九州縦断旅:鹿児島編
旅行期間:2020年8月中旬~下旬
頂上に近づく程に道が険しくなる山
さて開聞岳登山で登山道を登り出して約1時間半程で、やっと周囲の景色を高い場所から見下ろす事が出来る7合目まで辿り着きました。この辺りになると先程まで執拗に追いかけて来ていた「ブ~~ン~~ブ~~ン~~!」と音を出す虫もいなくなってきてので、しばらくこの景色を見ながら小休憩をする。
頂上を目指して開聞岳登山を進める
そして一息を入れた後は、また再び頂上を目指して進んで行く。すると頂上に近づくにつれて地形が変わってきて、先の方には人工的な木の橋が添えられているのが見えてくる。
この開聞岳登山道も全く人の手が掛かっていない登山道ではなく、このように誰かによってそれなりに整備されている道だった。標高が低いながらも百名山の1つともなっている開聞岳あって、逆に頂上まで登り易いからそれなりの登山客が来るのだろう。ちなみに今回の登山時は真夏だった影響もあってか、13人の登山客としかすれ違わなかった。
山頂に近づくにつれて道が狭くなってきていたので、ガケ崩れや土砂崩れの影響を受けないようにと、ここでも足場が人工的に造られていた。そんな整備してくれた人に感謝しながら、橋や足場などを進んで行く。
たださっきみたいな足場は造ってくれていたけど、さすがにこのように道のど真ん中に立ちはだかる岩などはそのまま放置されていた。こういう岩はそれぞれ自分でうまい事交わして進むのが、ここの登山の醍醐味なのかもしれない。平坦な道を進むのは楽だけど、ちょっと困難などがある道の方が進み切った時の達成感が変わってくる。
7合目の先にある「仙人洞」にて
7合目を進んで行くと、このような看板が見えてきた。こちらには「仙人洞」という名前が付けられており、昔はこの近くにあった寺の山伏がここまでやって来て修行していた穴だという。
昔から人里離れた山奥に籠って、坊さん達は修行していたでごわす!
そんな「仙人洞」の穴が、こちらの岩の下だったようだ。この穴は人工的なものではなく自然に造られたもののようだが、今では立ち入って万が一土砂崩れで出口が塞がれてしまった場合に生き埋めになる可能性があるので、立ち入りは勧められない場所となっていた。
でも昔の山伏達は、それこそ全然整備されていない獣道を這い上がって来ていたんだろう・・・
さてこの開聞岳も頂上に近づくにつれて、起伏が激しくなってきているように感じる。目の前には崖のようにも見えなくは無い岩の壁が見えてきた。ただこんな道も登り易い感じで、特に問題なく足を掛けて登っていける場所だった。
そして進んで行くと、また少しだけの範囲だが木の階段が見えてくる。こんな高い場所までわざわざ材料を運んできて、階段を造るなんて余程この辺りが難所だったのだろうか?!
ふと道の脇に目を落とすと、このように太陽から降り注ぐパワーを全身で受け止めて、綺麗な緑色に輝く雑草を発見する。自宅などで勝手に生えてくる雑草には苛立つけど、このような大自然の中に入ってみると単なる雑草に逆に見惚れてしまうのである。
所詮人間など大自然の中で生かされている存在なので、謙虚に生きろド~~ン!
開聞岳登山道8合目に到着!
そしてまた8合目の道標に到達する。先程の7合目からは15分で辿り着いたが、既に最初の頃の余裕は無くなり、全身で呼吸をしながら汗だく状態。ただここまで登ってくると邪念が消えて、ひたすら登山道を進む事しか考えてなく、体を動かしていると何だか逆に気持ちよくなってくる頃合いでもある。
マラソン選手なんかはだいぶ走るとランナーズハイという境地に陥るそうだが、登山者は”クライマーズハイ”という体の疲れを脳が興奮させて疲れを忘れさせるような状態になっていたのかもしれない。ただあくまでもこういう状態時には体の疲れ自体は回復しておらず、単に脳にその信号が届かないだけで一種の錯覚状態でもある。
そしてまたゴロゴロと大き目の岩場が見えてきて、こちらはご丁寧にロープが張り渡されていた。岩場で滑ったり進みにくいのでケガをしないようにとの親切心で、誰かがここに設置してくれているロープ。ただしこの2020年はコロナ禍に踊らされた年だったので、このように設置されているロープも誰かが触ってコロナ菌が付いている可能性も無い訳ではないので、なるべく触れずに進む。
この登山時は周囲にはこのように全然人もいなくて、ましてどんどん登っていくので呼吸が乱れている状態ばかりが続いていたのでマスクは外していた。そして数少ないすれ違う登山客とは距離を空けて交わした。こういう人里離れた場所に来ていても、旅行者として今後も旅行していくにはやっぱり最低限度コロナウイルス感染防止のマナーは守っていかないといけないのである。
こちらには「イヌガヤ科イヌガヤ」という札が木に吊り下げられているのが見える。しかしこの登山時は普段運動不足の者が生半可な気持ちで登山した罰を受けているかのような局面に感じられる時間帯だったので、こんな周囲の木にまで目を落とす余裕も殆ど残っていなかった。。
たまに下ってくる登山客3人程とスレ違っただけで、周囲には全然人の姿自体も見られなかった。なので自由にマイペースで登れたけど、もしこの登山道が人だらけだったら、全然この大自然の雰囲気を感じられなかったかもしれない。そう思うと敢えてこの真夏の一番暑い時期に登山をしたからこそ、体感して感動しながら登る事が出来た開聞岳だったのだろう。
夏場は生命が一番活発な時なので、好きな季節タケ!
