神奈川旅行記2020年秋-㊻
旅行期間:2020年11月24日~27日(3泊4日)
(Dobuita-dori, an Americanized street in Yokosuka, famous as the birthplace of the Sukajan. [Kanagawa Travelogue 46)
アメリカチックな横須賀!
ここは神奈川県の横須賀市で、横須賀というとペリー来航以来、東京湾防衛の拠点として海軍の施設などが敷かれていた場所。そして第二次世界大戦で敗北した日本に乗り込んできたアメリカ軍の海軍施設も、この横須賀にある。ちなみにこちらはその在日米海軍の「米軍横須賀基地」で、この辺りだけはアメリカ人のような外人さんがウロウロとしていた。
横須賀市内にて
この横須賀にアメリカ海軍の基地があるのは、江戸時代末期にここに海軍が設置された事に由来する。そして第二次世界大戦で敗北した日本に乗り込んできたアメリカ海軍が、この横須賀の海軍基地を接収し、アメリカ海軍基地として今でも利用する事になっている。
こちらは横浜市内にある神奈川県立歴史博物館に展示されていた『横須賀弌覧図』という、1881年当時の横須賀に建造された造船所などの様子が描かれた絵である。ちなみにこの海軍基地の修理ドックなどを造ったのは、今日の午前中に城ヶ島の可愛い猫ちゃん:ミルクティーが居た城ヶ島灯台を建造した、フランス人技師:レオンス・ヴェルニーや江戸幕府の小栗忠順などである。
こちらは消火栓のデザインマンホールだったけど、一見には横須賀っぽいデザインには見えなかった。実はこのキャラクター、横須賀上下水道イメージキャラクター「アクアン」だったのである。水道創設90周年を記念して生み出されたキャラクターは、水の妖精をイメージしていたようだ。
ドブ板通りと呼ばれる場所に近づいてくると、徐々に街並みが変化していく事に気付く。同じ横須賀でも横須賀中央駅周辺は普通の街だったのに、駅からそんなに遠くない場所で雰囲気が変わってくるようだ。
横須賀のドブ板通りにて
そして店頭に並べられているスカジャンが大量に見えてきたので、この辺りで「ドブ板通り」に足を踏み入れた事を実感する。ちなみにドブ板通りという名前は、ドブ川が流れていたこの場所に近くの海軍基地から厚い鉄板を譲り受けて、そのドブ川に蓋をしたからだという。
ちなみに「ドブ板通り」は愛称で、正式には「本町商店会」という名前らしい。しかしここにやって来る人にとっては「ドブ板通り」に来ているのであって、本町商店会に来ている訳ではない。横須賀に旅行で行った土産話で「私、本町商店会に行ってきたよ~!」と話しても誰にも通じないけど、「私、ドブ板通りに行ってきたよ~!」と言えば必ず反応がある事だろう。
この「ドブ板通り」は江戸時代末期に造られた海軍基地頃から、その門前町として栄えてきた場所。そして敗戦した後はその海軍基地に居座ったアメリカ軍の影響を強く受けて、大きくアメリカナイズされた街となってしまったドブ板通りでもある。
こちらのお店はアメリカ雑貨を中心に販売するお店で、店内にはドブ板通りらしい雰囲気の商品が所々に見られる。ボクも多少はアメリカ雑貨好きな性格もあるので、こういったお店を覗くのが好きでもある。
ただアメリカ雑貨を置いているお店って全国にあるけど、このようにアメリカ軍基地の近くでアメリカナイズされた街にある雑貨屋さんだと、その雰囲気がより出ているように感じる。まさに”ドブ板通りプレミア”が付いたかのようなアメリカ雑貨であった。
こんな「YOKOSUKA」の黄色いナンバープレートも置かれていて、思わず欲しくなってしまう。しかし、近年断捨離に目覚めた人間としては、そう簡単に家の置物と化してしまうようなお土産物は買わないようにしているので、渋々購入は見合わせる事に。
この横須賀のドブ板通りに来るまでは、その名前をテレビなどで耳にしても「何故、そんな名前が付けられたか?」など考えた事が無かった。しかし、付けられる名前には何かしらの理由があり、このドブ板通りにはかつてドブ川が存在していた名残を残しているのである。
