青森でまず向かったのは、「鶴の舞橋」という日本イチの木造三連太鼓橋が架かる溜池【東北旅行記②】

東北旅行記2020年冬-②:青森編

 旅行期間:2020年12月1日~8日(7泊8日)
(The first stop in Aomori was the Tsuru-no-Mai Bridge, which spans a reservoir also called Tsugaru Fujimi-ko. [Tohoku Travelogue 2])

人工的な大きな溜池!

さて初めてやって来た青森の土地。青森県に興味を持ったのは実はこの約1ヶ月半前に訪れた宮崎県旅の途中で、その時に九州の南側の串間市:都井岬で野生馬を見た後に、青森でも野生馬が放牧されているという事を知ったからである。勿論更に北の大地である北海道ではサラブレッドなど多くの馬が生息しているが、野生馬として生息しているのは日本全国でも少ない。

ただ下北半島の北東の先端に居る野生馬も、冬になると岬の入口が閉鎖されてしまって奥まで入れないので、冬場は見れない可能性もある。事前に青森県に問い合わせてみたけど、遠くから見れる可能性はあるけど、絶対見れる訳でもないとの事だった。

 

 

まずはチェックインしてからレンタカーを借りる!

その野生馬に会う為に下北半島に行くのはこの翌日の事なので、その野生馬に関してはまたその際に。まず青森駅にやって来てから予約していたレンタカーを借りる前に、一旦青森駅周辺の宿泊するホテルに立ち寄って、まだチェックインするには早いけど、先に地域共通クーポンがもらえるかを聞きにホテルへと向かう事にした。

 

やって来たのはこの東北旅で1~2日目に連泊する「ホテルサンルート青森」。青森駅から徒歩約5分と駅チカホテルだったけど、この青森駅にはそれなりの数のホテルが密集しているので、徒歩5分圏内の立地はそこまで抜群というものでもなかった。ちなみにこちらの入口はホテル正面の入口ではなく、北側の勝手口のような入口だった。

 

 

ホテルのフロントに向かい、まだ午前10時30分前だったけど、先に地域共通クーポンを貰えるか確認した所、快くその場でチェックインしてすぐに地域共通クーポンを発行してくれるとの事だった。ちなみに地域共通クーポンは今回のように7泊8日の旅程だと、最初に泊まるホテルが所在する県での発行となる。

 

こちらがホテルサンルート青森で発行してくれた地域共通クーポンで、最初に2泊する青森県とその隣接する県内での利用エリアとなっており、また有効期限は今日初日~3日目まで。このシステムはちょっと違和感を感じたけど、2020年10月末に九州旅をした際に最初に1泊だけ福岡で宿泊した際に、その2日間だけしか有効期限がなかったのを経験していた。

だから今回の旅ではなるべく早めに地域共通クーポンを使い切る予定を立てており、その時の経験が今回に生きたという訳でもあった。

 

そして青森県の旅行パンフレットなどを見ると必ず出て来るのが、この青森県の祭りで名物ともなっている『ねぶた(ねぷた)』である。青森県内で夏場に行われる祭に登場する神輿のような山車であるが、その場所によって『ねぶた』とも『ねぷた』とも呼ばれる。この呼ぶ名が違うのは地方の”なまりの違い”が出ているようで、青森県外から来ている観光客からすれば紛らわしいけど、どちらで呼んでも差し支えはないだろう。

 

 

「ホテルサンルート青森」でチェックインして受け取った地域共通クーポンを持って、ホテルから駅の方に戻る途中にある「オリックスレンタカー:青森駅前店」へと向かいます。今回の旅では雪が積もっている地区を走るのは自信が無かったので、初日から下北半島を巡る2日目までの期間だけ、レンタカーを借りる事にしたのである。

 

オリックスレンタカー 青森駅前店

「オリックスレンタカー 青森駅前店」で借りたレンタカーの明細

約1日半借りたレンタカー代は9,600円。そこからジャランで発行されていたクーポン(1500円引き)を使用して、残っていた100ポイントを使い、残りは8,000円。この8,000円の支払いに、先程ホテルに寄って貰った地域共通クーポンを使うのであった。

 

