東北旅行記2020年冬-⑰:青森編
旅行期間:2020年12月1日~8日(7泊8日)
(From Hotokegahara, we reach Ohma, the northernmost town in Honshu and famous for its tuna! [Tohoku Travelogue 17])
本州最北端は風が強い!
2020年12月に訪れた東北旅で、まず降り立ったのがここ青森県。その青森県内でも下北半島という北東に出っ張った半島に来ていて、仏ヶ浦という大昔に火山から出たマグマが固まった岩が波などに削られて奇形な岩となった景勝地を訪れました。そして次は更に北にある大間崎を目指して車を進めると、展望台のような場所が見えたのでここでも少し立ち寄ってみる事に。
仏ヶ浦展望台にて
ここは先程訪れていた仏ヶ浦から、車でわずか数分の高台に造られていた「仏ヶ浦展望台」。冬場は観光遊覧船が運航していないのでグラウンドレベルでしか見学が出来なかった仏ヶ浦だが、ここの展望台は上からの景色が眺められるようだ。
住所:青森県下北郡佐井村長後長後
景色というのも1箇所から見るだけではなくて、見る角度を変えてみるとまた新しい景色が見られて、新たに発見できる事もある。それは景色に限らず、映画や読書なども1回だけではなくて、2~3回と見直すとそれぞれに新しい発見をする事が出来るのに似ている。
このように海岸線沿いは同じような形になっているが、仏ヶ浦の部分だけは白っぽい岩肌が見えている。奥まで同じような海岸線が続いているが、地形もよ~~く見ると人間と同じように色んな個性が集まって存在しているのが見て分かるのである。
上から見下ろす仏ヶ浦の景色! 動画
昨日は曇りの天気だったけど、今日はちょっと雲は多いが一応晴れと言えるような天気だった。観光で来ていると、やっぱり海や空が青く見えた方が気持ちよく感じる。綺麗な青色が素晴らしく感じてしまうのは、人間が何千万年と命を繋いできた本能の部分に、空と水の大切さをDNAに刷り込んできたからだろうと思う。
先程の仏ヶ浦から本州最北端の町がある大間崎までは、約38kmで車でも約1時間ほどの道のり。地図で見ている分にはもっと早く到着できそうだけど、実際にはそれなりに遠くで道もクネクネしているので、意外と下北半島周遊旅をするにも時間がかかった。
このように仏ヶ浦から大間崎までは一本道なので、ドライブとしてはそれほどシンドイ道ではないけど、意外と大きかった事が分かった下北半島だった。。
そして大間崎に向かう道も真っ直ぐではなくて、クネクネした道の連続だったので、途中で休憩出来そうな場所に車を停めて、その辺りの海岸線を少し眺める事にした。今回は下北半島を一番楽しみにしていたので、サッサと道路を走り抜けていくだけだと面白みがないので、津軽海峡の海の景色や波の音などを少し楽しんでみる。
奥には昨日の午後に訪れた津軽半島が見えているが、こちらの下北半島も同じ緯度にあるけど、こっち側には全然雪が見られない。同じような半島でもその立地によって、気候が変わるという地球ならではの複雑さが目の前に広がっているのだ。
なお、佐井村から大間崎へ向かう道沿いの途中には、このような小さな小屋が何箇所かに見られて、その中には道路側を見ている女性の姿が見られた。その辺りには民家などが建ち並んでいるエリアだったので、スピード違反をしている車を見張っているのかと思っていた。
しかし調べてみたら、この小屋はこの近くに建設中の大間原子力発電所を出入りする工事車両のマナーを監視している交通監視所だった。ただスピード超過していても法的拘束力はないけど、工事車両の番号を確認して、それを工事事業者に連絡するという事をしているようだ。
住民からすれば、工事車両の通行は迷惑だべ!
大間町に到着!
そして仏ヶ浦から車を走らせて約50分ほどで、『マグロ1本釣りの町』である大間町に到着する。ただ目的の大間崎というのは、この大間町の一番端の部分にあるので、大間の町に入ってからも少し奥まで走らないといけないのだが。。
そして予定通り仏ヶ浦から1時間走った末に、本州最先端の大間崎に到着します。ここでは大きな無料駐車場が用意されており、その駐車場脇には新鮮な海産物が食べれる小屋が並んでいますが、この2020年はコロナ禍の影響もあって閑古鳥が鳴いていたが。。
住所:青森県下北郡大間町大間大間平17-1
既にここ大間崎に到着した時点で13時を過ぎていて、先に屋台に寄って昼飯を食べるという選択肢もあったけど、例によって腹は減っても観光は出来るので、最優先の観光を先に行う事にする。そして下北半島でも最も先端の場所に進んで行くと、このような「大間崎レストハウス」という建物が見えてくる。
この辺りは風が強いから、帽子は被らん方がいいべさ!
