暗い弘前の街でライトアップに映える、弘前城天守閣や堀江佐吉の建築物【東北旅行記㊵】

東北旅行記2020年冬-㊵:青森編

旅行期間:2020年12月1日~8日(7泊8日)
(The Hirosaki Castle keep and Sakichi Horie’s architecture, which look beautiful lit up in the dark streets of Hirosaki. [Tohoku Travelogue 40])

夜の景観もなかなか!

さて青森県弘前市にやって来て、昼間に弘前城を中心として色んな街の景色などを眺めてきました。しかし旅ではその昼間に見た景色とは、また違った顔を見れる夜の夜景を楽しむ事もとても大事です。『一粒で2度美味しい!』のキャッチフレーズじゃないけど、せっかく遠路はるばる費用を掛けてやって来た遠方なので、出来るだけ現地滞在時に楽しむ必要がある。

 

 

暗くなった弘前城にて

明るい昼間の時間帯にここ弘前城に来てから、そこから僅か数時間しか経ってないけど、このように弘前城敷地内の景色は全然違った様子となっている。暗くなった時間帯には昼間に見れなかった景色を見る事が出来るので、夜はホテルに閉じこもらずになるべく外を散策する方がより旅の記憶が脳に刻み込まれる事になる。

 

 

弘前城跡となっている弘前公園内では至る所で、このような建物などがライトアップされている。夜の城を見に来ても建物がライトアップされていないと全く楽しめないのであるが、観光立国を目指す日本国内ではこのように名所をわざわざライトアップしてくれているので見なきゃ損である。

 

ここ弘前公園内は夜になるとひと気が少なくなる事もあって、このようなライトアップが防犯の意味合いも含めて実施されているのかもしれない。人通りが少ない夜の公園には女性は1人で歩くのが怖くてなかなか立ち入れないかもしれないけど、治安のあまり良くない夜のアテネで1人街歩きなどを経験した人間からすれば、怖さなんて微塵も感じないが。。

 

そんな海外の街に比べれば、日本の街で「暗いから怖い・・・」と思う事すら頭に浮かばない。ただ男性と女性ではその考えが違うので否定はしないけど、だからといって「常に襲われない」と油断しているのもそれはそれで問題ではあるが。

 

ただ弘前城内はこのように至る所にかなり明るいライトが設置されていて、こちらの橋を照らしていたライトが堀内に生えている藻まで綺麗にライトアップしていたのが印象的だった。昼間だとここまで堀の中に生息する藻を観察出来ていなかっただけに、夜に弘前城に来たからこそ見れた景色だったのかもしれない。

 

さて昼間にもくぐった門だけど、夜はこのように女優ライトのようにしっかりライトアップされているので、より綺麗な門に見えてしまう。ただ女優ライトもそうだけど、明るく照らす事によってあまり良くない物も綺麗に見えてしまうという効果があるので、何でもかんでも良い物ばかりと受け入れる事はしない方がいいと思う。

 

そして本丸の石垣はさすがに暗くなった時間には行っていなかったが、この工事現場の展望台では丁寧にその足元が綺麗にライトアップされていて、とても親切な対応がなされていた。このようなライトアップも勿論電気代がそれなりに発生する為に、何でもかんでもライトアップする訳にはいかないのだろうけど、わざわざ弘前城に来てくれた観光客をねぎらうような弘前市の温かさを感じたライトアップだった。

 

さて再び馬に乗っていたら、この橋を渡る前に降りないといけない「下乗橋」が見えてくる。江戸時代には身分の高い人間しか馬に乗れなかったが、城に入る際には礼儀として馬を降りる必要があった。そういえばフランスの英雄:ナポレオンがモスクワを攻め落としてクレムリンに入った際に、本来なら馬を降り帽子を取って門をくぐる必要があったが、ナポレオンは自分の権威を見せびらかす為に敢えて馬から降りずに門をくぐった。

 

するとその門を通り抜ける際に強風が吹いて、ナポレオンが被っていた帽子が飛ばされたという。その一連の出来事でロシア人からナポレオンは敬意を失い、ロシアでは常に皮肉の的とされる存在になったそうな。。

 

夜の弘前城内には僅かに人が歩いていたけど、それも数える程度で観光客のような人達は全然見かけずに、地元の住民が散歩しているような感じにしか見えなかった。この2020年はコロナ禍という事もあって多くの人が旅行に行きにくい時期ではあったが、それにしても冬場の津軽に来る人も少ないのだろう。

 

 

夜の弘前城天守閣にて

昼間にも見た弘前城天守閣だけど、夜のライトアップされている天守閣はまたその趣が違って見える。ただこうやって見ると、模型の天守閣にも見える気がするが。。

 

そして弘前城跡が来訪客にも親切なのがここでも理解できるように、この天守閣を見学する為の足場にもこのように足元を照らすライトが仕込まれていた。普通ならこのような足場にはライトが付けられていなかったりする事が多いように感じるが、ここでも弘前市の温かさに触れたような感覚になった。

ネプちゃん
ネプちゃん

弘前市は優しいべ!

