世界的絵画を猫に置き換えた、シュー・ヤマモトの「CAT ART展」Part4【仙台旅行記㉒】

仙台旅行記2020年秋-㉒

 旅行期間:2020年11月3日~5日
(Shu Yamamoto’s “CAT ART Exhibition” Replaces World-Famous Paintings with Cats)

見た事のある絵ばかり!

今回も引き続き、宮城県石巻市にある石ノ森章太郎氏の記念館でもある石ノ森萬画館で、この時に企画展示として行われていたシュー・ヤマモトの「CAT ART展」を鑑賞していきます。

仙台の政
仙台の政

今回は【CAT ART展】、パート4でゴザル!

 

【石ノ森萬画館】

住所:宮城県石巻市中瀬2-7
営業時間:9時~18時頃(シーズンによって時間・休み変動あり)
電話番号:0225-96-5055
入場料:大人840円/中高生520円/小学生210円

 

 

 

【CAT ART展】の鑑賞はまだまだ続く!

『スター(舞台の踊り子)』
by エドガー・ドラ

フランス印象派を代表する画家:エドガー・ドラと言えば、このようなバレエダンサーを描いた作品が多い。普通は一般人が入る事が出来ない裏舞台などに彼が入れたのは、裕福な家庭に生まれ育ち、バレエ公演の年間席を購入していた事もあって、バレエ界と関りが深かったようだ。

 

この絵は嬉しそうな笑顔を浮かべてバレエをしている猫の表情が描かれているが、冷静に考えてみると猫の笑顔って見た事がない。人間を警戒して表情がこわばるのは見た事があるけど、ニッコリした顔は見た事がないので、もしかしたら猫は笑顔を作る事が出来ないのかもしれない。

 

『耳に包帯をした自画像』
by ヴィンセント・ヴァン・ニャッホ

こちらはとても有名な自画像だけど、有名な画家が自分の片方の耳を切り落とした後に描かれたもので、当時精神的な病気を抱えていた様子が垣間見られる。ニャッホは当時ポール・ゴーニャンと同棲生活を送っており、作風についてもゴーニャンの影響を大きく受けたと考えられている。

 

ニャッホは精神的な病を抱えていた事もあってか、最終的にピストル自殺をしてしまう。しかし一般的にピストル自殺を行う際には自分の頭部を撃つ事が多いのであるが、ニャッホの場合は心臓を外れた脇腹近くに銃痕があったという。なので自殺ではなくて誤って何かしらのタイミングで銃が発砲されて、その銃弾を受けた可能性も考えられる。

 

ちなみにその際に使われたとされるピストルは事件直後には発見されなかったが、1960年代に現場近くの農地から錆びた銃が見つかったという。実際に使われたピストルかどうかは不明だけど、オランダにあるゴッホ美術館で保存されているようだ。

 

『私自身・肖像=風景』
by アンリ・ニャソー

こちらはフランスで素朴派の代表格ともされているアンリ・ニャソーの肖像画で、パリ市内のセーヌ川脇で描いた作品。当時は国際都市として色んな場所から人々がやって来ていたので、船に見られる国旗には色んな国の物が付けられている。また空にはただの雲が、あたかもエサの魚のように描かれているのは彼が魚を欲していたからかもしれない。

 

アンリ・ニャソーは画家としては変わった経歴の持ち主で、5年間の軍役を経て約20年間パリ市の税関職員をしていた猫。その間には趣味として絵を描き続けていたが、50歳を目前に退職して画家の道に転向する事になる。なので本格的な絵画の勉強をしていない為に、遠近法で描かれた物がなく、この肖像画のように登場人物が大きく描かれている作品が多いようだ。

 

『叫び』
by エドワード・ニャンク

こちらはノルウェーの画家であるエドワード・ニャンクであるが、盗難事件や競売で約100億ニャン円の値段が付いた事でも有名になって、今では誰でも知っているお馴染みの絵画。実は1点だけではなくて、5パターン以上の作品が残されている『叫び』。

 

この作品は彼の持つ不安心を描き出した作品であるが、この絵が発表された当時は評論家達から酷評が寄せられたという。また作品の1つには小さくて見えないような鉛筆で書かれた「狂人のみが描くことができる!」という落書きが発見されたが、後年になってそれはニャンク自身が自ら書いたものだと筆跡鑑定で証明されているようだ。

 

