東北旅行記2020年冬-㊽:秋田編
旅行期間:2020年12月1日~8日(7泊8日)
(After visiting the Akita Inu Kaikan, we tasted Shimadaya’s katsuju (pork cutlet) instead of Odate’s specialty, chicken rice. [Tohoku Travelogue 48])
やっぱりカツが好き!
さて秋田県大館市にある「秋田犬会館」の見学は、もうしばらくだけ続きます。さっき日本昔話のような秋田に伝わる伝統民話にも出てきたような、真っ白いシロのような秋田犬の絵が飾られています。個人的には昔話の類は全て虚構のような話に思っているけど、科学が発展してない時代には平気で祟りがあるとか信じられていた事だろう。
秋田犬会館にて
天然記念物の秋田犬では、このように「血統書」で犬の血筋がキチンと管理されている。サラブレッドや高級な犬などもこのような血統書が付き物であるが、冷静に考えればこのような血統書というものは動物側が欲しいから発行している物ではなくて、あくまでもその動物を高く売りたい人間側の勝手な都合による物だと思うが。。
特に犬を育てるブリーダーからすると、このような血統書があるか、ないかでその犬の販売価値が大きく変動する。しかもここに展示されていた血統書はこの秋田犬会館を運営する「秋田犬保存会」が発行している物で、一部には秋田犬保存会の会長を衆議院議員が務めている影響もあって、それが政治利用されているという訴えも出ているようだが。
政治が関わると、大抵ロクな事にならないだべ!
それはさておき、明治時代になると日本にイギリス文化が強く影響を与えるようになった。当時の先進国の代表であったイギリスでは、ジェントルマンの国らしく、何にでも品格を求めるかの如く品評会が行われていた。それもあって日本でも真似するように、犬の展覧会などを行うようになっていったのかもしれない。
こちらには「秋田犬:犬体名称図」という、よく焼き肉屋で牛肉の部位が描かれている絵のようにも見える物が飾られていた。人間と同じように体と頭があって、頭には目や鼻や耳があったりとそこまで大きく人間との違いも感じられないが、秋田犬ならではの部位名が付けられているのかもしれない。
こちらには秋田犬の剥製が置かれていた。なお秋田犬で最も有名なハチ公も、死後は剥製にされて、今では東京都上野にある「国立科学博物館」で展示されているようだ。
秋田犬の認定は主に、ここにある秋田犬保存会が行っているようで、その認定内容はまず先に”本質と表現”が記されているという。それ以外にも体の部位で秋田犬らしい特徴がどれだけあるかで採点が行われているというが、あくまでも人間の抽象的な判断による審査については、スポーツ界のジャッジでもよく問題になるように”人間の曖昧さ”が邪魔をしてしまう。
そういう人間の曖昧さによる判断を辞めて、進歩したDNAで判断するという認定の仕方も今後生まれて来るのかもしれない。
こちらには「功労章犬」のパネルが沢山並んでいるけど、裏を返せば、どれだけ人間に忠実に従ってきたかという章とも言えるかもしれない。秋田犬にとっての幸せとは、このような”功労章犬”という称号を貰う事ではないと思うが。。
そしてそんな功労章犬となった秋田犬が辿る道の結末は、あまりに可愛すぎてこのように死後毛皮をむしり取られて、標本のように飾り続けられる事である。死んだ身からすれば、その体がどうなろうとも文句は言えないけど、普段まず見る事のない秋田犬の毛皮の標本を目の前にすると何も言葉が出てこない・・・。
ただこのような毛皮という物は寒い地方で暮らす人類にとって、生き抜くためには欠かせない物だった。だから熊の毛皮なども重宝されていたし、その毛皮を身にまとって寒さから耐えていた。しかし、現代人で贅沢をしている人間は、派手な柄をしている豹の毛皮などを着るのが好きみたいだけど、それはあくまでも寒さ対策というよりは金持ちの道楽である。
