安藤忠雄建築と猫で有名な尾道市立美術館と、高齢化問題で苦しむ千光寺公園のサル【尾道&岡山旅行記㉗】

尾道(広島)&岡山旅行記2021年3月-㉗

旅行期間:2021年3月某日(3泊4日旅)

ポスター写真で我慢!

尾道 坂道 路地 

広島県でも独自の雰囲気を醸し出す尾道の坂道一帯。古くは貿易ルートの中継地として栄えた町で、その時代に財を成した豪商達が自分達が懇意にしていた寺院などを援助し、今でもそこそこ残存しているけど、昔はもっと寺だらけだったという。

 

 

尾道の坂道を散策!

尾道 坂道 路地 猫 座る

尾道の坂道エリアは道が路地のように狭くて入り組んでいて、また地域の住民が猫に理解を示して保護している事もあって、”地域猫”と呼ばれる人間に管理されている猫ちゃんがチラホラと見かけられる。なお、こちらの猫ちゃんは首輪を付けていたので、飼い猫だったようだが。

 

 

リラックスしていた飼い猫ちゃん! 動画

 

 

尾道 坂道 路地 進む

さて、尾道の坂道エリアで可愛い猫ちゃん達と触れ合っている間に、時間はいつの間にか16時を過ぎてしまっていた。猫好きな人間にとっては何気ない仕草しかしない猫でも、可愛くて仕方がないのでジ~~ッとその動きを魅入ってしまうけど、時間には限りがある。

 

尾道 坂道 路地 階段 猫の足跡 肉球

今日の最終チェックポイントは千光寺山の上に造られている「尾道市立美術館」なので、この辺りの階段を登っていけば多分到達できるハズと思いつつ、階段を登っていく。するとコンクリート舗装の階段には、このように猫の足跡「肉球」の跡が付いているのが見える。

 

尾道 坂道 路地 階段

この千光寺山の上に向かう階段もそれなりに細く曲がりくねっていて、「本当に上まで辿り着けるのか?!」と考えていたけど、このように「←美術館方面」という案内が見えてきて、少しホッとする。というのも尾道市立美術館の営業は17時までなので、これ以上遅れる訳にはいかないからだ。

 

尾道 坂道 路地 階段 猫の足跡 肉球

そんな誰も通っていない細い階段を進んで行くも、また階段に猫ちゃんの肉球跡が見られた。これは猫ちゃんを観光資源に活用しようとわざと肉球跡を付けたものか、それともたまたまコンクリート舗装した際に渇く前に猫ちゃんが通って出来たものなのか?

 

尾道 坂道 路地 階段 千光寺山

尾道市街地から千光寺山の上に登る道は、一応このようにコンクリート舗装されてはいるものの、曲がりくねったり細かったりしているので、初めて尾道にやって来た観光客にとっては少し不安になりそうな道ばかりだった。しかし、「行けば分かるさ!」というアントニオ猪木の名言じゃないけど、目の前の道を進んでいかないとその道が正解か不正解かは分からないのである。

 

千光寺公園にて

尾道 千光寺山 恋人の広場

しばらく階段を登っていくと、千光寺山の頂上に造られている千光寺公園らしき場所に到着する。そしてその千光寺公園の中でも到着したのは、こちらの「恋人の広場」という甘いフレーズで若者を誘いこもうとしている場所だった。

 

尾道 千光寺山 恋人の広場 桜

「恋人の聖地」なる場所は全国に多々あるけど、絵馬に「仲良くなりますように!」とか、このような聖地を名乗る場所に来たからと言って、カップルが上手く行く確率が高まる訳ではない。そんなゲン担ぎに頼るよりも、相手の人間性を見極めて尊敬できるポイントを探して、相手の欠点をどれだけ許容できるかという自分の努力次第だと思うが。。

 

尾道 千光寺山 恋人の広場 桜 開花

ただこの千光寺公園を訪問した際にはカップルの姿は見えなかったけど、このように咲き始めの桜がチラホラ見られて綺麗な景色になっていたので、こういう時に来てまだ少ない咲き始めの桜を見ながら、話をするにはいい場所に思えた。

 

尾道 千光寺山 恋人の広場 桜 広場

この恋人の広場は古代ローマの円形劇場のような形をしていた。ひょっとしたらイベント時に使えるようにしていたのかな。約2000年も前の人達が使っていた形が、今もこのように普通に活用されている所に、古代ローマ人の凄さを感じるが。

 

尾道 千光寺山 恋人の広場 ハート型植木

「恋人の広場」とあったが、このように無理やりハート形の植え込みを作っていたりするのが見えて、少々強引さを感じる。しかし、地方都市などで観光客誘致を真剣に考えている人からすれば、少々強引な策でもそれに釣られて若い観光客がやって来てくれれば御の字なんだろう。

 

 

「尾道市立美術館」の見学!

