福岡アジア美術館で、作品に籠められた悲痛なメッセージを読み取る【九州縦断秋旅行記⑥】

九州縦断旅行記(秋)2020年-⑥

 旅行期間:2020年10月24日~28日
(At the Fukuoka Asian Art Museum, reading the heartbreaking messages contained in the works.)

これもアート作品!

ここは全国的にも珍しい、アジア人アーティストの作品ばかりが展示されている、福岡県博多市の中心部にある「福岡アジア美術館」。入場料が大人200円とリーズナブルな価格だったので立ち寄ってみたけど、普段はあまり目にする事が出来ないアジア人の作品ばかり見れて、とても興味深い美術館である。

 

【福岡アジア美術館】

住所:福岡市博多区下川端町3-1
リバレインセンタービル7~8階
営業時間:9時30分~19時30分頃(※定休日:水曜日)
電話番号:092-263-1100

 

 

 

まだまだ見学は続く!

こちらの絵の前に置かれているドラム缶も、後ろの絵に付随する芸術作品の1つである。後ろの絵は20年に及ぶ長引いた内戦を経験したスリランカ人画家による作品で、内戦の時にバリケード代わりに使用されていたドラム缶にも、色を付けて気持ちを代弁させている。

 

日本国内の内戦というと、戦国時代までは日頃から日常的に国取り合戦が行われていたけど、江戸時代になってからは平穏な環境になる。しかしそんな江戸幕府が崩れ去った明治時代の前半に起きた旧幕府軍と新政府軍との戦いや、新政府軍と反乱士族の戦いである西南戦争なども内戦である。しかし日本国内では西南戦争が”国内最後の内戦”とも称されており、それ以降は目立った内戦が起きていない。

 

スリランカの悲惨な内戦にメッセージを投げかける作品が続いた後は、さっきまでとは作品の意向が全然違う方向を向いたような長い電話が見えてくる。

 

こちらの作品はラオというインド人の作者が、叔父に毎回電話のダイヤルを回させられていた記憶を元に、一風変わった電話のデザインを作ったようだ。

 

今どきの若い世代などは、このようなダイアル式の電話など使った事がないかもしれない。このような電話を掛ける時は、相手の電話番号を記憶しているか、もしくは記憶していない場合は電話帳を見ながらその番号を回すのであるが、今どきのケータイ電話ではその電話番号を記録してあれば、電話番号を思い出す手間もいらない。今の時代の物は便利な反面、相手の電話番号を覚える事が無くなってしまった。

 

ボクも会社員時代は営業をしていたので比較的電話をする機会が多かったけど、そこで不憫に思ったのはなぜこんなに受話器が大きいのかという事だった。スマホでは音の出る部分と声を聞き取る部分は僅かな穴しか空いていないのに、受話器は発明されてからも長い事形を変えていない。しかもこのような大きな受話器を持ち続けて電話していると、受話器を持っている手が束縛されて自由に使えない。

だからボクは固定電話を使うのをやめて、ハンズフリーのBluetooth接続機器で通話するようにした。すると電話中でも自由に動けるし、キーボードなども両手で扱えるので作業効率が改善したが、周りの人間は昔からのやり方をそのまま続けており、非常に作業効率が悪いまま働いているのでいつまで経っても作業効率は改善されなかった。。

 

次の作品はなんだか見た事のある媒体などが貼られているのが見えるが、芸術作品ってどこからがその分野に該当するのか?という事を真剣に考えたくなるような作品が待ち受けている。

 

こちらの作品は中国人作家が作ったもので、身の回りに溢れているパッケージなどの媒体をスキャンして、デジタル上で組み合わせたデジタル作品となっている。こういった作品はアナログでそのパッケージを貼り合わせているから味が出るのかと思うけど、意外とデジタルな作品だった。

 

 

このような身近なものを貼り合わせると、その人の個性や思い出が凝縮されているような構図にも見えてくるけど、ただその当人ほどの愛着はあまりこれを見るだけでは感じられない。

 

こちらの作品は8つ目の作品らしく、これまでに少なくとも7つの同様な内容の作品があるという事みたい。10年毎ぐらいのスパンでその当時に流行ったパッケージなどを収めた作品も面白いと思うけど、今から50年後とかにはこのようなパッケージもデジタル化でほぼ無くなっているかもしれない・・・。

 

こちらの作品はジャワ島出身の作家の物で、これもデジタル作品となっている。こちらはデジタル作品でもスキャナーを取り入れた作品で、普通にカメラで撮影するよりも画像を取り込む時に大きな光で照らされる為に、その際立った色彩が目立つポイントに着目したようだ。

 

確かにカメラで撮影するのに比べてスキャナーで撮影してみると、その雰囲気が全く異なり、面白いというか別次元の画像になっている。前にトムハンクスの出ていた映画のワンシーンで、自分の顔をスキャナーに押し付けていた姿などが記憶にあるけど、意外と普段書類しかスキャンしないスキャナーで色んなものを取り入れてみると面白かった記憶が蘇る。

 

ただコンビニや会社の共用スキャナーなどはコピー機も兼用していたりすると、他人が押した印鑑がまだ乾いていない状態でスキャンをしたりしていて、スキャナーのガラスが汚れている事が多々ある。だからボクはコンビニにスキャンしに行くと、毎回スキャンを始める前にガラス面を細かく磨いて汚れを落とす事から始めるのである。

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

男はあまり細かい事、気にしてたらいかんよ!