このように純粋な気持ちで秋田犬を眺めれば普通に可愛く見えるだろうけど、ちょっと別の陰気な目で見るだけで、人間の秋田犬に対する闇の部分が見えてくるのである。所詮ペットで飼っている時点で犬は人間の支配下にあって、ただでさえ反抗できずに自由な生き方ができない。そういう意味では、人間の支配に絶えざるを得ないという、何とも悲しい犬の運命なのかもしれない。。
という感じで秋田犬の資料室を見学した後は、大館駅に戻る事に。大館駅の近くに秋田犬の観光客向け施設が造られているので、帰り道にその施設に立ち寄ってから、その後電車に乗って秋田駅へ向かう事にする。こちらの秋田犬デザインの外装となっていたバスは、「大館能代空港」という1998年に約450億円の総工費を掛けて建設した空港に向かうリムジンバス。
ただこの大館能代空港は東北地方で最も利用客が少ない空港ともされており、毎年4~5億円ほどの赤字経営となっている。日本全国にはバブル時代に多くの地方空港の建設が計画されたが、実際に蓋を開けてみると、当初見込んでいた利用客数を遥かに下回る空港が多い。そしてそれらに費やされるお金の大半は税金であり、無駄な空港も採算が見込めないのであれば、さっさと閉鎖すべき状況にきている。
カツ重とうどんの「島田屋」で昼食!
そして大館駅に向かって歩いていると、こちらの「島田屋」というカツ重とうどんが売りのお店が見えてくる。もう時刻は既に13時を過ぎて昼食タイムとなっていたが、大館駅前の名物”鶏めし”を食べたい気持ちがあったので、少々ここでこの島田屋に入るかをシンキングする事に。。
しかしカツ丼が大好きなボクは、大館市名物の”鶏めし”よりも、どこでも食べられるカツ重を選択してしまう。。
カツの魅力には勝てません・・・(笑)
普段はカツ丼を食べる事が多いけど、この島田屋では丼ではなく、こちらの重箱での提供となっていた。個人的にはこの重箱のように蓋付きで提供されると、食べる際に蓋を外してテーブルに置かないといけないので、邪魔くさいので蓋無しで提供してくれた方が嬉しいのであるが。。
蓋は温かさを少しでも保つ為に、付けられているのヨ!
ただこのような蓋付の場合は、その蓋を開ける瞬間が楽しみの1つでもある。このように蓋を開けるとジューシーなカツが見えてきて、食欲を更に掻き立てる演出のようにもなっている。
こちらはカツ重を頼むと、セットで付いてきたお味噌汁。寒い12月の東北地方では、このように温かいお味噌汁という物の存在が、これほど有難いものかと思ってしまう。そう思うと寒い場所に行けば行く程に、温かい食べ物の有難みを感じる事が出来るのだろう。
そしてこちらはカツ重に同じくセットで付いていたキャベツの千切りだけど、こちらはお味噌汁とは違って、お盆の端っこの方にさり気なく佇んでいた。トンカツなどでは必ずキャベツの千切りが用意されているけど、こちらの小鉢に入っていたキャベツの千切りは、さり気ない量だけに存在感をあまり感じなかったが。。
このようなカツを卵で閉じる事を発明した人は、個人的にはノーベル平和賞を受賞するべきだと思う。地方によっては卵で閉じるのではなく、ソースやデミグラスなどの違う食べ方もあるけど、カツと最高に相性の合うのは断然卵だと思う。
この島田屋のカツを口に運んだ感想は、「やっぱりカツを選んで正解!」だった。こう見えて無類のカツ好きな人間だけに、日本のどこを訪れてもその地方の名物よりもカツを選んでしまうのであった。。
こちらのメニュー表は2020年12月に訪問した際の物だが、今年2022年はコロナ禍明けからの供給不足や世界中で金融緩和を行った影響によって、世界的に大幅なインフレが猛威を振るっている。そのインフレに対し欧米では金利を上昇させて鎮圧化させようとしているけど、株価上昇を誘導する金融緩和を盛大に行い過ぎたツケが、これから数年間世界中の人々を苦しませる事になるだろう。。
