大塚国際美術館旅行記 2022年6月-14:完結編
旅行期間:2022年6月上旬(当日旅)
最後にお土産もチェック!
by ピエロ・デラ・フランチェスカ(Piero della Francesca)
サンセポルクロ市立美術館(イタリア)
さて実際に大塚国際美術館を見学した人からすれば、とても永く感じる美術館鑑賞も、これでやっと最終章となる。
途中で鳴門海峡の見学も挟みつつも、約6時間半の滞在で終わりに近づいてくる。
住所:徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65-1
営業時間:9時30分~17時頃(※月曜定休日)
※ただし祝日の場合は営業し、代わりに翌日火曜日が休館
電話番号:088-687-3737
入館料:大人3,300円/大学生2,200円/小中高学生550円
(※前売券大人3,160円/大学生2,140円/小中高学生530円)
●美術館専用駐車場:無料 450台分あり
本館1Fにて
by エル・グレコ(El Greco)
ウースター美術館(アメリカ)
当初は展示されている全部の展示品を写真に収める事を考えていたけど、撮った後にブログで編集する際の事も考えると、全部を撮影してしまうと大変な苦労が待ち受けているので、1/3程に抑えて撮影をした。
by ハンス・バルドゥング(Hans Baldung)
バーゼル美術館(スイス)
このような絵画鑑賞も、そこまで芸術に深く興味を持っている人でなければ、ある程度の時間が経過してしまうとその観た大半の絵を忘れてしまう。これは記憶力の問題でもあるが、脳も大量の情報をず~~っと保持できないので、忘れてしまって当然なのであるが。。
帰りのバスに乗った時点で、大半の絵を忘れてるデ!(笑)
サン・ベネデット修道院(イタリア)
しかし、このように撮影した写真をブログに編集する際に色んな情報を合わせて調べると、意外と後々になっても、その調べた絵画の事が記憶に残ったりする。その為に、このような美術館鑑賞した後に、ある程度期間を空けた後に復習をする事が大事だと痛感する。
こちらは棺桶に入れられた死体が、徐々にウジ虫に食われて白骨化していく様が詳細に描かれている。
ちょっと話は逸れるが、キリスト教で”聖人”に列聖される条件として、『奇跡を起こす』必要がある。
列聖された聖人が起こしたとされる”奇跡”で多かった事例が、「死後の一定期間後に掘り起こした際に、腐敗していなかった!」というのを目にする。ただ、それは色んな条件下で腐敗状況が代わり、本当に腐敗していなかったのかも定かではないだけに、この『奇跡を起こす』という条件が個人的にはキリスト教の中で最も胡散臭く感じる点であるが。。
by パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)
レイナ・ソフィア国立美術館(スペイン)
こちらはピカソの大作『ゲルニカ』である。これも本場の「ソフィア国立美術館」で見た作品であるが、レプリカだと分かっているだけに、少々その迫力を感じなかったのであるが。。
by ロバート・ラウシェンバーグ(Robert Rauschenberg)
個人蔵(アメリカ)
20世紀でも後半に活躍した現代アートゾーンになってくると、だいぶポップな作風になってきた。グローバリゼーションと共に芸術の文化も垣根が無くなったように、奇抜でも自由な作風を貫き通す環境が整ってきたのかもしれない。
by ロイ・リキテンスタイン(Roy Lichtenstein)
メトロポリタン美術館(アメリカ)
こちらは20世紀後半に活躍した、アメリカ人画家「ロイ・リキテンスタイン」の作品。絵画というよりもアニメチックな雰囲気の作風となっているが、漫画やアニメの方がインパクトが強い印象を与えれると感じた為に、このような作風に変化していったようだ。
by リチャード・ハミルトン(Richard Hamilton)
バーゼル美術館(スイス)
18世紀後半に起こった産業革命以降、世界は大きく、またそれ以前と比べて早く近代化が進んで行った。それに追随するように芸術の世界も大きな変化が起こっていき、それまでの絵画の世界から解き放たれたような作品が生まれていく。
