物流博物館で、機械化の発展により大きく様変わりした物流を学ぶ【東京旅③】

東京旅(2022年11月)-3

訪問:2022年11月

種類が増える!

品川区 物流博物館 館内

ここは日本通運が所有していた物流の歴史が知れる史料などが、数多く展示されている「物流博物館」

個人的には日本の物流界全体を勉強できるのかと思っていたけど、館内に展示されている資料は日本通運の物が大半を占めていた。。

 

【物流博物館】

住所:東京都港区高輪4-7-15
営業時間:10時~17時頃(※定休日:毎週月曜日/他)
電話番号:03-3280-1616
入館料:大人200円/65歳以上100円/中学生以下 無料

 

 

 

物流博物館の見学!

品川区 物流博物館 クレーンの模型

といっても日本通運が日本の物流界を大きくリードしてきた訳なので、これらの展示をたった200円で見学出来るのはとても有難い事である。

 

品川区 物流博物館 内臓コンテナの説明

物流の世界が大きく発展するのは、第二次世界大戦後になる。

人類の技術は戦争を機に発展する事が多く、特に”第二次世界大戦”という世界中を巻き込んだ大規模な戦争程に、色んな技術が開発されていった。

 

品川区 物流博物館 内臓コンテナの説明2

その第二次世界大戦では、大量の軍需物資や兵器などを運搬する為に、大量の船舶が建造された。

アメリカではヨーロッパに軍需物資を輸送する為に大量の船舶を建造したが、第二次世界大戦の終結後はそれらの船を安く払い下げ、その船を買い上げた運送会社が海上コンテナ輸送を発展させていく事になる。

 

ちなみにこのコンテナ輸送については、こちらの『コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった』を読めば、その歴史や経緯をよく学べる素晴らしい本である。

 

品川区 物流博物館 船などの説明

現代では常識となっている「コンテナ輸送」も、今から約70年前までは一般的ではなく、物流の道中で多くの人手が掛かっていた。

例えば船が着岸してからの荷揚げや積み込みで1週間以上の時間が掛かるのは常識で、荷揚げされた荷物も一旦倉庫に運んで、中身を検査してから出荷して、今みたいな”翌日配送”という概念は全く想像にも付かない時代だったようだ。

 

品川区 物流博物館 航空便の説明

世界的な物流の大半は海の上を進む船舶輸送による物だが、中にはスピードが速い航空機輸送も使われるようになっていく。

しかし、航空便は船舶輸送に比べてとても速いものの、その代わりに運賃がかなり割高になってくるので、それなりの高級品などしか使えない贅沢な輸送手段でもある。

 

品川区 物流博物館 輸送トラックの移り変わり

こちらには今では見る事が出来なくなっている「ペリカン便」というロゴマークを車体に付けた、日本通運が使っていた車両の写真も見られる。

オカン
オカン

ペリカン便は、もう見られへんねんな・・・

 

 

品川区 物流博物館 コンテナ船の模型

そして戦後に大きく発展する事になるコンテナ輸送で、その命運を握っていたのが「コンテナ船」である。

物流業界も競争が激しく、1回に多くの荷物を詰める大型船舶の建造が相次ぎ、またガントリークレーンが未整備の港で積み下ろしできるようにクレーンを備えた船舶なども建造されるようになる。

 

品川区 物流博物館 室内

ただ物流では飛行機の大型化は安全性や燃費などの問題があって進まなかったけど、海の上を浮かぶコンテナ船はどんどん大型化していった。

コンテナ船の場合は1回辺りのコンテナ積載量が多ければ多い程に1個当たりの運賃を安くする事ができる為に、競って大型化にも拍車がかかっていった。

 

品川区 物流博物館 トレーラー輸送の説明

そして物流業界は個人宅宛の荷物ばかりではなく、公共工事に使われる資材や、こちらの新幹線車両などの大きな物も運ぶようになっていく。

 

品川区 物流博物館 鉄道輸送の説明

こちらは日本国内ではあまり見かける機会の無い、ディーゼル機関車の写真。

現代でも現役の車両はとても少なくなっているので、もし見かける事ができたら「ラッキー」に思える車両だろう。

 

