バロック絵画を代表するレンブラントの自画像コーナーを鑑賞【大塚国際美術館旅13】

大塚国際美術館旅行記 2022年6月-13

旅行期間:2022年6月上旬(当日旅)

最後の重たいコーナー!

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『卵を料理する老女と少年(Old Woman Frying Eggs)』

『卵を料理する老女と少年』(Old Woman Frying Eggs)
by ディエゴ・ベラスケス(Diego Velázquez)
スコットランド国立美術館(イギリス)

多くの美術品が収蔵されている大塚国際美術館。近代絵画ゾーンを鑑賞しているかと思ったら、またルネッサンス期前後の中世絵画ゾーンへと作品が移り変わっていた。

 

【大塚国際美術館】

住所:徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65-1
営業時間:9時30分~17時頃(※月曜定休日)
※ただし祝日の場合は営業し、代わりに翌日火曜日が休館
電話番号:088-687-3737
入館料:大人3,300円/大学生2,200円/小中高学生550円
(※前売券大人3,160円/大学生2,140円/小中高学生530円)

●美術館専用駐車場:無料 450台分あり

 

 

 

本館2Fにて

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『家族の肖像(Family portrait)』

『家族の肖像』(Family portrait)
by レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn)
ヘルツォーク・アントン・ウルリヒ美術館(ドイツ)

バロック絵画の巨匠「レンブラント」の作品は、世界的にも人気が高くて、この大塚国際美術館にもそれなりの点数が飾られている。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『ダヴィデの手紙を持つバテシバ(Bathseba met de brief van koning David)』

『ダヴィデの手紙を持つバテシバ』(Bathseba met de brief van koning David)
by レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn))
ルーヴル美術館(フランス)

こちらはダビデの家臣の妻だった「バテシバ」で、ダビデは彼女を奪い取って子供を産ませる。なお、その子供が後に「ソロモン王」と呼ばれる、黄金時代を築くのであるが。。

大塚ナルト
大塚ナルト

神話などの王様は、やりたい放題ナルト!

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『まぼろし(L’Apparition)』

『まぼろし』(L’Apparition)
by ギュスターヴ・モロー(Gustave Moreau)
モロー美術館(フランス)

こちらは古代エルサレムのヘロデ王の娘だった「サロメ」を描いた物。

 

ヘロデ王は自分の誕生会で踊って盛り上げてくれたサロメに対して褒美を聞いてみた所、「洗礼者ヨハネの首」と返ってきた。その為にヘロデ王はヨハネの首を切り落とさせて、サロメに与えたというシーンを描いているという。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『水底深く(The Depths of the Sea)』

『水底深く』(The Depths of the Sea)
by エドワード・バーン=ジョーンズ(Edward Burne-Jones)
フォッグ美術館(アメリカ)

こちらの作品は人魚が裸の青年を水中深くに引きずり込もうとしているのか、それとも溺れている青年を助けようとしている人魚なのか?

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

酔っ払いを介抱しているお姉さんに見えるけ!(笑)

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『愛撫(The Sphinx)』

『愛撫』(The Sphinx)
by フェルナン・クノップフ(Fernand Khnopff)
ブリュッセル王立美術館(ベルギー)

こちらはギリシャ神話に出てくる「オイディプス」という人物が、「スフィンクス」という怪物を退治に行った時のシーンを描いた作品。

スフィンクスの顔は女性の顔で、体は獅子の体をしていたとされる。そんなスフィンクスはやって来る人間達に対して、「朝は四つ足、昼は二本足、夜に三つ足で歩く生き物は何か?」という問いかけをしていた。

大塚ナルト
大塚ナルト

カカシ・・・?!

