九州縦断旅:鹿児島編
旅行期間:2020年8月中旬~下旬
楽勝ではない開聞岳登山
ここは鹿児島県薩摩半島の南側に位置する、”日本百名山”にも選ばれている開聞岳の登山道3合目地点。今までの人生でそれなりの山の道を登った記憶が無いにも関わらず、無謀にも思える真夏の登山。最初は楽勝に思える道だったのですが、ちょっと進んだ3合目から登山道が牙を剥いて襲い掛かってきた感じで、早速汗は噴き出して肩で呼吸し出していた頃。
開聞岳登山道の登り道にて
さっきの3合目という案内板が示す通り、まだこの標高924mの開聞岳では標高300m程の地点。登山道入り口が2合目となっていたので、登り始めて実質まだ標高にして約100m程しか登っていない。しかし普段は歩かないこのような山道で17分も歩くと、意外と疲れる。
この開聞岳登山道は一応登山客がそれなりに通る道だからか、登るべき道という感じが何も表示が無くても理解できる一本道。ただこのように道には大小に異なる大きさの石ころが落ちており、油断すると足が滑ってしまいそうな感じだった。
案の定、帰り道では何回もこのような地面で滑ってしまいました・・・
下りの際はスピードが出るから、余計にこういった道で滑りやすくなるタケ!
開聞岳って遠くから見ているとあまり気にならないけど、下の方は結構このように木々が高く茂っているので、全然周囲の景色が見えない。ひたすらに先の全く見えない登山道と、無数に生える植物が目の前に立ちはだかる光景だけである。
真夏の登山だけあって道中は結構虫に遭遇する。このような種類は分からないけど蝶々などは別に警戒しなくてもいいけど、場所によっては蜂なども飛んでいるので注意しないといけない。なお登山では虫刺され予防などで薄手長袖の服や長ズボンを履いた方がいいみたいだけど、そんな観光時には不向きの服は持って来ていなかったので、当然の如くこれまでの半袖シャツとハーフパンツというスタイルだった。
この辺りからは岩がゴツゴツとした道が続いて、昔は川底だったような雰囲気を出している道だった。そしてこの辺りから段々と疲れが出てきてスピードが落ち、もう既に汗だく状態。そしてちょっと足を止めて汗を拭いたりお茶を飲んだりしようとすると、「ブ~~ン~~ブ~~ン~~!」という音を立てて付き纏ってくる虫に悩まされる。。
「ひょっとしたら蜂かもしれない」と思って、ゆっくりできませんでした・・・
普段は山道を歩かないので、こういった小さな渓谷のような道に木が横たわっている景色を見ると、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画『プレデター』のワンシーンを思い出してしまう。こういう道を這いずり回って逃げるシュワちゃんのシーンが頭をよぎる。1987年に公開された異星人が襲ってくるアクション映画であるが、テレビで再放送される度に毎回食いついて見てしまうのである。。
この開聞岳登山は日本百名山に名を連ねているだけあって、登山客の為に多少は登山道が整備されている感じだった。このようにルートじゃない所にはロープが張ってある場所があったりと。ただこの先月(2020年7月)に九州地方で豪雨が降った影響で、この開聞岳登山道もそれなりに土砂崩れがあったから、このようにロープを張っていたのかもしれない。
そんな登山道を進んで行くと、このようにちょっとアスレチック感が出てきて、手を使わずには進めそうにない場所がチラホラと出てくる。大きな岩をよじ登って、木々が交錯している下を進んだりと、まさしく”登山している実感”を感じられる登山である。
ただアクションゲームみたいにこのような岩が動いて、そこをジャンプしたりする訳ではないので、そういった意味ではまだこの登山は楽に感じれる。しかし1人で登っていると、シンドくて途中からあまり足が進まなくなる。
それと今回持って行った水分は、この「お~~いお茶1リットル」2本。水ではなくお茶にしたかったからではなくて、このペットボトルの形状で選んだ商品だった。このお茶は細長い立方体のような形だったので、ショルダーバックに上手い事並べて入れる事が出来た。これが2リットル容量のペットボトルだとカバンに入らないし、丸い円形の1リットルペットボトルでもカバンに入らなかった。
そして早くも汗だく状態となっていたのでこまめに水分補給をしたけど、まだ先が見えない登山なので当面は一口ずつ口に含むぐらいの量で我慢しながら進む事にする。
おいどんは豪快に一気飲みばい!
