12月の尻屋崎で名物の寒立馬に出会える可能性は低い・・・?!【東北旅行記⑲】

東北旅行記2020年冬-⑲:青森編

 旅行期間:2020年12月1日~8日(7泊8日)
(The chances of seeing the famous cold standing horses in Shiriyazaki in December are slim… [Tohoku Travelogue 19])

寒立馬を見るなら暖かい時期がオススメ!

ここは青森県でも北東端に位置する、下北半島の「尻屋崎」。この冬場にはこれから先の灯台の足元へ向かう道が通行止めになっていて、青森県の天然記念物となっている『寒立馬とその生息地』の場所にも残念ながら入る事が出来ない。。

 

 

 

下北半島の尻屋崎にて

遠路はるばる寒立馬という青森県古来の馬をわざわざ大阪から楽しみに見に来たのであるが、この先に入れるのは4~11月の時期まで。冬場の12~3月まではこの先は閉鎖されていて、寒立馬は12月にはこのビジターハウス周辺に放牧されているという。

 

このゲート付近からは寒立馬という馬の姿は一切見えない。また鳴き声も聞こえないし、ひょっとしたらあの林の奥に居るのかもしれない。この旅を計画している段階で事前に青森県の観光課に問い合わせてみた所、「12月はこのビジターハウス周辺に放牧されているので、馬を見る事が出来る可能性はありますが」との事だった。

 

冬場でも1月~2月にズラせば、近くの放牧地に寒立馬が移動されて、雪景色の中で寒さを感じなく走り回る姿も見られるが、個人的に雪道での運転があまり自信が無かったので、雪があまり降らないこの12月にやって来たのであった。

 

閉鎖されているゲート脇にはこのような柵に囲われた放牧地も見えるが、馬の居る雰囲気が全く感じられない。落ちている糞を見ていると、まだ最近ここに馬が滞在していたような形跡が見えるものの、近くに馬の姿は見当たらない。また誰かに話を聞こうかと思ったが、馬だけではなくひと気も全く無かったので、話を聞きようがなかったのであるが。。

 

道にはこのように繊維質の乾いた馬糞が落ちているのが見える。せっかく楽しみにしていた寒立馬に会えないとしたら、その代わりに寒立馬の糞を持ち帰るという案もあったけど、さすがの変態とよく言われるボクでもその案は即座に却下したのであるが。。

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

さすが、自称「変態」さん!(笑)

 

この尻屋崎周辺の海域は津軽海峡と太平洋の海流が交わる場所で、昔から潮の流れが変わりやすく、また濃霧がよく発生する事もあって海上交通の難所となっていた岬。航海技術が未発展な江戸時代にはこの尻屋崎側を超える太平洋側ルートは海難事故が多発したので避けられ、「北前船」と呼ばれる日本海側の西廻り航路が一般的に使われていたという。

 

こちらは「尻屋崎ビジターハウス」の壁に貼られていた『冬期間の寒立馬の所在地マップ』。尻屋崎灯台までの道が閉鎖される冬の1~3月は、右側のアタカという越冬放牧地に寒立馬が移動される。ただ12月はまだアタカまでは移動せずに、この尻屋崎ビジターハウス近くにいるハズなんだが。。

 

 

尻屋崎ビジターハウスにて

このまま寒立馬を見る事なくさっさと帰る訳にもいかなかったので、とりあえず尻屋崎ビジターハウスの中に入ってみる。この建物内にも全然ひと気がなかったけど、飼料の空袋とかが置かれていたので、寒立馬の飼育員のような人が使っている建物でもありそうだった。

 

この尻屋崎ビジターハウスにはトイレも用意されているので、さっきトイレに立ち寄った所だけど、ここでもトイレを使わせてもらう事に。なお建物内は土足厳禁になっているので、入口で靴を履いてあがろう。

 

この寒立馬は江戸時代に南部馬を藩の政策の一環として繁殖させて、それを軍用馬にする為に外国産馬とも掛け合わせたりして体の大きな馬にさせた。そんな寒立馬は冬場の寒い時期にも耐えれるような耐性を身につけており、雪の中で動く寒立馬を捉える写真なども意外と映えるようだ。

 


 

 

吹雪に耐える「寒立馬」–読売新聞オンライン動画より

ネプちゃん
ネプちゃん

雪が降る中、積もった雪を掻き分けて下の草を食べる寒立馬だべ!

