博多の街を散策して、歴史ある寺が立ち並ぶ寺社町を見学【九州縦断秋旅行記②】

九州縦断旅行記(秋)2020年-②

 旅行期間:2020年10月24日~28日
(Stroll through the streets of Hakata and visit the temple town with its historic temples.)

意外と寺が並ぶ博多の街

今回の九州旅は以前海外旅行の際に知り合った人達と九州を回る内容になっているけど、ボクは集合場所の福岡に前乗りした為に今日は1人での博多の街を散策する事にする。博多の街というと歓楽街や豚骨ラーメンのイメージしかないけど、意外と昔からの仏教寺などが多い地区でもある。

 

 

博多の街にある「承天寺」

博多の街でも御笠川近くには昔からの寺が沢山存在するエリアになっており、この辺りを歩いているとあまり博多の街という雰囲気を感じない場所でもあった。こちらは”博多旧市街”と謳われており、まずはこちらの「承天寺(じょうてんじ)という寺を見つけたので中に入ってみるとする。

 

 

この承天寺は1242年に創建された歴史ある仏教寺で、宗(当時の中国王朝)からやって来ていた商人などが支援して造られたという。それだけ昔から朝鮮半島や中国大陸と近くて、文化的にも商業的にもアジア圏とつながりがあったという事が分かる寺でもある。

 

この寺には国の重要文化財に指定されている仏像があったり、「饂飩(うどん)蕎麦発祥之地」の石碑もあるという。なおこのうどんと蕎麦の発祥の地とされているのは、この承天寺を創建した際に招聘された「円爾(えんに)という臨済宗の僧が宗から持ち帰ったのが始まりという説に基づいているようだ。

 

なおこの円爾という僧侶は、宗で修業してから帰国してまずこの博多で承天寺を立ち上げてから帰京し、京都では東福寺を創建した。また彼はうどんやそばだけではなく茶の葉っぱも持ち帰り、茶を日本に広げた人物ともなっており、それもあって「静岡茶の祖始」とも称されているとか。

 

こちらの旗には「博多の人はゴボウ好き!」と書かれていたので博多在住の人に聞いてみた所、「普通にゴボウ茶を飲む」との事。なおこのゴボウも日本原産ではなくて、平安時代頃に日本に伝来したものとされている。なので中国大陸と交流のあった博多の街には、昔から根付いていたのかもしれない。

 

このエリアには昔からの寺が多くあるけど、実はこの地域は博多駅の再開発事業で区画整理が行われた為に、寺の敷地内だった場所に道路などが造られた為に、寺が北と南に真っ二つに区切られてしまっている寺も見られる。またこの辺りは古くから寺がある場所にも関わらず、住所が「博多区駅前〇丁目」などという駅を中心にした番地が付けられているのも特徴的である。

九州チャン
九州チャン

今の博多はまだ新しく生まれ変わって、間もないバイ!

 

日本は江戸時代に代表されるように、鎖国して外国の文化を寄せ付けずに自国独自の文化を築いてきたと勘違いしてしまうけど、鎖国していたのは江戸時代の僅かな期間だけでそれ以前の時代には中国大陸と常に交流していたので、今では普通に国内で見られるものも実は中国大陸から伝来した物が多く見られる。

九州チャン
九州チャン

もっと歴史を勉強しないと、下手な知識で恥をかくばい!

 

こちらの「妙楽寺」は1316年創建の臨済宗大徳寺派の寺で、焼失してしまったけど初代福岡藩主である黒田長政が国入りした後に今のこの場所に再建されたという。なおこの妙楽寺は”ういろう発祥の地”ともされているらしい。

発祥の物が多い博多のようです。

 

このエリアは寺が多いけど、大阪の谷町エリアのように寺が乱立しているという訳でもなさそうな雰囲気。しかし寺も興味があまり無い人間からすると、同じような名前の寺に思える名前が多い。。

 

次に見えてきた「円覚寺(臨済宗)」は鎌倉時代に創建された寺らしく、これまた焼失した後に江戸時代になってからこの場所に移転してきたそうだ。

 

このように冷静に今の日本国内を眺めてみると、いかに中国大陸からの文化的な影響が大きいかがよく分かる。こういった歴史ある寺だけではなくて、普段口にしている物もその多くが中国大陸から伝来している。

 

 

安国山:聖福寺にて

そしてその次に見えてきたのは「安国山 聖福寺」という、1195年に臨済宗開祖である栄西という僧侶が創建した寺。こちらの寺は日本で初めての本格的な禅寺としても有名らしく、敷地は国の史跡に指定されているという。

 

【安国山:聖福寺】

住所:福岡市博多区御供所町6-1
営業時間:8時~17時頃
電話番号:092-291-0775

 

 

こちらの寺は第32代内閣総理大臣などを務めた、この博多出身の広田弘毅などの菩提所にもなっているようだ。なおこの広田弘毅は太平洋戦争後に、極東国際軍事裁判でA級戦犯とされて死刑に処された人物でもある。

 

