石巻マンガロードで石ノ森章太郎作品像を見ながら萬画館を目指す【仙台旅行記⑯】

仙台旅行記2020年秋-⑯

 旅行期間:2020年11月3日~5日
(Visit the Ishinomaki Manga Road to see the statues of Shotaro Ishinomori’s works and head for the Manga Museum.)

津波の傷跡が残る街

さて宮城県石巻市駅前通りにあった天ぷら屋さんで、美味しい天ぷらを食べた後は「石巻マンガロード」を歩きながら、石ノ森章太郎の作品が展示されている記念館の「石ノ森萬画館」を目指して石巻市内を散策していきます。

 

 

石巻マンガロードを散策!

そしてこの石ノ森章太郎の作品像が立ち並ぶ「石巻マンガロード」でも、そのメインとなっているのはこの『サイボーグ009』。メインキャラクターが9人もいる事もあって、この『サイボーグ009』関連の像だけで9体用意できるので、最初はこの『サイボーグ009』 の像ばかり見かけるのであった。

 

 

こちらはそのサイボーグ009の登場キャラクターの中でも主人公的な存在の「009(島村ジョー)」で、他は海外出身者が多い中で日本出身となっている人物。ボクはこの『サイボーグ009』の存在をパチンコ台経由で知ったのであるが、そのパチンコ台で”加速装置”という信頼度の高い熱い演出が出れば、大当たりの期待大だったのを思い出す。。

 

こちらには石巻マンガロードの道標が設置されていて、この道は主に石ノ森章太郎の記念館となっている「石ノ森萬画館」と石巻駅を繋ぐ道となっている。なのでこの漫画に出てくる像が立ち並ぶ道を進んでいけば、勝手に石ノ森萬画館に辿り着けるという訳である。

 

この石巻マンガロードでは像だけではなくて、このようなベンチまで用意されている。しかしてっきりこの石巻市が石ノ森章太郎の出身地かと思っていたけど、石ノ森章太郎自身はこの宮城県出身だけど生まれはこの石巻市ではなくて、隣の登米市となっている。

 

その石ノ森章太郎が生まれた登米市にも彼の記念館が造られているけど、この石巻市になぜ石ノ森章太郎の記念館がまた造られているかというと、この石巻市は彼にとってもゆかりのある地だったからだという。というのもこの石巻市にあった映画館まで片道約3時間ほど掛けて自転車に乗って、わざわざ映画を見に来ていたという。それもあって石ノ森章太郎からすると、この石巻市が少年時代にとても記憶に残る場所だったようだ。

 

このように石巻市内には三越の建物も見える。このようなデパートの三越は大きな建物というイメージがあったけど、ここ石巻市ではこのような平屋の建物となっていて、少々驚くのであった。。

 

引き続き石巻マンガロードを歩いて行くと、このように普通に石ノ森章太郎作品の像が置かれているのを見かけます。もうこの頃になると『サイボーグ009』を知らない人でもみんな同じ衣装を着ているので、それだと判る頃合いだと思う。

 

こちらは「004(アルベルト・ハインリヒ)という、東ドイツ出身の全身に武器が埋め込まれているサイボーグなんだとか。ちなみにこの石巻市に来て石巻マンガロードを歩くまでは石ノ森章太郎自身については全然興味が無かったけど、調べてみればとても凄い人だったというのが分かった。

 

こちらは「007(グレート・ブリテン)という、イギリス出身のサイボーグ。どうやら海外旅行をして、007のジェームス・ボンドに影響を受けたようで、そのような雰囲気にも感じる『サイボーグ009』。1964年に連載が開始された漫画で当時は高度経済成長期真っただ中で、憧れの西洋諸国で活躍しているイメージのある漫画が当時の少年たちの想像力を膨らませ熱狂させた事だろう。

 

 

こちらにはさっき見たのとは別のデザインマンホールも用意されていて、これから向かう「石ノ森萬画館」の建物のデザインとなっている。この建物のデザインも後程現物を見る事になるのであるが、札幌ドームのように近代的でSFチックなデザインとなっている。

 

