リンゴだらけの弘前からJR奥羽本線で、秋田犬だらけの秋田県大館市に向かう【東北旅行記㊺】

東北旅行記2020年冬-㊺:青森~秋田編

旅行期間:2020年12月1日~8日(7泊8日)
(From Hirosaki, full of apples, take the JR Ou Line to Odate City, Akita Prefecture, full of Akita dogs. [Tohoku Travelogue 45])

秋田犬だらけ?!

さてリンゴの街でもある、ここ青森県弘前市で充分に街見学を行って満足したので、これから秋田県に向かって南下していく事にします。今回の東北旅では青森県からスタートして、秋田県・山形県と巡る予定となっていて、車無しの電車旅だった。

 

 

弘前駅から秋田県大館市に移動!

弘前駅の構内に入ると、リンゴの名産地だけあって、このようにリンゴに特化した自動販売機が設置されているのが見えた。ジュースばかりが内蔵されている自動販売機も珍しいけど、このようにそのジュースでもリンゴばかりというのも特に珍しい事だろう。

 

さっきリンゴ園内でちょっと見学しただけでも多種多様なリンゴの種類を確認できたけど、そこには展示されていなかったリンゴの品種なども販売されていた。しかし、この時はリンゴを2個も食べた後だっただけに、リンゴのジュースは飲まずだったが。。

青森ンゴ
青森ンゴ

勿体ない・・・弘前ではリンゴを堪能しないと!

 

これから秋田県に向かって南下していく訳であるが、今晩の宿泊予定のホテルは秋田市内の秋田駅近くで予約していたが、JR奥羽本線で秋田駅に辿り着く前に「大館市」に少し寄り道する予定を考えていた。大館市というと『忠犬ハチ公』でも有名な秋田犬の街としても知られている場所で、秋田犬の銅像なども設置されているようなので、せっかくなので寄り道をしたいと思っていた。

 

このJR弘前駅構内のホームには、このように弘前市内にある歴史的な建造物のミニチュア模型が展示されているのが見えた。しかし、こちら側のホームにはなくて、端側のホームに設置されていたので、遠くから眺めるだけだったが。

 

こちらが秋田方面に向かう電車で、特急ではなく普通電車。本来なら早く移動できる電車に乗りたい所だけど、東北地方の電車はたとえJRでも頻繁に快速電車が走っている訳でもないだけに、このような普通電車でのんびりと移動せざるを得ない場合が多い。

 

ここ弘前に来るまでは「ひろまえ」と呼んでしまっていたけど、正しくは「ひろさき」である。さすがに一度弘前を訪れてしまうと、色んな事が勉強出来たのもあって、もう二度と「ひろまえ」と呼ぶ事はなくなったのである。

青森ンゴ
青森ンゴ

一般的に「前」を「サキ」と読まないので、意外と間違える人が多いヨ!

 

さてゴトンゴトンとJR奥羽本線の普通電車が、秋田方面に向かって動き出します。今日の弘前市内ではあちらこちらに雪が積もっている光景を目にしたけど、ちょっと郊外に出ると、このように遠くの山が白っぽく綺麗な景色が見られた。

 

 

JR奥羽本線の車窓から! 動画

 

 

初めはチラホラ雪が積もっている光景だったけど、その内にこのような雪が沢山積もっている光景ばかりが見えるようになってきた。人が多く暮らして開拓されている土地ではそこまで雪が積もらないけど、このように人があまり住まない自然が多く残っている場所程に、沢山雪が積もり易いのかもしれない。

 

弘前駅から大館駅までは、約40分ほどの移動時間がかかる。弘前市と大館市の間にある「矢立峠(やたてとうげ)を江戸時代までの人達は歩いて往来をしていたけど、それに比べると簡単に電車に乗って移動できる現代人は快適過ぎる事だろう。

 

