石巻の石ノ森萬画館で石ノ森章太郎を勉強してから、CAT ART展を見学【仙台旅行記⑱】

仙台旅行記2020年秋-⑱

 旅行期間:2020年11月3日~5日
(Studied Shotaro Ishinomori at the Ishinomori Mangattan Museum in Ishinomaki, and then visited the CAT ART exhibition.)

伝説のトキワ荘出身!

今回も引き続き石巻市の北上川の中州に造られている、「石ノ森萬画館」の見学が続きます。昭和を代表する大萬画家であった石ノ森章太郎氏の作品が多数展示されており、また彼の歴史も学べる場所として石巻市ではちょっとした人気観光地となっている場所でもあります。

 

【石ノ森萬画館】

住所:宮城県石巻市中瀬2-7
営業時間:9時~18時頃(シーズンによって時間・休み変動あり)
電話番号:0225-96-5055
入場料:大人840円/中高生520円/小学生210円

 

 

 

石ノ森萬画館で勉強!

この記念館に入って入場券を購入して中に入ると、まずは石ノ森章太郎氏の生い立ちやその人生について学べる展示を見る事が出来る。恥ずかしながらこの石ノ森章太郎がどういった漫画家だったか、どういった人物だったのかは殆ど知識が無かったので、ここでいい勉強が出来る機会となった。

 

一般的にはマンガは「漫画」という漢字が使われるのであるが、「漫」という漢字にはあまりいい意味合いが込められていない。そのために石ノ森章太郎はマンガの価値観向上を願って、敢えて「萬画」という漢字を使ってマンガ界に革命を起こしたのでもあった。

 

この宮城県で生まれた石ノ森章太郎は少年時代から漫画や雑誌や映画などに没頭し、趣味が高じて学校で漫画研究会を立ち上げる程にハマっていたようだ。そして自分でも漫画を描いていた事もあって、尊敬する手塚治虫にファンレターや自分の作品を送っていると、それが手塚治虫の目に留まり、学生にも関わらず彼のアシスタントに要請されて、鉄腕アトムなどの仕事を手伝う事になったそうだ。

 

そして学校を卒業してから上京し、当時は名だたる漫画家が集結していた東京にあったトキワ荘に入居し、ライバル達と切磋琢磨して漫画を制作していく。当時のトキワ荘は連載の締め切りに間に合わせるのが出版社の大事な仕事だったので、お抱えの漫画家を囲むようにトキワ荘に入居させていたようだ。

漫画の連載を飛ばす事は、大チョンボだったようです。。

 

しかし石ノ森章太郎は今から20年前以上の1998年に、享年60歳で死去してしまっている。漫画家の普段の生活内容というのはあまり表に出てこないけど、常に連載を切らす訳にはいかないので出版社から部屋に缶詰されて、ロクに寝る時間もなく一心不乱に原稿を描き続けるというのが多かったみたい。

 

一般的な漫画家の倍以上ものスピードで作品を仕上げる石ノ森章太郎らしく、その生み出した作品数の多さはギネス記録にもなっている程。勿論絵を描く速さだけではなくて、その作品のアイデアを考えて生み出す事も早かった事だろう。

 

こちらに置かれていた昔のアパートの模型は、今では建て壊されている伝説の「トキワ荘」である。1952~1982年まで東京都豊島区に存在していた建物で、多くの漫画家が入居していて、しかも今では漫画界の大物達が住んでいた事もあって、伝説の建物として今でも有名な存在である。

 

このトキワ荘の存在はここに実際に住んで漫画を描いていた事のある藤子不二雄の、自伝的なマンガ作品である『まんが道』でその様子が描かれており、子供の頃にその漫画を見ていた事もあって、ボクの頭の中にもイメージが出来ている建物である。

 

 

これだけ漫画家が密集していたのは出版社の都合もあったけど、漫画家という当たり外れの大きな職業では人気が出ればドンドン新連載が始まるけど、連載が無ければ全く収入が無くなってしまう事もその要因の1つだったようだ。ただトキワ荘では天下一の漫画家である手塚治虫が入居していた事もあって、手が空いている場合はそのアシスタントを務めたりと、手短にその能力を活かせる仕事にありつける環境だった事もその要因の1つだったようだ。

 

 

また人気漫画家となって毎週数本の連載を抱えていると、遊ぶ時間は少なくて、出版社が我先にと自分らの作品を先に仕上げてもらおうと押しかけてきて、心が休まる時間も殆ど無かったみたい。締切間近になると追い込みで徹夜してまで漫画を仕上げる事は、普通の事だったようだ。

 

このように漫画を見るだけの人間からは分からないけど、漫画を作っている現場では相当過酷な生活環境だったようだ。ボクも実際にそれを見ている訳ではないので偉そうな事は言えないけど、漫画のコミック本に見えない物を想像してみる事も必要なのかもしれない。

 

このように記念館からは穏やかな北上川が見えるけど、大きな津波が来たらあんな堤防なんてひとたまりもないのだろう。ちなみに2011年の大震災時にはこの記念館は一時避難所となり、家が流された人がここに5日間ほど待機していたという。

 

この記念館では一応地震時の津波が襲ってきた事を想定して、2階の天井の高さを8mに設定し、原画や主な展示品は2~3階に展示していたのでそれらについては被害は幸い出なかったという。川沿いに建物を造るという事は、津波の想定もしておかないといけないようだ。

 

そして1.5階部分にあった映像コーナーは一旦パスして、2階へと進んで行きます。このように2階までの道は緩やかなスロープとなっており、更には壁に石ノ森章太郎作品のレリーフが展示されており、それらを眺めながら登るようになっている。

 