このドブ板通りは”東京環状道路”とも呼ばれる国道16号から、一本中に入ったストリートとなっている。ちなみにその国道16号線が国道となったのは1887年(明治20年)で、その理由は横須賀に置かれていた海軍の基地と横浜を結ぶ道だったからだそうだ。
そしてこのドブ板通りで最も目を惹くのが、この横須賀が発祥だとされている『スカジャン』である。このスカジャンは横須賀に駐留する在日米軍が自国で着ているスタジャンを、日本チックな刺繍を施して造らせたのが始まりとされている。だから冷静に考えれば普通にスタジアムジャンパーなんだけど、日本人はアメリカ人程にスタジアムジャンパーを着る文化がないので、このような服は全部スカジャンに区別されるのだろう。
こちらには「DOBUITA ST」とアメリカチックな通りのネームプレートも取り付けられている。なおドブ板通りはアメリカ在日海軍基地の敷地内ではないので、アメリカのような表示をする必要も法律もない。ただ今となってはそのアメリカチックな商店街として観光客にアピールする為に、よりアメリカの雰囲気が漂う空間にしようと町興しをしているのである。
スカジャンの名前の意味もあまり深く考えた事は無かったけど、「横須賀のスタジアムジャンパー」という長い言葉を省略化した物と思われる。そしてこのスカジャンの一番の特徴となっているのが、その刺繍デザインが和風になっている所だという。またシルクなどが使われている物もあったりで、それなりにいいお値段ともなっていたスカジャン。。
こうやって「横須賀」という文字を見ると、横浜が「横」の「浜」だった訳で、この横須賀は「横」の「須賀」(砂場の事)だったという事だろうか? 明治時代に大きく埋め立て工事などが行われて姿をまるっきり変えてしまった首都圏も、江戸時代以前の昔の姿はそこに残っている名前で想像するしか出来ないのであろう。。
そしてアメリカ海軍の基地があるという事は、このようなアメリカ軍から払い下げとなった品物を販売しているミリタリーショップも見られる。ウチの親父も結構アメリカかぶれだったので、このようなアメリカ軍人が実際に使用していた払い下げの服もよく着せられていた思い出が蘇る。。
ただこのようなアメリカ軍の払い下げ品は、ボクが最近好む蛍光色系のデザインの服やカバンなどは全く置いていない。冷静に考えればなるべく敵に見つからないように、周囲の景色に同化しないといけない為に土や森の色に同化する服の色になっているのに、もし蛍光色の服だったら一発で敵に見つかってしまう事だろう。。
蛍光色を着ている軍隊は、無敵か? すぐ全滅か? のドッチかダね!
ただこのドブ板通りも昔ほどの賑わいは消えつつあるようで、特にこの訪れた時はコロナ禍でもあったので、シャッターが閉まっているお店も多かった。100年程近く前からドブ板通りとして海軍の門前町として栄えた場所も、もっとお洒落な街を求める若者達が来なくなっているのかもしれない。
このドブ板通りには『手形エリア』というのがあって、その周辺には47個ものここ横須賀に馴染みのある人達の手形が設置されているという。こちらは「原順子」という人の手形であったが、1978年にデビューしたコーラスグループ『サーカス』の第2次メンバー。
『栄冠は君に輝く』 サーカス【動画】
ちなみにサーカスは、夏の全国高等学校野球選手権大会の大会歌でも有名な『栄冠は君に輝く』を2007年にイメージアーティストとして選ばれて、アカペラで歌っている。ちなみにこの歌自体は1948年に発表された、甲子園大会の定番曲である。
こちらには「ドブ板通り」の名前が入った灰皿も置かれている。この2020年4月に改正健康増進法の完全施行により、健康増進法の基準を満たした喫煙専用室以外は原則的に禁煙となった。通りで歩いている時にスレ違った人が吸っていたタバコの煙を嗅ぐだけで気分が悪くなる程のタバコ嫌いの人間としては、この世からタバコが無くなる程までにして欲しいと思うが。。
こちらには世界的なコンピューターメーカー「APPLE社」のロゴのようなデザインの板が見えるけど、何のお店か判りますか??
ヒントは全然ウサギと関係ないよ!
