尾道水道沿いの遊歩道を散策してから、尾道らしい狭い坂道に突入していく【尾道&岡山旅行記⑧】

尾道(広島)&岡山旅行記2021年3月-⑧

旅行期間:2021年3月某日(3泊4日旅)

足腰にいい坂道!

尾道 尾道水道 景色

さて初めてやって来た広島県の尾道。いつもながら訪れた場所の知識があまり無いので、とりあえず周辺を歩いて散策して何かを見つけながら勉強していくのが、ボクの毎回のルーチンワークでもある。

 

 

尾道市内を散策!

尾道 海岸通り 建物

弟の嫁さんが広島県出身という事もあって、旅行前に会った際に今度尾道に行く事を伝えると、「尾道行くんですか? 尾道って、特に何もないですよ!!」というコメントが帰ってきた。

それを聞いて”灯台下暗し”の言葉が浮かんできたけど、広島に住む人だったら広島弁や広島風お好み焼きなんて小さい頃からの常識なので、特に特別な事に思わないのだろう。

 

尾道 海岸通り 

ある程度の年代の人に尾道の話をすると「千光寺」という言葉が返ってくる確立が高い。という事はその千光寺はそれなりの歴史があって有名な寺だろうけど、この尾道に来るまで千光寺の存在自体を知らなかったのであるが。

もみじ饅チャン
もみじ饅
チャン

千光寺の桜は毎年広島県民が見に来る、有名な場所じゃけ!

 

尾道 海岸通り 建物2

尾道という場所は明治時代に山陽本線の前身である「山陽鉄道」が開通して、一旦は終着駅となっていた事もあって、広島県東部の都市においては人口が一位になる程、そこそこに経済発展していった。しかし1960年代頃から周辺に平地が多い福山駅側に主導権が移っていき、経済的には衰退してしまった街でもある。

 

尾道 海岸通り 船着き場

そして海岸通りを歩いていると、途中に「福本渡船」という看板が見えてくる。こちらは対岸の向島に渡るフェリー乗り場で、自動車も乗れるフェリーなので、そこそこに車が並んでいたりする。

 

この「福本渡船」は6時30分~20時頃まで運航していて、対岸の向島までは約3分。1台のフェリーがピストン運航しているので、約10分間隔のダイアとなっているようだ。運賃は大人60円、車は乗用車で運転手含め100円と、車利用者にとって快適な足になっているようだ。

 

尾道 海岸通り 船着き場

この渡船が無ければ、向島まで行くにはもう少し東の方にある橋を渡らないといけない。1968年にその尾道大橋が開通するまでは、普通にこの渡船が一般的に利用されていたので、その名残りとして今でも運航しているのかもしれない。

もみじ饅チャン
もみじ饅
チャン

こういった向島までの渡船も、尾道名物じゃけ!

 

「おのみち海辺の美術館」ストリートにて

尾道 海岸通り おのみち海辺美術館 看板

そしてこの辺りから尾道水道沿いに散策路が整備されていて、その水道沿いの道が「おのみち海辺の美術館」というアートな地域になっていた。

 

【おのみち海辺の美術館】

住所:広島県尾道市土堂の海岸一帯
電話番号:0848‐38‐9184
入館料:勿論、無料

 

 

尾道 海岸通り おのみち海辺美術館 看板

この尾道は昭和時代に色んな映画のロケ地ともなった場所でも有名である。こちらの壁に埋め込まれていたパネルは、小津安二郎監督作品で1953年に劇場公開された『東京物語』という映画のワンシーン。

 

尾道 海岸通り おのみち海辺美術館 レリーフ

主演は原節子さんで、国内だけではなくロンドンやニューヨークでも劇場公開されて、高い評価を受けた作品のようだ。ただ、この映画は見た事が無いので、尾道に行く予定のある人はこの『東京物語』や、尾道出身の大林宣彦が監督した『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』などの”尾道三部作”の映画を見てから行った方が趣深く観光できるかと思う。

 

 

『東京物語 ニューデジタルリマスター』予告編

 


『時をかける少女』(1983)劇場予告編

もみじ饅チャン
もみじ饅
チャン

この『時をかける少女』で映画デビュー・初主演した原田知世が若い!

