城下町の水運として活用された松江城の内堀と、秀吉&家康の孫:松平直政の騎馬像【島根県旅行記2】

島根県旅行記2021年11月-2

旅行期間:2021年11月上旬(2泊3日旅)

水が活かされた町!

島根県松江市 白潟公園 景色2

島根県松江市にはこちらの「宍道湖」という、シジミが獲れる有名な湖がまず出迎えてくれます。穏やかな湖は淡水ではなく、また海水でもなく、淡水と海水が混ざった「汽水湖」となっている。

 

 

松江城に向かって歩く!

島根県松江市 宍道湖大橋 渡る

松江駅に到着してから、東西に延びる県道22号線を西に向かって歩くと、この宍道湖にブツかる。そしてそこで右に曲がり、北側に進んで行くと目的の松江城に辿り着くはず。そしてその途中にこちらの「宍道湖大橋」が見えてきたが、こちらの橋は1972年に当初は有料橋として開通した橋で、昭和以前は橋がなかった場所でもある。

 

島根県松江市 宍道湖大橋 近くを飛び3匹のシラサギ

宍道湖を横目に見ながら宍道湖大橋を歩いて渡っていると、湖の上を大きく円を描くように3連隊の編隊を組んで飛んでいた白鷺のような鳥が、足元をくぐって行く光景に出くわす。1匹だけではなく、このように3匹一緒に飛んでいる姿を見ると、人気アニメ『機動戦士ガンダム』で出てくる”ドムの黒い三連星”を連想してしまうのであった。

 

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島根県松江市 宍道湖大橋を渡って中心部に向かう

この道「県道37号」は島根県内でも主要道路として、普段から多くの市民が通う道でもある。この県道37号は松江市内から、日本海付近に突き出た恰好になっている美保関町の七類港まで繋がっている道となっている。

 

島根県松江市 内堀跡 京橋川 橋

そして松江城に向かって進んで行くと、こちらの「京橋川」が見えてくる。松江城の周囲には内堀としてこの京橋川が張り巡らされており、あまり埋め立てられずに今もその内堀の姿を残してくれている。

※内堀は埋め立てられた箇所もあります

 

なお、今ではそんな内堀の水運を利用して『ぐるっと松江堀川めぐり』という、城の周囲を一周するクルーズ遊覧が人気となっているようだ。場所によっては低い橋を通過する際に、船の屋根を下げて身を屈めて通過したりと、そのアクションが意外と人気になっているそうだ。

 

島根県松江市 内堀跡 京橋川 景色

都会の大きく経済発展した大都市になると、このような内堀の多くは邪魔なので埋め立てたり、幅を狭くしたりされているけど、ここ松江市は大きく経済発展しなかった副作用で、このような観光資源に使える環境が残ったのである。

しめ縄ウサ
しめ縄ウサ

経済発展という環境破壊で潰された町は多えよね!

 

島根県松江市 内堀跡 京橋川 石像

そしてこの橋の畔には、こちらの「雨粒美伝(あまつぶびゅーでん)という可愛らしい石像が設置されていた。

 

古そうに見えなかったこの像は”雨粒御伝(あまつぶおんでん)という、雨が多い松江市の特徴を表した像で、2013年に松江市の観光を盛り上げる為に設置された8体の像の1つだったようだ。

 

島根県松江市 内堀跡 京橋川 景観

街の中にこのような水路があって、しかもこれだけの幅のある水路だと、晴れた日などは特に爽やかな雰囲気を感じれる。水を見たり感じたりして癒されるのは、人間の本能の中に”恵みの水”として大昔から大事な物として脳内に摺り込まれているのからかもしれない。

 

島根県松江市 竹島資料室 看板

そして進んで行くと、左手に「竹島はわが国固有の領土です!」という文字が見えてくる。「竹島」というと日本と朝鮮半島のちょうど間位に存在する小さな島で、韓国側と領土で揉めている場所でもある。

 

 

島根県松江市 竹島資料室 外観

この竹島は1900年代に入ってから隠岐の島の漁師が住み着いたのが”日本人の明確な実効支配”の始まりとされており、日本政府が認定して島根県下に編入された。しかし1950年代に入ってから、韓国が警備隊の施設などを勝手に建てたりと実効支配をしている。

しめ縄ウサ
しめ縄ウサ

同じ人類として共用すらええだけなのにね・・・

 

 

県庁前にて

島根県松江市 松平直政の騎馬像 

そして更に進んで行くと、このように奥に大きな島根県庁の建物がある開けた広場が見えてくる。この辺りは元々松江城の三の丸付近に位置する場所で、明治時代以降に広場と県庁に生まれ変わった場所となっている。そんな広場の中に、1体の騎馬像が見える。

 

