神奈川旅行記2020年秋-⑥
旅行期間:2020年11月24日~27日(3泊4日)
(Enoshima’s power spot and sacred place, the “Iwaya” cave, where the dragon gods live! [Kanagawa Travelogue 6])
これが龍神様?!
ここは江の島の南側に昔からある洞窟の「岩屋」の見学通路。かつては龍神様が宿る場所として崇められてきた場所だけど、今ではすっかり観光地と化した江の島では、この聖地だった洞窟も観光客は入場料金を払えば入れる場所となっている。
第一岩屋を見学!
岩屋には2つの見学できる洞窟があるが、まずは順路通りに第一岩屋の方へと進んで行く。ここ石灰岩地層ではなくて海から押し寄せる波に削られて出来た海食洞なので、鍾乳洞のような石灰質の鍾乳石は見られずに、普通の洞窟となっている。
長い年月を経て波に浸食されてきた洞窟なので、その奥深くになっていく程に洞窟の穴が小さくなってくるのも海食洞の特徴でもある。だから最初の方は普通に進める場所となっていたが、奥に進むにつれて成人男性だとちょっと頭が擦ってきそうな高さになってくる。
岩屋内を進む! 動画
この洞窟は昔は僧侶が籠って修行する場所としても使われていて、その頃に造られたとされている、このような石像が通路脇に設置されているのが見える。仏教という宗教は本来は偶像崇拝が禁止という仏陀の教えがあったのだが、それを弟子が無視して仏像を作ってしまい、今でもこのように仏像信仰が続く仏教となっている。
あれだけワシの像など、恰好悪いから造るな!と言ったんやけども・・・
その教えを破った人がいたから、ボクが生まれた訳なんダけど・・・
偶像崇拝は多くの宗教で見られるが、世界的に信者の多いイスラム教ではその教えが忠実に守られていて、イスラム教の神様の像などは一切造られていない。そう考えると宗教が存続するには神様の像は必須ではないのだが、信者の信仰心を惹き続けるには目の前に神様の形を見せてあげないといけないと考えたのかもしれない。
この洞窟には横穴があって、言い伝えによると富士山の麓にある「鳴沢氷穴(なるさわひょうけつ)」という天然記念物にも指定されている溶岩洞に繋がっているとか。その鳴沢氷穴は約1100年頃前の富士山大噴火によって出来た穴だけど、その穴がここ江の島まで約70km近くに渡って繋がっているというのは、ちょっと非現実的にも思えるが。。
イスラム教は偶像崇拝が禁止だけど、それ以外の宗教では偶像崇拝がされている宗教も多い。日本では偶像崇拝ルールを破った仏教の像が昔から沢山作られてきたけど、その像を作る技術が代々引き継がれてきて向上し、彫刻品のレベルが向上していく事にも繋がっている。
こちらにはとぐろを巻いた「ウ○チ💩」・・・・ではなく、鱗みたいに表面が見えるので多分蛇の彫刻だろう。なかなか「ウ○チ💩」の彫刻は見られないけど、「運子(ウンコ)童子」という神様を祀っている場所が意外にも家の近くにあったのだった。
ウ○コにも神様がおるんやで!(笑)
こちらには国指定の重要文化財として木像の八臂弁財天が飾られている江の島だけに、このように八臂弁財天の彫刻も置かれている。ここで大昔に修行していた僧侶は、時間潰しにこのような像を彫っていたと思わせる程に色んな像が置かれていた。
この岩屋の洞窟内はご覧のように、観光客も多いので歩く道はコンクリートで舗装されていて、歩きやすくなっている。しかしリアルさを求める観光客からすると、このように綺麗に手入れされた洞窟は逆に味気の無い場所に感じてしまうのだが。。
このような彫刻された仏像を見ていくと、それぞれに彫った人達の魂が籠められているかのようにも感じる。現在はこのような像は完成品のデータを入力すれば簡単に複製が出来てしまう時代だけど、アナログ時代の作品には手作業だったのでその職人ならではの特徴と心意気が表れる芸術品とも化している。
この辺りの天井付近は、鉄板などでカバーされているように見える。前に洞窟内で崩落が起きたというが、ひょっとしたらこの補強されている付近が崩落した場所だったのかもしれない。
こちらに置かれていた像は弘法大師坐像で、ここに置かれている像とはちょっと違うような感じがしているなと思っていたけど、どうも元からここにあった像ではなくて、鎌倉で廃寺になった寺に置かれていたのがここに移動されたそうな。
