鎌倉の長谷寺で、弘法大師が籠ったとされる洞窟「弁天窟」を探索【神奈川旅行記⑪】

神奈川旅行記2020年秋-⑪

 旅行期間:2020年11月24日~27日(3泊4日)
(Exploring the Benten Cave, a cave where Kobo-Daishi is said to have holed up, at Hase Temple in Kamakura [Kanagawa Travelogue 11])

弁財天が溢れる弁天窟

ここは鎌倉にある、”アジサイ寺”としても有名な長谷寺。一通り境内を見て回ったけど、境内の隅っこに洞窟があってパワースポットとしても人気だという噂を聞いたので、その洞窟も探検してみる事にした。

 

 

 

長谷寺の「弁天窟」にて

その洞窟は「弁天窟」と名前が付けられていて、名前の通りに弁財天が祀られている洞窟であるが、その昔にはあの弘法大師もこの洞窟に籠ったとかいう伝承も残っているんだとか。

 

この「弁天窟」内に入ってみると、このように昔の洞窟のまんまという感じではなく、綺麗に管理されている内壁などが見えてくる。そして綺麗にライトアップもされていたりと、せっかくの洞窟なのに探検心が湧いてこない雰囲気の洞窟だったが。。

 

洞窟は昔から人類が雨を凌ぐ場所として生活していた場所でもあり、宗教が出来上がってからはその信仰心を鍛錬する場所としても利用されていた。僧侶などは修行する際に人里離れた僻地を好んで修行の場として選び、洞窟内に籠って己の欲望と闘い続けていたのだろう。

ブッダ君
ブッダ君

「真の敵は、己の中にあり!」じゃ!

 

洞窟内の壁にはこのように弁財天などの神様が、沢山彫られているのが見える。このような壁を彫って彫刻作品を制作する際には失敗できないので、昔の人達の技術力には毎回感心してしまう。

 

特にヨルダンのペトラ遺跡では壁を大きく削って宮殿のような建物を造られているのだが、人類の創造力とその根気に驚いた記憶がある。

 

ただこの辺りの壁にあった彫刻品は、1967年頃に寄進されたものらしく、そんな昔に作られた品ではなさそうだ。昔のような彫刻にも見えるけど、ここに仲間入りしたのはそこまで古くないという。

 

なお弁財天には「十五童子」と呼ばれる、取り巻きのような存在も居たようだ。こちらの像は「稲籾童子(とうちゅうどうし)という、収穫した稲を担いだ格好になっているので、見た目通りに五穀豊穣の神様となっているようだ。

 

その他にも弁財天を取り巻くように、その左右に童士像が設置されている。それには釈迦如来薬師如来摩利支天など、聞き覚えのある名前の神様も見受けられる。

 

洞窟内にはこのような水溜りがあったけど、こういった場所には世界共通にコインが投げ入れられている。なぜ人類はこのような水溜りにコインを投げ入れたくなるのかは分からないけど、恐らくは宗教上のまじない行為か、それか誰かの真似をしていたのが習慣化されたからかも。

 

弁財天という神様はインドの古代宗教から派生した神様で、仏教国の日本では色んな形で解釈されている神様として君臨している。特に日本国内では”宇賀神”としても崇拝されており、日本独自の進化をしている神様ともなっている。

 

 

この弁財天は女性という設定になっている。キリスト教でも一神教の割に聖母マリアが崇拝されているけど、やっぱり人類は母性本能が脳内にインプットされているので、一緒に神様として崇拝される事が多いのだろう。

 

そんな洞窟はまだ奥まで道が続いているようだ。「頭上注意!」とあるように、ここからは頭を下げて屈んで進む必要があるので、ちょっと冒険心が出て来そうな雰囲気を匂わしている。

 

ただこのような洞窟も観光客が多い寺の境内にあるので、観光地が見学しやすいように足元はコンクリート舗装されていて、壁にはちゃんと照明も用意されている。本来であれば足元に石がゴロゴロしていたりした方が洞窟っぽい雰囲気がしていいのだが、日本という国はそういう雰囲気を壊してまでも観光客の快適さを追求している場所が多いように思う。

 

そんな奥へと通じる通路の脇にも、このように所々に色んな像が置かれているのが見えている。ただ仏陀が創った仏教の基本考えでは偶像崇拝は禁止だったのに、仏教信者はこのような像を作る事には抵抗感は感じなかったのだろうか?

ブッダ君
ブッダ君

仏教と言っても、ワシは担がれただけじゃよ!

 

このような通路を進んでいると、先日沖縄で訪れた日本海軍地下基地の通路を歩いているような感じにも思えてきた。ひょっとしたら戦争中は空爆を恐れて、このような洞窟に避難していた人達も多くいたのかもしれない。

 

 

洞窟を一番奥まで進んで行くと、このような場所に辿り着く。どうやらこの奥に弁財天の像が飾られているようで、洞窟の一番奥という事で神様を祀っているのだろう。

 

その脇にはこのように小さな弁財天のクッキーのような、小さな像が沢山見える。琵琶を演奏している弁財天は”音楽の神様”としても祀られているようで、その特徴を捉えた小さな像となっている。

 

反対側を見ると、このように「奉納弁財天」として1体300円で販売されているのが見える。勿論このような小さい像はコストがかかって製造されているから費用が掛かるのは分かるけど、寺や神社は色んなアイデアを出して浄財を稼ぐのに必死な様子にも見えるような。。

 

これだけ50体以上が並ぶ弁財天の小さな像を見ると、御利益がありそうな雰囲気は全く感じなくて、無機質なお土産コーナーにしか思えない。所詮宗教などと言いながら、神様の為にではなく、自分が生きる為に神様の存在を利用している人も多いので、こういった場面を見ると虚しい気持ちになってしまうような。。

鎌大仏君
鎌大仏君

みんなが稼いでくれるから、オレみたいな像が生まれるのよ!

