﨑津諏訪神社の階段を登って、世界遺産の﨑津集落を見下ろす【九州縦断秋旅行記㊽】

九州縦断旅行記(秋)2020年-㊽

 旅行期間:2020年10月24日~28日
(Climbing the steps of the Sakizu Suwa Shrine to look down on the World Heritage Site of Sakizu Village.)

鐘を鳴らしたくなる!

天草にある世界遺産にも登録されている﨑津集落は隠れキリシタン達が長年暮らしていた集落だけど、そんな集落には異彩を放つようにこの「﨑津諏訪神社」という、キリスト教とは全く縁遠い神社が設置されている。

 

 

 

﨑津諏訪神社を訪問!

このように﨑津諏訪神社からは、神社の鳥居とその奥にそびえ立つ﨑津教会が見えるという、何とも妙な取り合わせの光景である。時系列的に言うと先にこの﨑津諏訪神社が1647年に建立されて、奥に見える﨑津教会は1934年に建設されたので、圧倒的にこの地に長く存在していたのがこの﨑津諏訪神社である。

 

というのも江戸時代はキリスト教が江戸幕府によって固く禁じられていたので、公には信仰する事が出来なかった。そして神社が全く集落に無いと、キリシタンと疑われる可能性もあったので偽装工作も兼ねて、この集落に神社を造ったそうだ。そしてこの神社にお参りに来ている振りをして、「アーメン」などとカトリックの祈りを隠れて捧げていたという。

 

そして1805年に天草で起きた『天草崩れ』という、大量の隠れキリシタンが江戸幕府に摘発されてしまう事件が起きた。本来であればキツく処罰すべきなのであったが、あまりにもキリシタンの数が多過ぎて全員処罰すると天草の税収が減ってしまう可能性が高かったので、棄教する事を条件に彼らを放免したのである。なお、その際にキリシタン達が所有していた、カトリックの信仰具などは没収されて、この神社に保管されていたという。

 

﨑津諏訪神社の奥に進んで行くと、今度は「金刀比羅宮」という名前が入った鳥居が見えてきた。金刀比羅宮は海上交通の守り神としても崇拝されていたので、この漁業が主な産業だった﨑津集落だけに、金刀比羅宮も崇拝していたのであろう。

 

上に向かって階段が続いているが、ここもそのテッペンが下からは見えない。そして「マムシ注意!」と書かれている看板を見かけるけど、こういった状況では階段を登らないという選択肢は浮かばずに、階段を登るという考えしかない。

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

オレはこの辺散歩しとるけ、2人で登ってきんしゃい!

 

エロ坊主オジサンは歩き回るのは好きみたいだけど、このような高低差のある階段をズンズンと登っていくのは、あまり苦手な感じだ。昨日訪れた祐徳稲荷神社の奥の院に登るのも辞退していたし、この階段も辞退したし。

 

という事でエロ坊主オジサンを置いて、ガツガツとパワフルに階段を登っていく朋ちゃん。さっき「マムシに注意」という看板を見かけたけど、マムシの方が怯んでしまいそうな勢いで階段を登っていく様子が見える。

朋ちゃん
朋ちゃん

私は体育会系だから、こんな階段へっちゃらよ~!

 

金刀比羅宮というと1300段ほどある石段が有名な香川県にある神社のであるが、ここでもそこまでの階段数は無かったけど、それなりの階段を登っていかないといけない場所だった。しかし上に道があるという事は、それなりの物が待ち受けているという事でもある。なので好奇心旺盛な人間からすれば、そんな場所まで行ける体力があれば、行かない訳にはいかないのである。

 

そして階段を約5分ほど登っていくと急に視界が広がって、﨑津集落が真下に見えてくる。世界遺産に登録されている﨑津集落を上から見下ろせる展望台が、この金刀比羅宮の上に造られていたのである。

 

 

チャペルの鐘展望公園にて

さっきまで日本古来の神社の境内だと思っていたら、上に登るとそこは「チャペルの鐘展望公園」という西洋的な名前が付けられた展望台となっていた。

 

この展望台は日本人デザイナー「梅田正徳」がデザインした展望台で、基本的な構造はコンクリート造りで、カトリックの集落だけあって鐘や大きな十字架がオブジェとして置かれているという。なお梅田正徳はイタリアで修業を積んで、帰国してからは色んなインテリアなどをデザインしている。

 

こちらがこの展望台の景色で、真ん中には鐘が設置されているのが見える。またここではミニコンサートも行われたりするそうで、足元にライトが埋め込まれているので、時期によっては暗くなると照明が点けられて、遅い時間まで滞在できるのかもしれない。

 

人はこのような鐘などから吊り下がっている紐を引いて、鳴らしてしまいたくなる習性があるようだ。特に日本人は小さい頃から神社をお参りする際に、鐘を鳴らす行為を当然のように行っているので、ここでも特に何の意味も疑問も持たずに同じような行動をしてしまうのだろう。

朋ちゃん
朋ちゃん

鐘鳴らすと御利益があるのよ~!

 

チャペルの鐘展望公園の景観① 動画

 

 

東側には羊角湾が見えて、この辺りでは真珠の養殖も盛んな場所だという。またこの羊角湾では干拓事業も計画されていたけど、漁業に大きな影響を与える可能性が危惧された為に取り止めとなった歴史があるという。

 

この展望台の高さから周囲を眺めてみると、この﨑津集落が陸路では他の地域と断絶されていたというのがよく分かる程に周囲には尾根が連なっているのが見える。昔はこの付近にトンネルが掘られるまでは基本的には海路で行き来していたのが、理解できる地形となっていた。

 

 

チャペルの鐘展望公園の景観② 動画

 

 

ボクは鐘を鳴らす習慣は無いので、ここでも鐘は鳴らさない。特にコロナ禍だと誰が触ったか分からない物にはまず触れようとは思わないので、この紐に触ろうという考えすらない。

朋ちゃん
朋ちゃん

もし私が罹ったら、王子も道ずれよ~!