この聖福寺は”日本最初の禅道場”としても有名で、こんにちでは色んな寺で禅修業が行われているけど、その日本発祥の地でもあるという。という事は禅というのは日本独自のものかと思っていたけど、どうやらこれも中国大陸から伝来してきたものという訳のようだ。

 

こちらの木の看板に書かれている文字は達筆過ぎて解読するのが困難に思えるけど、たぶん「安国山」と書かれているのだろう。なお安国山とは”山号”という、寺に付けられている愛称の事を言う言葉のようだ。

 

そんな歴史も全然知らずに、門が開いていたので寺の境内へと進んで行く。この石碑にもあるように、この寺の敷地は国の史跡に指定されている。

 

総門を通って寺の敷地内に入ると、結構広い敷地に大きく育った木々が沢山生えているのが見える。ここには国の重要文化財や福岡県指定有形文化財なども色々と保管されているようで、良い雰囲気を醸し出している場所でもあった。

 

こちらの石碑に彫られているのは「興禅護国」という文字で、先程菩提所の碑が建てられていた広田弘毅がこの寺の為に書いた筆跡が彫られているようだ。

 

この石碑に彫られている「興禅護国」という言葉は、この聖福寺を創建した栄西という僧侶が著した『興禅護国論』から採られたものらしい。なお2度中国の宋に渡って修行した栄西も、日本に戻ってから布教を始めると既存勢力から批判を受けたという。その際に禅を行う事が護国に繋がると諭して、その教えを説いたという。

 

総門を入って寺の敷地内に入ると、まずはこの大きな池「無染池(むせんいけ)が見えてくる。四角い池が多いなか、丸い瓢箪のような形になっているので”瓢箪池”とも呼ばれているとか。

 

そんな池の周囲にはこの国の史跡にも指定されている寺の敷地内で、生活をしているような猫ちゃんが見えてくる。しかしどちらかというと人懐っこいタイプではなくて、野良猫ちゃん寄りの感じに見えるが。。

 

 

そんな瓢箪池とも呼ばれる池の中央には、このように石造りの太鼓橋が見えてくる。この道は寺の参道のようになっているので、参拝客はみんなこの橋を渡るのかもしれないけど、その先にある門は閉まっているので今はあまり通る人がいないのかもしれない。

 

こちらの歴史がありそうな門は「山門」と呼ばれる、元々は江戸時代初期に別の場所にあった観音堂を移転したもの。しかし1866年に焼失してしまい、明治時代の1911年に再建された門である。

 

そんな歴史がありそうな雰囲気の山門を見ていると、周囲に居てる猫ちゃん達には全然気付かなかったけど、よ~~く足元を見回してみると数匹の猫ちゃんを発見する。

 

こちらはさっきの石橋を背にして、吞気に昼寝タイムに突入した猫ちゃん。ここはあまり人が来ないからか、すっかり油断してしまっている猫。しかしボクのような人間が現れると、寝ている間に至近距離から写真を撮られるので注意が必要である。

 

 

聖福寺敷地内の景色 動画

 

 

そんな聖福寺の敷地内で大きく伸びている木は菩提樹だけど、インドやスリランカなどで見られる菩提樹とは厳密には植物としては種類が違うようだ。

ブッダ君
ブッダ君

こんな木は菩提樹とは言えないよ・・・

 

こちらの説明によると、日本の菩提樹とされているのは中国原産のシナノキ科の落葉高木で、インド原産の菩提樹とは違うという。というのも本来であればインド原産の菩提樹を日本にも植えたかったのだろうけど、寒い地域では育たないので仕方なしに中国原産の菩提樹もどきが日本では取り入れられているという事のようだ。

ブッダ君
ブッダ君

菩提樹ではなくて、菩提樹もどきという事じゃな!

 

道理でスリランカに行った際に見てきた菩提樹とは、雰囲気が違っていた訳である。例えれば北欧に造られている日本庭園のように、厳密には同じ植物を植えたい気持ちがあっても気候条件によってそれが育たないので、仕方なしに似たような植物を植えているという事なんだろう。

 

そんな聖福寺敷地の中央にあるのは「仏殿」で、元々は戦国時代の後半に創建された建物で、その後に度重なる改修工事が行われて、今見られるのは2012年に大幅に改修工事がされたという。

 

このように歴史ある博多の街に残っている仏教寺も、こんにちでも未だにその歴史を繋いでいるのである。博多といえば観光客からすると、屋台が並ぶ中州のイメージが強いかもしれないけど、このような歴史あるディープな地域にも足を運んでみると意外と楽しいのである。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

よければ下記ブログ村のボタンをポチッとお願いします!

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 旅行ブログ 国内旅行へ

↓↓↓↓九州縦断(秋)旅行記:初回↓↓

再び始まる、福岡~佐賀~長崎~大分~熊本の九州旅【九州縦断秋旅行記①】
2020年10月下旬に訪れた、福岡県から開始して佐賀~長崎~大分~熊本を巡る旅の開始。なお今回は旅仲間と巡りますが、初日の福岡巡りは前乗りという事もあって、1人で巡ります!
タイトルとURLをコピーしました