そしていつもながらこういった脇道に惹かれてしまうので、ここで石巻マンガロードを逸れてちょっと横道に入る。この辺りは飲み屋街となっているようで、水商売のお店なども見られるけど、この明るい時間帯はひっそりとしていた。

 

この石巻市は2011年に起きた東日本大震災で津波に襲われて大きな被害を受けた街の1つだったけど、これまで歩いてきた道は綺麗に復興されていたのでそんな爪痕はあまり感じられなかった。しかし横道に入ってその通りを歩いていると発見した、こちらの寿司屋さんの建物の端を見ると、その大震災の時に襲った津波の水位跡が記されているのを発見する。

 

このように通りにはその津波の高さを記しているのが目立つ。そして今は163cmの身長になっているオカンをその前に立たせると、その津波の高さに驚く。この水位の津波が襲ってくれば一般的な身長の成人女性だったら、その殆どが頭まで浸かってしまう。

オカン
オカン

こんな高さの津波が来たなんて、想像もつかないね・・・

 

そんな津波の恐ろしさを目の当たりにして背筋がゾッと凍り付くような雰囲気になったものの、近くにあった駐車場で猫ちゃんを見かけたので、ボクの気持ちは津波跡から直ぐに猫ちゃんに向くのであった。

 

ただこの猫ちゃん達は野良猫のようで、近づくと警戒感をモロに出して逃げていく。人間ですら頭の上まで来た津波が襲ってきたらどうしようもないので、こんな猫ちゃん達もひとたまりもなかった事だろう。。

 

そして横道に入ってヤマ勘に任せて石ノ森萬画館を目指して歩いていると、こちらの「永巌寺」というお寺の門が見えてくる。どうやら目的の方角ではなくて、ちょっと道を逸れてしまっているようだったが。。

 

こちらの開祖は信州松本から逃れてきたようで、秀吉の時代に建立されたようだ。その後に立派な山門が奥州でも有名だったみたいだけど、焼失して明治時代に再建されたものになっているようだ。

 

このように今は綺麗になっているけど、ここも2011年の大震災時には津波が襲ってきて大変な事だっただろう。なお津波が襲った街は上下水道もダメになってしまい、住民たちは自宅で風呂に浸かる事もままならなかったそうだ。そこでピースボートのボランティア隊がこの永巌寺の境内に特別にお風呂を設置して、住民達にお風呂を提供する活動が行われていたそうだ。

 

そしてここで進行方向を修正して再び石ノ森萬画館を目指して歩いて行くと、また道にどうやら石ノ森章太郎作品の像らしきものが見えてくる。しかしさすがにこのキャラクターは見た事がなく、全く名前も分からない・・・。

 

 

こちらの像は『ハカイダー』という、1995年に公開された特撮映画作品『人造人間キカイダー』で出てくる悪役の改造されたサイボーグである。この『ハカイダー』の像は令和になってから設置された物で、実はこの石巻マンガロードに設置されている像の中で敵役では初めてだという。ちなみにこの『ハカイダー』は敵役ながら人気を博して、後にスピンオフ作品『人造人間ハカイダー』として主役に抜擢される程になっている。

 

そのハカイダーの対面に設置されていたカラフルな像が『人造人間キカイダー』の主人公である「キカイダー」である。この作品は『仮面ライダー』が大ヒットした影響で、その二番汁を狙って東映が生み出したキャラクターでもあり、また当時大人気を博していたドリフターズが出演する『8時だョ!全員集合』の裏番組として挑戦した作品でもあった。結果としてはモンスター番組で平均視聴率27%を誇っていた『8時だョ!全員集合』の同時間帯にも関わらず、16%の視聴率を稼ぎ、ヒット作となったのである。

 

そんな人造人間キカイダーのコンビ像の脇には、小さな祠が用意されていて、その中にはドラえもんのようにも見える石像が設置されているのが見える。こちらも何の作品か、全然想像にも付かない。。

 

萬画神社

こちらは石巻マンガロードの地図で、人造人間キカイダーの像とこの萬画神社はちょっと南側にある。真っ直ぐ石ノ森萬画館の方へと向かっていたら、この像などを見逃す所だったのでフラフラと気の向くままに歩いた甲斐があったという訳だ。