そんなバナナ・・・・

 

そしてこの展望台からは、さっき訪れていた﨑津集落のシンボルマークでもある﨑津教会などがよく見える。テレビ番組などでこの﨑津集落を紹介する時は、この展望台から俯瞰した映像を撮っている場合が多い。なのでここからの景色を見ておくと、そんな﨑津集落を紹介する番組で見た景色がここの展望台から撮った物だと判断できるようになる。

 

ただそんなに長居する程の展望台でもないし、下では短気なエロ坊主オジサンが自分勝手に山の上の展望台に向かったのに対して、イライラしながら待っている事だろうから下山する事に。

 

 

しかしこの﨑津諏訪神社は隠れキリシタンの集落っぽい神社ではなくて、見た感じは普通にそこら辺にあるような神社にしか見えない。せっかくだったらカトリック調を混ぜた神社にして、狛犬も犬ではなく、さっき見たウマンテラ様とかにしていたら風変わりな神社としてもう少し注目が集まったのかもしれない。

 

また鳥居と教会が融合する風景を目にしたけど、相変わらず異様な雰囲気を感じる瞬間でもあった。現代は宗教の自由が認められている日本でも、このような神道とキリスト教の組み合わせはあまり簡単に見れる景色ではない。なので﨑津集落に来たのであれば、この違和感ある組み合わせの景色を目に焼き付けておくべきかと思う。

 

そしてエロ坊主オジサンが待っていると言っていた駐車場に戻ってくるも、案の定あの特徴的な禿げ頭のオジサンの姿が見えない。この左側には観光案内所があって、そこのオバサンにエロ坊主オジサンの写真を見せてみたけど、そのオバサン曰くは「そんな人、見てないよ!」との事だった。。

朋ちゃん
朋ちゃん

ホントに毎回待ち合わせ場所に居ないのよね~!(笑)

 

エロ坊主オジサンの習性を考えると、恐らくこの周辺を散策している事だろうと思って、周辺の道などを探してみるけど、あの特徴的な姿の欠片さえも見えない。しかし代わりにボクの好きな猫ちゃんの姿が見えてきたので、エロ坊主オジサンの捜索は一旦諦めて猫ちゃんに挨拶する事に。

 

 

﨑津集落の猫ちゃん① 動画

 

 

こういった小さな漁村のような場所に居付いている猫ちゃんは、人馴れしている事が多い。なので近寄っても全く警戒心を見せないし、逆にこっちに寄ってきたりする。

 

ボクは今までは全然猫ちゃんに興味が無かったけど、海外旅行をし出してから知り合いの猫好きに写真を送ってあげようという気持ちで猫に接し始めた。ただ犬猫アレルギーがあるのであまりゴリゴリに相手は出来ないのであるが、注意しながら触ったりしている内に段々猫ちゃんの可愛さに目覚めてしまったのである。。

朋ちゃん
朋ちゃん

今は空前の猫ブームだしね!

 

 

﨑津集落の猫ちゃん② 動画

 

 

タイを訪れた時に見かけた猫ちゃんは、ちょっと顔つきも怖かったし、体つきも貧相だったりしたけど、こうやって日本国内で見かける猫ちゃんはしっかりした体で可愛らしい顔をしているのが多いように感じる。ただ単に個人的にそう思っているだけかもしれないけど、猫にすっかり夢中になってしまっているのは間違いないのであるが。。

 

そして猫ちゃんに戯れていると、奥の方から全然可愛くない外見をしているエロ坊主オジサンがトコトコと「笑ゥせぇるすまんの喪黒福造」のように歩いてくる姿を発見する。

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

お~スマンスマン、ちょっと海上マリア像を見に行ってたけ!

この﨑津集落の西側の海岸沿いに海上マリア像が設置されており、それが見える展望台みたいなのが用意されていた。なのでボクらもそこに行って、マリア像を見てみる事にした。

 

その近くには昨日の昼に有明海沿いの網焼き屋さんで食べたヒオウギ貝のようなカラフルな貝殻が、ここでは絵馬代わりに願い事を書いて吊り下げてられているのを見かける。キリスト教では自分の願いを書いて絵馬のように飾るという習慣は見かけないので、ここではキリスト教と神道が融合した文化が出来上がっていたのかもしれない。

 

ただ海上マリア像はこのように反対側の岬の先端に設置されていて、またそれが小さい像の為にここからでは全然見えないのである。そしてこのマリア像のある場所までは立ち入る道が無いので、近づけもしないのである。ただこの﨑津集落では事前に予約しておくと、船を乗ってこの周辺をクルーズ出来るようで、船だとこのマリア像に近づける事が出来るようだ。

 

この天草では九州でも西側に位置しているので、夕陽が邪魔されずに綺麗に見える場所としても人気で、『天草夕陽八景』として綺麗に夕陽が見えるスポットがある。その中にここから見えるマリア像が、夕陽の中に入るシーンが特に人気な夕陽の瞬間だという。

 

【天草夕陽八景】紹介HPより

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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2020年10月下旬に訪れた、福岡県から開始して佐賀~長崎~大分~熊本を巡る旅の開始。なお今回は旅仲間と巡りますが、初日の福岡巡りは前乗りという事もあって、1人で巡ります!
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