ロシア旅行記:5日目
阪急交通社ツアー「お1人様参加限定:ロシア7日間」
-2020年3月12~18日
豪華な部屋ばかり
今日のサンクトペテルブルクの街は、どんよりとした厚い雲に覆われた曇り空です。ただし期待していた程に雪が降る訳でもなかったので、何とも中途半端な感じの一日となりそうです。
エカテリーナ宮殿にて
上の写真はエカテリーナ宮殿内から窓の外を見た景色でした。うって変わって室内は空調が管理されているので、上着無しで問題なく過ごせる気温です。
室内には大型モニターが設置されていたけど、メイド・イン・ジャパン製品ではなく、世界をリードするサムスン社製でした。電化製品は日本人の誇りと思っていたけど、現実にはアジアの中で日本は埋没してしまっている状態。ボクのスマホもソニー製からサムスン製に切り替えたけど、とても便利な機能などが多くて使いやすい。
メイド・イン・ジャパン製品が世界をリードしていたのも、随分昔の話よね!
エカテリーナ2世の衣装部屋
この宮殿は本来はピョートル大帝の妻であり、のちの女帝となるエカテリーナ1世に贈られた宮殿なので、「エカテリーナ宮殿」と名付けられているのである。
ロシアではエカテリーナ1世(1725~27年)、アンナ(1730~40年)、エリザヴェータ(1741~61年)、エカテリーナ2世(1762~96年)と合計4人もの女帝が誕生している。この中でも外様であり、頭もキレたエカテリーナ2世時代にロシア帝国最盛期が訪れる。
ロシアにはこの女帝達が居たからこそ、今のロシア芸術文化が育まれたのよ!
エカテリーナ2世時代はロシア帝国の領土が最も広大で、武力的にも強かった。しかし夫との関係があまり良くなかったのもあって、愛人を沢山作り贅沢な暮らしへの道を歩む事になる。
「リオンの間」にて
しかしヨーロッパ風の豪華な内装のインテリアには、このような豪華なシャンデリアが何とも似合う。
政治面でも優れていたエカテリーナ2世が贅沢を極めた生活を送っていたからこそ、今こうして多くの観光客が押し寄せる建物になっているのである。逆に当時のエカテリーナ2世が贅沢をしていなければ、今の時代にこれだけ多くの観光客が訪れる場所になっていなかったと思うと何とも皮肉なものである。。
その陰には酷使され続けた国民の存在がある訳で、酷使され続けた国民たちも18~20世紀に世界的に起こる革命により、遂にわがままな皇帝の座を取り上げる事に成功したのである。
理想を夢見てロシア革命に加わった人達であったが、しかしながら結果的には別の支配者に別の形で支配されるだけなのであった。結局前の支配者を追い出した所で次に支配者の座に就く人間は、権力を手にすると人間が変わり、自分の欲望のままに采配を振るうようになるのだ。
それにしても宮殿だけあって、とても豪華な内装である。これらを見るだけで途轍もないお金がこの内装に充てられたんだろう。
豪華な部屋の内装 動画
こんなシャンデリアでも結構いいお値段がするハズ。
椅子などは使いこんだ感じが見えないので、第二次世界大戦中に破壊された後に復元して造られたものだろう。
こちらの像も亀裂が入ったような跡が見えるので、ひょっとしたらナチスドイツ軍によって倒されて割れたりしたのを修復したのかもしれない。
これらもロウソク立てだったものかもしれないけど、復元されてからは使われていないのかもしれない。
「アラベスクの間」にて
こちらは「アラベスクの間」という部屋で2010年の修復が終わった後に、一般開放された部屋である。
この2020年にエカテリーナ宮殿に来てみたら多くの部屋が解放されていたけど、40年前とかだったら修復中の部屋ばかりで多くの部屋が見れなかったようだ。
このアラベスクの間では地面に敷かれた大きな絨毯と共に、壁などに装飾されている古代ギリシャの女神などが目立つ。
この部屋も元々は控室として使われていたが、エカテリーナ2世によってパーティーなどを行う部屋へと改装された。
それにしてもヨーロッパ人は天井画がとても好きなんだろうな、このようにどの豪華な建物に行っても必ず天井画が見られる。
この水色の椅子や装飾はエカテリーナ2世のお気に入りに色だったらしく、それらの色が採用されているようだ。ただ女性が好むピンク系の色ではなく、水色という所が女帝らしい好みだったのかもしれない。
大きなペルシャ絨毯の真ん中には、ロマノフ王朝の象徴でもありシンボルの鷲のマークが刺繍されているのが見える。
絨毯ってのは本来踏まれれば踏まれる程に良くなっていくと聞くけど、さすがにこういう博物館的な所では何かあったら困るので絨毯の上には入れないようになっている。
「アラベスクの間」の景色 動画
このように奥まで通路が続きますが、全然人が見えません。他人様のエカテリーナ宮殿訪問のブログを見たら、この時のガラガラが想像できない位に群衆がエカテリーナ宮殿内に押し寄せている光景を見て逆にビックリしてしまう程でした。
この宮殿の補修には時間と共に、費用も沢山掛かったのだろう。先程見た大広間だけで補修するのに約7kgもの金が使われたという。という事はこの大広間の金箔された装飾だけで、数千万円掛かっている訳だ。。
まあ観光施設で一般公開されているのである程度補修に費用を掛けても、回収できる可能性があるからそれなりに費用が掛かっても再建されている訳で。そう思うとせっかくの2020年の観光シーズンである夏に、コロナウイルスの影響で全然海外からの観光客が来ないというのは痛手であっただろう。
一旦大広間を抜けて控室の奥まで行って、そこから戻って来て再び大広間へとやって来ました。ここでやっと後続の観光客の姿を見れましたが、でもたったこれだけ。混雑した時期にエカテリーナ宮殿を訪問した人には、考えられないような光景のようです。
後は天気が晴れてくれたら最高だったのだけど、これもまた運命である。
そしてガラガラな大広間で、ノビノビと観光する男。。
これだけ空いている時に見学できる機会なんて滅多にないのよ!だから幸せな男ね!
