工事中だった出雲大社名物の宇迦橋大鳥居と、レトロな車体の電車「デハニ50形」【島根県旅行記34】

島根県旅行記2021年11月-34

旅行期間:2021年11月上旬(2泊3日旅)

新しい橋の架け替え!

島根県出雲市 宇迦橋 大鳥居 工事の景色

島根県といえば「出雲大社」が全国から多くの参拝客が訪れるメッカ的な観光地となっているが、その出雲大社まで向かう参道の道はこのように橋の架け替えに伴い工事中で、迂回しないと通れないようになっていた。

 

 

宇迦橋の大鳥居にて

島根県出雲市 宇迦橋 大鳥居 工事案内の看板

この出雲を訪問した2021年11月上旬の時点で、まず出雲大社の「宇迦橋の大鳥居」が立っている前に架かっている「宇迦橋(うがばし)の架け替え工事が行われていた。昭和12年(1937年)に架けられた宇迦橋は80年以上の歴史を持つが、老朽化や歩道が狭かったりという事で、将来性を考えて新しい橋の架け替えとなったようだ。

 

島根県出雲市 宇迦橋 工事中の景色

昔はさきほど見たJR旧大社駅から出雲大社に向かう人が多くて、この道は「神門通り」として多くの人が行き交った通りでもあった。しかし大社駅は廃線となった影響で閉鎖され、第一の鳥居を過ぎた奥にある一畑電鉄の「出雲大社前駅」がメインの駅となっている事もあって、昔ほどに参拝客が歩く場所でもなくなっているようだ。

 

島根県出雲市 宇迦橋 工事中の景色2

しかし今から100年後先を見据えて、この宇迦橋の架け替えと、それと合わせて第一の鳥居の耐震補強工事が計画されたようだ。新しくなる「宇迦橋」は2023年に完成予定だが、工事全体としては2025年に電線の地中埋め込みなどをして終了の目安となっている。

 

島根県出雲市 宇迦橋 仮設中の橋

こちらは宇迦橋の架け替えの際に迂回橋として、この工事の期間だけ設置されている一時的な橋。橋の機能面としての問題はない橋となっているが、住んでいる住民や観光客からすると橋の外観にもこだわるので、このような無機質な橋が何年も置かれている訳にはいかないのだろう。

 

新しい宇迦橋のイメージ+

新しい宇迦橋のイメージ

こちらは新しく架け替えられた後の「宇迦橋」と、その周辺のイメージである。旧来の宇迦橋では狭かった歩道の幅が広くなり、また周囲にあった電線などを地中化して、より第一の鳥居の荘厳さを感じれる橋になるようだ。

シメ縄兎吉
シメ縄兎吉

完成が楽しみだわ!

 

島根県出雲市 宇迦橋 工事中の鳥居

そしてこちら正面に見える大きな鳥居が、国の重要文化財にも指定されている「宇迦橋の大鳥居」である。大正時代の1915年に建造された鉄筋コンクリート造りで高さ23mの鳥居は、実はある実業家の個人的な寄進によって建てられた物でもある。

 

島根県出雲市 出雲大社宇迦橋大鳥居 

その実業家は「小林 徳一郎」という1870年に島根県に生まれた人物で、後に土木業や鉱山業で財を成した人物でもあった。小林 徳一郎は財を成したものの贅沢な暮らしには興味がなく、地元の学校や神社などに多額の寄付を行い、この大鳥居も大正天皇の即位を記念して寄進されたという。

シメ縄兎吉
シメ縄兎吉

当時の工事費で、約1万5000円だわ!

