島根県旅行記2021年11月-31
旅行期間:2021年11月上旬(2泊3日旅)
静かに立ち続ける!
島根県で石見銀山を見学した後に立ち寄った「温泉津」に来たのは、北前船の寄港地だったり温泉街だったりした町並みが見たかったというよりも、温泉津にある「登り窯」という独特の窯を見たかったからである。
住所:島根県大田市温泉津町温泉津イ22
温泉津の「登り窯」を見学!
この温泉津では江戸時代には「温泉津焼き」の焼き物が有名でもあった場所で、全国的にも最大級の登り窯が設置されていたという。10段にもなる窯が20~30mに渡って続いている光景は、なかなかお目に掛かれるものではない。
ただし、社会が近代化に進む毎にこのような焼き物はプラスチック製品などに置き換わっていき、次第に温泉津焼きも窯元がどんどん廃業していった。その為に今目の前に見られる登り窯は、近年に復元された物となっている。
昭和前半時代に最盛期を迎えた際には10軒を超える窯元が存在していたが、今では温泉津焼きの技術を保存する活動をする3軒の窯元がその伝統技術を守り通しているようだ。
ここには2つの登り窯が復元されており、このように瓦の屋根が何段にも並んで設置されている光景はなかなか見た事がないだけに、違和感しか感じない光景でもある。
ただ窯は土を練って土器の形に整えてから、薪を焚いて高温にする事で土器が固まっていく。薪を焚いて高温にする際に、このように段々に登っている窯だと、その熱を上手く活用できるので、このような斜面にわざわざ登り窯が設置されていたようだ。
川に何個もダムが造られているように、この登り窯も薪を焚いて起こした熱を有効活用しているのである。有限な資源の薪を無駄に大量に使わずに、有効活用していたエコな焼き物でもあったようだ。
江戸時代には日本全国のそれぞれの場所で独自の焼き物技術が発展していったが、近年はプラスチックやガラス製品が主流となってしまい、また焼き物は手間暇が掛かって高値になる事もあって近年では流通量が増えていない。
しかし伝統技術として数百年も培われてきた歴史ある技術で芸術でもある焼き物を、守ろうという人達が今は窯元を運営している。時代の流れというものに身を任せて過去の技術を全て捨てていくのか、それともこのような長い年月を掛けて築き上げてきた技術と共に生きていくのか?
日本人は新しえ物好きな人種だけんな!
登り窯を眺める! 動画
登り窯の窯内には、このように沢山の甕が入っている光景が見られる。ただこの登り窯は実際に使われていた訳ではなく、観光用に復元した物なので、これはあくまでも飾りの一部となっていたのであるが。。
普段窯を見ない人間からすれば、密集して並んでいる住宅地みたいに見える、登り窯の屋根。温泉津というと”温泉街”というイメージが強い人からすれば、こういった場所を見逃してしまいそうな場所ともなっている。
昔は薪を焚いて火を熾して、色んな事をしていたけど、今ではまず薪自体を触った事のない人も増えている事だろう。昔はおばあちゃんの家に行ったら五右衛門風呂があって、そこで薪を焚いてお湯を沸かせてくれていた光景を思い出すのだが。
日御碕に向かう!
温泉津で温泉街と登り窯を見た後は、車に乗って出雲市内に戻ってくる。そしてそのままホテルに戻るのではなく、出雲市内の北側で日本海に面した「日御碕」に向かう事にした。この日御碕には灯台があって、夕陽と共に灯台の景色を写真に撮りたかったのであるが、温泉津でゆっくりし過ぎた為に灯台に到着する前に夕陽が落ちてしまったのだ。。
温泉津からは車で約1時間ほど掛かった日御碕。意外とこの岬周辺の道が真っ直ぐではなく、左右に蛇行した道となっていたので、想定していた以上に時間を要したのであった。。
とりあえず夕陽の写真だけ撮りたかったので、こちらの「日御碕ドライブイン」さんの駐車場に車を停めて夕陽の写真だけを撮影した。なお、ここで海が目の前にあるだけに海鮮丼など美味しそうに見えたけど、今晩も出雲そばと決めていたので、こちらで晩御飯を食べずにまたハンドルを握る事になるのであった。。
日御碕灯台に到着!