 

そんな1体300円の小さな弁財天像は、奥の部屋に沢山並べられているのが見える。一体300円という事は、この部屋で100体程は置かれていたので、30,000円以上の販売がされていたのは確実だろう。寺とはいいながらも管理費用はバカにはならないが、坊さんが美味しい物を食べたり、女性が接客を目的とするお店で散財せずに、寺の管理費用として使われている事を願うしかないだろう。。

 

洞窟の一番奥にあった弁財天の脇には、まだ綺麗な花が飾られていた。このような花も毎日交換するとなればそれなりに費用が掛かるけど、ミナミのラウンジで働いていた店では寺の住職が沢山遊びに来ていた姿を見ていたので、所詮現代の坊さんも人の子だという認識を持ってしまったのだが。。

 

コロナ禍によって、多くの像にこのようなマスクが付けられていた光景をよく目にした。いずれコロナウイルスが一般化される時代に来たら、コロナ禍の出来事も懐かしく思える時が来るのだろう。

鎌大仏君
鎌大仏君

マスクという大量のゴミが増えたコロナ禍でもあったのダ!

 

鎌倉の寺では色んな植物が植えられている所が多いので、それらの植物を見に来る人も多いようだ。しかし、ボクはまだ国内観光をし出した若造なので、まだ植物にまで勉強が及ばない。だがとりあえず道中で見かけた植物を写真に撮って、後からその植物の名前を調べる事を続けて行くと、知らぬ内に知識が少しずつ蓄積して覚えていくのだろうが。。

オカン
オカン

覚えるより、忘れる方が早いで!

 

 

大仏の高徳院まで移動!

そしてこの長谷寺に来たのが目的ではなく、鎌倉といえば日本人の頭に浮かぶのは「高徳院の大仏」である。年配層の方々には修学旅行先としてお馴染みだった鎌倉の大仏の最寄り駅は長谷駅で、長谷寺から歩いても10分も掛からない程に近い。

 

鎌倉の大仏見学と長谷寺見学は、セットで観光に来る人が多い。

 

長谷寺の入口付近には、こちらの「鎌倉オルゴール堂」という建物があったけど、この建物は小樽に本店を持つ”株式会社オルゴール堂”が運営する鎌倉で唯一のオルゴール専門店だそうだ。

 

北海道旅で訪れた小樽のオルゴール店も、このオルゴール堂が運営しているお店でしたね!

 

その長谷寺前の参道の反対側にあったレトロな外観をしていた、こちらの建物は「旅館:對僊閣(たいせんかく)という明治時代から営業をしている旅館。高浜虚子や与謝野晶子などが訪れた事もあるという和風旅館だが、現役の宿泊施設として営業を続けているようだ。

 

 

この對僊閣という旅館は明治時代から営業している歴史があるけど、この建物自体は関東大震災で被災した後に再建された物となっている。それでも再建された建物ではあるものの、建てられてから90年以上が経過しているので、このように”鎌倉市景観重要建築物”に指定されているようだ。

 

 

この長谷寺から高徳院へと向かう道は、昔から参道的な道として多くの観光客が通った道だったのだろうが、この訪れた時期はコロナ禍の影響もあってシャッターが閉まったお店もチラホラと見られた。コロナ禍で影響を受けた商売にはこのような全国のお土産店も多い事だろうが、このコロナ禍を生き残れたお店は21世紀も生き続けていくのだろう。

 

進んで行くと、大きなレトロなお土産屋さんが見えてきて、その近くに寺の入口らしき雰囲気が感じられるようになってくる。ボクの親の団塊世代辺りには修学旅行で鉄板だった場所だけど、ボクがここを訪れるのは勿論初めてである。

 

鎌倉の大仏は写真などでは勿論見た事があるけど、流石に寺の外側から見える程ではないようだ。やっぱり鎌倉の大仏を見るには、拝観料を払って敷地内まで入らないといけないようだ。また手前には自転車でやって来ている人も見かけたけど、サイクリングコース途中に寄る人用に自転車スタンドなども用意されていた高徳院。

 

この鎌倉の名物でもある大きな大仏像が設置されている「高徳院」は、”鎌倉三十三観音霊場”の1つともなっているが、その寺自体の建立された時期や開基については定かではないようだ。ちなみに余談だけど、ボクが前職で働いていた会社に「高徳(こうとく)という名前の先輩が在籍していたのを思い出した。

だから”先輩の寺”という雰囲気を感じたのである!

朋ちゃん
朋ちゃん

余談ばっかりだよね~!(笑)

 

この高徳院でいきなり大仏に出会える訳はなくて、まずは阿吽像が待ち受けるこの「仁王門」を通過し、それから拝観料を支払って入場しないといけないようだ。

鎌大仏君
鎌大仏君

早くいらっしゃ~~い!!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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