 

島根県出雲市 出雲大社宇迦橋大鳥居  扁額

今では出雲大社にやって来る観光客がこの大鳥居の下を歩いて渡る光景は少なくなったものの、日本でも有数の大きさを誇る大鳥居は出雲大社の象徴的存在でもある。

 

島根県出雲市 出雲大社宇迦橋大鳥居 下を通る

このように外観だけ見ると約100年も前に建造された鳥居とは思えない外観となっているが、2022年中を掛けて耐震補強工事が行われていた。このブログが公開されている頃だと、すっかり新しくなった大鳥居が姿を表している事だろう。

 

島根県出雲市 出雲大社宇迦橋大鳥居 しまねっこの工事杭

そんな工事現場では、こちらの島根県のマスコットキャラクターでもある「しまねっこ」の可愛らしいデザインが入った『単管バリケード』が見られた。旅で全国を訪れると工事現場でご当地のマスコットキャラクターのデザインが使われているのを見かけるが、この製品名は『単管バリケード』という名前で色んな場所で見た事はあったものの、意外とその名前を知られていない物でもある。

 

 

島根県出雲市 出雲大社 参道 

そして第一の大鳥居を過ぎて進んで行くと、参道脇に松の木なども見えてきて、一気に”参道”らしい雰囲気の景色が見えてくる。出雲市駅からこの出雲大社近くまでは歩いていくには遠すぎるし、一畑電鉄やバスだとこの大鳥居を過ぎた場所に駅やバス停が設置されているので、ここからがスタートと思っている人も多いようだ。

 

島根県出雲市 出雲大社 参道 景色

まだ午前9時前だったので、参道に並ぶお店の多くは準備中だった。日本に限らず、昔から多くの参拝客がやって来ていた場所には、その参拝客の懐に期待したお店が多数並んでいるのである。

 

 

一畑電車の「出雲大社前駅」にて

島根県出雲市 出雲大社 参道  出雲大社前駅

こちらはJR大社線が廃線となった後も、出雲大社最寄り駅として存続し続ける、一畑電鉄の「出雲大社前駅」である。

 

 

島根県出雲市 出雲大社 出雲大社前駅 駅舎 文化財

こちらの「出雲大社前駅」は昭和5年(1930年)に開業した歴史ある駅で、こちらの西洋風の駅舎は”国の登録有形文化財”にも指定されている、歴史ある建造物でもある。

 

島根県出雲市 出雲大社 出雲大社前駅 駅舎 文化財 内観

駅舎内はこのように西洋チックな内観となっており、この駅舎が建造された当時、近くにあったJR大社駅が和風建築物だった事に対抗して、このような西洋風建築物が設計されたんだとか。

シメ縄兎吉
シメ縄兎吉

和風と西洋の対戦だわ!

 

島根県出雲市 出雲大社 出雲大社前駅 構内

そして結果的に生き残った「出雲大社前駅」。元々「国鉄」だったJRとしては全国に沢山の路線を抱えすぎるのがシンドクなって大社線を手放したが、地元ローカル企業として島根県に密着して存続する一畑電鉄グループだから生き残れたのだろう。

 

島根県出雲市 出雲大社 出雲大社前駅 デハニ50形電車

なお、この駅舎は2012年頃に駅舎のリフォームが行われており、そのプラットホームにはこちらの”日本最古級の電車”だという、「デハニ50形:52号車」が展示されている。

 

島根県出雲市 出雲大社 出雲大社前駅 デハニ50形電車 車体

こちらの車両は1929年頃に名古屋で製造された電車で、 一畑電気鉄道で実際に運用されていた電車でもある。しかし年を追う毎に修理パーツなどの入手が難しくなっていき、観光用として使われ続けたこちらの電車も2009年を持って、運用が終了となって今ではここに静かに鎮座しているのである。

 

島根県出雲市 出雲大社 出雲大社前駅 デハニ50形電車 乗り口

そしてこの電車は今では見られる事が少ない、”非自動ドア”となっている。一畑電鉄で昔から使われていた”非自動ドア”を持った車両も、途中で改造されて自動ドアとなったが、この「デハニ50形:52号車」だけは最後まで自動ドアは設置されなかったようだ。

シメ縄兎吉
シメ縄兎吉

その自動ドアが無え車両という事で、オレンジ色の車体カラーとなっちょ~だわ!