尾道 千光寺山 尾道市立美術館 外観

そんな景色を見ながら、今日の朝イチに前を通った「尾道市立美術館」に到着する。すでに16時20分を過ぎていて、閉館まで約30分しか無かったけど、とりあえず足早に見学してみる事にした。

 

 

尾道 千光寺山 尾道市立美術館 La Chaise / ラ シェーズ

この訪問時は特別展示『愛のヴィクトリアン・ジュエリー展』を行っていたが、残念ながら展示品などは写真撮影禁止になっていた。

 

 

 

なので仕方なしに美術館内に飾られていた椅子などを撮影したけど、このちょっと変わったスタイリッシュな椅子は、ウチの親父が持っていた椅子の形にソックリだった。

 

この椅子はチャールズ&レイ・イームズ(Charles & Ray Eames)というデザイナーが、1948年にニューヨーク近代美術館向けコンペ用に制作した椅子で、近代デザイン業界では知られた『La Chaise(ラ・シェーズ)』という椅子だった。

 

尾道 千光寺山 尾道市立美術館 階段

特別展示の綺麗なブローチなどは撮影出来なかったので、せめてとばかりに安藤忠雄建築の階段を撮影する。ウチの親父もデザイナーをしていて安藤忠雄氏にインタビューをする機会があって、その際に「ドンドン世界に出ていかないとダメだよ!」と強く言われた事を何度も思い出していたシーンを懐かしく思う。

 

尾道 千光寺山 尾道市立美術館 ポスター

閉館まで約30分と写真撮影できないという事で足早に特別展示を見終わり、休憩ルームのような場所に入ってきた。この部屋は特に撮影禁止とはなっていなかったけど、絵画などの展示品はなくて、その代わりにこの尾道市立美術館が有名になった、警備員さんと黒猫ちゃんの攻防戦の写真などが展示されていた。

 

尾道 千光寺山 尾道市立美術館 休憩所 カップル 風景

そんな休憩所のベンチでは、若いカップルが楽しそうにお喋りに夢中になっていた。こんな若いカップルだったらさっき見た「恋人の広場」でお喋りしてもいいのかなと思ったけど、まだ春にはちょっと早くて肌寒い事もあって、屋内で対岸の向島の景色が見渡せる場所でゆったりお喋りをしていた事だろう。

 

尾道 千光寺山 尾道市立美術館 ヴィクトリアン ジュエリー展 ポスター

そしてこういう美術館で写真撮影がNGだった時には、後から写真を見返して思い出す事が出来ない。なのでこういった場合は代わりに、こういった張られているポスターの写真を撮影して、それを見返して記憶に刻み込むという方法もある。

もみじ饅チャン
もみじ饅
チャン

脳で記憶するのがそがいにやねこい?!

 

尾道 千光寺山 尾道市立美術館 ヴィクトリアン ジュエリー展 ポスター ブローチ1

ヴィクトリア時代とは19世紀に全盛期を迎えた大英帝国のイギリスで、産業革命の恩恵を受けて財政的にも頂点に達した時代でもあり、ちょうどヴィクトリア女王という女性がトップに立っていた事もあって、このようなジュエリーに惜しみなく費用を投下して贅沢さを極めた時代でもある。

 

尾道 千光寺山 尾道市立美術館 ヴィクトリアン ジュエリー展 ポスター ブローチ2

ヨーロッパ文化の中でも女性の女王が君臨していた時代には、こういった装飾品や宝石類などが精巧さを増していき、芸術の域にまで達する。なので女王が君臨していた事のある国を訪れると、そのような文化が残っているのを感じられて、非常に趣深いのである。

 

尾道 千光寺山 尾道市立美術館 ヴィクトリアン ジュエリー展 ポスター ブローチ3

しかし19世紀に全盛期となって栄えたイギリス帝国も、産業革命で生み出された技術や機械が外国に流出していき、それを活用されて次第に追い抜かれてしまう。また海運帝国だったイギリスもこの全盛期時代を謳歌し過ぎた為に新しい時代にいち早く対応できずに、オランダのロッテルダムなどにハブ港の機能を取られてしまって、衰退していく事になる。

もみじ饅チャン
もみじ饅
チャン

「盛者必衰」は世界中の人間にも通じるね!