常にブ~~ン~~ブ~~ン~~と音を立てて寄ってくる虫は追いかけて来ていたけど、それと蝶々以外はあまり虫を登山道では見かけなかった。もっとムカデだらけとかの道も想像していたけど、獣道だったのかあまり昆虫を踏みそうになる事も無かった。
登山道4合目に到着!
そして3合目を発ってから15分掛かって4合目に到着する。この写真だけを見ているとこの登山のシンドサが伝わらないけど、普段は坂道を延々登るという事をしていないので、この時点で結構お疲れ。ちょうどこんな場所にもベンチをわざわざ用意してくれていたので、少々休憩をしてみる。
こんな山の中でもちゃんと1合毎にこのような道標が建てられているのに、少々感動する。勿論日本全国の山でどこでもこのように道標が1合ずつ建てられている訳ではないけど、この開聞岳は日本百名山にも数えられているだけに設置されていたのかもしれない。
そしてここに設置されていた木のベンチ、下を見ると寄贈者の名前が張られていた。このベンチの寄贈者は鹿児島市の有馬光雄さんからの物。そしてここのベンチだけではなく、まだこの上にも何個か設置されているベンチなどもこの有馬光雄さんからの贈り物であった。
こんな有難い気持ちにも感謝感謝である!
こちらは身に付けていた今日の装備品。帽子は南米旅行で訪れたペルーで購入したお気に入りの帽子。それにサングラスと、黒のアシックスのショルダーバッグ。なおこのカバンはアシックスに勤める弟がウチの親父にプレゼントしたもので、去年(2019年)オヤジが亡くなった後にボクが頂戴したもの。このように大きくないカバンだったので、さっきのお~~いお茶の短く四角い形がちょうど2本納まるジャスト・サイズだったのである。
4合目に用意されていたベンチに座ってジ~~ッとしていると、またさっきから追い回してくる「ブ~~ン~~ブ~~ン~~!」と音を立てながら付き纏う虫が近くを飛んでいたので、たまらず立ち上がって足踏みをしたりして虫を追い払う。そんな虫が居たので休憩もそこそこに出発して進んで行くと、このように石が敷き詰められていて階段状になっている箇所に差し掛かる。
4合目からの登り道 動画
4合目地点から進みだしたけど、さっきから「ブ~~ン~~ブ~~ン~~!」と音を立てながら虫がまだ付き纏ってくる。持っていたタオルを扇風機みたいに振り回しながら進んでいると、ここでやっと1人目の登山者とすれ違う。しかしその人はトレイルランナーばりにこんな不安定な山道を駆け下りてきて「こんにちわ~~」という言葉と共に、すぐに見えなくなってしまった。。
ただ開聞岳登山道で初めて人と出会えたので、少し勇気が湧いてきました!
そしてさっきは階段のように整備されている道だったけど、あんな風にキチンと整備されている部分は殆どない。他はこのように「ドコに手を乗せて、ドコに足を乗せて登ろうかな?!」と思うような道ばかり。だからさっきの階段のように石が敷き詰められてた部分は、なんでアソコだけ中途半端に階段を造ったのかがよく理解できなかった。
もしかしたら階段をそれなりに造ろうとしたけど、あまりに大変過ぎて途中で挫折した部分だったのかもしれない・・・
しかし山も人間に開拓されてしまって禿げ頭のようになっている山もあるけど、さすが国立公園にも指定されている開聞岳はこのように周辺は緑だらけ。だけど逆にこのように背の高い木々などが茂っている為に、開聞岳周囲の景観がこの辺りでは全然見えない。なので同じような道をひたすら汗だくになって、そろそろパンパンになってきた足を無理進めていくのであった。
そうやって進んでいると、2人目の下山者と遭遇する。さっきの1人目の人は下山スピードが速すぎてちゃんと写真を写せなかったので、それを反省してしっかり2人目の下山者の写真を撮る事に成功する。さっきの1人目の人はランナーのように身軽な恰好で颯爽と駆け下りていったけど、こちらの人は40歳前後の男性のようで、お疲れという感じで下山途中であった。やっぱり雑草などが生い茂っている場所も通るので、この人みたいに長ズボンの方が良かったのかもしれない。
そんな事を考えながら進んで行くと、またこの辺りから石を敷き詰めた階段が再び現れる。誰がいつの時代に造った階段かは分からないけども、こんな山でこれだけの階段を造るのもかなりの労力が掛かりそうだと思うので、何気に凄いと思う道である。
基本的には人が住んでいない山なので、猪とか狸などを見かけるかと思ったけど、動物類は全然見かける事が出来なかった。なおこの2020年10月に神戸の新神戸駅裏側にある布引山に登って、その頂上付近にある滝山城跡まで行った際に「開聞岳でも猪がいなかったから、ここでもいないだろう!」と余裕ぶって進んでいたら、後ろの方でゴソゴソと大きな音が聞こえたので振り向いてみた。すると遠くの方でウリ坊(子供の猪)が後ろ向いて逃げていく姿を見て、こっちはこっちで油断していただけに腰を抜かしそうな感じで驚いてしまったのを思い出す。
山は人間だけしかいない訳ではなく、動植物にとっての山タケ!