 

島根県出雲市 出雲大社 出雲大社前駅 デハニ50形電車 社内

車内はこのように床が木の板敷きになっていたりして、レトロな雰囲気となっている。しかしこの内装自体は、2009年に制作された映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』のロケの為に、一部リニューアルされたようだが。

 

島根県出雲市 出雲大社 出雲大社前駅 デハニ50形電車 車内 ポスター

そして電車内にあった吊り下げ広告には、撮影に使われた映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』の広告が見られた。

 

 

島根県出雲市 出雲大社 出雲大社前駅 デハニ50形電車 運転席

その映画の主人公は小さい頃からの夢であった”一畑電車の運転士になる”を実現する為に、49歳で会社を退職して夢を追いかけたという。まさに町興しのような脚本の映画だが、この電車の撮影にはかなりのこだわりが詰められていたようで、運転室の撮影では長い時間をかけて行われたという。

 

島根県出雲市 出雲大社 出雲大社前駅 デハニ50形電車 運転席 ハンドル

電車好きからすれば、このように表面の塗装が剥げたハンドルなんかもその趣深さが感じられる一品で、触れるだけで嬉しいのだろう。今の電車はほぼスイッチだけになっているのが多い中、このようなアナログな装置がマニア心をくすぐるのだろう。

 

島根県出雲市 出雲大社 出雲大社前駅 デハニ50形電車 運転席2

こういったレトロな電車内に入ると、誰もがこの運転席に腰を掛けたくなるもの。このような物に興味を見せないオカンも、さっきボクが外で車両の写真を撮っているスキに運転席に潜り込んで、嬉しそうな顔をしていたのである。

オカン
オカン

嬉しそうな顔をアンタに向けているという事は、「早く写真を撮れ!」という合図や!

 

島根県出雲市 出雲大社 出雲大社前駅 駅舎

地方程に少子高齢化と人口減少に苦しみ、更に2020年からの新型コロナウイルスでかなりのダメージを受けている事だろう。地域のインフラを守る為に国や地方からの補助金が出ていても、これからの存続には電車やバス単体だけでは勝負にならないので、人気の観光地とコラボして生き抜くしかないのだろう。

 

 

島根県出雲市 出雲大社 参道 出雲そばの看板

そんな駅を見てから参道を進むと、こちらの「出雲そば」の大きな文字が見えてくる。既に島根県に来てから、ホテルの朝食時も合わせて、5回も出雲そばを食べているけど、ここ出雲大社でも最後に出雲そばを味わう予定にしていた。

 

島根県出雲市 出雲大社 参道 猫の置物

この出雲大社近くでは『因幡の白兎』伝説に合わせて、ウサギの石像を沢山見かける事が出来たけど、こちらに置かれていた石像は今ブームともなっている猫ちゃんの石像となっていた。

 

島根県出雲市 出雲大社 参道を進む

まだ午前9時頃だったので観光客の姿も少なく、全国的に参拝客や観光客が多い観光地という雰囲気を感じなかった、出雲大社の参道。しかし、時が進むに従って、どこから湧いて来たのかと思う程に観光客がこれから増えていくのだが。。

 

島根県出雲市 出雲大社 参道 日の出館 旅館建物

その参道脇には、こちらの国登録の有形文化財にも指定されているという「日の出館」の建物が見えてきた。江戸時代から続く旅館で、出雲大社からとても近いという事もあって、出雲大社の歴史を満喫できる宿泊施設ともなっているようだ。

 

 

島根県出雲市 出雲大社 参道 日の出館 旅館建物 看板

ただ今見られる玄関などは大正時代や明治時代に建てられた建物で、必ずしも江戸時代に創業されたからといって江戸時代に建てられた建物が残る訳でもないようだ。特に古い建物ほど生き残りにくい地震大国の日本では、古い木造建築物ほど消えやすい現状となっている。

 

島根県出雲市 出雲大社 参道 日の出館 旅館建物 入口

個人的にこのような歴史あって古そうな旅館には、宿泊する機会すらない。ホテルなどは最低限泊まれればいいと思う人間にとっては、無縁の日の出館ともなっていた。。

オカン
オカン

美味しい料理が食べれる、綺麗なホテルがエエな!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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