by アンディ・ウォーホール(Andy Warhol)
テート・ギャラリー(イギリス)
こちらはアンディ・ウォーホールによって制作された、20世紀を代表する女性カリスマの「マリリン・モンロー」。
これまでの絵画のように筆で描く作品ではなく、シルクスクリーン印刷で制作したものとなっている。
そして後半はちょっとスピードアップした事もあって、ここで一応大塚国際美術館内の展示品の鑑賞を完了となる。
写真には撮らずにパッと見ただけの作品も多かったけど、帰りの高速バス出発の約1時間前に鑑賞を終えてしまった。
という事で余った時間を利用して、もう一度見ておきたいコーナーへと向かう。
それがこちらの「レンブラントの間」であった。
こちらはエルミタージュ美術館に保管されている、レンブラントの『ダナエ』。
展示中に硫酸を掛けられて損傷した事でも有名になった絵画であるが、このようなコピー作品ではその破損した部分を簡単に修正する事が出来るので、本物の作品よりも綺麗な状態で展示する事ができるのである。
こちらもエルミタージュ美術館で見た事のある『放蕩息子』。先日、家の近くにあるキリスト教会の掲示板に、このレンブラントの『放蕩息子』の絵が飾られているのを見かけた。特にこの絵を選んだコメントなどが書かれていなかったので、その意図は不明だが、見る物にインパクトを与える作品である事は間違いないのかもしれない。
デッキから眺めるシスティーナホール! 動画
そしてここシスティーナホールでは、2010年に元:横綱「白鵬」の結婚披露宴が行われていた。
そんな白鵬も今年2023年1月に断髪式を行い、これからは引退した後に取得した「宮城野親方」として、部屋を引き継いで新たな力士達を指導していく立場になった。
ただ、白鵬は元マネージャーに預けていた数億円というお金を持ち逃げされたと噂されており、それもあってか部屋の運営資金集めに100万~500万円という高額の断髪式参加を設定していた。
世紀の大横綱も、財布のひもは緩かったナルト・・・
お土産コーナーに立ち寄る!
そして大塚グループの美術館という事で、お土産販売所にはこちらの、大塚食品が発売するレトルトカレー『ボンカレー』の限定パッケージ品が販売されていた。
この『ボンカレー』は1968年に販売されて、カレーの美味しさなどよりも、その機能性を最大限に打ち出した”世界初の市販レトルト食品”として脚光を浴びた。カレーを一から作ろうと思えばそれなりの時間がかかるけど、このボンカレーは約3分温めるだけで、簡単にカレーが食べられるという画期的な商品であった。
カレーって、1人分だけで作れないからね!
この大塚国際美術館では約1000点もの美術品が展示されているが、このようなお土産屋で絵画の商品が販売されている物は、特に有名な絵画関連の品ばかりである。そんな絵画も、このムンクの叫びのように、盗難事件などに巻き込まれて世界的ニュースになって、知名度を挙げたものが結構多い。
絵画の重要性より、話題性の方が一般人には向いてるナルト!
個人的にはこれらのお土産品には触手が伸びなかったけど、社会見学で来ていた高校生たちは、嬉しそうに「何か、買って帰らないと!」という顔でお土産を物色している姿が見られた。
そして最後に、念願の大塚国際美術館鑑賞を終えて、今の気持ちをオカンに表してもらうべく記念撮影を行う。
大満足で~~す♪
そして高速バスがやって来るまで、まだ15分ほどあったけど、既にオカンは鑑賞疲れが出ていたようで、
もうエエから、下でバス待っとこうや・・・
と、もう絵画は当分うんざりというのが本音だったのかもしれないが。。
そして高速バスを待つ間、鳴門海峡を眺める場所にあるお土産屋さんで購入した「瀬戸内レモンアメ」を味わう事にした。
この「瀬戸内レモンアメ」は、鹿児島の昔ながらのお菓子としても有名な”ボンタンアメ”を製造している「セイカ食品」のお菓子となっている。昔懐かしのオブラートに包まれたお菓子が、何とも言えない雰囲気を醸し出しているのである。
そして時間通りの16時37分発の高速バスに乗り込む。
事前に予約はしていたものの、予約なしでも充分に座席が空いていたが。。
高速バスもこんなガラガラで、やっていけるんかいな?!