この登山した日は20202年8月22日でちょうど真夏の暑い時期。その暑さには警戒していたけど、幸い開聞岳登山途中はこのような背の高い木々が生えていたお蔭で、あまり熱い直射日光には当たらずに済んだ。その為に想像よりは比較的涼しかった登山道。
この2020年8月の約1ヵ月前にはこの九州地方で、特に熊本県を中心とするエリアで豪雨が降った為に土砂崩れなどが多発して多くの場所で被害を受けていた。この辺りもそれなりに雨が降ったのか、このように木の根っこが思いっ切り露出している部分も見られた。
この夏場に1日往復約20km、炎天下の日中に歩いて肉体と精神を鍛えていた。なのでこれぐらいの標高の山であれば、休憩なしで登れると思っていたけど現実は甘くなかった。平坦な道と延々と続く山道では足に負担のかかる場所が違い、山道を登る際に使う筋肉の場所はあまり鍛えられていなかったので、早々と悲鳴が聞こえていた頃合い・・・。
そしてまたベンチを見つけたら座って休みたいと思っていたら、またここでも鹿児島市の有馬光雄さんが寄贈してくれたベンチを発見する。ただ登山道からちょっと離れた場所にあって、しかも周囲に雑草などが生い茂っていたので、また 「ブ~~ン~~ブ~~ン~~!」と音を立てて寄ってくる虫に悩まされそうだったので、このベンチは泣く泣く諦めて更に進む事にした。
開聞岳登山道の5合目に到着!
するとこのベンチの先に展望台のようなデッキが見えてきた。こちらは「開聞岳登山道5合目」で、開聞岳登山道の中間地点になる場所。
ここが5合目で残りは約2.0km。最初の2合目の道標では残り3.5kmだったので、この5合目までの間で1.5km進んだ計算になる。そしてその山道を1.5km進むのに、約50分掛かっている。そしてこの頃には全身汗だくとなっていて頻繁にお茶を飲んでいたけど、このペースで行けばまだまだ先は長いので、お茶の飲む量をより少なく飲んで、何とかお茶を節約する事にした。
そしてこの5合目ポイントは今まで開聞岳登山道を登ってきて全然周囲の景観が見えない場所ばかりだったけど、ここに来てやっと遠くの景色を見る事が出来る場所だった。なおこちらは開聞岳の東側方面の景観で、写真中央に薄っすらと見えている岬は「長崎鼻」という薩摩半島最南端の場所である。この長崎鼻には後程この開聞岳登山を終了してから、歩きで行く事になる場所でもある。
この開聞岳から長崎鼻までは、歩いて約1時間40分程掛かりました・・・
ここの登山客で長崎鼻まで歩く人は、なかなか見ないタケ!
そしてこの五合目のポイントは、こちらにもあるように「救助第4ポイント」ともなっている。場合によってはヘリコプターでの救助もあり得るので、なのでこのように景観が見える場所というよりは、ヘリコプターの救助用に木などを少し切り開いた場所になっていたのかもしれない。
こちらは開聞岳真東側の景色だけど、ボンヤリとした景色でいまいちハッキリと見えない。まあ今日は開聞岳頂上からの景観を楽しみに来た訳ではなくて、あくまでも開聞岳登山を楽しみに来たので、これら曇った景色はまだ我慢できるものであった。
五合目展望台からの景色 動画
さて5合目からの景色を見てスッキリとした気分になった後は、再び山道に足を進める。この開聞岳登山道もあと半分の場所だったけど、残り半分の道も当然シンドイ道が待ち受けているのである。
こんな旅はまた次回に続きます!
よければ下記ブログ村のボタンをポチッとお願いします!
↓↓↓↓九州縦断旅行記:初回↓↓