 

ここは「萬画神社」という小さな神社になっているようで、ここで祀られているのは「萬画章命(よろずえがくあきらのみこと)という石ノ森章太郎をモデルにしたご神体となっている。ちなみにここで使われている「萬画」という言葉は一般的に使われている「漫画」という言葉とは別の物で、石ノ森章太郎が生み出した言葉である。

 

一般的に使われている「漫画」の「漫」という漢字の意味で、「しまりがない」・「けじめがない」といったようにあまりいいイメージで使われない漢字が用いられている。それに対して石ノ森章太郎はマンガには色んな表現が可能なので、そんな蔑まれた表現が籠められている漢字ではなくて、沢山という意味もある「」の文字を用いたのである。

 

そして近くにある川沿いの道へと進んで行くと、奥に近代的な石ノ森萬画館の建物が顔を覗かせてくる。なお、その石ノ森萬画館の前にある緑は丘ではなくて、実は防波堤となっている。2011年東日本大震災の後に津波対策として防波堤が設置されているのだ。防波堤を造ると前までは普通に見えていた景色が、このように防波堤によって一部の景色が遮断されてしまう事にも繋がる。

オカン
オカン

防波堤があった方がいいのか、無い景観優先がいいのか・・・?!

 

その防波堤の横には、こちらの「いしのまき元気いちば」という物産などが販売されている新しい建物が見えている。この辺りでは既に約10年前にもなる津波の跡形は殆ど消えているが、何気なくあった空き地を見ると以前はそこに建物が建っていたが流されてしまった事を感じさせる光景が広がっていた。この新しい建物も津波で流された後に、新たに建造された物だろう。

 

そしてその建物でちょっとトイレ休憩をして、ついでにどんなものが売られているかをチェックしてみる。仙台というと江戸時代には有名な米処でもあったので、このようにササニシキやひとめぼれなどのお米がパックされて売られている。江戸時代にはどの藩も財政難や飢饉によるコメ不足に苦しんだが、この仙台にあった仙台藩では農地の開拓に取り組み、そのおかげもあって毎年安定した米作が行われていたようだ。

 

そして仙台藩では農家から米を適正価格で買い取り、その米をこの石巻港から江戸へと運び、米が大きな収入源となっていたようだ。それもあって江戸で流通する米の大半が、この仙台で作られた米だったと言われている。ちなみにこちらの商品は「だて正夢」という、仙台で最も尊敬されている人物の名前をもじった、グッドアイデア商品も置かれていた。

仙台の政
仙台の政

ワシにナンボか、バックマージンは入るのか?!

 

そんな建物の近くで見かけたのは、この石巻マンガロードでは珍しいブロンズ像。こちらの像は「寒河江 弘(さがえ ひろし)という大阪出身のフィギュア作家がデザインし2020年3月に設置された作品なのだが、この像を作った寒河江氏は残念ながら2019年に死去してしまっている。

 

こちら旧北上川の中州にひと際異質な感じで見えている建物が、目的の「石ノ森萬画館」。SFの世界に憧れてその世界観を自ら創っていった石ノ森章太郎らしい建物となっているようだ。

 

その手前に見える旧北上川はこの先で海と繋がっており、2011年の大震災時には津波がこの川を逆流して、この石巻市に襲ってきた。今では川沿いに歩道などが造られているけど、これはあくまでも防波堤でその圧迫感を取り除く意味も含めて、今では遊歩道ともなっているのだ。

 

 

石ノ森萬画館周辺の景色 動画

 

こんな旅はまた次回に続きます!

よければ下記ブログ村のボタンをポチッとお願いします!

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 旅行ブログ 国内旅行へ

↓↓↓↓仙台旅行記:初回↓↓

伊達政宗の築いた杜の都:仙台で、旅の初めは秋保大滝から【仙台旅行記①】
2020年11月上旬に訪れた、宮城県仙台への旅。初の仙台に到着した後は、早速有名な名勝である「秋保大滝」へとバスに乗って向かいます!
タイトルとURLをコピーしました