神奈川旅行記2020年秋-⑬
旅行期間:2020年11月24日~27日(3泊4日)
(Walking along the approach to Tsuruoka Hachimangu Shrine in Kamakura, which is associated with Minamoto no Yoritomo. [Kanagawa Travelogue 13])
鎌倉時代からの参道
さて神奈川県旅で楽しみにしていた鎌倉名物の大きな大仏像を見学出来たので、とりあえず今日の大きな目標は一応達成となる。ただ鎌倉市内には昔からの寺が多く残っており、また境内には綺麗に植物などが植えられていて、観光客に人気の寺も多い。ただお寺もこのシーズンだと遅くまで拝観出来ない寺も多く、既に15時となっていたのであまり多くは巡れないと思い、とりあえず鎌倉駅近くの鶴岡八幡宮を目指す事にした。
鎌倉の大仏が安置されている高徳院から、鶴岡八幡宮までは徒歩で約30分圏内。歴史ある鎌倉の街散策も兼ねてのウォーキングコースとしては、いい感じのコースとなりそうだ。
鶴岡八幡宮へ向かう!
高徳院からはバスや電車で鶴岡八幡宮まで移動する事も出来たけど、その訪問地を満喫する為には”その土地を歩くのが一番大事!”というポリシーを掲げているボクなので、今回も勿論歩きでの移動。ただこの鎌倉の街は鎌倉時代からの歴史がある町並みで、さすがに鎌倉時代からは長い年月が経っているので街並みは大きく変化しているけど、所々には鎌倉らしさを出す情緒を感じれる建物なども見つける事が出来る。
そして早速発見した、こちらのレトロな風合いを感じさせる建物は「のり真安齊商店」という大正13年(1924年)に建てられた乾物屋さんの建物。大正2年(1913年)に創業された「のり真安齊商店」は、大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災で倒壊してしまったが、その翌年に新しく建てられた家屋が今でも現存している。
この「のり真安齊商店」の基礎部分は石造りとなっていて、昔の商人が好んだ特徴が出ている建物らしく、また建造されてから約100年近く現存するこの建物は、”鎌倉の景観重要建築物”にも指定されている。
今では既に商店として営業されておらず、また内部の見学も出来ない為に外から中の様子を眺めるだけしか出来ない。しかし、何ともレトロな佇まいの店内の景観が、また鎌倉の街並みに馴染んでいるようにも思えるのである。
そんな古い商店などがあった「神奈川県道311号:鎌倉葉山線」を、鎌倉駅のある東側へと歩いて行く。するとその道沿いにこちらの角に古そうな銀行の建物が見えたが、こちらは1927年に鎌倉銀行:由比ガ浜出張所として建てられた建物。その建物はこのような外観からは分からないけど、実はバーとなっていて、そのレトロな内観を活用した雰囲気の良さそうなお店として営業しているようだ。
そして鎌倉駅近くには、こちらの「御成通り」という道沿いに観光客向けのお店が多い商店街が出来ている。鎌倉でゆっくり飲み食いしたり、お土産を買いたい人には最適な通りのようだけど、あまり散財したくない人間からすると、足早にウインドウショッピングをしただけで通り過ぎてしまうのであった。。
こちらのちょっとモダンな建物は「鎌倉駅」で、JR(横須賀線と湘南新宿ライン)と江ノ電が乗り入れている駅。鎌倉駅の開業は1889年だが、開業当時は国鉄(のちのJR)線しか無くて、後から江ノ電の駅が作られている。ちなみに江ノ電の鎌倉駅は、江ノ電路線の中でも一番利用客が多い駅となっており、鎌倉観光に来る人はこの鎌倉駅にまず到着してから始まるのが定番なんだろう。
鶴岡八幡宮の参道にて
そんな鎌倉駅の東口の前にある道の先を進んで行くと、大きな鳥居のある長い参道が見えてきた。こちらが鶴岡八幡宮の「二ノ鳥居」で、鶴岡八幡宮の参道として多くの参拝客が通った道であり、これからも多くの参拝客が通る道でもある。
その二ノ鳥居前には、大きな一対の狛犬像が置かれているのが見える。この参道は鶴岡八幡宮から海辺の由比ガ浜海水浴場まで貫く道となっていて、鎌倉幕府を築いた源頼朝が整備した参道となっているようだ。
住所:神奈川県鎌倉市小町2-15
八幡神を祭神とする神社「八幡宮」は、日本全国に40,000以上もあるとされているが、その中でも特に”日本三大八幡”としても有名なのが石清水八幡宮(京都府)と宇佐神宮(大分県)で、それと共にこの鎌倉の鶴岡八幡宮や福岡の筥崎宮も含まれているようだ。
参道入口には大きな口を開けた狛犬像があったけど、沖縄旅行帰りだと狛犬というよりも、シーサー像にしか見えない。。
というか冷静に考えればシーサー像も狛犬の像なので、どっちでも呼び名が変わるだけで、本質的な面からすればあまり変わらない像であるが。。
この大きな二ノ鳥居は元々は1668年頃に、徳川幕府第4代将軍:徳川家綱が寄進した石造りの鳥居が造られていたが、関東大震災(1923年)時に倒壊してしまって、今見られる鳥居は後に鉄筋コンクリート造りで再建された物となっているようだ。
鶴岡八幡宮の参道を眺める! 動画
この参道脇には葉っぱが付いてない木が並んでいるけど、これは全て桜の木なので春になると綺麗な桜が咲き誇る参道となるようだ。またこの参道は実は公道ではなく、鶴岡八幡宮の私道となっており、また奥に進めば進むほどに道幅が僅かに狭くなっている設計だという。というのもこの参道を築いた源頼朝が、この参道を実際より長く見せる為に目の錯覚を利用したとも言われているそうな。
ここも桜の時期には観光客が多いよ~!