そして国立公園にも指定されている開聞岳だけに、さすがに殆ど登山道にはゴミは見当たらなかった。しかし登り時は全然余裕が無かったからかもしれないが、下り時には白いポリ袋の破片を何個か発見できた。やっぱり登山客はゴミを出さないようにという最低限のマナーは守ってはいるのだろうけど、人間が足を踏み入れると何かしらのゴミが知らない内に出てしまうのかもしれない。
勿論下りはそんな心の余裕があったので、見つけたポリ袋の破片は持ち帰りました!
ありがとう、そんな余裕ある気持ちが山の自然を保つ事に繋がるタケ!
8合目から進んで行く景色 動画
そして7合目を越えると太陽の陽が先程までと比べると、少しずつ当たる機会が増えてきたけど、ある程度の高さのある標高だったからか、あまり気温は暑くは感じなかった。それに自分の体が登山で熱くなってきていたので、そんな気温まで気にしている余裕がなかったのかもしれないが。。
そして思ったより全く野生動物などを見かける事もなかったので、平坦な道はスイスイ進んで行けていた。ただ昔は色んな動物なんかも住んでいたのかもしれないが、人間が出入りするようになってからそんな動物たちは数を少なくしていったのかもしれないけども。。
そして進んで行くと、このように大きな岩が重なるようにして道を塞いでいるポイントが見えてくる。ただその右側に通れるスペースがあるので、こんな岩の上を渡る必要は無かった。
そしてこの岩を越えて反対側から見て見ると、このように岩の外側には苔や雑草などがびっしり生えているのが見える。昨日桜島で勉強したように溶岩や火山灰が降り積もった土壌には栄養分がない為に、最初の頃は草木や雑草なども生えない。まず最初に目に見える生物として生えてくるものが苔である。ただし苔は陽当りが強い所が苦手らしく、このように外側付近に一方的に生えていた。
開聞岳登山道9合目にやっと到着!
普段運動不足の人間からするとこの開聞岳登山という行動は、かなりしんどい行動である。「あと〇〇m登れば・・・」とか思いながらひたすら進んできたけど、この「開聞岳登山道9合目」の道標を見ると「遂に頂上が目前までやって来た!」という気分になってしまう。
もう一息でごわす!キバレ、キバレ!
さっきの8合目からこの9合目の道標までは18分掛かっている。この登山ペースでいけば標準のラップを刻んで登ってきていたが、これから頂上までは意外と早く辿り着けそうで、気分的にはたどり着けるまで長かった登山道の頂上までの道であった。
道標には「頂上まであと0.4km」とあったが、先が見える400mではなく、まだ9合目でもゴールの頂上が可視できない開聞岳だった。だから先程までと同様にテンションはあまり変わらず、重たい足を何とか踏み出して進む事になる。
この日は晴天だったと思うけど、この辺りの空はモヤというか霧っぽい感じだったのか、空を見上げても真っ青な青さの空色が見えなかった。
9合目まで辿り着くと次は頂上なので油断してしまいそうだけど、実はこの9合目から頂上までの道が一番険しく、進みにくい道だった。なので頂上までのラップタイムは、この9合目~頂上までがたった2分だけ多めに掛かっていた。
そして進んで行くとまた岩が積み重なった道があり、その頭上にはこのようにゴールの輪のようにも見えなくない所が出てくる。しかしゴールのように錯覚してしまいそうな場所だったけど、残念ながらまだこのポイントはゴールではなく、単なる通過点であった。
ただ先程の岩場を登っていくと、もう周囲にはあまり木々は生えていなくて、登山道沿いからは周囲の景色を見渡せるようになってきた。だからゴールはもう少し遠いけど、ヨーロッパで行われる自転車競技最大の大会「ツール・ド・フランス」(Le Tour de France)で最終都市のパリに辿り着いた時のような感じの気分で、9合目以降は気持ちいい気分で進んで行ける。
このツール・ド・フランスでは最終目的地であるパリに辿り着いた時点で順位が確定し、最終日のパリ市内のレースはこの長い戦いを走り遂げた全員で、そのお祝い代わりに楽しくウイニングランをするのが毎年の恒例となっている。
何事も実はやり遂げる瞬間が楽しいのではなくて、それをしている瞬間全てが実は楽しい事である。しかし道中にはそんな楽しむ表情などを表す事が出来ないけど、最後の最後ではそんな楽しかった思いを表に出す事も大切かとは思う。
しかしそうは言ってもまだゴールした訳ではないので、最後まで油断してはいけない。特にこのような岩場などが続くので、もし足を踏み外してコケた場合に岩の角などで怪我をしてしまう可能性も高くなってきている。
頂上まで登るのが楽しいのではなく、無事下山出来るまで楽しい気持ちでいてくださいタケ!
ただ先程までは見えなかった北西側の景色も見えるようになってきた。ちょっと分かりにくいけど、この開聞駅まで乗ってきたJR指宿枕崎線はこの先の枕崎まで左上の方まで延びていて、それから左側の西方向へ繋がっている。
そしてこの辺りは開聞岳西側の足元付近を眺めた景色。登ってくる途中は周囲に木々が生い茂っていたが、下を見るとそんな景色が見て分かるように、緑だらけの木々が広がっている開聞岳である。
開聞岳9合目付近からの眺め 動画
そんな景色を楽しみながら進んで行くと、これまでの登山道には無かった梯子が架けられている場所が見えてきた。さすがに頂上付近になると岩肌の露出が増えてきて、これからはこのような人工物に手助けしてもらわないと進めないようだ。
こんな旅はまた次回に続きます!
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