 

尾道 海岸通り おのみち海辺美術館 像

この水道沿いの遊歩道には、20点近くの絵のパネルが埋め込まれていて、それ以外にもこのような像も数体飾られている。この「おのみち海辺の美術館」は、2009年に”尾道市市制施行110周年記念事業”と、”尾道ライオンズクラブ結成50周年記念事業”の一環で造られたようだ。

 

尾道 海岸通り おのみち海辺美術館 像

こちらの金色っぽい外観をしていたのは、『潮』というタイトルの像。尾道の水道沿いでは、対岸にある向島が約200mしか離れていないので、瀬戸内海に繋がる海というよりは、川に思えてしまう。しかし、こちらの像はこの尾道水道が川ではなく、海の一部という事を主張する為にこのようなタイトルが付けられていたのかもしれない。。

 

尾道 海岸通り おのみち海辺美術館 水飲み場

こちらは面白い形をした水飲み場が設置されていたけど、設置されてから長い年月が経過しているからか、このように本体部分の色がかなり剝げてしまっていた・・・。

もみじ饅チャン
もみじ饅
チャン

尾道の古さがバレてしまったじゃけ・・・

 

尾道 海岸通り おのみち海辺美術館

この尾道は2010年代から年々観光客が増えている事もあって、この中国地方でも人気の観光地となっているようだ。そして春休み期間という事もあって、この水道沿いには20歳前後の若者の姿が沢山見られた。年配の観光客よりも、最近は若者が増えているような景色だった。

 

 

尾道 海岸通り おのみち海辺美術館 階段の絵

こちらは2年に1度開催される『絵のまち尾道四季展』で、第11回グランプリを受賞した作品の「猫」

最近猫好きになってきたボクにとって、歴史的でアート感溢れる街並みよりも、実はこの猫ちゃんを期待してきたのです。

今回も懐っこい可愛い猫ちゃんと出会えました!

 

 

尾道 海岸通り おのみち海辺美術館 「渚」 像

そして、こちらは『渚(beach)』というタイトルが付けられていた像。こちらの少女はちょっと体の線が細くて、簡単に折れてしまいそうにも見えてしまった・・・。

 

尾道 海岸通り おのみち海辺美術館 

単なる波止場の堤防として無機質なコンクリートの壁を眺めるよりも、このように人の眼を楽しませる工夫などがされているのが、観光客を惹きつける要因の1つにもなっているのかもしれない。勿論この工夫だけで観光客が増える訳ではないけど、こういった小さな楽しませる工夫が重なりあって、相乗効果となる事だろう。

 

尾道 海岸通り おのみち海辺美術館 

そしてこの水道沿いは風が吹き抜けて気持ちいい場所でもあるので、そこら中に観光しに来た若者の姿を見かける。若者達からすれば、街の歴史を知る事よりも、このような目の前に見えている景色を見ながら、まったりとコーヒーを飲む方がいいように見受けられた。

 

シネマ尾道 建物

こちらは駅近くにあったシネマ尾道という映画館。”映画の街”とも称される尾道だけあって歴史ある映画館かと思っていたら、実は2008年にオープンしたそこまで古くない映画館だった。1960年代頃には尾道だけで10館も映画館があったらしいが、それ以降はテレビの普及で客足が鈍り、次々と閉館していって2001年に最後の尾道の映画が閉鎖になってしまった。

 

そんな尾道に生まれた、ある女性が”映画の街”とも称された街に映画館が1館も無い事を嘆き、NPO法人を立ち上げて募金なども集めて映画館を復活させたという。

もみじ饅チャン
もみじ饅
チャン

映画のロケ地だけど、地元の人は意外と関心ないのか・・・

 

尾道 海岸通り 像

こちらは尾道駅前の再開発が行われた2000年に、『ベルポール(美しい港の意味)』の完成を祝って設置された、記念のモニュメント。そしてこの台座の上に座っていたキャラクターは、この尾道出身の漫画家「かわぐちかいじ」とその弟が尾道の四季をテーマに描いた原画から、モチーフとして設置された物だという。

 

尾道 2号線沿い 景色

さていつもの旅だったら、まず目的地に到着してから宿泊するホテルに荷物を預けに行くのであるが、今回はこの坂道の尾道でも、その坂の一番上の高台にあるホテルを予約していたので、敢えてホテルには寄らずに尾道の街を先に散策する事にしたのだ。

 

尾道 2号線沿い 本通り商店街 景色

そして駅近くに見えたのが、「尾道本通り商店街」という東西に渡って約1kmも続くアーケード商店街で、尾道の繁華街的な場所でもある。ただ少子高齢化社会の影響でシャッターが閉まっている店舗もそれなりに見られたけど、近年は観光客が増加しているので、新しい店主がオープンしたお店なども見られて、そこそこに地方ながら元気在りそうな雰囲気を感じた。

 

尾道 2号線沿い 山陽本線 線路

この尾道の街は目の前に見える山陽本線の線路に分断されている街でもある。ただこの線路を境に棲み分けが出来ているかのように、線路から海のある南側は商店などが建ち並び、坂の上は住居や寺などが密集しているエリアとなっている。