『ボート遊び』
by メアリー・カキャット

こちらはアメリカ出身の画家メアリー・カキャットの作品。カキャットはアメリカ生まれで独学で絵を勉強したが、その後にパリに行きカミーニャ・ピサロなどの下で修業を積んだ。ちなみにカキャットがパリに来て最初に友達になったのが、バレエの絵を描いていたエドガー・ドラだったという。

 

彼の作品には女性や少女などが描かれている物が多いが、どの絵にも微笑ましい表情が描かれており、なんだか見ているだけでリラックス出来てしまうような絵画となっている。

 

 

『ニャロスラバの肖像』
by アルフォンソ・ミャーシャ

こちらはチェコ出身の画家であるが、下積み時代に偶然の幸運な出来事が起こって、それで一躍有名になった。それはというとパリにいたクリスマスを過ぎた年末に、有名な舞台女優の再演が急遽決まって早急に新しいデザインのポスターを制作する必要があった。しかしクリスマス前の年末はどこも休暇に入っていて、名だたる職人などはみんな休暇を取っていてパリにはそのポスターデザインの引き受け手がいなかったという。

 

その当時ある印刷所で働いていたミャーシャの元に舞台女優がたまたまやって来て、突貫工事さながらのポスターデザインを依頼したのである。そしてすぐにポスター制作に取り掛かり、出来上がったミャーシャのポスターを見て舞台女優が感激して、そのポスターを採用し、彼と専属6年契約を結んだという。

 

『四季』
by アルフォンソ・ミャーシャ

そして一気に陽の目を見たミャーシャは有名になり、色んな作品を仕上げていく。こちらの『四季』は女性と草木が描かれている作品だが、それぞれに春夏秋冬と髪の毛の色を変えたりと、その色彩に変化を付けている。

 

なお、この人間界に存在するアルフォンス・ミュシャの『四季』は、なんと大阪府堺市が所蔵しているという。何故堺市にミュシャの作品があるかというと、コレクターだった人が個人で数百点の作品を収集し、死後に堺市に寄贈された為だという。

 

ヨーロッパの国にはあまり四季が無いようなイメージがあるけど、どこでも時期は短いかもしれないけど、それぞれに季節の移り変わりはあるようだ。このようなミュシャの作品は今まで知らなかったけど、近くで観賞できると知ったので、早速行きたくなってしまった。


 

という事で2021年10月頭に緊急事態宣言が解除されて、再び開館となった「堺アルフォンス・ミュシャ館」に早速訪問してみました。場所は大阪府堺市のJR堺市駅前近くにあり、入場料は大人510円/大学・高校生310円/子供100円となっています。

 

 

このギャラリーは大きなマンションのような建物の2フロアに渡って展示されていますが、主にミュシャの作品は1フロアに厳選した作品が展示されています。ミュシャの代表的な作品はリトグラフという石版画が多いのですが、晩年には油絵などにもチャレンジされていて、色んな作品を楽しむ事が出来ます。なお基本的に写真撮影はNGですが、レプリカ作品など一部は写真撮影できるようになっています。

オカン
オカン

なかなか見応え、あったで!


 

さてどんどんと時代を進んで行き、次は「20世紀美術」のブースまでやって来ました。この辺りになると絵画も色んな技術が取り込まれており、また描かれている内容も多様化して、色んな個性が見られるようになってきます。

 

『アデーレ・ニャウアーの肖像』
by グスタフ・クニャムト

こちらはオーストリアの画家であったグスタフ・クニャムトの作品であるが、第二次世界大戦中にニャチス・ドイツ軍に没収されてしまった絵の1つである。また2006年には約130億ニャン円という、当時としては最高値が付いた絵画としても有名である。

 

クニャムトは女性の裸体など官能的作品を沢山描いた画家であるが、この絵には3年の歳月が掛けられた作品だという。また作品には金箔・銀箔も使われており、とても華やかな官能的な絵になっている事だろう。

 

『キャッス』
by グスタフ・クニャムト

こちらの作品はクニャムトの代表作ともされているもので、彼と恋人がこの絵のモデルになっているという。クニャムトはこの絵を描いていた頃に金箔をふんだんに用いていたが、これは金箔が張られている屏風などの日本文化に影響されたと考えられている。

 

このように意外と遠い国だった日本が、当時のヨーロッパ芸術に影響を与えていた可能性があるとは、とても驚きだった。江戸時代に鎖国を初めて約250年間ほど、公には海外と交流していなかった事もあって、日本独自の文化がとても珍しい物に見えた事だろう。