なお普通にレンタカーを直接レンタカー会社から予約するよりも、楽天トラベルやジャランなどの旅行サイトでレンタカー割引クーポンが発行されている場合だと、そのように旅行サイトを経由して予約した方が割安にレンタルする事が出来る場合がある。だから個人的には最近レンタカーを借りる際は、必ず楽天トラベルかジャランでレンタカー単体を予約している。

 

そしてオリックスレンタカー:青森駅前店で借りたレンタカーが、こちらのブルー色の【ホンダ:フィット】だった。勿論冬場の東北地方という事だけあって、全てスタッドレスタイヤ装着車となっているので、多少の雪道でも安心なようだ。それとレンタカーを借りる際にはいつも丁寧に乗車前に車体のキズなどを店員さんとチェックしていくのが恒例なのであるが、ここの青森駅前店で対応してくれたお兄ちゃんは傷のチェックをしなかったのである。

 

なのでこちらから車体の傷の確認をしなくていいのか聞いてみたら、そのお兄ちゃん曰く「この辺では車に傷が付くのは仕方ないので、よほど大きな傷が付かなければ大丈夫ッスヨ!」という感じだった。

だから旅早々に腰が折れたような感覚になったのであるが・・・

ネプちゃん
ネプちゃん

青森県民は我慢強いから、多少の傷なんて気にしないべ!

ハゲる前君
ハゲる前君

そんな細かい事気にしてたら、豪雪地帯では生きていけんゾ!

 

 

廻堰大溜池(津軽富士見湖)にて

そして青森市内から車を走らせてまず向かったのは、「廻堰大溜池」という青森県でも一番大きな人工の溜池。ここは1660年頃に当時の青森を治めていた津軽藩が造成した溜池で、その後に氾濫を何回も繰り返して、昭和時代に現在の日本イチ長い長さとなっている堤防が築かれた場所となっている。

 

【廻堰大溜池(津軽富士見湖)】

住所:青森県北津軽郡鶴田町廻堰大沢81-150
電話番号:0173-22-6211

 

 

この「廻堰大溜池」はその大きな湖面に、”津軽富士”とも呼ばれる岩木山が写る景色から『津軽富士見湖』とも呼ばれている。その大きな溜池をわざわざ見に来た・・・という訳ではなくて、その溜池に今では”日本一大きな木造三連太鼓橋”が造られていて、それがこの溜池がある鶴田町の観光資源になっているようだ。

 

廻堰大溜池(津軽富士見湖)の上空--Googleマップより

廻堰大溜池(津軽富士見湖)の上空–Googleマップより

だからか、この廻堰大溜池の西側に造られている【鶴の舞橋観光施設:ここにもあるじゃ】の前にあった駐車場は有料となっていた(※30分間の利用では無料)。ただその”日本一大きな木造三連太鼓橋”を見るにはここの駐車場が一番近いけど、その手前などには無料の駐車場もあるので、駐車代金をケチりたい人は手前で車を停めた方がいいだろう。

アレコレと写真を撮ってたら、30分の滞在を超えてました・・・

 

この富士見湖パーク駐車場は2017年まで舗装されていない無料駐車場だったが、バスツアー団体客など観光客の増加によって舗装された駐車場に整備されて2020年4月11日から有料(普通車1日300円)となったようだ。ただし普通車のみ30分以内の利用は無料となっている。

 

そしてこの大きな溜池に”農業水利施設高度利用事業”という名目で、この鶴田町の観光資源を創生する為に『鶴の舞橋』という木造橋が約4年に及ぶ工事の末に1994年に完成した。青森県では海外からの果物の輸入量が増えて県内で獲れる果物の価格が下がったり、若者達が都市に出ていく事により人口空洞化の問題もあって、このような観光資源を作る必要性があったという訳だ。

 

ただこの『鶴の舞橋』を建造した効果は、ボクが実際にこの地に引き寄せられた事もあって、それなりに効果が出ているように思う。

 

016年JR東日本『大人の休日倶楽部』CMワンシーン

2016年JR東日本『大人の休日倶楽部』CMワンシーン

また2016年にはJR東日本の『大人の休日倶楽部』のCMで、女優の吉永小百合さんがこの鶴の舞橋を訪れているシーンが放送されてからは人気に拍車がかかり、年間で約10万人以上の観光客を迎える場所にもなっているようだ。


 

 

JR東日本 大人の休日倶楽部CM 「津軽の逆さ富士」-2016

ネプちゃん
ネプちゃん

こんな素晴らしいCM見たら、行きたくなるべ!


