尾道(広島)&岡山旅行記2021年3月-⑯
旅行期間:2021年3月某日(3泊4日旅)
猫の美術館?!
尾道の坂道の上にある「千光寺公園」は、広島県内でも有名な桜スポットとして全国的にも人気な場所。この千光寺公園を訪れたのは2021年3月18日だったけど、一部の桜は先行して咲き出していた頃だった。
千光寺公園にて
桜というのは満開になった時が一番綺麗に見えると思うけど、個人的には少しだけ咲き始めてきた時が一番綺麗に思う。このように早めに咲き始めてきた桜の花は今が一番のピークだが、他の桜の花が咲き始める前に我先にと一等賞を狙っているかのように感じる。
桜の名所って日本全国各地にあるけど、それぞれに有志なりが桜を移植して作った場所が多く、自然に桜がこのように生えていた訳ではない。なお、この千光寺は”日本さくら名所100選”に選ばれているそうで、広島県内では「上野公園(広島県庄原市)」の2箇所となっている。
各県から必ず1箇所選ばれてるみたい!
そしてその千光寺公園の敷地内に造られていた、近代的な建物は「尾道市立美術館」だった。近代的っぽいデザインとコンクリートの打ちっ放しの壁を見れば分かる人もいるかもしれないけど、この建物を設計したのはあの安藤忠雄だそうだ。
2003年に新しくオープンした「尾道市立美術館」のこの建物は、 総工費約6億2千万円を掛けて造られたそうだ。バブルが弾けた後にも関わらず、1つの建物で約6億円の予算を掛けて造るとは、なかなかに思い切ったお金を使った尾道市。
尾道市立美術館の外側はガラス張りになっていて、中にデザインチックなイスやテーブルなどが展示されていた。そしてその椅子などには、このように本物の猫ちゃんかと思わせるような置物が置かれていたのである。
この尾道では観光資源として猫を大事にする街となっているだけに、美術館の入口にも大きな猫のオブジェが待ち受けていた。
歴史的“迷”勝負!?・・・小さな“訪問者”vs警備員(18/11/01)
この尾道市立美術館では、数年前に美術館に入りたそうにしている猫ちゃんと、その侵入を防ぐ警備員さんとの攻防をTwitterに投稿した所、とても人気を博したそうだ。
それからか、このように美術館を外から見ている分には、”猫の美術館”のような展示にも見えた。ただ実際には美術館内の展示品は、ちゃんとした洋画家などの作品などばかりで、猫ちゃんに関わる作品がなかったのは逆に残念ではあったが・・・。
尾道市立美術館のスタッフが近くでウロつく猫ちゃんをTwitterで投稿した所、その猫ちゃん見たさにお客さんが押し寄せてなどの経済効果が出ているようだ。特に都会に普段住んでいる人からすれば、野良猫ちゃんは直ぐ逃げて相手されないだけに、尾道に居る人懐っこい猫ちゃんにわざわざ会いに行きたい人も多いのかもしれない。
ただ猫を観光資源にするのもそれなりに問題があって、観光客はその時だけの事しか考えず、猫に大量のエサを与えたり、猫が食べるに向いてない食べ物を与えたりするなどの問題もある。大量のエサを与えても猫は全てを食べなくて、残った餌が腐ったり、カラスを呼び寄せたりと良い事尽くしではない。
そういう意味では実際に生きている猫ちゃんよりも、このように動かずエサも要らない猫ちゃんのオブジェだけを飾っている方が効率的で問題は起きない。しかし猫好きからすれば、動かない猫モドキの物質よりも、実際に生きている猫ちゃんに触れあいたいのだが。。
そして尾道市立美術館敷地内には、こちらの画家と思われる人物の銅像が置かれていた。こちらは「小林 和作(わさく)」という洋画家で、尾道出身ではないものの、途中から尾道に移り住んで約40年近くを尾道で過ごした画家である。
尾道の街は尾道水道という海もあるし、すぐ脇にはこの千光寺山という小高い山もあって、風光明媚な景色となっている事もあって、画家が好みそうな自然の風景が残されている場所。そういう景色を求めて色んな画家がやって来る事もあって、尾道は”芸術の街”とも呼ばれるようだ。
朝イチで来た為にまだ尾道市立美術館は開館していなかった為に、仕方なしに千光寺公園をもう少しウロつく事にした。こちらは道沿いに造られていた噴水のようなオブジェで、「千光湧水(せんこうゆうすい)」という名前が付けられていた。
この尾道では「瑠璃山(浄土寺山)」・「愛宕山(西國寺山)」・「大宝山(千光寺山)」という3つの寺が建立されている山を”尾道三山”と呼んでいる。そしてこの尾道三山に建立されている寺が、対岸の向島の岩屋山に向けて建立されているという。
この「千光湧水」はそんな逸話に従って、対岸の向島にある岩屋山の大元神社が見えるように設計されたオブジェになっていたようだ。昔の人々は太陽の存在を神様として崇めていた事もあって、その太陽が昇ってくる方向も大事にしていたようだ。
さすがに朝8時過ぎは、まだこの千光寺公園には殆ど人影は見られない。まだ桜が満開になる時期でもなく、朝は少し肌寒い事もあって、ガラガラだったのだろう。しかし、これも桜が満開の時期になれば、全く違う人だらけの光景となるのだろうが。
そんな風にブラブラしていると、美術館の建物近くで黒猫ちゃんが一匹ウロウロしている様子が見られた。そしてその近くにその黒猫ちゃんを激写しているお兄さんがいて、こういった形でTwitterに投稿していたのかもしれない。
こちらの首輪を付けていた黒猫ちゃんが、尾道市立美術館で警備員さんと対決していた猫ちゃんだったのかもしれない。こちらの猫ちゃんは夜なども放し飼いになっていたけど、最近ではこのように人懐っこい猫ちゃんも獲られてしまう事があるので、気が抜けない時代になっている。
人攫いではなく、猫攫いの時代じゃけ!