白い景色がメインになって見えるような場所になってきたけど、もっと雪が降る2月頃になると、この景色とは比べ物にならない位にもっと雪が積もる事だろう。そう思うと、「よくこんな雪深い場所に暮らせるな~!」と思ってしまいそうだけど、ここに生まれた人達からするとここに住み続ける事が普通の事で、雪が嫌だから出ていくという事すら考えないのかもしれない。

 

こちらは周りが雪だらけの駅だった「陣場」という、明治32年(1899年)には既に開業していた歴史ある駅。隣駅である白沢駅と共に秋田県で最初に造られた駅らしいが、1970年頃に無人駅となっている。

 

 

大阪人からすれば普段このような白一面の景観を見る機会が殆どないだけに、奥羽本線の車窓から見える景色に釘付けになってしまった。大阪では殆ど雪が積もらないけど、このように実際雪が沢山積もる地域があるという事を脳裏に擦りこむ旅でもあった。

 

 

秋田県:大館市に到着!

そしてガタンゴトンと電車に揺られながら白い景色ばかりを見ている内に、こちらの「大館駅」に到着する。さっきまで青森県だったけど、もうここからは秋田県なので気持ちを切り替える必要がある。また先程の陣場駅とは違って有人駅となっていて、ちゃんと自動改札機が設置されていたので、少しホッとした気持ちになった。

 

 

この大館市ではあの映画で有名になった『忠犬ハチ公』が生まれた場所(北秋田郡二井田村:現在の大館市)だけあって、大館市の街ではその秋田犬一色となっている。そしてハチ公はその後、ここ大館駅から貨物列車に載せられて東京へ送られていったという。

 

こちらには大館駅名の由来が書かれているけど、大昔は大館ではなく「比内」と呼ばれていたようだ。なので秋田県北部で昔から飼育されてきた地鶏が、『比内鶏』と呼ばれているという訳である。そしてその後、この地域を治めていた家が大きな建物を立ててこの地方を守っていた事もあって「大楯」と呼ばれるようになり、それが後に「大館」となったそうな。

 

こちらはJR大館駅の駅舎で、至ってシンプルな駅だった。この駅舎は昭和30年(1955年)に建設されたそれなりに古い駅舎だが、この駅舎は2022年初めから始まる工事で、新しい駅舎に建て替えられる予定で進行している。

※新駅舎は2023年秋完成予定

 

 

『忠犬ハチ公』というとボクらの世代だと映画館で観て、その存在を知った世代だけど、実際には映画化されるまで以前に生前から上野ではそれなりに有名だったという。上野に1934年に設置されたハチ公の銅像と共に、ここ大館駅前にも1935年にハチ公の銅像が設置されたという。

 

1987年に公開された『ハチ公物語』の映画は、小学校の授業の一環で見に行った記憶が少しだけ残っている。その当時のボクはまだ小学生低学年だったけど、初めて映画でハチ公の存在を知って、幼きながら感極まって涙を流してしまった。

 


 

【ハチ公物語 予告編】 動画

大人になって再び映画を観たけど、涙は出ませんでした・・

ハゲる前君
ハゲる前君

心が汚れた大人になったという事やろ!


 

そして現在の大館駅前には、戦後の昭和39年(1964年)に設置された『秋田犬の群像』が見られる。忠犬ハチ公の銅像は戦争中に金属回収令によって失われてしまったが、戦後1987年に再建されている。

 

その再建されたハチ公の銅像は当初この大館駅前に飾られていたけど、今ではここ駅前ではなくて近くにある「秋田犬の里」という観光施設が2019年にオープンした際に移設されている。

 

秋田犬って普段あまり見かけないけど、その実物って見た記憶が殆どないように思う。よく見かける柴犬が秋田犬のように思っていたけど、秋田犬は柴犬よりも結構大きいらしくて、柴犬程に可愛らしくないとか。。

 

 

そして大館駅に到着したのが正午の12時頃だったので「この周辺にあるお店で昼食を食べてもいいかな?!」と思っていたら、大館駅前の一等地に建っていた秋田県の駅弁でも有名な「鶏めし」を販売する花善のお店があった。こちらのお店は2017年に新しく造られた新社屋で、販売している鶏めしは全てここ本店で造られており、また昔からの製法を守り続けている為に合成保存料は一切使われていないという。

 

 

大館の街歩き!

