秋田港を見下ろす「ポートタワーセリオン」展望台の入場料は無料!【東北旅行記62】

東北旅行記2020年冬-62:秋田編

旅行期間:2020年12月1日~8日(7泊8日)
(Free Admission to the Observation Deck of “Port Tower Serion” Overlooking Akita Port! [Tohoku Travelogue 62])

高さ100mの景色!

ここは秋田県でも秋田市中心部から北西側の日本海に面している「秋田港」で、かつては「土崎港」とも呼ばれていた場所に建てられている「ポートタワー・セリオン」という高さ143mの大きなタワーが目立つ場所となっている。

 

【ポートタワーセリオン】

住所:秋田県秋田市土崎港西1-9-1
営業時間:9時~21時頃(※展望台の営業時間)
電話番号:018-857-3381
展望台入場料は無料!

 

 

 

「ポートタワー・セリオン」の展望台にて

この「ポートタワー・セリオン」には高さ100m程の場所に展望台が設置されていて、なんとこの展望台の入場料が無料となっていた。日本全国にある大きなタワーの上に造られている展望台なんて、殆どの所が入場料を必要としている場所だらけなので、ここでも秋田県の優しさが出ているように思えた「入場料:無料」だった。

ハゲる前君
ハゲる前君

男鹿半島がよく見える場所だゾ~!

 

この港は戦国時代にこの秋田地方を統一した安東氏が本格的に港として整備して以来、江戸時代に掛けて秋田県内でも屈指の規模の港として活躍した場所。明治時代に近くで石油が産出した為に、戦前までにこの辺りに石油製油所が沢山建設された。しかし第二次世界大戦の終戦前日にその製油所を狙って、アメリカ軍が爆撃を行った為に壊滅的に破壊されてしまった。

ちなみに正面中央に見えている工場は「日本製紙:秋田工場」で、日本製紙というと日本国内でも大手の製紙メーカーの1つで、印刷業界経験者にとってはお馴染みの会社である。ボクも印刷業界で働いていた経験があるだけに、このように聞いた事のある製紙メーカーの名前を聞くと、思わず働いていた時のエピソードなどが思い浮かんできたりする。

 

さてこちらはこのような展望台ではお馴染みの『双眼鏡クン』で、ここ秋田県では初めて出会った双眼鏡クン。最近では新しいタイプで”テレビ望遠鏡”なる新型が導入されている所も増えてきているけど、個人的にはアナログ感溢れる、このタイプが好きなのである。

 

 

展望台からの眺め! 動画

 

 

ここを訪れたのは2020年12月だったので、既に展望台内の装飾はクリスマス向けになっていた。近年の日本では、9月頃からハロウィンイベントの準備をし出して、いざハロウィンが終わると、11月早々からクリスマスに向けた飾り付けなどが始まる。そこには日本人らしい装飾や、キリスト教信者的な信仰心も無く、ただ単にクリスマス商戦にあやかろうという商売人の強欲さが出ているのかもしれない。

 

特に最近ではクリスマスとバレンタイン時期がケーキ屋などで鉄板イベントとなっている事から、寒い時期に欠かせないイベントとなりつつある。しかし本来は元々日本国内では見られなかったイベントであり、そもそもイエスの誕生を祝う事もせずに、ひたすら物を売りつけるイベントと化しているようにも見えなくもない。。

 

それはさておき、こちらはこの秋田港から南西側の方角で、この先にさっきまで滞在していた秋田市内中心部がある。また右側に見えている森林公園のような場所に「秋田城跡」という、中世時代に城が構えられていた場所のようだ。ただ江戸時代に秋田県を治めていた久保田藩の居城があった場所はまた別であり、古い城跡という事もあって、今回は秋田城跡を訪れなかった。

 

こちらは秋田港北側の景色で、かつての土崎港よりも北側に新しい港を整備していって、コンテナ専用ターミナルなども造られている。1950年代以降に世界経済に変革を与えたコンテナの登場により、今では港に必需品の大型コンテナ・ターミナル。昔からの港町となっていた都市はコンテナの登場により、大きな港を新たに建造できない為に衰退していった。

 

先日この『コンテナ物語』という著書を読んだけど、19世紀の産業革命以降の20世紀後半に大きな産業革命をもたらしたのが、この「コンテナ」という大きな箱であったという。大きな鉄の箱に荷物を入れる事によって、輸送途中の手間を大幅に減らして、また大型コンテナ専用輸送船の登場により、世界的な輸送費が驚くほどに安くなった。その為に先進国は人件費の高い自国内での物作りを辞めて、安価な労働力の東アジアに工場を造って輸入する方針に変わった。

 

そのような20世紀後半の世界経済の変革の裏に、このコンテナという発明品があったという事が記されている。また世界中で輸送されている荷物の90%以上が海運で運ばれており、世界経済はITで回っているのではなく、海運で回っている事を強く実感できた素晴らしい本だった。

 

 

戦争中に壊滅的に破壊された秋田港だが、戦後に軍艦として使われていた船が3隻ほど防波堤代わりとして、この辺りに沈められたそうだ。その後に今見られる防波堤が建設され、秋田港を高波から守る各目をしている。

 

この秋田港付近が戦時中に爆撃されたのは、この近くで石油が産出され、それを加工する石油製油所があったからだが、現在の秋田港付近では石油の備蓄タンクらしき物は見られるけど、特に石油などを出荷している様子もない。というのもこの秋田港自体、底があまり深くないので近年にかけて大型化してきた石油タンカーが入って来れない港でもある。

