山寺で人気の景観スポットから絶景を眺めて、名物の力こんにゃくを味わう【東北旅行記80】

東北旅行記2020年冬-80:山形編

旅行期間:2020年12月1日~8日(7泊8日)
(Enjoy the spectacular view from a popular scenic spot at Yamadera and taste the famous chikara konjak. [Tohoku Travelogue 80])

熱々なこんにゃく!

さて約1000段の石段が有名な寺でもある、山形市の「山寺(立石寺)」。その石段を登り切ると、このような高台の絶壁に造られている建物が見えてきます。この辺りの光景は、よく観光パンフレットなどで見かけるスポットでもある。

 

 

【山寺(立石寺)】

住所:山形県山形市山寺4456-1
入山時間:8時~17時頃(※受付16時/冬は15時)
電話番号:023-695-2843
入山料:大人300円/中学生200円/子供100円

 

 

 

山の上の「納経堂」と「開山堂」

山寺の象徴として約1000段の石段と共に代表的なのが、この断崖絶壁の岩場の上に造られている小さなお堂。山寺を紹介しているサイトやパンフレットでは、その石段よりもこの「納経堂」の方がメインとして扱われている場合が殆どである。

 

 

「納経堂」と「開山堂」を眺める! 動画

 

 

この「納経堂」という小さな建物は、奥の院で使われる写経が収められている建物で、この山寺が平安時代に建立された当時に造られたとされている。ただ今見られる建物自体は1705年に再建された物のようだが、この納経堂の下にある穴の中には、この寺を建立した円仁(慈覚大師)の遺体が埋葬されていると伝わっていて、近年に行った発掘調査では何体かの遺骨が発見されているようだ。

 

断崖絶壁の上に造られているので、この「納経堂」の周辺は勿論立ち入り禁止となっている。外国の観光地だったら、このような危険な断崖絶壁でも観光客が立ち入れる場所が意外と多いけど、海外の場合はこのような崖から落ちても”自己責任”の言葉で片付けられるのが一般的である。

 

こちらの建物は、その納経堂の脇に造られている「開山堂」という建物で、この山寺を建立したとされる「円仁(慈覚大師)」が祀られているそうだ。ただ、この時は正面の扉が閉まっていたので、内部の様子は見る事が出来なかったが。

 

ここで終わりではなく、また上に繋がる階段が見えている。ただここから上に登るこの階段が、山寺の1015段とも言われる石段の数に含まれているかは不明。恐らく1015段の石段は奥の院までの段数なので、この石段は含まれていないと個人的には考えている。

 

この上には「五大堂」という天台宗系の不動明王を中心とした五大明王を祀っている道場があるようだが、近年の山寺では”山寺内でも最も景観の良い展望スポット”として人気を集める建物になっているようだ。

 

「五大堂」もこのように岩場の上に強引に作られた建物だけど、今では観光客が必ず訪れる人気の場所ともなっているので、耐震補強がしっかり行われているような足場も見えている。ここに来るまで約1000段の階段を登ってきたけど、ここまで来たら数十段の階段なんてそれ程苦にはならないだろう。

 

 

「五大堂」から眺める絶景!

そして階段を登るとその「五大堂」の建物が見えてくるが、”五大明王が祀られている”という雰囲気ではなく、特に不動明王像などもない、普通の小屋といった感じの建物に思えた。

 

この「五大堂」は1714年頃に再建された木造の建物となっていて、構造的には周囲の景観を楽しむ為のような建物に思える。そして山寺の中でも一番人気の景観スポットだけに、境内で見かけた数少ないツアー観光客団体の一行さんが「うわ~~、景色綺麗~!」とか嬉しそうに眺めている姿が見られた。

 

この五大堂は海抜約400mほどの高台にあり、下には先程電車に乗って到着した山寺駅と、JR仙山線の電車が走っている光景などが見られる。ちなみに下に見えている平地との高さは約160m前後あるが、昔はこの下まで一気に滑れる”お尻が焼ける滑り台”がごく僅かな期間だけ使われていたという。

 

この訪問時にはその滑り台跡があるという事を知らなかったが、上記のサイトではその滑り台跡を検証している。このサイトによると、傾斜45度以上という急な勾配と、ローラーなどが無いコンクリートの溝という、恐ろしい滑り台が造られていたとの事。

直江クン
直江クン

これはある意味、スリル満点ですね・・・

 

でもこの高さから再び階段で下に降りていく事を考えれば、一気に下まで降りれる滑り台の需要自体はあるだろう。あとは安全性などを考慮して再建すれば、新しい山寺名物の滑り台となる可能性を十二分に秘めているようにも思うが。

 

 

五大堂からの絶景! 動画

 

 

ここからの絶景を眺めていると、この景色を眺める為に1015段の石段を登ってきたという感覚になる。この高台まで自分の足で登ってきたからこそ、余計にここから見える景色が絶景に思えるのであって、もしここまで車やエスカレーターで簡単にやって来る事が出来たとしたら、これ程の絶景には感じなかっただろう。

 

このような素晴らしいお堂にも関わらず、「落書ヲ禁ズ!」という昔に書かれたような看板を見かける。今から300年程前に造られた歴史ある建築物だけど、そんなのお構いなしで平気で落書きしていくバカはどの時代にも存在しているのだろう。

 

ちなみにスリランカの観光名所で世界遺産にもなっている「シギリヤロック」にも、約1000年以上も昔に落書きされた跡が残っている。しかし、シギリヤロックではその古い落書きが逆に貴重な文字跡として保存されており、落書きも長い時間が経てば貴重な文化財と認定される時代が来るのかもしれない。