この3月中旬にロシア旅行に行くのも、まだロシアはコロナウイルスの影響が全然出ていなかったのもあったし、既に2019年12月に申し込み済で阪急交通社側からもキャンセルにならなかったから。個人で行く場合は別だけど大手旅行会社のツアーであれば、総合的な安全面を考慮してくれているので。
「騎士の食堂の間」にて
18世紀の宮廷生活においては夕べの宴などの会食が、とても重要なものだったという。その為にこれらの食堂と名前が付いている部屋には、小規模な招待客が招かれて食事をしていた場所。
この部屋もエカテリーナ宮殿を設計した、イタリア人建築家バルトロメオ・ラストレッリによって内装デザインが為された。
そしてどの部屋もそうだけど、左端に見えるハンブルグのタイルを使った暖炉が使われていた。今となっては全体空調が利いているのでわざわざ暖炉を使う必要がないけど、寒いサンクトペテルブルクでは必需品だった暖炉。
「騎士の食堂の間」の景色 動画
とりあえずエカテリーナ宮殿内を半周して、一旦最初の階段の間へと戻ってきました。ご覧のようにボクらが一番乗りなので、先の通路には監視員のオバサン以外の姿は見えません。
この赤色のモジャモジャ~としたカーテンが何ともいい感じだけど、気に入って家に飾ってみたら思っていたのとは違う感じの雰囲気になるんだろうな。外で見たものがよく見えてしまうけど、実際に家に持って帰ってみたらイマイチだったというオチ。。
こちらは「眠れるキューピッドの像」で反対側に置かれていた「目覚めるキューピッドの像」とは一対になっているようで、こちらの像とは少しポーズが違うみたい。こちらの像はまだスヤスヤと眠りに着いているようで、その名の通りの様子だった。
「白の主食堂」にて
この部屋では皇帝一家が食事を食べていた部屋だという。左奥には皇帝の着ていたと思われる服が飾られている。
この当時は「ロウソクの芯切り係」というロウソクの管理をする職業の人が居て、劇場や宮殿などのロウソクを消したり点けたりしていたそうだ。現代のロウソクと違って粗悪品が多かったので30分程火を点けていると、ロウソクが垂れ曲がってくるので一旦芯を切って点け直すという作業をしていたようだ。このエカテリーナ宮殿内だけでも数百本のロウソクが設置されていたので、数人のロウソク係がいたのだろう。
今では食事を食べる部屋ではなく鑑賞用の部屋となっているので、椅子は全部奥側に置かれていた。でもこの部屋で会食が行われている時は、テーブルを取り囲むように座っていたのだろう。
エカテリーナ宮殿内の2階は一応グル~~っと回ったけど、調理場のような部屋は見られなかったと思う。という事は1階で調理していたのかな?!
今回の男性添乗員さんは個人で野鳥の会に所属する程に野鳥好きで、ロシアの歴史や雑学などは教えてくれないけど、このように掛かっていた絵画の鳥の種類だけは聞いてもいないけど丁寧に教えてくれた・・・。
まあ添乗員さんも色んな個性の人がいて、毎回それなりに添乗員さんにも楽しませて貰っている。ツアーで海外旅行に行くメリットは、このような個性あふれた添乗員さんと出会えるのもあるかもしれない。
モスクワのボリショイ劇場の建物の上部に造られているアポロンの騎馬像のように、馬が数頭それらしき大男を引いている絵が描かれている。
こちらは”元衣装屋さんで趣味で絵を描くオジサン”で、趣味で絵を描くだけあって色んな絵画などを興味深そうに見ていた。
こちらがそんなオジサンが描いた絵で、主に脳内のエロティックさを表現した絵が多いようだ。このオジサンは元衣装屋さんでコツコツと働き詰めだったので、色んな我慢を重ねてきたようだ。なのでこのような絵に描かれている妄想を想像して、気を紛らわせながら働いていたのかもしれない。
絵画に興味深々だけにこのように隙あらば絵画の写真を撮るのに夢中になっていたオジサン。今回は家族の大反対を押し切って海外旅行に来たけど、家に帰ると2週間の自宅の自室にて軟禁されるという。。
ロマノフ王朝でも強大な帝国になりつつあった、ロシア帝国の華やかさが垣間見られるエカテリーナ宮殿。
こんな旅はまた次回に続きます!
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