 

 

『黒いタイをした猫』
by アメデオ・モジリアニャ

こちらはイタリアの画家であり彫刻家でもあったアメデオ・モジリアニャの作品で、細長い面長な顔が特徴的な作品でもある。彼もパリに出て修行し、その後は世界中の民族美術を勉強して、彫刻家としても才能を発揮する。しかし後年は絵画に専念する事になる。

 

彼は35歳という若くして世を去ったのであるが、その当時の内縁の妻も妊娠中だったにも関わらず、数日後に身を投げて自殺している。「ミルクの乱飲とマタタビ中毒で!」とこちらの説明文には書かれているけど、ミルクの飲み過ぎも体には良くないのか・・・と思わず考えてしまった。。

仙台の政
仙台の政

何事もほどほどが一番でゴザル!

 

『赤・黄・青のコンポジション』
by ピエット・ニャンドリアン

こちらはオランダの画家ピエット・ニャンドリアンの作品であるが、素人には単なるマスに赤と黄と青色を塗っただけの作品にしか見えない。こちらは人間界にある絵とほぼ同じであるが、赤色が塗られているマスが四角ではなく、猫の耳型に突起している部分が猫画らしくなっているのが分かる。

 

こちらの絵は直線と3色の原色でしか描かれていないので、描き手がどうのこうのと言うよりも、これを見る人がどう感じるかの方が重要だろう。ボクからしたら最近よく着る服の色が、この原色3色と白になっているので、まさに今のボクが気に入っている色が入れられている所が気に入ったのであるが。。

 

『記憶の個室』
by ネコバドール・ダリッダケ

こちらはカイゼル髭が特徴的でもあった、近代スペイン絵画を代表する画家ネコバドール・ダリッダケ初期の代表作。硬い物と柔らかい物を対比的に表現している絵で、グンニャリ~~と柔らかく溶けたように曲がっている時計はとても有名である。

 

人間界のダリの作品はスペイン旅行時に、マドリードのソフィア王妃芸術センターで観賞していた。このソフィア王妃芸術センターではピカソの『ゲルニカ』がとても有名だけど、このダリの作品だけ写真撮影可能になっていた。

 

 

『ゲルニキャット』
by パブロ・ピキャット

こちらはイタリアの画家で近代芸術でも有名なパブロ・ピキャットの大きな作品で、戦争中に爆撃された街が無残に破壊された世界を描いた大作である。人間界の作品はマドリードのソフィア王妃芸術センターで保管されていて、現物を至近距離から見た事もあるけど、写真撮影は残念ながら禁止されていたが。。

 

高さ約3.5m、横幅も7mを超える巨大なキャンパスに対してピキャットは反戦の意志を籠めて、更には無差別爆撃への怒りも籠めて巨大なキャンパスに入りきらない程の絵を描いた。勿論これほどの大作なので一気に描いた訳ではなく、まずは下絵を何十枚も描いて構想を固めて、約1ヶ月の期間で絵を仕上げたという。

 

勿論無差別爆撃で死んだのは罪のない市民と共に、そこで飼育されていた牛や馬なども絵には含まれている。また乾きの早い工業用絵具ペンキで塗られており、元々は1937年のパリ万国博覧会で飾る壁画を意図して製作されたという。

 

そして奥に進んで行くと絵画ではなく、このような立体的に展示されているゾーンに辿り着く。どうやらここはこのブースで記念写真を楽しめるコーナーになっているようだ。

 

脇のテーブルにはこのバックにいるキャラクターが被っている帽子まで丁寧に用意されており、ご満悦な顔で記念写真を撮るオカンが見える。

オカン
オカン

ここで写真撮り過ぎて、疲れたわ・・・

 

『ゴルコンダ』
by ルネ・マグニャット

さっきの記念写真用ブースの背景は、こちらの絵がモチーフになっていたようだ。こちらはベルギー出身の画家:ルネ・マグニャットの作品で、空中に沢山浮遊している山高帽とスーツを着込んだ男猫が無数に描かれている。

 

このマグニャットという画家は世界的に有名な芸術家としては一般生活が庶民のように平凡だったらしく、約束の時間には遅れないとか、毎晩10時には就寝したり、家も質素だったとか。そして絵を描く時にはこのようなスーツにネクタイ姿だったらしく、また床にインクを落としたりして汚す事もないような優等生だったとか。。

ブッダ君
ブッダ君

芸術は爆発のハズなんじゃけど?!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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