 

その難問にやって来た人間達は答える事が出来ずに、スフィンクスに殺されてばかりいた。そこにオイディプスがやって来て、その難問を正解してしまう。その為にスフィンクスは自ら山から飛び降りて死んだという・・・。

 

 

レンブラントの自画像コーナーにて

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum レンブラントの自画像コーナー

そしてまたレンブラント作品ばかりが展示されている小部屋が出てくる。この多くの美術品が展示されている大塚国際美術館でも、同じ作者で部屋が2つも用意されているのはこのレンブラントだけである。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum レンブラントの自画像コーナー2

レンブラントはバロック絵画を代表する芸術家であるが、30歳頃の全盛期以降は坂を転げ落ちるように、その評判が地に落ちていった。しかし、そのような周囲からの評価というものはアテにならないもので、その芸術性ではなく、単に作者の素行とか作品に関係ない事を批判しているだけだったりする。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『自画像(Self-portraits by Rembrandt)』

『自画像』(Self-portraits by Rembrandt)
by レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn))
ウフィツィ美術館(イタリア)

全盛期頃のレンブラントは、肖像画などの製作依頼が殺到し、サスキアという妻が裕福な家の出だった事もあり、入ってくるお金で高価な美術品を収集し続けた。しかし、傲慢な態度が嫌われたり、依頼者側の意図を無視した作品などを作った為に、依頼人が遠のいていった。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『自画像(Self-portraits by Rembrandt)』

『自画像』(Self-portraits by Rembrandt)
by レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn))
マウリッツハイス美術館(オランダ)

そして最愛の妻:サスキアも早くに亡くなってしまい、借金だらけとなって家を失い、晩年は貧しいユダヤ人街に身をひそめる事になる。しかし、晩年のレンブラントは絵画制作は継続し、このように毎年自分の肖像画を描き続けた。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『』

『羽飾り帽をかぶったレンブラント』(Self-portraits by Rembrandt)
by レンブラント工房??
ベルリン国立美術館(ドイツ)

こちらの作品はレンブラントによる作品ではなく、レンブラント工房に在籍していた弟子が制作した作品と考えられている。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『縁なし帽をかぶった自画像(Self-portrait with Hat and Gold Chain)』

『縁なし帽をかぶった自画像』(Self-portrait with Hat and Gold Chain)
by レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn))
ルーヴル美術館(フランス)

芸術家にとって悩ましいのは、世間の評価がアテにならない事かもしれない。中世の画家達は、生きている当時には絵が全く評価されなかった人物も多く居るのだが、数百年が経過した現代になって、やっと光が当たった作者なども多い。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『』

『自画像』(Self-portraits by Rembrandt)
by レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn))
スコットランド国立美術館(イギリス)

特に芸術というものはその時代の人間には理解できなくて、後年の色んな芸術を理解できるようになってきた人々にやっと評価されるという、作品ではなく”観る側の熟成”が必要な面もある。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『死んだゴイサギを掲げる自画像(Self-portrait with Bittern)』

『死んだゴイサギを掲げる自画像』(Self-portrait with Bittern)
by レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn))
ドレスデン古典絵画館(ドイツ)

そういう意味では、中世の理解されなかった芸術家は時代を大きくリードしていた訳である。しかし、やっぱり人間というものは周りから評価されたいという『承認欲求』を常に抱えているが、自分のポリシーを突き通して評価されない作品を書き続けるのも意外と苦痛だったかもしれない。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『サスキアを膝に抱く自画像(Self portrait with his wife Saskia)』

『サスキアを膝に抱く自画像』(Self portrait with his wife Saskia)
by レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn))
ドレスデン古典絵画館(ドイツ)

ただ孤高な芸術家程に、自分の芸術を理解できない依頼者の好き勝手な意向に沿って作品を創るのが、シンドくなってくる。レンブラントも肖像画家として有名になったものの、自分が描きたい内容ではなく、依頼者からの自分勝手な注文が増えて嫌気が刺したのかもしれない。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum レンブラントの自画像コーナー3

その為にレンブラントは段々依頼者の意向を無視して、自分の考える構図の絵を描き続けていった。しかし、依頼者側からすると、お金を出して制作させている自分の意向を無視して作品を創る芸術家を許せる人が少なかった為に、稀代の芸術家だったレンブラントの評判は落ちていく事になる。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『腰に手を当てる自画像(Self-portraits by Rembrandt)』

『腰に手を当てる自画像』(Self-portraits by Rembrandt)
by レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn))
ウィーン美術史美術館(オーストリア)