だからわざわざ大金をかけて港の底を浚渫しても、そんなに大量の石油が埋蔵している訳でもなく、投資資金を回収できない見込みなので、石油関係に関しては衰退してしまったようだ。ただその代わりにコンテナターミナルを造った事と、2011年の東日本大震災の影響で被災して使えなくなった仙台側の港の代わりとして荷物扱い量が増え、今では韓国経由で荷物の量が年々増えているという。

 

このセリオンタワーの展望台は3フロアに分かれており、一番下の3階の高さは地上から93mの高さ。1フロアだけだと来場者が多くなった時に混雑する為に、このように3フロアに分けて設置されているようだ。

 

この秋田港から約8km北側に「秋田県立金足農業高等学校」という、近年は秋田でも野球の強豪校として何回も甲子園大会に出場している名門高校がある。その金足農業高等学校から2018年のプロ野球ドラフト会議で、北海道日本ハムファイターズに1位指名された「吉田輝星」投手のサインがあるようだ。

 

そしてこの展望台にも、”世界屈指の魚マニア”「さかなクン」の絵が飾られていた。日本国内では専門の研究職者は近年その存在があまり評価されていないけど、このさかなクンはその突飛なキャラクターもあって、大人気で講演とかでも引っ張りだこのようだ。

 

こちらは令和元年9月に秋田県内で行われた『全国豊かな海づくり大会:秋田大会』の様子が貼ってあり、即位したばかりの令和の天皇皇后両陛下も出席した、秋田でも一大イベントだったようだ。

 


 

『第39回全国豊かな海づくり大会:あきた大会 ダイジェスト』

ハゲる前君
ハゲる前君

「秋田の海は綺麗!」って自慢するイベントだゾ~!


 

 

この秋田港から比較的近い場所にある金足農業高等学校から、ドラフト1位で指名されたのもあって、吉田輝星選手が日本ハムファイターズと仮契約を結んだのが、このセリオンタワー内だったという。最近は秋田の高校生でも野球のレベルが高い大阪出身の中学生がスカウトされてきたりする事が多いけど、吉田輝星選手は正真正銘の地元秋田出身の選手。

 

 

ただドラフト1位で入団しても、必ずプロ野球界で成功できる訳ではなく、そこからローテンション・ピッチャーに選ばれるまでは、まだまだ努力を積み重ねる必要がある。特にピッチャーは肩や肘を壊して期待外れな成績でひっそりと引退する選手も多いだけに、これから吉田輝星選手の成績がどうなるか、楽しみではある。

 

そしてこの一番下の展望台フロアには、その吉田輝星選手がここセリオンで仮契約を結んだ際に窓にサインを記した箇所が残されている。ただこのように普通にそのサインを見ても、背景に見える建造物などに馴染んで、サイン自体がハッキリと確認できない・・・。

 

しかし説明書きにもあるように、少し屈んでサインを下から覗き込むと、このように空の背景の中に吉田輝星選手のサインが浮き出てくるように見えた。こうやって書かれたサインをじっくり見ると、まだプロ野球に入った訳でもなく、仮契約した段階の高校生が将来的にサインを沢山しないといけない為に、「最近練習し始めたサイン」という感じに見えたが。

 

 

展望台から降りる際の景観! 動画

 

 

昔は土崎港として発展してきた港だけど、近年のコンテナ物流革命が起きてから、港は効率化が推進されて、昔から港で働いていて荷物持ちなどが一掃された。その為に最近の港ではあまり働いている人の姿を沢山見かける光景が無いが、このセリオンタワーのようなランドマークタワーを建設する事によって、寂しい港の景色も多少緩和され、また観光客を呼び込める場所と化している。

 

秋田市内で最後の夜!

セリオンタワーの展望台から充分に秋田市内や秋田港の景色を満喫し、今日の予定を終了してそのままアッサリと秋田駅に戻ってくる。楽しみにしていたテレビで取り上げられた”うどんの自動販売機”を体験し忘れていたけど、その代わりに空襲された秋田の歴史なども学べたので、充分に満足だと思う事にした。

ひたすらに前向きに考えます!

ハゲる前君
ハゲる前君

人間は前しか見えないゾ~!

 

さて秋田駅付近に戻ってきたものの、またどこかで晩御飯を食べるお店を探すかと考えて周辺を少し歩いたけど、昨晩も同じように秋田の街をウロウロしたけど、あまり良さげなお店が見つからなかったのを思い出す。もしまた今日も同じように街散策をこれからしても、恐らく今日も昨日訪問した「ひよこカレー」か、その隣に店を構えていたラーメン屋さんの2択になりそうな予感がした。

 

かと言って、宿泊している「コンフォートホテル秋田」近くには、コンフォートホテルと提携していて割引対応してくれる全国チェーン居酒屋の「魚萬」とか「白木屋」などしか見えない。

ただこのようなお店は全国チェーンのアルバイト君などが主体の面白みの無いお店なので、入りたいとも全く思わないし、平日の秋田の夜には全然人通りも無かったので、お客さんも全然入っていない様子だった。お店の呼び込みで立っていたお兄ちゃんも、全然人通りが無いのでお客に声を掛ける事もなく、呼び込み同士で雑談しかする事がない状態だった。。

 

という事で今日は外食を諦めて、このような夕食とは言えない”アルコール類とツマミ系”でホテルの部屋で夜を過ごす事にした。ホテルの部屋でアルコールを飲みながら、秋田県で入手した観光地情報などが満載されているパンフレットを見たり、明日に移動する山形県の情報などを調べたりしながら、秋田最後の夜が更けていくのであった。。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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