本州最北端の地「大間崎」で強風に吹かれてから、寒立馬を見に尻屋崎へ向かう【東北旅行記⑱】

東北旅行記2020年冬-⑱:青森編

 旅行期間:2020年12月1日~8日(7泊8日)
(After being blown by strong winds at “Oma-zaki,” the northernmost point of Honshu, head to Shiriyazaki to see the cold standing horses. [Tohoku Travelogue 18])

強風にはご注意ください!

ここは青森県の北端で、”本州最北端の地”になっている「大間崎」という場所。この本州最北端の地から北海道で最も近い場所までは約18km離れているが、北海道自体は遠くに見えている。

 

 

 

本州最北端の地:大間崎にて

「大間崎」という名前を聞くと、すぐに「マグロ」を連想する人が多い程にクロマグロの水揚げでも有名な大間の町。しかし、大間の町でも一時期マグロの水揚げがとても少なくなってしまった時期もあったらしいが、今ではマグロの水揚げ量も戻ってきて、相変わらずのマグロの町となっている。

 

こちらは大間崎から北側を見た景色で、手前には北海道との間を流れる津軽海峡があり、その奥にある灯台が見えている島はここから約600m離れた場所にある「弁天島」。この弁天島は青森県大間町の所属となっていて、その奥に薄っすらと見えているのが北海道である。

 

そしてこの大間崎には、こちらの「石川啄木歌碑」が設置してある。ここ大間では石川啄木が立ち寄った場所でもあり、ここから先程近くに見えていた弁天島に渡った時の事を想像して、制作した歌の内容が彫られた記念碑となっている。

 

大海にむかひて一人

 7~8日

  泣きなむとすと家を出でにき

  by  石川啄木

1人で思いっ切り泣きたい心境に陥った石川啄木。それが悲しかったからか、それとも寂しかったからか、或いは嬉しかったからかはこの文面からは読み取れないけど、泣きたい時には思いっ切り泣いて、もうこれ以上泣けない位に泣く方がいい。

 

東海の小島の磯の白砂に

 われ泣きぬれて

  蟹とたはむる

by  石川啄木

思い切って泣きたくて白砂の海岸に行き、思いっ切り泣いた後はその砂浜に居た蟹と戯れて和んだ石川啄木?!

 

大といふ字を百あまり

 砂に書き

  死ぬことをやめて帰り来れり

 by 石川啄木

『大きな人間になる』という少年時代の強い想いを、砂に「大」の字を沢山書いている内に、死にたいと思っている事がどうでもよく感じた石川啄木。人間なんていつの日か勝手に死んでしまう生き物なので、死に急ぐよりも生きている間にどれだけ楽しめるかを考える方が大事なのである。

 

そんな大間崎にあったこちらは、日本海軍特務艦:豊国丸という1945年7月の太平洋戦争末期に、この津軽海峡でアメリカ軍に攻撃されて乗員を乗せて沈んでいった艦の慰霊碑である。

 

海軍特務艦:豊国丸は乗組員147人のうち、その大半の135人が死亡している。その死傷者はアメリカ軍の戦闘機による機銃掃射で死んだり、艦と共に沈んでいった人も居たそうだ。この慰霊碑は約45年程前に設置されていたが、風の強い場所だけあって慰霊碑が風化して朽ちかけていたので、その補修費200万円をクラウドファンディングで募った。そして見事200万円を超える募金が集まり、2018年にこの今見られる慰霊碑に生まれ変わった。

 

そしてこちらには『みちのく慕情』という、1978年に歌:天童よしみ/作詞:瀧竜二/作曲:熊五郎で発売された、この大間崎をイメージして作られた歌の歌謡碑が立っていた。

 


 

 

『みちのく慕情』 歌:天童よしみ 【動画】

ネプちゃん
ネプちゃん

おおま~ざ~き~~♪


 

 

本州最北端の地:大間崎は、とにかく海原から吹き付ける風が強い場所。このような岬は強風が吹き付ける場所とは知っているけど、これだけ海上からの吹き付ける風が強いから風力発電機が海沿いに造られる訳だ。海には風の障害物が無いので、どこかにブチ当たるまでそのスピードを増して進んで行くのである。

 

 

本州最北端の地:大間崎の景観! 動画

 

 

という事で大間崎でこの地にやって来る観光客が必ずと言ってもいい程に記念写真を撮る、こちらの400kgオーバーのクロマグロのオブジェ前で記念撮影を行う。ただ旅の相棒である自撮り棒兼三脚は軽いので風に弱い為に、その三脚の足を一番短くして風で倒れないように配慮しながら自撮りを行う。

 

 

のんびりとした下北半島だけど、ここ大間崎だけは海上から吹き付ける強風に「早く、尻屋崎へ行け!」と言われているかのように感じた。ここにやって来る観光客の大半は”大間のマグロ”を食べるのを楽しみに来ているのだろうが、ここでマグロを食べたからと言って何かが違う訳でもなく、食べる側の気持ちの問題だけにしか変わりはないのだろう。

 

ここから約20kmほど向こう側に北海道が見えているけど、ブラキストン線でも示されているように陸上の生物からすれば、ここの海流が激しい津軽海峡を何千~何万年も乗り越える事が出来ていない。今では青函トンネルが造られているけど、昔から生物が渡る事が出来なかった海流。

 

いつもだったらこのようなお土産品を販売しているお店に入って、中の商品などをとりあえず見て回るのであるが、今回はまだこれから尻屋崎に行かないといけなかったし、今日の夜までにレンタカーを返却する必要もあったので、お土産屋さんの見学はしない事にした。

 

