奄美大島旅行記2020年-⑫
旅行期間:2020年10月1日~5日
(Amami Oshima’s version of ochazuke at Minatoya, the original chicken rice restaurant! 【Amami Oshima travelogue 12】)
お茶ではなく鶏ガラスープ
ここは奄美大島の北側にある笠利町の赤木名海岸近くにある、鶏飯でも有名な人気店である「みなとや」さん。昼前から営業しているけど、当日仕込んだスープが無くなると営業終了となるので、なるべく早く行っておくのがベターである。
この時は開店してから2番目に訪れたので、店内はまだガラガラな状態でテーブル席へと通されます。しかし後から次々とお客さんが姿を現し、帰る頃には駐車場がいっぱいになる位にお客さんが詰めかける状態でした。
こちらの絵はこの辺りの綺麗な海岸脇に咲く月桃花(げっとうはな)という、南国でしか見かけない花が咲いているシーンが描かれている。植物の種類としてはショウガ科になり、台湾で「月桃」という名前で呼ばれていた事もあって、日本でもそう識別されている。
店内座敷の天井付近には、このように昔の紙幣や硬貨らしきものも展示されているのが見える。どうやらこのお店の店主は収集癖がありそうな雰囲気を醸し出してる。
このお店には昭和43年(1968年)に今の上皇ご夫妻が奄美大島に来島した時に訪れた場所としても有名で、店内にはその際に使われた食器なども飾られていて見る事が出来る。※この訪問時は見てません・・・。
さて初体験となる「鶏飯(けいはん)」の食べ方はこのようになっていて、単純にご飯の上に具をそれぞれ載せてからスープを掛けて食べるという食べ方。特に知っておかないといけない・・・という食べ方ではなくて、具を全部載せてスープを掛けるという普通の食べ方。
こちらにもあるようにスープとご飯のお代わりは、それぞれに別途300円(+税)が必要となる。でも大食いの人でなければ一人前の量で充分であるが。。
みなとや名物の鶏飯を食べる!
そして注文してから約5分程で運ばれてきたこちらが、このみなとや名物の「鶏飯」セットである。
こちらには具が載っており、約400年前の庶民には高級食材だったという品々が並んでいる。左側から、煮付けた椎茸、ネギ、海苔、干したみかんの皮粉、大根の漬け物、錦糸卵、鶏肉と並べられている。このお皿に「鶏飯みなとや」と文字が入れられているが、基本的にはその文字が見えるように盛り付けされている。
ご飯はこちらのプラスティックのおひつに入った状態で、運ばれてくる。一人前でこの大きさである。
蓋を開けると、このように綺麗な白米が沢山入れられている。ただ多そうに見えるご飯の量だけど、お茶碗に入れると3杯程で意外と簡単に食べれてしまう量である。
こちらがこの「みなとや」の名物でもある、鶏ガラスープ。こちらのスープは毎朝5時頃から仕込んでいるそうで、鶏1匹に対して5人分程しか作れないという。そしてスープに使われる鶏は絞めたすぐの新鮮なものしか使わないという。
そしてスープが名物だけど、その前にはご飯が美味しいからこそ、その鶏スープの味わいがより美味しくなる。だから侮るなかれの白米である。昔の奄美大島(江戸時代)には薩摩藩の属国となり、今まで稲作をしていた場所に強制的にさとうきび畑にさせられた。だから米は貴重品となり島内では殆ど採れなかったのもあり、薩摩からの輸入品に頼っていてしかも藩の設定した高い言い値で、庶民たちは買わざるを得なかったという。
こちらは鶏肉で出汁を取る際に漬け込んだものを、味付けする前に取り出して温かいうちに全て手で千切るんだとか。だから包丁を使ってなくて手で千切っているので、このようないびつな形になっているようだ。
鶏の卵は昔から滋養強壮食品の代表格として、島では重宝されてきた高級食材。そんな卵黄を使って焼いた錦糸卵を載せていきます。
こちらの椎茸はノンカロリーで食物繊維が多く含まれていて、健康にいい食品の代表格でもある。昔のボクはこの椎茸を食べたいと思わなかったけど、30歳代になってからこの椎茸の深みある美味しさに気が付いて、今では大好きになってしまった食べ物でもある。
そして最後は味付け海苔を上に載せて、具材のトッピングは完了。この味付け海苔も普通に出てくる海苔を、大胆にも半分にカットされている。普通のお店だったらカットせずに普通の状態で出てきた海苔をそこから千切ったりするけど、ここでは先にカットされて出てくる。
茶碗にご飯を入れた後にトッピングし、それから満を持して鶏ガラスープを茶碗に注いでいきます。この瞬間が鶏飯を初めて食べる人にとっては、楽しみな瞬間でもあります。
ただ事前に「鶏飯って、お茶漬けもどきみたいなものですよ!」と聞いていたけど、この時点ではこれがお茶漬けには全く思えなかった瞬間でもあった。
まず1杯目は様子見も兼ねて、そこそこにスープを掛けて食べてみる。そして食べてみると、言われていたようにお茶漬けのような感じの食べ物なのでそう思えるけど、言うなれば”お茶漬けの、お茶を掛けずに鶏ガラスープを掛けた”食べ物という感じだった。
そんまんまだブ~~!(怒)
この茶碗は大きくなくて一般サイズなので、あっと言う間に1杯目を食べ尽くしてしまって、続いて2杯目を入れる。個人的には錦糸卵や椎茸などは、出来ればそのままの素材の味で食べたかったけど、鶏ガラスープを掛けるとちょっと素材の味が分かりにくかったような気がする。
そして茶碗3杯目に突入して、お皿に残っていた具を全部茶碗に放り込んで、このように綺麗にお皿のデザインが見えるようになった。最近は出された料理はご飯の一粒まで、綺麗に食べる事を意識している。前にヨーロッパのバルカン半島を旅行した際に、どのお皿も綺麗に食べ尽くしているオジサンが来ていたけど、その時は単に食い意地が張っているだけだと思っていたけど、今思えばそれだけ出された料理を感謝して食べていたんだなという事が最近になって分かってきたのである。
最後まで綺麗に食べる人は、その有難さを理解しているからジャ!
さてラストの鶏飯1杯なので、具は全部載せてご飯粒まで一粒も残さずに入れる。そしてこの時には鶏飯を食べた感想を聞かれれば、「お茶漬けのような食べ物!」という感じになっていたね。。
最後はこのように綺麗にサラって、全部食べ終わりました。結局料理の待ち時間も含めて約26分という滞在時間だった、「みなとや」での昼食でした。
お店の入口前には、こちら「ノジュール(団塊)」という昨日歴史民俗資料館前でも置かれていた、地中から出てきた塊が置かれている。これで数百万年は前のものだという。
美味しく食べる事が出来た鶏飯。この食べ終わった時間帯には続々とお客さんがやって来ていて、店脇にある駐車場は車だらけとなっていた。そしてお店側からこの鶏の像を写真に撮ってみたけど、このように後ろに見える電線も一緒に写って、イマイチな写真となってしまったが。。
こんな旅はまた次回に続きます!
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