インフレって結構怖いネ・・・
そしてカツと共にご飯を食べると、幸せな気持ちしか感じない。カツとご飯の食べ方では、このカツ重のようにカツが上に載せられている食べ方もあれば、”台抜き”という別々に提供する食べ方もある。しかし、個人的には面倒くさがり屋の性格という事もあって、最初からご飯の上にカツが載って提供されるのが一番うれしいのである。
ただカツはカロリーが高いので、大好きだからと言って食べ過ぎると、体にとってはあまりよろしくない。本来であれば毎日でも食べれる程に大好きなカツだけど、体からすればたまに食べる位がちょうどいいのだ。
シンプルな外観と内装の店舗だった島田屋を選んで、大正解だった大館。旅ブログ的にはご当地ならではの食事を写真に撮ってアップすべきなのかもしれないけど、このブログはボクの個人的な思惑が最優先でアップしているので、これも仕方ない事。逆にワザとらしい旅人インフルエンサーのような煽りもないだけに、マニアックな旅ブログを愚直に続けるだけ。。
このように初めての秋田県にやって来ると、こちらの看板に見えるように「あきぎん」など地方銀行が目立つ。このような地方に来ればその地方に根付く地方銀行をよく見かける事が出来るけど、大阪とかに住んでいると普段は殆ど見かける事が出来ない銀行だらけで、全く違う世界に来たような印象を受けるのである。
そしてこちらは「薪ストーブ専門店」で、ソロキャンパーとして大人気になった芸人:ヒロシ氏がとても好きそうなお店があった。大阪などに住んでいると薪ストーブなんて使う機会が全くなく、薪もホームセンターのキャンプ品販売コーナーでしか見る事が出来ないけど、雪深い東北地方では未だにこのような薪を使って暖を取る事が行われている。
アメリカでは、毎年インフレ目標が+2%という目標値がある。それは単にインフレを目指すのではなく、経済成長しての+2%成長という意味合い。ちなみにここ日本でも2013年からアベノミクスと称される金融緩和政策が行われて、その目標であるインフレ率+2%を目指して行われている。しかし莫大な金融緩和を続けても日本はインフレ傾向にならなかったが、今年2022年には世界的なインフレの影響を受けて、日本のインフレ率が上昇してきている。
しかし、それは日本が経済的に成長した訳ではなく、あくまでも外圧からの影響でインフレになった訳である。しかも世界的なインフレの猛威は留まる事なく暴れ回っており、沈静化するにはそれなりに世界経済を破壊しながら時間が掛かりそうな予感である。。
旅ブログに難しい経済の話はイランで!(怒)
観光施設「秋田犬の里」にて
寂れた雰囲気が溢れている大館の街を歩いて駅に向かうと、その駅の近くに目的にしていた観光施設「秋田犬の里」を発見する。この建物は2019年にオープンしたらしく、この外観はハチ公が亡き主人を待ち続けた大正時代の渋谷駅外観を真似た物になっているそうだ。
その秋田犬の里の前にも、こちらの忠犬ハチ公の銅像が設置されている。こちらのハチ公の像は元々は大館駅前に設置されていた2代目の銅像である。大館駅前に1935年に設置されていたハチ公は、戦争中に金属回収令によって持ち運ばれてしまった。その後1987年になってから再びハチ公像が再建されて、この施設が2019年にオープンした際に合わせてハチ公像は駅前からここに引っ越ししてきたそうだ。
さっき訪れた秋田犬会館で既に近距離で秋田犬を見ただけに、わざわざこの観光施設に寄る程の強い動機が無かったけど、一生に一度来るかどうかという大館市に来ている事もあって、少し立ち寄る事にしてみた。
大館駅ではこのように秋田犬を観光駅長として採用しているらしいが、それが見られるのも観光客が多いシーズンみたいだけで、ボクがお忍びで来るような観光客が少ないシーズンには、まずこのような景色が見られないのである。。
こんな旅はまた次回に続きます!
よければ下記ブログ村のボタンをポチッとお願いします!
↓↓↓↓東北旅行記:初回↓↓