こちらは『人造人間キカイダー』の主人公が変身するシーンが、コマ送りになって描かれているのが分かる。ギターを背中に担ぎながら変身するというのも、何とも面白い設定である。

 

壁に石ノ森章太郎作品のレリーフが飾られているけど、昔の漫画家だっただけにボクの世代でも全然知らない漫画ばかりが並んでいた。

 

こちらは『馬がゆく!』という、70年代の金と女にまつわる色んな人間の欲望が描かれた作品のようだ。名前だけ見ると「龍馬がゆく!」の龍の文字が抜けているようにも見えてしまうけど、通称:馬九郎(ばくろう)と呼ばれていた主人公の名前がタイトルに付けられているようだ。

 

 

冷静に考えると石ノ森章太郎作品で知っている物というと、この『サイボーグ009』ぐらいだった。ただこの『サイボーグ009』もその漫画を見た事が無いので、名前を知っているだけのレベルであるが。。

オカン
オカン

私には全部同じに見えるわ!(笑)

 

この『仮面ライダー』は漫画というよりは特撮作品のイメージが強くて、この漫画自体は見た事が無いし、その続編も子供の頃に見た記憶もあまりない。

 

こちらの『秘密戦隊ゴレンジャー』はその名前は知っているけど、それぞれにカラフルな衣装を着ているスーパーヒーロー達という印象しか浮かばない。。

 

 

企画展示【CAT ART展】にて

そしてそんなスロープを上がって2階に辿り着くと、この訪問時には【第78回企画展:CAT ART展 ~シュー・ヤマモトの世界~】が行われていた。この石巻市までわざわざやって来て石ノ森萬画館の見学をしたのは、石ノ森章太郎に興味があったからというよりも、このCAT ART展を見たい気持ちの方が実は大きかったのである。

オカン
オカン

アンタ、最近めっちゃ猫好きになってるんやな!

 

 

こちらは石ノ森章太郎氏の作品とは全く関係がなくて、「シュー・ヤマモト(Shu Yamamoto/山本俊一) 」さんが世界の有名絵画を猫ちゃんを主人公としてパロディー化した作品となっている。この猫絵画の作者であるシュー・ヤマモトさんは1948年に横浜で生まれて愛知県の芸術大学卒業を卒業してカナダに移住し、イラストレーターとして生計を立てる。そしてカナダ国籍を取得した為に日本国籍を返上し、2007年からこの猫ちゃん絵画を描き始めたという。

 

今の日本ではすっかり猫ちゃんブームになっているけど、2007年から猫ちゃん絵画を描き始めているので、その猫ちゃんブームに先駆けた先見の明があるのか、それとも単なる猫ちゃんマニアの絵描きさんなのか?!

明らかに単なる猫マニアでしょう!

 

シュー・ヤマモトさんのこの【CAT ART展】は、実は数年前から色んな所で展示されているので、ここに来なくても既に別の場所で作品を鑑賞した人もいるかもしれない。しかしボクはここでシュー・ヤマモトという名前を初めて聞く事になり、最近猫好きになった事もあって、とてもこの企画展示を楽しみにしていたのである。

 

『サモトラケのニャケ』
by 作猫不詳

この展示では主に時代別に8つのコーナーに分けられており、その殆どの作品の絵のモデルとなっているのは誰でも何かで見た事がある有名な作品ばかり。だからその原画を頭にイメージしながら鑑賞すると、ホッコリと笑える絵画になっていたり、猫ちゃんが可愛らし過ぎる絵があったりと楽しめる内容となっていた。

 

この展示会では単に猫ちゃんの絵が展示されているだけではなくて、このようにそれぞれの絵についての解説も猫目線で書かれている。なので単に絵を見るだけでなくて、この解説にも目を通す事でよりこの猫絵画を楽しむ事が出来る。

 

『書記猫』
by 作猫不詳

単に色んな猫ちゃんの絵を描くだけではなくて、世界的に有名な絵画の作品をパロディー化した着眼点がとても素晴らしいと思う。世界的に有名な絵画をわざわざ横に解説として設置しなくても、だいたいそれなりに目にした事のある作品ばかりで、もしそれらの絵画を知らなくても知っているフリをしたり、ただ単純に猫ちゃんの可愛らしさを見るだけで楽しめる。

 

このように猫解説のフザケ具合がとても面白い感じで、「中学生の猫だったら・・・」とか、「ニャンダス文明」とか、この説明文を作成するだけでもそこそこに頭を捻って、猫好きワールドを絞り出して考えて作った事だろう。

オカン
オカン

この説明見ていると、ホンマに猫の世界がありそうに思えるな!

 

『ミロの猫ビーナス』
by アンテオケのニャレクサンドロス

こちらも有名なミロのビーナス像をパクッた物だけど、猫がモデルになっているだけに本物のミロのビーナスには見られない尻尾が付いている所などが大変興味深い。

 

もし世界的に有名な絵画を見る前に、このシュー・ヤマモトさんの【CAT ART展】を見てしまったら、この猫ちゃん絵画が本物で逆に世界的な絵画がそれからパクられたパロディー作品に思えてしまうかもしれない。

オカン
オカン

んな訳、あるか~い!

 

『棺』
by 作猫不詳

『ドラえもん』で登場する もしもボックスで、「もしも人間と猫の立場が違っていたら、歴史はどれほど変わっていたのか?!」と言ってみた時の世界観が広がる猫ちゃん絵画。猫だけに神様もみんな猫ちゃんの姿をしているようだ。

 

このように「ニャジャプト文明」とか、「現代の猫は防腐剤がたっぷり入った餌を食べているので体は腐敗しにくい」など、パロディーばかりではなく、ちょっとした皮肉も籠められている所も楽しい個展になっている。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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