゴ礁も多く含まれており、それによって独自の石灰岩が多く産まれる環境となっている。

 

※こちらの特別展は2020年9月8日~2020年11月15日までの限定開催だった為に、現在は終了しております。

 

 

こちらは「石灰岩地形の模型」が置かれていて、沖縄の海辺によく見られる景色が再現されている。石灰岩の地層は雨水や地下水などによって長い時間を掛けて溶かされていき、窪地や鍾乳洞などの空洞が出来やすい。また海水が届く場所にあった石灰岩の大岩などは、海水に浸かっている部分が浸食されて、不思議なキノコのような形になっている岩も見かける。

 

こちらの写真はそんな石灰岩が水の影響を受けて形を変えた場所が展示されているが、右上の南城市知念岬周辺に「ノッチ」と呼ばれる、奇怪な形をした岩を見かけた。トルコのカッパドキアでは雨風で削られた奇石を見かけたけど、こちらは波に削られた奇石である。

 

 

そして石灰岩の地質が雨水や湧き水などで削られた洞窟に付き物なのが、こちらにある鍾乳石。空いた空洞の洞窟内に上の地層から水に溶けた石灰岩の成分が滴り落ちてくる際に、そこで蓄積してこのような鍾乳石と姿を変えていく。石灰岩からすれば、水に溶かされて空洞にさせられ、更にそこに新しい石灰岩の芸術品を作っていくかのような感じかもしれない。。

 

こちらは沖縄独自の「石厨子」という、石灰岩の骨壺。時代によっては陶器製もあったりで石灰岩だけではない。そしてこの骨壺と共に沖縄では、死者の埋葬方法が本州とは大きく異なっていた。

 

というのもここ沖縄では火葬も土葬もせずに、一旦死者をお墓に放置して自然に骨の状態になるまで待つ。そして数年後にその骨だけになった状態から洗骨という骨を洗う作業をしてから、この骨壺に納めて墓に埋葬するのだ。今では文明社会となった為にこの風葬という埋葬方法は少なくなったそうだが、これが変わっている訳ではなくて、沖縄独自の伝統的な埋葬方法だったのである。

 

こちらは首里城本殿にあった龍柱の残骸部分。この特別展示が行われている2階フロア部分に、かつて首里城本殿脇に飾られていた大きな龍柱が展示されていたけど、それに比べると小ぶりな龍の柱だったようだ。

 

こちらは「末吉宮石獅子」という、かつて那覇市の首里末吉町にあったとされる万寿寺に飾られていた像。狛犬のように阿形と吽形が一対で設置されていた物で、丸みを帯びた体や柔らかい顔のイメージが特徴的である。

沖縄43
沖縄43

優しい顔は狛犬には向かないサ~!

 

そしてお次は沖縄の石垣などで見かける、琉球石灰岩を積み上げた積み方の違いを説明するブース。日本本土の石垣にもそれぞれに違いがあるように、ここ沖縄でもその石垣の積み方が色々と異なっているのは、色々と見学していると分かるけど、ただ見るだけで終わってしまう事も多い。。

琉球姫
琉球姫

しっかり勉強して帰ってね!

 

まずはよく聞く名前の「野面積み」。この野面積みの特徴は自然の石を加工する事なく積み上げており、ボコボコとしているのが特徴である。単純に石を加工せずに積み上げるので比較的簡単に石垣を構築できるのであるが、その凸凹に足を引っかけて登られやすいという弱点もある。なので石垣造りの技術が向上していくに従って、このような簡単な野面積みはあまり見られなくなっていく。

 

こちらは「布積み」、または「切石積み」と呼ばれる積み方で、一般的には四角く加工した同じ高さの石を積み上げるやり方である。その為に”豆腐積み”とも呼ばれる事のある積み方だけど、このサンプルを見ていると単純に四角ではなく、その石に合わせて高さを変えたりと柔軟性のある積み方となっている。

 

 

そしてこちらは「相方積み」「亀甲乱積み」などと呼ばれている積み方で、五角形や六角形に加工された石をしっかりカマせているので、強度などが他の積み方に比べると優れている。

 

なお2日目に訪れた世界遺産の中城城跡では、この3つの城郭の積み方が全て見学できる場所となっている。そして上から順に石垣造りの技術が向上していった過程となっており、相方積み/亀甲乱積みは築城の名手であった護佐丸の時代に造られた物となっている。

 

その隣にあった、こちらの城跡の模型は残念ながらボクが訪れた中城城跡ではなくて、今回訪れなかった与論グスクの物。勿論与論グスクは沖縄本島に無くて、近くの与論島に築かれていた城跡。15世紀初め頃に築かれた城とされていて、野面積みの城郭となっているようだ。

 

こちらは琉球王国:第二尚氏王統の菩提寺となっていた、円覚寺の「円覚禅寺記」という石碑。首里城の北側に造られた円覚寺は第二尚氏王統の存続と共に約450年間に渡って続いたが、沖縄戦で首里城と共に破壊されてしまっている。近年、その跡地が発掘調査されて、今ではその一部が復元されている。

 