難波の「自由軒」で晩飯!
そしてこれで大塚国際美術館の旅行記は終わりなのであるが、ついでに難波に到着してから晩御飯を食べた老舗の「自由軒」の様子も少しだけ載せておきます。
この自由軒は創業100周年を経過した老舗の洋食屋であるが、この難波で生まれ育ったオカンは実はこの自由軒に入ったのが今回が初めてだという。
何回もこの店の前は通ったけど、入ったのは今回が初めてです♪
そして自由軒というと、名物なのがこちらの「カレー」である。
さっき大塚国際美術館でも販売されていたボンカレーとは違って、こちらの自由軒のカレーはルーが上にたっぷり載っているのではなく、この自由軒が始めたという”卵落とし”となっている。
美味しかったですよ♪
<まとめ>
今回が2回目の訪問となる、徳島県鳴門市の端っこにある「大塚国際美術館」。なんでこんな徳島県でも端の方にあるのかと思っていたけど、大塚製薬を中心とする大塚グループの創始者の出身地だった場所に、町興しも兼ねて建設した大きな美術館であった。
その入場料は大人3300円となかなかの料金設定となっている。しかし、中に入れば約1000点もある名作絵画ばかりが展示しており、『陶板複製画』というレプリカ品ではあるものの、これだけの規模を誇る美術館は早々お目に掛かれないだけに、その入場料に見合った美術館だと感じた。
そんな大塚国際美術館の中でも、やっぱり一番のメインなのが、こちらの『システィーナ・ホール』だろう。
本場のバチカン市国にあるシスティーナ礼拝堂は、建物内が写真撮影禁止になっているだけに、ここで写真撮影できる嬉しさを感じた。また本場のシスティーナ礼拝堂はフレスコ画が年々劣化していっている為に、将来的に消えていく画の運命に対して、陶板画となっている大塚国際美術館では1000年が経過しても劣化しないとされている。
そして約1000点が展示されている大塚国際美術館では、その絵画の作られた時代に沿っての展示となっているので、順番通りに観ていく事で絵画技術などの移り変わりも具体的に観て勉強できる場所となっている。
そして絵画だけではなく、古代ローマ帝国の支配地にあった「モザイク画」も展示されているので、日本国内では殆ど見れないモザイク画を観れる貴重な場所ともなっている。
そして感心したのが、よくこれだけの世界的に有名な絵画のレプリカ作成の了承を得た事である。
勿論、これらの作品には無い所で多くの作品が断られているのだろうが、海外の美術館などの収集家の懐の深さと共に、大塚国際美術館のスタッフの粘り強さを垣間見た気がしたのである。
日本国内では美術館内の写真撮影禁止の所が一般的だけど、海外の美術館を訪れると、寛大にも撮影可能な所が多いイメージが強い。
ただ最近はスマホが急激に普及した事もあって、写真撮影可能な美術館や博物館では、スマホの”シャッター音”がうるさすぎて、鬱陶しく感じる時が増えてきている。
猫の鳴き声とか、くしゃみの音とかをシャッター音に出来れば面白いのにな!