島根県松江市 松平直政の騎馬像 下からのアップ

この騎馬像は「松平 直政(まつだいら なおまさ)という、松江藩では堀尾家⇒京極家と改易になった為に信濃松本藩から移封されてきた人物である。この松平直政の父親は徳川家康の次男である「結城 秀康(ゆうき ひでやす)で、豊臣秀吉の養子に出された人物でもあるので、松平直政は徳川家康と豊臣秀吉という稀代の天下人2人の孫でもあるのだ。

 

島根県松江市 松平直政の騎馬像 下からのアップ2

父親の「結城(松平) 秀康」は天下人に翻弄された人生の持ち主で、徳川家康の長男だった松平信康が信長の命で切腹させられた為に家康の跡を継ぐのは本来ならこの結城秀康だったハズである。しかし、家康の跡を継いだのは腹違いの弟だった「徳川秀忠」(※江戸幕府2代目征夷大将軍)で、家康が『小牧・長久手の戦い』で不利な状態になって秀吉と和睦を結んだ条件として、結城秀康は人質として養子に出されてしまう。

 

福井市の福井城跡にある「結城秀康」の像

福井市の福井城跡にある「結城秀康」の像

そして秀吉の養子となって「羽柴三河守秀康」と名乗り、九州討伐や朝鮮半島出兵などを行うが、1589年に秀吉の側室:淀殿が産んだ実子「鶴松」を生後数か月の段階で”跡取り”と決めた為に、結城秀康は徳川家に戻されてしまう。ただ徳川家に戻っても跡継ぎが弟:徳川秀忠に決まっていたので居場所がなく、家康は北関東の大名だった結城家に養子に出す事にしたのである。

それから関ヶ原合戦の後に活躍した恩賞として、越前68万石を与えられて下総から移封されたものの、34歳で亡くなってしまったのである。

 

島根県松江市 松平直政の騎馬像 下からのアップ3

その結城秀康の三男として生まれた「松平 直政」は、関ヶ原合戦で越前68万石を受け継いだ秀康の長男:松平忠直の指揮下で参加し、忠直軍は”真田幸村が築いた砦”としても有名な「真田丸」を攻略し、真田軍を壊滅する事に貢献する。そしてその功績が認められ、越前大野藩に移封となり、その後に松本藩に移封されて、最終的にここ出雲松江藩にやって来たのである。

 

島根県松江市 三の丸跡 松江城の景色

ここまで来ると、奥の方に松江城の江戸時代に建てられたという天守が見えてくる。この松江城は移封されてきた堀尾家が当初の居城だった月山富田城が登るのも大変な山城だったので、この地に新しい城を建造したという。それもあって、山城ではなく平城となっているので、意外と遠くからは見えない松江城天守となっている。

 

島根県松江市 三の丸跡 島根県庁

奥に見えている建物は「島根県庁舎本庁舎」で、昭和34年(1959年)に島根県出身の建築家:安田臣の設計により建てられた鉄筋コンクリート造りで地上6階&地下2階の建物。

 

どこの都市に行っても見られそうな官庁の建物に見えたけど、令和に入ってから”国の登録有形文化財”に登録されたようだ。

しめ縄ウサ
しめ縄ウサ

鉄筋コンクリート造りの登録有形文化財だと、あまり有難みがなえなぁ!

 

島根県松江市 三の丸跡 島根県庁 岸清一先生像

そしてこの広場の松江城近くの空き地にも、こちらの偉いさんのような銅像が設置されているのが見えてくる。この人物の恰好からして、江戸時代以前の人ではなく、明治時代以降の人物だと推測する。

 

島根県松江市 三の丸跡 島根県庁 岸清一先生像2

こちらは「岸清一先生像」となっていて、幕末に松江藩士の家に生まれて、後に弁護士や政治家となった人物のようだ。この岸清一という人物は、同じく松江出身で内閣総理大臣にもなった「若槻 禮次郞(わかつき れいじろう)と同級生だが、若槻程に政治家として有名ではなく、”日本スポーツ界の功労者”としての方が知られているという。

 

島根県松江市 三の丸跡 島根県庁 岸清一先生像 アップ

岸清一は柔道の創始者としても有名な「嘉納 治五郎(かのう じごろう)と共にのちの日本スポーツ協会に参加し、1924年には国際オリンピック委員会(IOC)の委員に就任して、亡くなるまで職務を全うしたという。

 

島根県松江市 三の丸跡 島根県庁 大手門付近から見た松江城

そしてここには目の前が内堀で囲まれていて、奥に松江城の石垣と櫓が見えている。この内堀の水はちょっと澱んだ感じで、水草などが生い茂っているからか、青く透き通った色ではなく、どんよりとした緑色となっていた。

 

 

県庁付近から眺める松江城! 動画

 

 

島根県松江市 三の丸跡 島根県庁 大手門通り

そして松江に到着した頃には12時を過ぎており、この松江城に行くまでの間にいい飲食店があれば昼食を食べたいとオカンは思っていたが、それを無視しつつ松江城に向かう。ただこれから松江城の見学をすると、小一時間以上は掛りそうなので、「城見学する前に昼食を食べておいた方が無難だろう・・」とか考えながら歩くのであった。