しかし、晩年になってユダヤ人の貧困街に住み込んで何とか暮らしていたレンブラントの作品を観ていると、そんな場所に居ながらも自画像などを制作する意欲を失っておらずに、自分の理想の絵を描き続けていてくれた事に喜びを感じる。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『カンヴァスに向かう自画像(Self-Portrait at the Easel)』

『カンヴァスに向かう自画像』(Self-Portrait at the Easel)
by レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn))
ルーヴル美術館(フランス)

貧民街で生活していた晩年のレンブラントにとっては、もう誰の目も、周囲の評判も気にする事なく、ひたすら自分が描きたい作品だけに集中できていた事だろう。その為に、代表作などと後年に言われる人気作品よりも、晩年に描かれた自画像などの方が”味”を感じる。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『パレットを持つ自画像(Self-Portrait with Two Circles)』

『パレットを持つ自画像』(Self-Portrait with Two Circles)
by レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn)
ケンウッド・ハウス(イギリス)

そして日々老いていく自分自身と向き合い、その姿を毎年肖像画として描き続けた。人間という生き物にも必ず”老い”はどんな人にでもやって来るもので、それから目を背けるのではなく、レンブラントはちゃんと向き合って、シワのある自分の顔を毎年描き続けた。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『自画像(Self-portraits by Rembrandt)』

『自画像』(Self-portraits by Rembrandt)
by レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn))
ナショナル・ギャラリー(イギリス)

こちらは最晩年に描かれたとされる自画像だが、この何とも言えない表情と目線が、レンブラントが晩年に行き着いた心境を表しているかのようにも見える。

浮き沈みの大きかった人生ではありながらも、最後まで絵画を自由に描ける事はこの上ない喜びと思っていたのかもしれない。

 

 

本館1Fにて

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『キリストの神殿奉献(Presentation to the Temple)』

『キリストの神殿奉献』(Presentation to the Temple)
by ピエトロ・カヴァリーニ(Pietro Cavallini)
サンタ・マリーア・イン・トラステーヴェレ聖堂(イタリア)

そんなレンブラントの自画像を観た後は、本館の1Fに移動してくる。こちらは東方教会風のモザイク画で、東ヨーロッパの国を訪れると教会などでよく見られるような装飾である。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『階段の人物(Staircase Group)』

『階段の人物』(Staircase Group)
by チャールズ・ウィルソン・ピール(Charles Willson Peale)
フィラデルフィア美術館(アメリカ)

こちらはイギリスからアメリカに移住した「チャールズ・ウィルソン・ピール」の代表作でもある、彼の2人の息子を描いた”だまし絵”である。絵の手前には足場が置かれていて、さも階段が絵の中に繋がっているかのように見える作品となっている。

 

ちなみにチャールズ・ウィルソン・ピールは「ラファエル・ピール」「レンブラント・ピール」「ルーベンス・ピール」など、息子に有名画家の名前を付けていたようだ。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『受胎告知(Annunciation)』

『受胎告知』(Annunciation)
by フラ・アンジェリコ(Fra’ Angelico)
プラド美術館(スペイン)

こちらはさっきも同じ構図の絵があった、有名な聖書のシーンを描いた『受胎告知』である。

この作者:フラ・アンジェリコの作品でも同じような受胎告知の絵があるが、この絵は天から差し込む光が描かれている特別Verとなっている。

 

大塚国際美術館 OtsukaArtMuseum 『キリストの磔刑(Christ Crucified)』

『キリストの磔刑』(Christ Crucified)
by ディエゴ・ベラスケス(Diego Velázquez)
プラド美術館(スペイン)

こちらはスペインの宮廷画家となったベラスケスの作品だが、宮廷画家となったベラスケスはこのような宗教画の制作はあまりしなかった為に、ベラスケスにとっては珍しい宗教画となっているようだ。

こちらの作品は周囲が真っ黒で塗り潰されており、その黒さがよりキリストの姿を浮かび上がらせているように感じる。

ただ、印刷の世界ではこのような深みのある”黒色”を表現するのが意外と難しく、単なる黒ではなく、他の色を沢山重ねて”深みのある黒”を表現する必要があるのだ。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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