そして「せいぜいコピー品でしかない、大塚国際美術館!」という人もいるかもしれないけど、コピー品だからこそ、破損する前の絵画の綺麗な状態を復元して展示するという事もできる特性がある。
現代とは違って中世の絵画は、数百年もその絵を大事に保管するという考えがあまり無かった事もあって、今となってはだいぶ絵画が劣化してしまっている作品も多くなってきている。特にフレスコ画などは上から綺麗に塗り直して修復するという事が難しいだけに、”コピー品ならではの良さ”が出てくる場合もあるのだ。
いつかは生で見てみたい、ルーブル美術館に展示されている、レオナルド・ダヴィンチ作の『モナリザ』。
ただ知名度中心に集めた絵画だからか、主にヨーロッパ中心の作品ばかりとなっていた。個人的にはもう少し世界を広範囲に拡大しての展示もどうかと思ったけど、世界中の絵画を集め出したらキリが無くなってしまうのだろうが。。
そんなヨーロッパでは、大富豪になった商人、宮廷画家の雇い主の国王、キリスト教会などがパトロンとして、画家達に資金を捻出していた事もあって、大きく芸術性が花開く事になる。現代のように簡単に絵が売れない時代だった中世には、まず画家として大成するには、技術を磨くと共に、それ以上にパトロン探しの方が重要だったのかもしれない。
そしてレプリカ品だからこそできる、戦争で焼失してしまった絵画も展示されていた。当時芸術の都として世界中から芸術家が集まっていたパリも、第二次世界大戦時にナチスドイツ軍に占領されてしまったが、重要な絵画はナチスドイツの手を逃れて、事前に安全な場所に避難していて難を逃れた作品も多かった。
そして絵画作品は写真とは違い、人間の心を大きく表す手段ともなっている。
こちらのフランス革命を描いた作品も、実際にこのような女性が先頭に立っていたという訳ではないだろうが、このような象徴的シンボルの存在を人間は知らずの内に求めてしまうようだ。
それと大塚国際美術館訪問の際には、長時間の鑑賞での疲れを癒すのに、この鳴門海峡見学がオススメである。
というか、4~5時間もず~~っと絵画を見続けられる人はごく僅かなので、逆に初めからこの鳴門海峡の見学を予定に入れている人も多いのかもしれないが。。
それと”芸術”といっても、芸術家が生きていた時代に必ずしも評価されるとは限らない。
このゴッホほど、生前に報われなかった芸術家はいないかもしれない。彼の死後、数十年が経過してから100億円を超える金額がその絵画に付けられた所で、ゴッホ自身は今更喜べないのであるが。。
そして時の権力者の姿を描かされた宮廷画家達も、自分達の意図通りに描けた訳ではなく、権力者のダメ出しを受けて絵の修正を余儀なくされていたりしているのである。
そして鎖国していた日本では独自の文化が花開いていたが、それがヨーロッパでは『ジャポニズム』として人気になって、その日本の影響を受けた西洋絵画が多く生まれていったというのも面白い。
それと絵画の知名度を上げる要因となっているのに、大きな事件に巻き込まれた作品が意外と多い。
ただ、それは知名度が大きい作品を敢えて狙った事件が多かったからかもしれないが、そんな知名度が高い作品も意外と簡単に盗まれていたという。
ムンクの代表作『叫び』が盗難事件に遭った時には、なんとこの肖像画の主である「パブロ・ピカソ」が、その犯人として取り調べを受けて拘留された事実が残っている。ただし、ピカソは犯人ではないとして後に釈放されるのであるが、その犯行対象者として身柄が拘束されるほどの人間に、ピカソが見られていたのかと思うと、ちょっと面白みを感じてしまう。
そして最後に、個人的にその生涯の生き様が好きなのが、こちらのレンブラントである。
当代随一の肖像画家として名を連ねた人物でありながら、高価な美術品を収集して散財したり、絵画の依頼主の言い分を無視して自分の好きなままに絵を描いたりで、その評判が地に落ちてしまった。
しかし、そんな周囲の評判なんてその情勢に応じてコロコロと変化するものなので、それに応じようとして自分の生き方を曲げると芸術家として死んでしまう事になる。
このレンブラントは自分のポリシーを変えずに貫き通した為に、晩年には貧民街で細々と絵を描く生活になってしまったが、その貫き通した”自分らしさ”は時代を超えて、現代でも評価される素晴らしい芸術家へと繋がるのであった。
2023.3.3
<終>
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