こちらの自動販売機のデザインはここ本州最北端の地:大間崎だけあって、それに適したデザインが施されているのが見える。しかも1台用のデザインではなくて、このように2台を並べて1つの作品と見えるデザインだった。そんな凝ったデザインの自動販売機ながら、販売されている飲料はどこでも手に入るドリンクばかりであったが。。

 

車に乗り込む前にトイレに向かうと、このように男性用の案内の札が大間らしくマグロのデザインとなっていて、なかなかにいいデザインだった。このようなちょっとした遊び心に和むひと時であった。

 

車を停めている駐車場の周囲には、このように営業しているのか、ちょっと外からは判りにくいように見えるお店が並んでいる。ただ観光地だからといって、地元で水揚げされた海産物が必ずしも提供されているという訳ではないお店も全国には多々あり、出来れば少々お値段が張っても地元で採れた海産物を提供するお店を選んだ方が、その地を味わったという雰囲気を感じれるかと。

 

このコロナ禍以前まではそれなりに観光客がやって来ていたから良かったけど、この2020年は観光客が激減した1年だったので、このようなお店も多くが廃業しているのだろう。更に2020年だけではなく2021年も新型コロナウイルスは猛威を振るい、そして2022年にも新しい強力な種が生まれて暴れ回っているが。

 

大間崎のあった場所から少し東側に行くと、このように漁船が並んで停泊しているのが見える。このような港町ではやっぱり海産物を食べて味わうのがいいのだろうけど、個人的には昼飯を抜いたりしても全然気にならずに、その昼飯を食べない時間で1箇所でも多く巡れるのであれば、食べずに巡る方を選んでしまうのである。

 

 

風間浦村の布海苔記念公園にて

そして大間崎を出発し、下北半島でも津軽海峡沿いに延びる「国道279号(はまなすライン)」を尻屋崎目指して進んで行った。するとその途中に風間浦村という”本州最北端の村”の海岸沿いに、ちょっとした公園を見つけてここでも立ち寄る事にしてみたのである。

 

 

ここはちょっとした公園のようになっているだけではなくて、このような記念碑っぽいプレートが埋め込まれている岩も見えたので寄り道したという訳。「布海苔記念公園」という名前が付けられているだけあって、布海苔(ふのり)に関係している公園のようだ。

 

こちらには説明板が設置されていて、明治初期に船が着く桟橋などが無かった為に護岸・防波堤建設工事に大きな石を投げ込んでの捨て石が用いられた。その捨て石から約1年が経過すると、その捨て石に布海苔が付着しているのが発見された。当時の風間浦村は大した特産品が無くて貧しかったのもあって、この捨て石による布海苔栽培の事業を全国に先駆けて行った場所とされているようだ。

 

布海苔は①波打ち際②水質が良い③寒暖の差があるなどの生育条件があり、それらを満たしたここ津軽海峡沿いで当初の目的とは意図していない形で布海苔が住み着く漁場を創ったのである。

 

そして奥の海岸に小さな岩の島のように見えているのは「草島」で、その上には一対の”夫婦松”とも呼ばれる松が生えている。この場所は太平洋から吹き付ける強風に見舞われる場所で雪も降る寒い所だが、そんな厳しい環境にも関わらずにここに根を生やして耐え忍ぶ姿に見える事から、地元住民は昔からこの草島を見て耐えて過ごしていたとか。。

ネプちゃん
ネプちゃん

本当に下北半島の人々は、我慢強いだべ!

 

この布海苔記念公園がある風間浦村の大半は、恐山山地を構成する山地となっている。またそんな場所の下風呂地区には「下風呂温泉郷」という、室町時代から湯治場として多くの人々の傷を癒してきた温泉もある。冬場の寒い時期にはそのような歴史ある温泉に浸かりたい所であるが、今日は下北半島をグル~~っとドライブして青森市内まで戻らないといけないので、ここも残念ながらパスするのであった。。

 

大間崎から右端の尻屋崎までは、約62kmの道のりで車移動でおよそ1時間半の距離。津軽海峡を横目に見ながらのドライブなので、天気のいい日には綺麗な海を見ながらドライブできるコースでもある。

 

そしてもう少しで尻屋崎という場所まで近づいてきた所に公衆トイレがあったので、ここでも少しだけ休憩する事にした。今日は合計9時間を超えるドライブをしたので、普段ドライブしない人間としては適度に休憩を挟む必要があったのだ。

 

こんな人里離れたような場所に思える所に設置されていた公衆トイレにしては、思ってた以上に綺麗なトイレだった。せっかくの津軽海峡を目の前にして、ドライブしているだけも勿体ないので、このように道中でちょこちょこ休憩を入れてしまうのであった。

 

今回の東北旅でも一番楽しみにしていたのが、こちらのこれから会いに行く寒立馬という下北半島で生息する青森県の天然記念物にも指定されている馬である。日本では古来から馬を活用して生活してきた人間だが、近年は農耕用機械が開発された事もあって、それまで農耕馬として使われていた馬の価値が消えてしまった。その為に日本では多くの馬が消えてしまったが、その中には歴史ある馬の血を残していこうという活動が行われて、このような寒立馬が保存・飼育されている。

 

そして大間崎を出発してから1時間30分ドライブして、目的の東通村の尻屋崎に到着した。暖かい時期にはこの奥にある岬先端の灯台付近まで車で入る事が出来て、名物の寒立馬も近くで見られるようだが、冬のシーズンは残念ながらこのように通行止めになっている。なお、この灯台への道が通行止めというのは事前に知っていたので特に問題なかったが、この周辺に居る寒立馬に会える可能性は何とも言えないとの事だったが。。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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