 

 

再び、千光寺公園をブラ歩き!

尾道 千光寺公園 景色

そして美術館閉館前の17時前に建物を出て、とりあえず夕陽の当たる千光寺公園を再び散策する事にする。今日の朝イチにここを訪れた際には、この北側の部分までしっかり見ていなかったけど、このように結構な広さとなっている「千光寺公園」

 

【千光寺公園】

住所:広島県尾道市西土堂町19-1
電話番号:0848-38-9184

 

 

尾道 千光寺公園 景色 桜 開花

この日は3月18日という事でまだ桜の花見時期にはちょっと早かったけど、それでも一部咲き始めている桜は綺麗だった。もう少し後になるともっと桜が咲いているのだろうが、その時には周りも花見客で溢れているので、ゆっくりと花見を出来ない。

 

尾道 千光寺公園 景色 桜 開花

中にはこのような蕾がそろそろ開きそうな雰囲気になっている物も見られて、こういった光景が「そろそろ春が来る!」という雰囲気を感じさせてくれる。他人と群れたくない性格のボクからすれば、桜の咲き始めの時期が一番の花見時期だと思うのである。

 

尾道 千光寺公園 景色 タワー

そして千光寺公園内には、このような塔も造られているのが見える。こちらはその外見からは思いもしなかったけど「サル山」で、この下で猿が飼育されているという。というのもこの千光寺公園は当初遊園地として整備された事もあって、1970年頃にこの場所に造られたという。

 

尾道 千光寺公園 景色 タワー

この塔部分だけ見ていると、灯台か展望台にしか思えない。ただ「サル山」という割に、サルが動き回っている雰囲気もないし、特に動物臭いニオイもしない。

 

尾道 千光寺公園 タワー サル 足腰弱い 説明 張り紙

どうもこのサル山では1970年頃に開設された当初は数十匹のサルが飼育されていたようだが、現在はたった一匹のサルしか居なくなっていた。しかも、こちらの張り紙を見れば分かるように、そのサルも高齢化して足腰が弱っているという。

 

そしてこの訪問時から約一週間後に、この千光寺公園で唯一飼育されていたサルが、高齢による衰弱で死んでしまった。今の日本国内は人間の高齢化問題を抱えているが、このように人間以外も高齢化問題に直面していて、合わせてより深刻な問題になっている雰囲気を感じた。

 

尾道 千光寺公園 タワー サル園

個人的にはこのサル山で猿たちが走り回っている光景を見たかった訳ではないけど、廃墟と化している建造物を見るのもちょっと居たたまれない想いになる。このサル山では猿が高齢化して亡くなっていくけど、これの次が日本人に待ち受けていると思うとゾッとした背筋であった。。

もみじ饅チャン
もみじ饅
チャン

「産めよ!増やせよ!」の時代は、もう来んのじゃろうか?

 

尾道 千光寺公園 タワー サル園 ガラガラ

観光都市として整備に力を入れている尾道市にとっては、主が亡くなってしまった猿山を撤去して、新しいモニュメントなりを作る計画を講じている最中かもしれない。無用の長物となった物はいつまでも放置し続けても意味がないので、早めに対応した方がいいかもしれない。

 

妹尾正雄 銅像 尾道 千光寺公園

そして千光寺公園内には、尾道出身の彫刻家「矢形勇」が制作した、「妹尾 正雄(せのお まさお)という福山市出身で尾道を本拠にして活躍した画家:小林和作に師事して色んな作品を残した画家の像が置かれていた。

 

妹尾正雄 銅像 尾道 千光寺公園

尾道は”文学の街””芸術の街”という言葉を目にするけど、このような画家の像を目の当たりにすると、そのイメージがより強く頭の中で想像されていく。そういう意味で、このような重要な人達の銅像を制作して設置する事で、その土地のイメージを観光客に理解しやすくしている事になる訳だ。

もみじ饅チャン
もみじ饅
チャン

 ボクの銅像も作ってくれんさってええよ!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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