こちらは「玉御冠(タマンチャーブイ)」(※模造復元品)で、当時の琉球王国の国王が大事な儀式で被っていたとされる冠。琉球王国の国王の肖像画を見ると、大体正装をしてこの冠を被っている姿が描かれている。

 

縦に金糸の帯が縫われており、そのラインに金・銀・水晶・琥珀・翡翠などが取り付けられている。この豪華な冠が王様の威厳を象徴する物であり、そこに取り付けられている宝石類がそれだけ貴重な品だった事も分かるのである。

 

こちらは世界遺産の玉陵(たまうどぅん) に設置されていた、石碑の模造復元品。玉陵は琉球王国: 第二尚氏王統の霊廟であるが、その玉陵には王族全員が納められる訳ではなくて、葬られるべき人の資格が刻まれた石碑となっている。

琉球姫
琉球姫

昔も王族内の仲が悪かったのね!

 

この霊廟である玉陵は、 第二尚氏王統の第3代国王:尚 真王時代に造られたとされている。尚 真王の父親である初代国王:尚円王を納める為の霊廟ではあるが、その尚円王の実の弟である第2代国王:尚 宣威王(第3代国王:尚 真王の叔父にあたる)はこの玉陵には納められていない。。

沖縄43
沖縄43

国王も身内には好き嫌いあったのサ~!

 

これにてやっと約3時間ほど掛かった、沖縄県立博物館&美術館の見学は終了となる。美術館は残念ながら写真撮影が禁止だったけど、もし美術館でも写真撮影が可能だったら、まだまだ長編になっていたと思うと少し気が楽になるような。。

朋ちゃん
朋ちゃん

「写真が多い程に勉強になる」って言ってたの、誰だっけ?!(笑)

 

 

3日目の沖縄の夜・・・

さて3時間を超えて見学している内に、外はすっかり暗くなってしまっていた。ホテルがある国際通り周辺では全然パチンコ屋を見かけなくて「沖縄にはパチンコ文化が無いのか?!」と思っていたけど、ここおもろまちは再開発された土地なので、このように大きなパチンコ屋が博物館の真ん前に存在していた。。

 

このおもろまちは再開発エリアなので大きなショッピングセンターなどの施設が隣接しており、試しに入ってみるけど、このように大き過ぎる建物は沖縄というイメージに合わないような気がして、少々気分が悪くなる。沖縄というと、もっとこじんまりした商店が集まっている雰囲気のイメージを勝手に連想していただけで、現実世界としてはこのような大型ショッピングセンターに人が集まるのが21世紀なのである。

 

なお、この大型ショッピングセンターに入ったのは、ここが「サンエー那覇メインプレイス」という、沖縄ローカルのスーパーマーケットなど小売り事業を展開する「株式会社サンエー」が運営している商業施設だったからである。沖縄で一番大きな商業施設がこの「サンエー那覇メインプレイス」であり、そこに入っているサンエーのスーパーマーケットがとても広くて、沖縄らしいお土産を安く買うのがベストな場所だからでもあった。

 

そしてサンエーのスーパーマーケットでボチボチにお土産を購入した後は、国際通りまでは歩いて帰れそうな距離だったので、モノレールには乗らずに徒歩で帰る事にした。しかし、このおもろまちは再開発エリアで大型店舗が並んでいるので、このように沖縄っぽくない全国に展開しているブランドのお店ばかりとなっていたので、沖縄らしさを全然に感じない場所となっていた。。

 

そして沖縄旅3日目が最後の沖縄の夜となるので、今日はどこか雰囲気の良さそうなお店で晩御飯を食べて泡盛を飲もうかと、帰路の途中に良さそうな雰囲気のお店を物色しながら歩く。しかし、アレコレと色んなお店はあるものの、いつも癖というか、好みの雰囲気を醸し出しているお店がなくて、どれも素通りしてしまう。。

オカン
オカン

だからこの子と一緒に行くと、なかなかご飯が食べれなくて大変なんです・・・

 

そして気付けば国際通りに帰ってきてしまう。しかし、この周辺にも沢山飲食店があるので、またここから小一時間掛けて周辺の飲食店を物色して歩く事に。

 

しかし約1時間歩いた後にイマイチ好みの雰囲気のお店を見つけられなかったので、ホテルの部屋に戻って明日の朝飯にと購入していた塩のおにぎりと、沖縄名物のサーターアンダーギーを晩御飯とする事に。。

オカン
オカン

なんじゃそりゃ!虚しい晩御飯やな・・・

 

沖縄版:揚げドーナツでもあるサーターアンダーギーをこの時初めて食べたけど、とても美味しくて驚いた。お土産用として購入していたので1袋だけ食べようと思っていたけど、その美味しさで思わず2袋とも食べてしまっていた・・・。

オカン
オカン

だからサーターアンダーギーのお土産がなかったんか!(怒)

 

そしてサンエーのスーパーマーケットで購入した、沖縄らしいお土産の「スッパイマン」。ちなみに干し梅は中国や台湾で昔から人気だったお菓子で、それが近い沖縄に入って来て、このように人気になったそうだ。だから、スッパイマンに使用されている梅は日本産の物ではなくて、中国産か台湾産の梅が使用されている。

 

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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