 


 

この尻屋崎は寒立馬だけではなく、”海の墓場”とも呼ばれた海上の難所を通行する為に目印として造られた「尻屋埼灯台」もその名物の1つである。

 

馬が放牧されている灯台のある岬といえば、この2か月前に訪れた宮崎県都井岬でも同じような環境で御崎馬という馬が放牧されていたな。

 

尻屋埼の先端に設置されている「尻屋崎灯台」

尻屋崎の先端に設置されている「尻屋崎灯台」

こちらは今回見れなかった尻屋崎の先端には、1876年に”レンガで造られた灯台として日本イチの高さ(32.82m)”「尻屋埼灯台」が造られている。なお、この灯台を設計したのは前回の神奈川旅でも見た明治初期の西洋式灯台を設置した、イギリス人技師:リチャード・ブラントンによる物である。

 

また”東北最初の灯台”として建造されたのも、海上交通の難所を何としても通行したいという強い意向があったと考えられる。それとこの灯台は入場料300円を支払えば、灯台の上に登れるという国内でも珍しい灯台でもある。

 

 

尻屋崎ビジターハウスの中には、このように寒立馬の写真が飾られているのが見える。ただこちらの写真は寒立馬が水浴びしている様子を写した物のようだが、Googleマップの航空写真を見ている分にはこのような池は見当たらず、まさか海で水浴びしているのかな?!

 

こちらの写真を見る限りは海に浸かっている訳ではなくて、池の中で遊んでいるようにしか見えない。ひょっとしたら雪解け水か雨水が溜まって出来る池があったのかもしれない。

 

ボクが尻屋崎ビジターハウスのトイレに入っている時に人の気配がしたような気がして、それから建物内で寒立馬の写真を撮っていると、飼育担当のオジサンのような人が気配を殺しながら黙々と作業している様子が見られた。普段なら知らない人に話しかけるのに全く抵抗を感じないボクだが、この時ばかりは暗殺者でもある忍びの忍者のように、気配を消していた飼育員のオジサンに声を掛ける事が出来なかったのである。。

 

この尻屋崎までは一応下北交通のバスが毎日運行されているので、レンタカーを借りなくてもやって来れる手段がある。この旅も最初は下北駅まで電車で来てから、ここ尻屋崎までバスに乗って行こうかと検討していた。しかし、バスの本数も少なく、バスを乗り逃がしたら青森市内まで当日中に戻れないので、レンタカーを借りるのが無難な選択であった。

 

この下北交通のバスも暖かい時期には、冬場に比べて1日2本だけど増便になるようだ。ただ冬場にはむつ市内へ戻る最終ダイヤが13時3分発となっているので、バスで尻屋崎に来たとしてもすぐに帰りのバスに乗り込まないといけないようだ。

ネプちゃん
ネプちゃん

バスで尻屋崎に行きたければ、夏に来るだべ!

 

 

寒立馬を探して!

そして尻屋崎に来て肝心の寒立馬の姿が見えなくてガッカリしたけど、まだ直ぐに帰る必要性もなかったので、万が一の可能性を考えてちょっと周辺を散策してみる事にした。尻屋崎ビジターハウスの南側にはこのような吹雪を防ぐ為の「防雪柵」が設置されていて、近寄って見てみようとしたら奥に小さな物体が動いているのが見えたのである。

 

そしてもう少し奥の柵の方まで行くと、このように奥の林の方に20頭ぐらいの馬が放牧されている姿が小さいながらも確認できたのである。ただもう少し近くで見たかったけど、こちらの柵に「これ以上の立ち入りは関係者以外禁止」と書かれた警告メッセージがあったので、ここから眺めるしか方法が無さそうだった。。