 

その足場の上に立って弘前城天守閣を眺めてみるけど、やっぱりライトアップで照らされてそのシルエットだけが強調されていると、どうにも模型が置かれているだけにしか見えないような感覚に陥ってくる。天守閣も高い石垣の上にそびえるから天守閣らしさが醸し出されるのだろうが、このように地面に置かれているとその威厳が消えてしまうようだ。

 

 

ライトアップされた天守閣! 動画

 

 

そして誰も居ない弘前城本丸だったので、その天守閣をライトアップしている照明を利用して、天守閣と一緒に記念撮影を行う。人によってはボクの服装を見てカラフルに思う人もいるかもしれないけど、個人的にはこれでも地味な色合いだと思っているのだが。。

オカン
オカン

アンタ派手過ぎるから、一緒に歩きたくないんやけど・・・

 

さて夜の弘前城天守閣を独り占めした後は満足して、この近くで晩飯を食べれるお店を探す為に散策する事にする。そして城から出て、かつて追手門があった場所に建てられている青森の建築家の名匠でもある堀江佐吉が建てた「旧弘前市立図書館」の前を通る。すると雨が降っていた事もあって地面が濡れていて、その濡れた地面に建物の当てられた光が反射して、なかなかに良い景観を醸し出していた。

 

その隣ではこちらも昼間に見学した「弘前市立観光館」も色とりどりにライトアップされていたけど、こちらは歴史のある個性的な建物ではないだけに、その奇抜なライトの色しか記憶に残らないような印象だったが。。

 

 

ディープな焼き鳥屋「たかやん」で晩飯!

さて弘前城周辺で晩飯を食べる事にしたけど、観光客が少ないシーズンという事もあってか、Googleマップで見つけた食べ物屋さんが閉まっている割合が多かった。そこで色々と探していると「安価、焼き鳥」というキーワードに惹かれて、こちらの「焼き鳥:たかやん」というお店を選ぶことにした。

 

【焼き鳥:たかやん】

住所:青森県弘前市本町33
営業時間: 16時~25時頃(※不定休)
電話番号:0172-33-2985

 

 

一応お店に入る前にGoogleマップに記載されている口コミを一通りチェックしたが、どうやら昭和の雰囲気を放つ昔ながらの焼き鳥屋らしく、内観は綺麗ではなく油ぎった雰囲気みたいな事が書かれていた。しかし個人的には綺麗なお店に入りたい訳ではなく、個性的なお店であればOK。そしてまずは瓶ビールを注文したが、大瓶が置かれているのが何とも嬉しい。

 

この焼き鳥屋さんは古くから営業していそうな雰囲気がとても出ていて、店内にいたオジサンというか、おじいちゃん寄りの男性2人で運営していた。お客さんは1人だけ入口近くのカウンターにいたけど、それ以外には居なくて焼き鳥を焼く音以外は静かな店内だった。

 

そのカウンターに居たお客さんが足早に帰っていった後に、さりげなく店内の写真を撮影してみる。このようにお店内は結構にゴチャゴチャと物が乱雑に置かれていて、店主の血液型がA型でない事だけはすぐに判ったような気がした。

 

カウンター席の背後には硬派な『ゴルゴ13』シリーズの漫画が並べられていて、なかなかにいい雰囲気を感じる。そしてすぐに注文した焼き鳥が出て来そうな感じがしなかったので、このゴルゴ13の漫画を手に取ってみた。するとここに置かれていた漫画には油がビッシリと付いていて、汚い中華料理屋らしい何とも言えない雰囲気を醸し出していた。

 

個人的には綺麗好きな性格でもあるので、普段滞在するような場所ではこのような掃除がされていない所には居たいとは思わないけど、一生で一度しか来る機会がない場所では「これも体験!」と思うようにしている。そう思うと汚れている箇所は、”汚れ”ではなく、その”お店の個性という味”が出ているように感じるのである。

オカン
オカン

私は汚いお店は嫌ですが・・・

 

まずは野菜サラダが登場する。あまりお腹が減っている訳でもなかったけど、焼き鳥の盛り合わせ(5本)だけだとちょっと寂しいので、最近大好きになっている野菜を注文したのである。

 