 

このような芸術作品も日常の色んな物までアンテナを張っていて、「何か面白いものが作れないか?」という考えを持っていないと、なかなか採用できない。そういう意味では芸術家って、普段からそういった目線で居続ける人が成れる職業なのかもしれない。

 

こちらはインド人の画家が描いた、満員のバスに揺られる人々を描いた作品である。インドはまだ訪問した事が無いけど、隣のスリランカに訪問した際は目の前を通り過ぎる満員電車を見る機会があった。それを見たガイドさんが「女性はこの電車には乗れません・・・」と言っていたけど、その理由は満員電車に女性が乗り合わせると痴漢されるからだという。

 

インド地方では未だにカースト制度に縛られている人々が多く、女性蔑視の風潮が根強いのでこのような満員電車や満員バスなどでは平気で痴漢してもいいという発想があるというのに驚く。

 

こちらは普段マスクを付けていないような人々がマスクを付けている写真が飾られていたので、てっきりコロナ禍に合わせた作品かと思っていたけど、20年以上前に仕上げられた作品だった。

 

この作品は間近でじっくり見なかったけど、どうやら手漉きの紙にプリントした物だという。写真と言うと表面の光沢がいい紙にするものだという先入観があるけど、芸術とはそんな先入観を破壊した所に活路を導くのかもしれない。

 

 

この福岡アジア美術館は1999年に開館して、福岡市が経営している美術館だけど、これだけのアジア人芸術家ばかりの作品が集められている美術館って世界的にも稀なんだとか。しかも大人200円という入場料の割に、結構な数の作品を鑑賞できるし、しかも写真撮影も可能だったしと、意外と良い美術館だった。

 

こちらはタイ人作家の作品だけど、タイも2020年1月に訪問したけど楽しい国だった。本場のタイマッサージも体験したけど、ちゃんと店とマッサージ師を選ばないと当たりハズレが大きい。タイマッサージ師はゴツい体格をしている男性を選ぶと、ゴリゴリと気持ちのいいマッサージをしてくれたけど、下手に昔美人で通っていたように見えるオバサンみたいなのを選ぶと、スケベな所のマッサージをしてチップをねだって来る人が多いので注意である。

 

タイは東南アジア諸国の中では唯一西洋諸国の植民地になっていない国で国民の幸福度が高いという話を聞くけど、それは前国王時代の話で現在の国王はボンボンの遊び人で、国王の悪口などを言うと法律で罰せられるタイの国でも現在のバカ国王に対しての非難デモなどが行われる程、国民に信頼されていない状態となっている。

 

 

一口にアジアと言っても、色んな人種が居てるし、同じ仏教国でもその文化が大きく異なったりしていて、多様な文化様式が存在している。なのでこのような芸術品にはある一定の縛りなどが無いので、日本人の尺度を越えた作品などが見れて楽しい美術館である。

 

こちらの作品はインドネシアで行われる、瓶を頭に乗せて行う競争の様子を描いているようだけど、みんな同じような顔をしているように見える。「ビン乗せ競争」というタイトルが付けられているけど、あまり競争しているような感じに見えないのが狙いだとか。

 

今の日本じゃあまり頭の上に物を載せるという行為はまず見れないけど、東南アジアやアフリカ大陸などに行くと頭の上に荷物を載せて歩いている人などをちょくちょく見かける。下手に片手で持つよりも体の中心である頭の上に荷物を載せた方が、安定感がいいのだろう。

 

次の作品もインドネシア人の作品みたいだけど、奇想天外な感じの作風になっている。人間では無くてモンスターのようなものが銃を片手に何か言い合っているようにも見えなくもない作品。

 

このモンスターのような物体の口の中には、さらに小さなモンスターが内蔵されており、かなりのお喋りキャラという事を表しているようだ。

 

どうやらここに登場しているモンスターっぽいのは、インドネシアの伝統的な影絵芝居『ワヤン・クリ(Wayang Kulit)』をモデルにしているようだ。ただこの影絵はインドネシアでもヒンズー教寺院で行われていたもので、インドの古代叙事詩などを語り継ぐ芝居のようだ。

 

そしてここで福岡アジア美術館での作品鑑賞が終わる。出口を出るとそこはなんと図書館になっており、しかも美術品などについての太く大きな専門書が多数所蔵されている。

 

そんな美術本が沢山置かれている中から手に取って見てみたのは、奈良旅でも気になったレンブラントの作品集である。肖像画の名手として一世風靡したレンブラントであるが、晩年は借金まみれとなって貧困街に居候せざるを得なかった。しかしそこでも筆を置く事は無く、周囲に居たユダヤ人の老人などをリアルに描き続けていたという。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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2020年10月下旬に訪れた、福岡県から開始して佐賀~長崎~大分~熊本を巡る旅の開始。なお今回は旅仲間と巡りますが、初日の福岡巡りは前乗りという事もあって、1人で巡ります!
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