 

 

本来は日本イチ長い堤防が造られている溜池として有名になるべき「廻堰大溜池」なのであるが、現代人はそんな溜池の有難さなど分からないので、このように視覚に訴えた”日本イチ大きい、木造三連太鼓橋”でのプロモーションは大成功だった事だろう。

 

 

ただこのようなプロモーションが大成功したのはいいけど、駐車場の整備や最寄りの駅からの移動手段の確保や、また雪が降る冬場にはこの周辺の飲食施設が閉鎖する事もあって、観光客が増えればそれに比例して色んな問題が出てきているようだ。

 

 

この鶴の舞橋が青森でも人気の観光地になったのは勿論全国区のコマーシャルで、有名女優が出演した影響もあるだろうけど、それよりもこの橋が古風な建築様式で造られた木造の橋だったからだろう。もし初めてこの場所に来て橋を見た際に、この橋が最近(1994年)造られた橋だとは、まず思わないだろう。

 

長さが300mで橋の建築資材には青森産の樹齢150年以上の『青森ヒバ』(針葉樹高木)が、600本以上も贅沢に使用されている。この橋の建築に約4年の歳月が掛かったのには、その樹齢150年以上の青森ヒバを入手するのに時間が必要だったからでもある。

 

この橋の総工費は約2億6千万円も掛かったそうだが、年間10万人以上の観光客が訪れる場所になったので、その工事費の元は回収できているかもしれない。しかし、このような橋は一旦作ってからも補修を度々行う必要があるので、橋の袂にはこのような「愛の募金」なる物も設置されているのが見える。

 

この鶴の舞橋を訪れている際には、そんな歴史的な知識などは持ち合わせていなくて、とりあえず青森の名所の中から行き易い場所として見つけて寄っただけであった。だからこの時はこの橋が1994年に観光向けに造られた物とは思いもよらず、もっと古い時代に造られた橋だと、てっきり思い込んでいたのである。。

 

春から秋にかけて雪の無い時期の青森県は意外と人気の観光地になっているようだけど、この12月は雪が降りつつあって寒い時期に突入している事もあって、パッタリと観光客が少なくなってしまう時期のようだ。そしてこの2020年は特にコロナ禍の影響で一気に観光客が少なくなってしまった年でもあったので、この鶴の舞橋でもあまり観光客の姿を見かける事はなかったのである。。

 

日本イチの鶴の舞橋を渡る!

さてこの鶴田町が威信を掛けて製作した「鶴の舞橋」を、これから渡る事にします。1994年に観光用として造られて、また定期的に管理されているようで、今写真をこうやって見ると全然古さは感じない橋。

 

しかし橋って本当なら対岸に渡る為に架けられる物なのに、この鶴の舞橋のように本来なら架けられる必要の無い場所に橋が造られてるというのはとても特殊な事だろう。しかし少子高齢化や人口空洞化の進む地方では、これから新しい産業が育つ土壌もなく、このような観光業で活路を開いて行くしか方法がないのであろう。

 

 

鶴の舞橋の景色!① 動画

 

 

橋は幅3mの大きさになっているので、観光客が多くやって来ても対面ですれ違うのはそこまで困難な橋でもない。また橋の構造は完全木造建築となっていて、日本全国で見られる鉄筋コンクリート造りの外観を塗装してるだけの見かけ倒しの橋とは違う雰囲気を感じる。

 

ただこの足元に使われている板材や丸太などは全て「青森ひば」の木材が使われているけど、この橋を支える水の中に浸かっている土台部分だけはコンクリートで造られているようだ。しかしその土台部分は水中にあって、普通には見えないので見た目には完全木造建築物となっている「鶴の舞橋」

 