その大間崎レストハウスの下には案内板が設置されていて、さっきもドコかでチラっと見た『下北かるた巡り』の文字も見える。なお、本州最北端の地のすぐ先600mの所に「弁天島」という小さな島があって、そこに灯台が建設されているという。
その他の案内板には、この大間崎に来た著名人などの説明もあったので、少し内容を確認してみる。この中でも有名なのは石川啄木と伊能忠敬であろう。石川啄木は大間町に滞在した時に、目の前に浮かぶ弁天島に渡った時の様子をイメージした歌が作られており、大間崎にはその歌の内容が彫られている石川啄木歌碑が設置されているようだ。
この大間崎の目の前にある弁天島には、約2万羽を超えるカモメ科の鳥の大繁殖地になっているようだ。というのも弁天島周辺の海流には魚が多く生息しているので、豊富なエサ場となっているからだ。またこの弁天島は津軽海峡を境にしたブラキストン線が当てはまらない場所となっているようで、南方と北方の生物が見られるという。という事は北海道からこの弁天島までは、海を渡って来れるという事だろうか。
こちらはその「ブラキストン線」と呼ばれる津軽海峡の動物分布境界線を提唱した、イギリスの動物学者「トーマス・ブラキストン(Thomas Blakiston)」の説明がある。小さい頃から鳥類に興味を持っていたブラキストンは、木材貿易をする為に北海道にやって来た。そして貿易商をしつつ、小さい頃からの趣味でもあった鳥類の調査研究も行った。
このトーマス・ブラキストンは20年以上に渡って函館で暮らしており、函館山の頂上にはこちらのレリーフが設置されている。なお、このレリーフは2019年3月に函館を訪れた際に写真を撮ってブログにもアップしていたけど、全然記憶に残っていなかった。。
3年前は今みたいに歴史に興味なかったので・・・
トーマス・ブラキストンが提唱した動物分布境界線(ブラキストン線)は、このように青森県と北海道の間にある津軽海峡で見事に分かれている。このようにクマやイタチやキツネなど、本州でも北海道でも見れる同じ動物に思えてしまうけど、動物学的には違う種に分別される。
この大間町ではマグロが全国的に有名になっているけど、それ以外にアワビは江戸時代に中国への輸出品として重宝されていたようだ。アワビは日本以上に中国では大人気で、中国に行くと干しアワビがとても高価な品になっている。江戸時代に金や銀などの海外流出を防ぐ為に、その代替え品としてアワビが選ばれたという。
本州最北端の地:大間崎にて
さてそんな大間崎について少々お勉強をした後は、満を持して岬の先端に向かう。するとこのように本州最北端の地:大間崎にはあちこちにオブジェが設置されていて、観光客が写真撮影を楽しめるポイントにもなっている。
この下北半島はその一部が『下北半島国定公園』に指定されていて、この大間崎も国定公園になっている。国定公園というと緑が溢れる場所のようなイメージを思い浮かべてしまうけど、海が目の前にある海岸線なども国定公園に指定されている事が多い。
そしてこの大間の町がマグロの一本釣りでも有名なので、このような大きなクロマグロとそれを釣り上げる握りこぶしのモニュメントが設置されている。この大間町では近海1~3kmの場所で獲れるマグロが多く水揚げされる事もあって、全国的にも高値に取引されるマグロになっているようだ。
この大間町で水揚げされるクロマグロは平均100kg前後が多いが、こちらのオブジェとなっているクロマグロは1994年に獲れた440kgという超大物のクロマグロを参考にした実物大の大きさとなっている。ちなみに世界では過去に600kgを超える超々大物も捕獲された事があるという。
マグロの一本釣りは昔から行われている漁法だが、昔はマグロの鮮度を保つ事が出来なかった為に、今みたいに高級魚の扱いではなく、猫も食べない魚として庶民にも敬遠される程に下魚という不遇の時代を経てきた魚でもある。しかし、今では冷凍技術が大きく発達し、鮮度抜群のマグロを保存できるようになった為に、年初のセリでは1匹1億円以上の値段が付くまでに出世している。
「マグロは止まったら死ぬ」とよく聞くけど、眠っている時にも泳ぎ続けている魚。しかし一般人からすればマグロを見る機会は水揚げされた後に横たわって動かない姿ばかりなので、その姿を揶揄して動かない人間を「マグロ」と表現する事がある。
このような本州最北端の地とかだと、記念写真を撮る時にその証明というか、記念になるような記念碑がそこに設置されているだけで訪れる観光客の満足度が大きく変化する。だから、このような記念碑が設置されているかどうかで、この場所の価値が変わってくるのかもしれない。
こちらには本土最南端となっている「佐多岬」や、四国最南端となっている「足摺岬」などが記載されている地図が足元にあった。
※この地図は離島を含まない本土としての表示
この鹿児島の大隅半島の南端にある「佐多岬」は、2019年10月にトルコで知り合った”かごんま”の西郷どんに連れて行ってもらった場所。とにかく風が強かった思い出が印象的に残っている。また四国最南端の「足摺岬」は2021年3月に訪れたが、まだその高知県旅行記には全然着手出来ていない・・・。
そして本州最南端となっているのは、和歌山県の潮岬。大阪に住んでいると和歌山県はすぐ隣の県だからよく行っているのかと思うかもしれないが、大阪人は意外と和歌山には行かないというケンミンショー的なアルアル話。
続いて本州最東端は、岩手県にある「魹ヶ崎(とどがさき)」。ただこの魹ヶ崎の本州最東端記念碑が建てられている海岸線までは、最寄りの駐車場から4kmほど離れており、徒歩で約1時間以上掛けて歩かないと辿り着けない場所になっているようだ。そう思うと近くまで車で来れる大間崎は、楽に到達できる最北端の地であると言えるだろう。
このように下北半島は斧(マサカリ)のような形をしており、その中でもこの大間崎がある左上が最も北海道に近い場所ともなっている。なお、この大間崎から北海道の函館の東側にある汐首岬までは、本州~北海道までの最短距離約17.5kmとなっている。
次は日本最東端である北海道の「納沙布岬」。根室市の端っこになる納沙布岬より東には、ロシアとの領土問題になっている北方領土がある。一時は日本に北方領土を返還する旨の発言をプーチン大統領がしていた事もあったけど、未だに北方領土は返還されていないのであるが。。
こちらは同じく北海道の日本最北端になる「宗谷岬」。一般人が辿り着ける日本で最も北の場所となっているが、さすがにここもとても風が強いようだ。また行けるとしても冬は避けて訪問する必要もあるが。。
こんな旅はまた次回に続きます!
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