品川区 物流博物館 大型船の模型

そしてコンテナ船が大型化していくと、次はそのコンテナ船が発着する港の設備が問題になってくる。

大型船舶が発着するには底が深い岸が必要となり、新しく浚渫して港の底を掘り、また岸壁には多くのコンテナを積み下ろしする為のガントリークレーンを何台も揃える必要性があった。

 

品川区 物流博物館 日本通運のトラック模型

こちらは「日野プロフィアFW」という2008年頃に使われていた、最大積載量12.5トンのウイング車両の模型。

大型船舶に対応した港も、積み下ろしだけではなく、コンテナ船から降ろした荷物をいち早くトラックに載せて運ばす必要があった。

その為に従来使われていた港は小さくて対応出来なかったので、離れた広大な場所に新しく新港が築かれる時代になっていく。

 

品川区 物流博物館 日本通運のトラック 写真

こちらは「ハラール専用車両」という、”物流のハラール認証”を取得した車両となっている。

 

国内では殆ど見かける機会がない「ハラール専用車両」だけど、マレーシアなどイスラム教徒が多い国に進出していくには、このような”ハラール認証”を意識した戦略が必要なんだろう。

 

 

品川区 物流博物館 日本通運のトラック

こちらは「医薬品専用車両」で、トラックは色んな種類の荷物を混載して運ぶ事が多いが、品質にとてもウルサイ医薬品だけを限定して運ぶ車両となっている。

 

個人的にはパッケージ会社で働いていた際に、医薬品業界の品質の厳しさを肌で体感した経験があるので、「医薬品専用車両」まで造ってしまう理由はよくわかる。

ただし、医薬品に関してはコストもとても厳しいので、ここまで専用車両を造ってまで利益に繋がるかは、何とも不透明な感じにも見えるが・・・。

江戸春男
江戸春男

「ここまで我々は努力してますよ!」的なアピールにも見えるさ!

 

品川区 物流博物館 バブル期の説明

戦後復興から高度経済成長期を爆進した日本も、バブルが崩壊して国内経済は一気に不景気を迎えた。

その為にバブル崩壊後は国内よりも外国経済に引っ張られて、物流業界も発展していく事になる。

 

品川区 物流博物館 大型船の説明

バブル崩壊後の成熟した国内では、今までの地球環境への悪化などを無視して突っ走ってきた物流業界も、環境負荷を減らす試みが大きくなっていく。

「モーダルシフト」というトラックでの輸送メインだった物流も、環境負荷が小さい鉄道貨車やコンテナ船を大きく活用していく変化が起きていく。

 

品川区 物流博物館 

今の港ではこのようにコンテナをガントリークレーンが何台も同時に動きながら運んでいる風景が常識になっているが、今から約70年前までは普通に人が手でこれらの荷物を運んでいたというから、その当時の様子は驚きでしかない。。

 

品川区 物流博物館 航空機輸送の写真

こちらは空港内でよく見かける、荷物を運ぶ車両と搭乗者の預け入れ荷物が入ったコンテナである。

日本の国内線に乗ると、目的地到着後にベルトコンベアーから預け入れ手荷物がすぐに運ばれてくる光景には、いつも感動してしまう。

何回か海外の飛行機に乗った事があれば、なかなか到着後に手荷物が出て来なくて、イライラさせられる事が多いからだ。

 

品川区 物流博物館 輸送トラックの進化

そして令和となった現代も、色んな車両の開発が進められている。

 

自動運転トラックで輸送 米で2023年本格運用目指す

ただトラックも個人的にはこのようなハード面よりも、21世紀の”自動運転”が大きくその世界を一変するだろうと思っている。

完全自動運転化はまだ先になるだろうが、”自動運転”が普及する事によって交通渋滞や交通事故が大幅に減少し、より多くの荷物を自動で運べる時代がその内にやって来る事だろう。

江戸春男
江戸春男

その内に、人間も必要なくなるぜ!

 

品川区 物流博物館 地下の展示部屋

そんな物流業界の歴史をアレコレと勉強して、「現在の物流」が展示されている部屋も見学していきます!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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東京旅(2022)

2022年11月上旬に訪れた、2泊3日の東京旅です。

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