そしてその後に登場したのが、こちらの「焼き鳥の盛り合わせ(5本)」。500円という何ともお手軽な値段だけど、年配2人で昔から営業しているお店だけあって、昔ながらの庶民的なお値段になっているようだ。それとこの出てきた焼き鳥で驚いたのが、焼き鳥から湯気がモクモクと上がっていた事である。

 

 

湯気を上げる焼き鳥! 動画

 

 

12月の寒くなりだした弘前市という気温もあってか、焼き鳥の串から湯気がモクモクと上がっていく光景に見惚れてしまう。焼き鳥屋さんはそれなりに何回も行った事があるけど、このようにテーブルに出てきた時点で湯気を上げる焼き鳥にはお目に掛かった事がなかった。

 

ただ湯気を上げる焼き鳥も各段美味しいという訳ではなく、可もなく不可もなくという普通な焼き鳥だった。このレトロなお店の雰囲気とこの昭和の安さで焼き鳥も激ウマだったら、お客が絶え間なく訪れるお店になっているのだろう。しかしそこまでお客さんが入っていなかったという事は、それなりの焼き鳥という評価のお店なのかもしれない。

 

ただ個人的には焼き鳥の味を求めて入店した訳ではなく、その安価さと昭和のノスタルジーな雰囲気を楽しみたい為に入ったので、その期待に対しては満足できたお店だと思った。ただそのような個性から万人向けなお店ではないだけに、評価が分かれやすいのかもしれないが。

 

そして個人的には満足した焼き鳥料理で食欲を満たした後は、またブラリと夜の弘前市の街を散策しながら適当にホテルに向けて帰る事する。その帰り道に再び昼間に見た「旧東奥義塾外人教師館」などを目にしたけど、このようなレトロな建築物はその建物としての価値だけではなく、弘前の文化にも大きく影響を与えていた為に保存されている事を思い知る。

 

こちらは堀江佐吉の最高傑作とも称される「旧第五十九銀行本館」だけど、弘前城を見学する前に見た時は隣のガソリンスタンドが営業していたからこの建物もイマイチ目立たなかった。しかし帰路に着いた時間に前を通ると、隣のガソリンスタンドの営業時間が終わって閉店していた為に、旧第五十九銀行本館だけがライトアップされて弘前の夜にその存在感を見せつけていた。

 

ここ弘前の街に来るまでは「堀江佐吉」という、青森を代表する建築家の事など、これっぽちも知識がなかった。しかし弘前に来て保存されている歴史的建造物を見学していくと、その堀江佐吉が設計したり、彼の兄弟や門下生が携わった建物だらけで、”堀江佐吉ワールド”が拡がっていた弘前であった。

 

ここ弘前の街は江戸時代まで弘前藩の中心地だったが、明治維新が起きた後に廃藩置県が実施され、その後に県庁所在地が青森市に移転してしまった為に衰退の道を辿る事になる。しかしその後に陸軍の師団がこの地に拠点を築いた事により、再び復興を遂げるが、近年は空洞化現象や過疎化などで再び衰退していっている街並みがとても目に付いた。

 

特に本州でも最北にある青森では、なかなか人口流出に歯止めが止まらないのか、正直な感想で言うとこの弘前はとても寂れた街に思えた。ここが本当に弘前藩の中心部で栄えた城下町に思えない程に、日本経済が沈没すると共に日本全国の地方都市が沈んで行くシナリオが目の前で着々と進行しているようにしか感じなかった。。

ネプちゃん
ネプちゃん

日本の行く先が心配だべ・・・

 

そして2020年に発生した新型コロナウイルス感染によるコロナ禍の影響により、地方都市の大事な収入源であった観光収入が大きく落ち込んだ。今の日本国内は観光業にしか活路を見いだせない程に物を作る力を失っているだけに、このコロナ禍は想像以上に大きなダメージを与えている事だろう。。

 

ちょこちょこと居酒屋は見かけるものの、コロナ禍では昔まで会社員は仕事が終われば居酒屋直行というルーティンが大きく変わり、真っ直ぐ家に帰るのが普通となってしまった。本来であれば家に帰ってプライベートを充実させるのはとても大事なのであるが、日本では昔から会社内の人間との”飲みにケーション”を重要視していた文化がある。それも含めてコロナ禍で大きくこれから世の中が変貌していくのだろう。

 

まだ20時になっていない時間帯にも関わらず、弘前市内のメインストリート的な商店が立ち並ぶ通りは、このように全然人通りが見当たらない・・・。テレビの旅番組を見ていると、その訪れた地方の良い面しか強調しないけど、実際にはこのように寂れたゴーストタウンのような場所が日本には増えつつある。自分の足で地方を訪れてみると、それがよく分かって、何ともやりきれない気持ちになる瞬間でもあった。。

青森ンゴ
青森ンゴ

日本はどこまで沈んでいくのかナ・・・

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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