ただいつものパターンでそんな大館名物の料理屋さんをスルーして歩き出す。そして、ここ大館市で駅前の秋田犬の像を見るだけを楽しみにしていた訳ではなく、実際に生きている秋田犬を見物できる「秋田犬会館」を訪れたかったのである。

 

ただその「秋田犬会館」は大館駅から徒歩で約30分ほどの離れた距離にあって、ちょっと微妙な距離。それもあってか2019年に大館駅前に「秋田犬の里」という観光客向けの秋田犬が在中する施設が造られており、それが造られた事もあってか、余計に離れた秋田犬会館に行く人が少なくなっているのかもしれないが。。

 

訪れた旅で駅前だけを見て終わったり、電車やバス移動ばかりしていると、その土地の匂いというか、雰囲気などをあまり感じれないように思う。だから秋田犬会館までは徒歩で約30分掛かるけど、そこまで歩く事によってこの大館市の事を体で知る貴重な体験となる。

 

昔は見渡す限り田園風景が一面に広がる場所だったらしいけど、明治時代後半に電車が開通してからは多くの人が往来する事によって賑わっていったそうだ。そして途中に見えた、この廃線跡は1908年に開業した「小坂製錬小坂線」という貨物&旅客鉄道が走っていた路線で、昔の賑わいを感じさせてくれる。

 

ただ昔は賑わっただろう「小坂製錬小坂線」も徐々に利用客が減少していき、1994年に旅客営業が廃止となって、更には2009年に残っていた貨物営業も廃止されてしまう。この大館の街歩きをしていると肌で感じたけど、この鉄道跡のように賑わいを失った廃墟感を味わったのである。。

 

この大館と弘前を結ぶ矢立峠沿いには「秋田杉」が昔から生えていて、ここ大館市ではその秋田杉を利用した『伝統工芸品:大館曲げわっぱ』という湾曲した弁当箱などの容器作りが有名だそうだ。

 

こちらはその伝統工芸品である『大館曲げわっぱ』を生産・販売するお店の店頭に陳列されていた物で、「青森ヒバ」「木曽ヒノキ」と並んで”日本三大美林”の1つとも称される秋田杉が使われている。

 

財政難が続いた江戸時代に、常陸国(現在の茨城県)から移封されてきた佐竹家久保田藩が藩財政を潤わす為に、この自生する秋田杉を活用する事を見出す。そして平穏な江戸時代に活躍の場が無かった下級武士に内職として、この秋田杉を活用した「曲げわっぱ」を作る事を奨励したという。

 

そういう歴史もあって秋田杉を活用して藩財政は潤うが、しかし秋田杉などを伐採し過ぎて自然環境を壊す事にもなり、秋田杉の管理は藩で厳格に行われるようになったという。江戸時代当時には『国の宝は山なり』と家老が言う程に、久保田藩にとっては大事な物だった秋田杉。

 

 

秋田犬会館に向かって歩いていると、雨が降ってきたと思ったら、さすがに12月の東北地方だけあって雪っぽい感じ。

 

その途中にはこちら大館で日本酒を醸造している「北鹿(きたしか)という日本酒メーカーが見えてきた。今日は電車旅なので途中でいくらでもお酒を飲んでも問題ないけど、リュックの中には青森市で購入したニッカの「アップルワイン」を移し替えたペットボトルがあるので、この日本酒は買わずじまいだった。。

 

ここ大館市でも秋田犬の博物室があって、更には生きた秋田犬が飼育されている「秋田犬会館」まで向かう道には、ボクのような観光客らしい人の姿は一切見られない。というよりも殆ど地元の住民も歩いておらず、余計に寂しい街のように思えた大館市であった。。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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