そして岩屋を奥に進んで行くと、突き当りにこちらの神様が祀られているような小さな祠が見えてくる。恐らくここが奥の院とも言われる龍神様を祀っている場所で、さっき通った時に行列が出来ていた”江の島最強パワースポット”とも言われる龍宮の真下だと思われる。
その手前には一対の狛犬が警備しているように見える、凛々しい顔をしていた。もしここで龍神様を祀っているのであれば、上の龍宮ではなくここをお参りした方がいいのだろうけど、ここに入るのは500円と有料だが、上の龍宮はタダでお参りできるのでそれもあって行列が出来ていたのかもしれないな。。
この洞窟奥で龍神様を祀っているような祠を見て、この第一岩屋は終わり。という事で来た道を戻って行き、もう一つの洞窟へと向かう事にする。それにしても暗闇の洞窟を歩いた後には、このように差し込む太陽光がとても眩しく見える。。
単なる洞窟にしか思えない岩屋だけど、昔の人はこのような海沿いにある洞窟に龍神などの神様が宿ると信仰していた。ここに限らずに宮崎県日南市にあった大御神社内の鵜戸神社では、洞窟入口の形を龍に模って信仰を捧げていたし。
しかしこのような洞窟が波の浸食によって、これだけ大きく口を開ける洞窟になるとは想像が付かない。数時間波を見ている分にはそれで台地が削られている感じは受けないけど、何千年も継続して波に打たれる様子を見れば納得するのだろう。
誰か1000年間の波打ち際のタイムラプス映像を作ってくれないかな?!
岩屋から見る湘南の海! 動画
さて次の第二岩屋へと向かう通路を進みますが、2017年の台風で被害を受けた時の写真を見ると、この辺りの橋が陥没していたように思うが今では綺麗に修復されていた。
このように岩屋の洞窟を見学する人の為に、わざわざ突起した岩場の上に綺麗に橋が造られているのが分かる。これも自然破壊と言えばそうなのであるが、観光という名の元に開発してしまう人間側からすれば、環境破壊とは認識されないのだろう。
神様が宿る聖地とか言いながら、このようにガツガツと開発して心が痛まないのかな?!
岩屋の通路から見える景色! 動画
第二岩屋にて
こちらがもう一つの洞窟である「第二岩屋」の入口。このように鉄筋コンクリート造りの入口となっていて、龍神様が宿るとかいう風情が全然感じられないのがまた江の島らしくていいのである。
このような岩場に出来た洞窟とかは何も無ければ崩壊の恐れも殆ど無いけど、大きな地震などがもし来た場合には崩壊する可能性もある。特にこのような多くの人が訪れる観光地だと、万が一の場合に備えて洞窟が崩壊しにくいようにしないといけないので、このような鉄筋コンクリート造りで入口などを補強する必要があるのだろう。
そしてこの第二岩屋はご覧のように、さっきの第一岩屋とは違って、若者のインスタ映えに媚びたような洞窟内部の景色となっていた。クリスマスイベントとかならまだ分かるかもしれないけど、普段からこれだけのライトアップをしていれば、神様が宿る場所と言うよりはテーマパーク的な場所にしか思えなくなっていた。。
第二岩屋の景色! 動画
年配の人達ばかりではなく若者も沢山訪れる江の島では、そういった若者達にも喜ばれる工夫をしないといけないと考えているのだろう。確かに前を歩いていた若いカップルはこのライトアップした洞窟をバックに楽しそうにツーショット自撮りをしていたけど、若者ではない世代からすると、「ここに神様が宿る・・・・・?!」と思ってしまう光景ではあるが。。
それにしても先程見学した第一岩屋とは、全然洞窟内の雰囲気が違い過ぎる。さっきの第一岩屋は40歳以上向けで、この第二岩屋はインスタ映えスポットを求める40歳以下向けの洞窟という設定があったのかもしれない。。
若い子は中身より、見た目を重視するからな!
そんな洞窟を奥に進んで行くと、怪しい色の照明に代わり、その奥には何かトゲトゲしたような像が見えてくる。さっきの石像ばかりが置かれていた第一岩屋とは打って変わって、”明るい洞窟”をイメージしたかのような第二岩屋。
そしてピンク色のネオンで照らされて怪しく発光していた像は、なんと岩屋に宿る龍神様の像だった。龍神様とかの神様ってのは姿が見えないから信仰心の拠り所になっているのに、このように思いっ切り姿を現してしまうと、その有難みが感じられなくなってしまうように感じたのである。。
岩屋に宿る龍神様?! 動画
こんな旅はまた次回に続きます!
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