 

尾道 尾道市立土堂小学校 階段 入口

さてこれから適当に尾道の坂道を進んで行く事にする。なお、今晩宿泊するホテルはこの写真中央上部分に小さく見えている白の建物であるが、そこまで登っていくにはこの大きな階段の左側にある小道を進んで行く必要がある。

 

なお右側の大き目の階段を登っていくと、そこは約120年の歴史を持つ「尾道市立土堂小学校」となっている。この小学校は尾道出身の林芙美子や大林宣彦の出身小学校であり、色んなアニメなどにも出てくるロケ地でもある。

ただ観光客からすれば、この階段が小学校の入口だとは思わないので、間違えて小学校に進んで行く人もそこそこに居そうに思える階段だった。

 

尾道 坂道 通路

そしてここから気の向くままに、尾道の坂道を適当に進んで行く。このような細い坂道のエリアは、下手したら知らずに私有地の敷地内に入ってしまう事も多々あるので、それだけは気を付けて進むとする。ただ、このような観光客が多い場所だと、親切に「これより先、私有地の為、立ち入り禁止!」と書かれている事が多いと思う。

 

尾道 坂道 通路 自転車の空気入れ

そしてこの辺りに造られていたマンションは、ギリギリ自転車で入れる坂道だったので、このように自転車の空気入れが紐で吊るされている光景も見られた。自転車付近には置かずに、このように吊るされている光景は今まで見た事が無かったので、新鮮な光景ではあった。

 

尾道 坂道 通路 寺巡り

そしてここから先は階段になっていて、上の方には石垣が見えて城っぽいような雰囲気も出てくる。ただこの尾道は江戸時代に広島藩の領内だったが、特に城などは築かれる事はなかったようだ。ただ、今回宿泊する坂の上のホテル近くに、1964年に観光資源用として「尾道城」なる模擬天守が建てられていたという(※現在は解体されている)

 

尾道 坂道 通路 寺巡り

尾道の街は第二次世界大戦時にアメリカ軍からの空襲被害が無かった為に、昔からの寺院などがそのまま残っており、そこそこの数の寺が密集している事もあって”小京都”と呼ばれる事もあるとか。経済的な面で隣の福山に覇権を奪われてしまった尾道だが、その代わりに空襲される程の都市と認定されなかった為に爆撃を免れたようだ。

もみじ饅チャン
もみじ饅
チャン

「相撲に負けて、勝負に勝った!」的なヤツじゃけ!

 

尾道 坂道 通路 寺巡り 持光寺

そして階段を登っていくと”古寺めぐり”というコースが出てくる。この辺りから寺が沢山並んでいるエリアとなっていて、その寺を巡るコースは石畳で整備されていた。

 

 

「日輪山金剛台院:持光寺」にて

尾道 坂道 通路 寺巡り 持光寺 入口

そのまま道を進んで行くと、まず1つ目の寺が見えてきた。こちらの寺は「持光寺(じこうじ)という、浄土宗のお寺。創建は800年代のようで、平安時代に造られた国宝になっている絵を所蔵しているようだ。

 

【日輪山金剛台院:持光寺】

住所:広島県尾道市西土堂町9-2
営業時間: 9時~16時30分頃
電話番号:0848-23-2411

 

 

尾道 坂道 通路 寺巡り 持光寺 石碑

800年代に創建された時には”天台宗の寺”だったそうだが、1382年頃に”浄土宗の寺”に改宗したそうだ。寺の世界には詳しくないけど、このような寺が改宗するというのは、それぞれの宗派の勢力争いの結果なのかな?

 

尾道 坂道 通路 寺巡り 持光寺 本堂

こちらは持光寺の本堂となっている。動物写真家の岩合光昭さんの『岩合光昭の世界ネコ歩き』というNHK番組で、この尾道を訪れている回があった。

 

その放送の中で、このような寺の中で猫を飼っている寺を訪れて撮影しているシーンがあった。それを見てその寺に行きたいと思っていたけど、そこまで真剣に見ていた訳では無かったので、その寺の名前を分からずに訪れる事が出来なくて残念であったが。。

もみじ饅チャン
もみじ饅
チャン

その辺で猫ちゃん見れるから、ガッカリしないでね!

 

尾道 坂道 通路 寺巡り 持光寺 案内板

こちらの案内板には、この寺に保存されている国宝の『絹本著色普賢延命像(絵)』についての内容となっていた。この絵は平安時代末期の仁平3年(1153年)に制作された作品のようで、戦争の空襲で爆弾を落とされなかった尾道だけあって、歴史的な文化財が守られる事になったのである。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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