まだ朝早かったのでお店などは空いていなかったので、とりあえず千光寺に向かう事にする。昨日は千光寺側から、同じ千光寺山の上にある尾道ビュウホテルセイザンに向かおうとしたけど、途中の展望台のあった場所が工事の為に通行止めになっていて、仕方なしに一回下まで降りてから向かった。
しかし、朝にこの道を歩いていたら、展望台を経由する道は工事中となっていたけど、南側からのこの道は普通に通行できる事が出来た。
人生には回り道が必要なんです!
観光地で女性に大人気なのが「アイスクリーム」である。アイスクリームは暑い時期だけではなく、寒い時期でも好まれるようだ。なお、このアイスクリームは”恋人の聖地”と称する千光寺公園近くで販売されていた事もあって、『ずっと愛すくり~む』となかなかに上手いネーミングが付けられていた。
この2021年3月に千光寺公園を訪れた際には、展望台がこのようにリニューアル工事中となっていて、残念ながら立ち入りが出来なかった。時代的に戦後の高度経済成長期に造られた観光施設などが老朽化しだしてきて、2010年代から観光客が右肩上がりで増えだして来た尾道市にとっては、観光都市としてこのような施設のリニューアルに力を入れていたのかもしれない。
このブログが公開されている頃には、この展望台はすっかり完成して、多くの見学者が訪れる人気の場所となっている事だろう。高度経済成長期からバブルが弾けて、高齢化社会となってマイナス成長が続く日本としては、このような観光に力を入れるしか方策がないので、このような試みをどんどんしていって多くの観光客を呼び寄せて欲しいと思う。
桜も全然咲いていない木もあれば、ちょこちょこと咲き出している木もあったり、このような枝垂桜などちょっと違う種類などもあって3月中旬でもそれなりに桜見物を楽しめる。ただ、まだ肌寒い時期なので夜間などの花見は、着込んで行かないといけないが。
2020年に新型コロナウイルス感染が世界中に拡がって、ノーベル医学生理学賞を受賞した事のある山中教授がテレビで『桜は来年も必ず帰ってきます』と発言していたシーンを思い出す。確かに言葉通り、2021年の桜も綺麗に咲いたが、それは逆説的には自分が生きていたから言葉通りに思えるけど、2020年中に亡くなってしまっていたら、2021年の桜は見れなかった事になるのだが。。
「生存バイアス」と呼ばれるもんじゃけ!
桜は地球環境が壊滅しない限りは、恐らく毎年春になれば咲くけど、人間の命には限りがあるので、必ず来年も見れるとは限らない。だからこそ、今目の前に見えている桜の綺麗な花を目に焼き付ける必要があると、個人的に考える。ただし、大衆の行動を管理する側からすれば、「そんな事ぐらい我慢してね!」という考えになるのだろうが。。
そして千光寺に向かう通路を降りていく途中に、脇の建物にこのようなボロボロの廃車になった昔の車が置かれていた。こちらの車は「ホンダ:N360」という1970年前後に製造販売されていた車らしく、ボクよりも年上の車だった。
ナンバープレートも外されて廃車になっていた「ホンダ:N360」だけど、単に放置していただけか、それとも貴重な車のパーツ取りとして保管されていた物かもしれない。昔の車もレストアして乗りたい人が必ず存在しているので、このような古い車のパーツが高値で売れるのかもしれない。
約50年前に製造されていた車を見ると、現代の車がハイテクにも思えるけど、昔の車は無駄が無くてシンプルだったのかもしれない。ソ連時代の大量生産された乗りにくい小さな車も、あくまでも交通手段の1つとしては、動きさえすれば十分だったのだろう。
こちらには千光寺公園のさくら耳幼稚園で管理していた猫ちゃんを探す張り紙がしてあった。最近では人馴れした猫ちゃんは可愛いと、攫われてしまうケースも多々あるようだ。テリトリーが変わったのか、それとも攫われたのか、ただ無事でいてくれればいいのだが・・・。
人気が出ると、それはそれで問題も増えるんじゃ!
こんな旅はまた次回に続きます!
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