そして17時過ぎに、やっと「日御碕」に造られている灯台近くの駐車場に到着する。
住所:出雲市大社町日御碕1478
営業時間:※入場は終了20分前まで
①【3月~9月】
土日祝 9時~17時
平 日 9時~16時30分
②【10月~2月】
9時~16時30分
電話番号:0853-54-5341
参観寄付金(入場料):中学生以上300円/小学生以下無料
この「出雲日御碕灯台」は全国的にも数少ない、内部の展望台に入れる灯台となっている。しかし、営業時間は16時30分までで最終入場時刻はその20分前までだったので、17時に着いた時点で灯台内に入れないのが確定してしまっていた・・・。
アンタ、計画性、無さ過ぎやで・・・
温泉津から車を飛ばせば30分ほどで到着できるかと思っていたけど、さすがに下道を普通に走るとそんな簡単に辿り着ける訳はなかった。石見銀山の見学を終えた時に、「温泉津」とこの「出雲日御碕灯台の展望台」に入る事を自分の中で天秤に掛けた訳だが、「温泉津」を選んでしまったのである。。
夕暮れ時になっていて灯台の展望台には入れなかったものの、まだ日本海側で黄昏時が見られると思って、オカンを置いて駐車場から海沿いの景色が見える場所まで1人走って向かった。
そんな日御碕の先端付近にあったのが、こちらの「出雲松島」と呼ばれる、宮城県の有名な景勝地の”出雲Ver”の場所だった。ここには20個程の大小の島があって、中には松が生えている島もあって、「出雲松島」と呼ばれているそうだ。
ただ松島はあくまでも”宮城県の松島”であるから素晴らしい景色な訳で、ここ「出雲松島」は所詮ちょっと毛の生えたような景観地もどきだった。ただ昔の人達は今みたいに簡単に国内を旅できた訳では無かったので、このような場所で噂でよく耳にした景観地を思い浮かべていたのだろう。
「出雲松島」を眺める! 動画
今の日本国内に立っている灯台の中で、その内部に入って見学が出来るのは16個だけ。個人的にその中では、宮崎県にある「都井岬燈台」にだけ入った事がある。ちなみにこの「出雲日御碕灯台」は、”灯塔が日本イチ高い灯台”でもあるのだ。
灯台の建物の高さが日本イチという訳だがね!
日本で一番灯台の建物が高い灯台を目の前にすると、その灯台内入れなかった事を悔やむ気持ちが湧いてくる。しかし、それと共にもう少し灯台内の見学時間を長めにしてくれていたら、「もっと人気の観光名所になる可能性があるのに・・・」とも思ってしまう。
日本海の黄昏時を眺める! 動画
このように17時を過ぎた位に、遠くの海の向こうに沈んだ太陽の光が残るかのように、綺麗な黄昏時を迎えた景色が待ち受けている。これを日本イチ高い灯台の展望台から見れるようにすれば、もっと観光客が喜ぶのだろうが、このような灯台は自治体が管理している訳ではなく、海上保安庁が管理している建物なので、そう簡単に夜間の営業などは難しいのだろう。
灯台の建物はよく見かけるけど、なかなかその建物内に入れる機会が少ない。しかもここ出雲日御碕灯台は日本イチの高さの灯台なので、これから訪れようと思っている人は、16時頃までには現地に到着して是非内部に入場すべきだろう。
そしてこの時間では泣いても転んでも灯台内には入れないので、代わりにその灯台の前で駄々をこねるように記念撮影を楽しむ事にした。人生で初めて訪れた島根県という事と、それと共に楽しみにしていた出雲そばを満喫出来て、珍しく楽しそうな表情を見せるオカン。。
ヤッポ~~♪
「アソコに登りたかったな・・・」と、まだグチグチと小言を言う息子。。
入られへんもんは、しゃ~ないんや!(怒)
この日御碕は鳥取県&島根県&岡山県の3県に跨る、『大山隠岐国立公園』の一部ともなっている。元々は1936年に『大山国立公園』として認定され、その後1963年になって島根県のこの日御碕なども追加となって、名称が『大山隠岐国立公園』と変わったようだ。
日本国内には大小含めて3000を超える数の灯台が建てられているが、その国内に存在する灯台の建物の高さとして“地上から建物の頂部まで43.65m”が日本イチとなっている「出雲日御碕灯台」。出雲というと出雲大社がとても有名過ぎるけど、この「出雲日御碕灯台」は隠れた穴場観光地となっている。
そんな出雲日御碕灯台近くに造られている駐車場に設置されていた公衆電話ボックスは、この通り、「出雲日御碕灯台」の形をして造られていた。
今どきは公衆電話なんて、使~しがおらんよ!
出雲日御碕灯台の展望台に入れなかった代わりに、日本海上に残る黄昏時の景色を気の済むまで眺めていたが、オカンはこのようにレンタカーの助手席に早々と滑りこんだままで、
早く、ホテル帰ろうや!
という顔をしていたのであった。。
こんな旅はまた次回に続きます!
よければ下記ブログ村のボタンをポチッとお願いします!
↓↓↓↓島根県旅行記:初回↓↓