 

 

遠くで放牧されていた寒立馬!① 動画

 

 

基本的にボクは旅行中に写真を撮影するのはスマホだけで、スマホは普段の携帯時にコンパクトなので負担にならない。O型で面倒くさがり屋という性格もあってスマホの撮影で充分だと思っていたが、スマホの弱点でもあるズームにしたらボヤボヤの写真しか撮れないので、遠くにいた寒立馬の写真もこのような小さな姿しか写真に残せなかった。。

 

 

遠くで放牧されていた寒立馬!② 動画

 

 

もう少しズームにして寒立馬を写してみたけど、スマホで撮影した解像度的には、これが限界だった。ここで待っていればいずれ一頭位人懐っこい寒立馬が寄ってきてくれる事を期待していたけど、彼らはひたすらに地面に生えている草を食べ続けているだけで、こちらに寄って来る気配が全くなかった。。

青森ンゴ
青森ンゴ

人参持って来てたら、寄ってきてくれたかも!

 

寒立馬が寄ってきてくれる事を楽しみに、寒い12月の下北半島で約30分ほど立ち続けたけど、結局寒立馬は全くこちらに寄って来なかったので、陽が暮れる前に帰路に着く事にした。とりあえず途中まで見る事すら出来ないかと諦めていた寒立馬の姿を、小さいながらも遠くから見る事が出来ただけでも充分だったと思う事にした。

そして帰りしなに先程も立ち寄ったトイレに再び立ち寄り、そしてその脇に造られていた展望台の上に登って、夕陽の時間帯の津軽海峡を眺める事にした。

 

ここからは津軽海峡を挟んだ反対側の北海道の大地が見えており、目には見えないけど『ブラキストン線』という動物分布のラインが敷かれているのである。この海峡を境に北部と南部で生息する種が違うという事は、生物がこの海峡を渡れなかったという事実を証明するのである。

 

そして尻屋崎から青森市内へと帰る途中に、道端の畑にこのような白い物体が沢山転がっている景色が見られた。これは「稲発酵粗飼料(稲WCS)」という、稲の穂と茎をまるごと刈り取ってロール状に成型し、それを白いフイルムで完全に密封ラップする事によって、その中で乳酸発酵して甘酸っぱい臭いのする牛の飼料になるだそうだ。

 

ちなみにこのマシュマロのような形には機械で自動的に行われるので、殆ど手間を掛けずに成形できるようだ。今までは刈り取った稲などをサイロに放り込んで発酵させていたが、今ではこのように小型サイロ化されたようにコンパクトになって、サイロに入れずにこのまま完成後に出荷できるという便利な時代になっているようだ。

ネプちゃん
ネプちゃん

こういう光景も都会では見れないだべ!

 

青森県2日目に下北半島を移動したルート

青森県2日目に下北半島を移動したルート

というような道中の景色も楽しみつつ、合計9時間に渡った下北半島巡りの1日。なお、帰り道は途中で「下北半島縦貫道路」という高速道路のような地域高規格道路を横浜吹越IC~~野辺地IC間まで無料で走れたので、行きに比べれば帰りの方が楽だったイメージがある。

 

ただこの「下北半島縦貫道路」は片側車線ではなく両車線のある道路なので、行きの時にも乗れたハズだ。恐らく車のナビが下北半島縦貫道路開通前のデータしかなかったので、そんな便利な無料の高速道路のような道を選択せずに、従来からの下道を走らせたのであろう。。

カーナビだと遠回りさせられる事が多いので、Googleマップの経路を活用した方が良さそう。。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

よければ下記ブログ村のボタンをポチッとお願いします!

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 旅行ブログ 国内旅行へ

↓↓↓↓東北旅行記:初回↓↓

雪一面の青森空港に降り立ち、東北地方横断の旅が始まる【東北旅行記①】
2020年12月1日に降り立った、雪一面の景色が広がる青森空港。その白い大地を踏みしめて、7泊8日に渡る東北地方の旅が始まりを告げるのであった。。
タイトルとURLをコピーしました