そんな鶴岡八幡宮の参道を神社の方に向かって進んで行くと、その両脇には昔からの参道という事もあって、多くのお店が軒を揃えている光景が見られる。そんな参道脇のお店の中でも特に目を惹いたのが、こちらの近代的な外観をしている建物だった。
そんな近代的な外観の壁の一部には、このような鳩のマークがくり抜かれているデザインとなっていた。ただある程度の人だったら、この鎌倉という土地柄と、この鳩のマークを見れば、この建物がどういったお店なのかがピ~~ンと判るハズ。
こちらは神奈川県名物のお菓子ともなっている鳩サブレーを販売している「豊島屋:本店」の建物だった。明治30年頃に豊島屋の初代主人が、当時店を訪れた外国人から貰ったビスケットを食べたのが始まりらしく、その味を再現すべく和風ビスケットを開発する事になる。
明治時代の日本国内ではまだバターが一般的ではなかったので、簡単に入手できる時代ではなかった。しかし、外国人から貰ったビスケットが美味しかったので、そのバターが使われていた事を知った豊島屋の主人は何とか当時貴重品だったバターを入手して、理想の味を追求していった。
しかし当時の日本人にはまだ馴染みの無い味のお菓子だったので、大衆に売れるまでは10年以上の歳月を要したという。しかし段々とその味が好評を呼んで庶民にも浸透していき、また鶴岡八幡宮を代表するお土産としての地位も確立していった。
そんな苦労もあった鳩サブレーで有名な豊島屋の建物も、ビスケットのお菓子だけでかなり儲かってそうな外観に思えた。このようなその観光地を代表するお土産の地位にまで上り詰めると、大きなブランド力としてトラブルが起きない限り、売れ続けていくのだろう。
鳩サブレー土産は、鎌倉に行ったという証拠ダよ!
そんな鶴岡八幡宮の参道脇には、このようなキリスト教会の建物も見えてくる。こんな日本の古風な神社の参道に、堂々とこのような教会が造られているなんて想像にも付かなかった。こちらは「カトリック雪ノ下教会」で、1948年に”レデンプトール会”というカナダから招いたカトリック教の修道士達が築いた教会だった。
戦後に造られたキリスト教会があるかと思えば、このような古そうな日本家屋の商店があったりと、日本の浮き沈みを体感できるような参道ともなっている鶴岡八幡宮。神社の参道にキリスト教会なんて似合わないように思うけど、キリスト教信者から見れば、神社に負けないように対抗して参道脇に教会を造ったのかもしれない。
参道は入口付近の鳥居がある部分は約4mほどの道幅となっていて、その奥側の道幅は約3mと段々狭くなっているようだが、それを意識して歩かないと道幅が狭くなっている事には気付かない事だろう。
参道脇のお店も古都の鎌倉の雰囲気を守る為に、新しく建て直された建物でも、昔の作りっぽい外観で誤魔化している建物もチラホラと見かけられる。日本はヨーロッパの国と違って地震が多く発生しやすい国なので、どうしても建物は耐久性の面で早く取り壊さざるを得ない。
その為に建て直された建物は必然と近代的な建物になり易いのは仕方ないけど、こういった景観を保存すべき街では建物も色んな規制があって、土地の所有者も色々と頭を悩ませているのかもしれない。
そして参道を進んで行くと、道を挟んだ向かいにこれまた大きな「三の鳥居」が見えてくる。この訪問時は全然気にしていなかったけど、これが三の鳥居で、さっきの参道入口で見た鳥居が二の鳥居だったという事は、その手前の由比ガ浜までの途中に一の鳥居が存在していたのだった。
その「一の鳥居」は他の鳥居と共に江戸幕府第4代将軍:徳川家綱の時代に寄進された物で、関東大震災で他の鳥居と共に倒壊した。しかし一の鳥居だけは当時の石材をそのまま再利用して建て直されており、今でも現存する石造りの鳥居は国の重要文化財ともなっているようだ。
日本三大八幡宮とも言われる宇佐神宮と石清水八幡宮は訪れた事があるので、この鶴岡八幡宮もそこまで興味はなかったけど、とりあえず見学してみる事にする。昔から多くの人々を惹き付けてきた場所なので、何が見れるか楽しみである。
こんな旅はまた次回に続きます!
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