ちょっとアングルを引いてみても、このお店に来た事のある人しか見た目にはどんなお店か分からないだろう。このお店は『ちょっと待ってぇー 汐入店』という、その名前からも全然想像できない位に人気の高級食パン専門店。
こちらのお店は2斤分で800円もする高級食パンを販売しているが、テレビで取り上げられた事もあってか、行列が出来る程に大人気なんだとか。。
ちなみに去年2021年11月には2軒目の店舗となる「ちょっと待ってぇー:中華街店」を横浜市の中華街にも出店したが、このパン屋さんを運営するのは飲食業界メインの会社ではなく、 医療・福祉コンサルタント業務・旧車販売・アクリル製品制作・ネットショップなどを行う桜栄企画という会社。
2斤分で800円は高すぎるで~~!
そして「ドブ板通り」の名残を残すかのように、通り道にはこのようなプレートも設置されている。今ではその名前だけはよく聞かれるドブ板通りだけど、その名前となった名残の景色はあまり残されていない。日本の国土も江戸時代後半から多くの場所で埋め立てが行われてきたので、その当時に生きた人は現代の姿をもし見る機会があったら、そこが外国の地のように思える事だろう。。
さてそろそろ暗くなってきたので、晩御飯を食べるお店を探す事にする。このドブ板通りはアメリカンな雑貨屋か、スカジャン専門店か、ミリタリーショップが大半だったけど、意外とアメリカ食っぽい専門店って見なかった気がする。しかしドブ板通りで見つけた こちらのお店は、屋根の上に鉄人28号が乗っているハンバーガー店でいい雰囲気だった。
胃袋的には先程大きな「海軍カレー」の看板を見ていたので、既にカレーモードになっていた。ただこのお店では一応海軍カレーも提供しているようだが、メインはゴッツいハンバーガーとなっているようだ。
アルコールにも惹かれます!
このお店は近くにあるアメリカ海軍に因んで、アメリカ海軍の戦艦の名前が付けられたボリューム満点なバーガーばかりが見られる。しかしそんなに腹いっぱいに食べたい訳でもなく、料金もそこそこに”アメリカ海軍戦艦並み”だったので、食べてみたい気持ちは多少あったものの、他のお店を探す事にする。
横須賀市では”戦後ジャズ発祥の地”というのを売りにして、それをアピールしている様子が見られる。しかし調べてみると他の都市でも同様に”戦後ジャズ発祥の地”という場所が何箇所かあって、みんな似たような動機と歴史から同様なジャズゆかりの場所となっているみたいだった。
さてゴッツい戦艦バーガーは諦めて、海軍カレーのお店を探して横須賀の街を歩いているが、グーグルマップで発見して目星を付けていたカレー屋さんが2軒続けて閉まっていたので、海軍カレーを求める胃袋に対してお詫びを入れたくなるような気持ちだった。
さすがに横須賀のココ壱番屋で食べるカレーで満足できる訳でもなく、海軍カレーという物が食べたい。しかし海軍カレーと言われる程に、特別なカレーだという訳でもないようだ。ただ単に海上自衛隊の部隊や艦によってレシピが違うというだけのカレーであって、そういう意味ではココ壱番屋との違いも分からない事だろう。
ちなみにここ横須賀市では”カレーの街”として、「海軍割烹術参考書」というのを導入しているお店に『よこすか海軍カレー』の名称を使う許可を与えて、町興しに役立てている。しかし、そんな海軍カレー店一覧の中には、ココ壱番屋やホテルのレストランだったり、とんかつ屋や横須賀パーキングエリアのお店も入っていたりで、金さえ支払えば登録されそうに思えるような店舗もあったので少々ガッカリであった。。
「オカンカレー」が世界で一番旨いで!
その通りだよ~!(笑)
横須賀市はジャズにゆかりのある街らしいけど、ここで耳を澄ませていてもジャズの音色は響いて来なくて、雑踏しか聞こえてこない。せっかくジャズの街として売り込みを掛けるのであれば、もっとジャズが響き渡って路上に溢れる位に盛り上がる状態にして欲しいと思いながら、カレー屋を探してウロつくのであった。。
こんな旅はまた次回に続きます!
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