 

こちらの岩場にも沢山の慰霊碑などが設置してあり、「よくこんな難所にわざわざ設置したな~!」と思ってしまう。ただ当時としてはこのような人が簡単に近寄れない場所程に、そこが”神聖な場所”と考えられていたから、このように慰霊碑が設置されていたのかもしれない。

 

このように色んな石像が置かれているけど、彫刻家のようにこのような仏様の像などを作る「仏師」という職業がある。キリスト教の国でもそうだけど、このような彫刻文化が発展していったのも、宗教で偶像崇拝用に沢山の像が作られていった過程の結果でもある。

 

ちょっとパラパラと小雨が降ってきて、近くに居た人は傘を差していたけど、雨を気にせず下山していく事にする。山寺の上まで登って、さらには絶景も眺める事が出来たので、大満足である。

そして煩悩も取り除けたし!

 

こういう登りが大変に思える観光地も、帰りの下りは一瞬に思えてしまう。実際には行きに通った同じ道を下ったのだが、あっという間に登山口に辿り着いたような印象だった。登りは気構えて登る事から記憶に残り易いけど、下りは気が抜けてしまっているので余計に印象に残らないのかもしれない。。

 

このように道端に転がっている大岩を見ると、スリランカの世界遺産でもあるシギリヤロックの光景を思い出す。シギリヤロックの周辺にもこれ以上に大きな岩が転がっていて、その隙間を進んで行く通路が印象的だった。

 

 

さて山寺で1000段の石段を登ったし、上にある五大堂からの絶景も眺めたし、松尾芭蕉とその弟子である河合曾良の像も見たし・・・という事で、そろそろ駅に向かう事にする。今日の予定はこれだけではなく、今日の本命はこれから向かう米沢市なので、ここであまり時間を費やす訳にはいかない。

 

そして再び来る時に渡った橋の所まで来て山寺を振り返ってみると、登る前とは違って、自分が実際に訪れた場所だけあって五大堂がはっきり目に付く。なお、昔にあの辺りの高さから滑り台が設置されていたとは想像できない景色だけど、ある意味面白い発想だと思う。

 

 

山寺駅:転車台にて

そして山形行きの電車がまだ来そうにないので、駅の反対側に造られている松尾芭蕉の記念館へ向かっている途中に、こちらの「山寺駅:転車台」という電車に関わる古い設備みたいな物が見えてきた。

 

この山寺駅を走っている「JR仙山線」は、今では山形市内と仙台市内を繋ぐ重要な路線になっているが、この路線の敷設に動いた昭和初期には、まず仙台駅~作並駅を結ぶ”仙山東線”の東側が造られて、少し遅れて西側の仙山西線:羽前千歳駅~ 山寺駅間を結ぶ路線が1933年に開通した。だから当初の山寺駅では、仙台市内とを結ぶ仙山西線の終点となっていて、ここで当時使われていた蒸気機関車を回転させる必要があった。

 

山形市内と仙台市内を結ぶ「JR仙山線」が開通するまでは、毎日のように活用されていた転車台も、1937年に「JR仙山線」が開通した為に使われる機会が減っていった。そして1968年にはこのJR仙山線が”日本初の交流電化”路線となった影響で、蒸気機関車が使われる事が無くなった為に、それに伴ってこの転車台も使われなくなってしまったようだ。

 

 

山寺名物”力こんにゃく”を味わう!

ちょっとだけ松尾芭蕉記念館を見学しようと思っていたら閉まっていたので、仕方なしにブラブラと駅周辺を散策していたら、こちらのお土産屋さんの店頭で湯気が出ている郷土料理っぽい物に惹き付けられてしまった。

 

旅の途中にあまり食べ歩きをしないボクだけど、1本100円という山寺名物:(ちから)こんにゃくを購入してみた。この冬場には全然観光客が来ないような雰囲気で、実際この時も山寺の上ではツアー団体客の数人を見かけたけど、それ以外には観光客らしき姿は殆ど見られなかった。ただ、それでもこんにゃくを焚き続けてくれていたのは、何とも嬉しい。

 

そしてその場でアツアツの湯気が立ち昇る”力こんにゃく”を貰って、「好みでカラシを付けてください」という事だったので、その言葉に甘えるようにカラシも添える。旅先ではあまり甘いお菓子を食べないようにしているけど、これはこんにゃくだけに体にも良さそうなので、何本でも食べれそうな気持にもなる。

 

 

湯気が立ち昇る”力こんにゃく” 動画

 

 

山寺名物:力(ちから)コンニャク

こちらは帰りの山形空港のお土産屋さんで購入した、「山形名物 味付け:玉こんにゃく」。この山寺で力こんにゃくを食べたお店でも販売されていたけど、ここで買い忘れても空港のお土産物屋さんでも購入する事が出来る。

 

そして全然知らなかったけど、この「玉こんにゃく」は山形のソウルフードともされており、ここ山寺では1000段もの石段を登る前にこの「玉こんにゃく」を食べて力を付けるという意味合いで「ちから(力)・こんにゃく」と名付けられているようだ。

 

 

 

そして今回の山形県滞在時にサクランボを食べれなかったので、代わりにこちらの「さくらんぼサイダー」を味わう。ただサクランボ風味という感じがそこまでせずに、単なるフルーツジュースのようなサイダーだったが。。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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