この橋は3つの連なる太鼓橋になっていて、それぞれの窪んだ場所にはこのような休憩所が設置されている。また普通の河川に設置されている橋ではなく溜池内に設置されている橋なので、洪水などによる増水の影響を受ける可能性は少なく、この休憩所まで水が溢れる事はほぼ無いようだ。

 

橋の端っこには少しだけ雪が見られるけど、この橋は観光客向けになっているので、雪が降るとちゃんと雪かきが行われているようだ。普段雪が積もらない地域に住んでいる人間からすると、このような雪かきなどの苦労は分からないけど、豪雪地帯では毎年雪かきで転落して亡くなっていく人もいる程である。

 

それにしても観光客の姿が殆ど見られないので、ほぼ独占的に鶴の舞橋を満喫できる。ただ「独占的に鶴の舞橋を満喫できる」と言っても、橋の欄干をかじる訳でもなく、また欄干によじ登ったりもしないので、普通にこの橋を渡るだけなのであるが。。

 

 

鶴の舞橋の景色!② 動画

 

 

さっきの休憩所とは違って、北側の休憩所の方が大きな屋根が造られているのが見える。なお、この橋の先に進んだ公園の向こう側にも駐車場が設置されていて、そこは完全に無料の駐車場となっている。最初から最寄りの駐車場が有料だと知っていれば、その手前側にある無料の駐車場を利用したのであるが。。

ネプちゃん
ネプちゃん

意外とケチな性格だべ!

300円の駐車料金は意外と大きいデス!

 

今日の天気はあまりスカっとした晴天ではなく、どんよりとした曇り空。青森駅付近では雪がパラついていたけど、ここ鶴田町では雪は降っていないけど12月になっていたので、それなりに寒かった。ただこの冬の時期に青森県に来るという事は寒い事は十二分に理解してきているので、その寒さは全然気にならなかったが。

パッチ履いてれば、全然寒くないです!(笑)

 

今どき、このような昔風の木造の橋を造るなんていう発想もなかなか無い。しかも樹齢150年を越える地元の木がふんだんに使われており、この鶴田町の意気込みというか、センスが感じられる橋。しかし”日本イチの木造三連太鼓橋”という大きさもあるけど、このように昔ながらの完全木造建築物というレトロさがこの自然溢れる青森にとてもマッチしているように感じる橋である。

 

この橋が架かる「廻堰大溜池(まわりぜきおおためいけ)は、その貯水量が1,100万トンという想像も付かない位の規模の池となっている。都会に住んでいる人間からすると、このような溜池の必要性や重要性をあまり認識できないけど、このように地方の農業などを営む場所では水の確保ほど大事な事なんだろう。

 

1660年に造成が開始された溜池で、江戸時代には天下統一されて大きな戦が起きなかった事もあって、全国的に農業地などが多く開墾された。幕末にやって来たペリー提督も他の国では考えられない位に、山の上の方まで開墾されている農業地を見て驚いたという記述が残っている程であったようだ。

 

こちらでは『津軽富士見湖の伝説:白上姫の悲恋物語』という、悲しい昔話が言い伝えとして残っているようだ。その昔にこの地方を治めていた城主とある若い綺麗な娘が恋に落ちて結婚の約束をしたが、城主が別の女性と結婚してしまい、その若い綺麗な娘は失望の中でこの溜池に身を投げて水死したという。

 

そしてその怨霊が龍として津軽富士見湖に現れて噂になり、結婚するハズだった城主はその自分が見捨てた若い娘の怨霊が龍として現れたと聞き、疑心暗鬼に陥る。そして精神錯乱状態に陥り、家臣や更には結婚した女性も斬り捨ててしまい、最終的には自分も津軽富士見湖に身を投げてしまったとか。。

ネプちゃん
ネプちゃん

くわばら、くわばら・・・な話だべ!

 

そのような悲しい言い伝えの真偽はさておき、このように”津軽富士”と呼ばれる岩木山が見えているのが鶴の舞橋の魅力の1つでもあります。「岩木山」という名前は鼻が潰れたような顔をした青森県出身の相撲取りが昔居たので、その名前は知っていたけど、その山の姿を見るのは勿論今回が初めてで、山頂付近に白い雪の化粧がされている姿は格別であった。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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