 

島根県松江市 三の丸跡  大手門通り 水の説明

この松江城下町を流れる「堀川」という用水路では、江戸時代以降の近代化に伴い、”塩害対策”として宍道湖の水は使わずに切り離される事になった。しかし、町では生活排水が堀川に流されるなどして水質が悪化し、下水道整備事業やヘドロの浚渫を行い、1976年からは宍道湖の水を浄化用水として導入した事により、水質が改善されていったという。

しめ縄ウサ
しめ縄ウサ

ちょっこし前までは、汚えドブ川でした・・・

 

島根県松江市 三の丸跡 島根県庁 大手門付近から見た松江城2

今回の旅が1人だったら、このまま昼食を食べずに先に松江城の天守を見学するのだが、今回は横にオカンが居て

オカン
オカン

ワタシ、ハラ減ったら動けんで!

と睨みを利かせるがの如く、5分毎に「ハラ減った・・」と呟く。という事で天守の見学は後回しにして、近くで先に昼食を食べてから城内に向かう事とした。

 

 

「島根県物産観光館」にて

島根県松江市 島根県物産観光館 建物

そして大手門跡近くの交差点角に造られている「島根県物産観光館」に、ちょっと寄り道する事にした。この施設内に無料コインロッカーが用意されているという事前情報を得ていたので、ここでリュックサックなどの荷物を預ける事にする。

 

 

島根県松江市 島根県物産観光館 建物 入口

この島根県物産観光館の2階フロアには、レストランも併設されているので、ここで昼食を食べる事も出来るのだが、個人的に観光名所近くにある、”いかにも観光客向け”の飲食店で食べる事はなるべく避けたいと思っているのだ。

オカン
オカン

そう思っているのは、アンタだけや!ワタシはここでもエエで!(怒)

 

島根県松江市 島根県物産観光館  しまねっこ 看板

こちらのパネルは、ここ島根県の観光マスコットキャラクターとなっている『しまねっこ』。2010年に島根のデザイナーが生み出したデザインのキャラクターで、ゆるキャラグランプリでは5年連続のトップ10に入っていたりと、意外と人気があるキャラのようだ。

 

 

島根県松江市 島根県物産観光館 販売されているシジミ商品

そしてここは島根のお土産をメインで販売している所なので、このように宍道湖で獲れたシジミが一杯売られていた。宍道湖というと数十年前に”淡水化事業”が実施されかけたが、漁業への悪影響が起きる可能性が高い為に、事前に補償金を受け取っていた漁師たちがそのお金を全部返金してまでの大規模な反対運動が行われた歴史がある。

しめ縄ウサ
しめ縄ウサ

自然環境はお金で買えんよ!

 

 

島根県松江市 島根県物産観光館 無料のコインロッカー

ここにはお土産を見に来た訳ではなく、コインロッカーに荷物を預けに寄っただけ。館内をグルっと見てもコインロッカーを見つけられないなと思っていたら、奥側の出入り口に設置されていた。

 

島根県松江市 島根県物産観光館 無料のコインロッカー アップ

こちらが無料のコインロッカーだが、正確には100円を入れて使用し、鍵を返すタイミングでその100円が返金されるシステムとなっている。また、何故か「休止中」の札が貼られたボックスが多く見られて、運が悪ければ塞がってしまっている可能性もあるコインロッカーだった。

 

島根県松江市 島根県物産観光館 周辺の街並み

さてコインロッカーに荷物を預けて少し体が軽くなった事もあって、これから軽快に歩くモードに切り替わる。このお土産物館2階のレストランはパスしたけど、松江城周辺を一周している間に何かしらの飲食店があるハズなので、その道中で見つけた店に行く事にする。

 

島根県松江市 島根県物産観光館 周辺の街並み2

地図を見ている限りは、松江城本丸を一周してもそこまで時間が掛からない目測であった。個人的にはいきなり本丸の天守に向かうよりも、城の外側を一周して”外堀を埋める”ような感覚で松江城の雰囲気を味わいながら散策していく。

 

島根県松江市 松江ホーランエンヤ伝承館 建物

そして堀沿いを進んで行くと、このように何かしらの観光施設のような建物が見えてくる。こちらは「松江ホーランエンヤ伝承館」という、松江城内に鎮座する城山稲荷神社の神様を引っ張り出して、五穀豊穣をお祈りする約10年に1回だけ行われるお祭りだという。

 

 

令和元年 松江ホーランエンヤ還御祭

しめ縄ウサ
しめ縄ウサ

10年に1回しか行われん祭だがね!

 

島根県松江市 松江ホーランエンヤ伝承館 建物 入口

なお、前回の松江の『ホーランエンヤ祭』は令和元年の2019年に行われたので、次回は2029年に開催される予定となっている。昔は12年周期で行われていた時もあるらしいけど、それだけ開催期間が離れてしまうと、祭りの経験者が段々と居なくなって新米だらけの祭となっていくのだろう。。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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